ダーク・ファンタジー小説
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- 翼は消えない
- 日時: 2021/12/30 22:11
- 名前: 無色彩蜀 (ID: B3O778cF)
第1話 ○○○ >>01
何も見えない、真っ暗な闇。動こうにも身体は言うことを聞いてくれない
声を出そうにも出る前に身体の中で掻き消されてしまう
助 け て く れ
声にならない言葉が口から出たその時だった
「大丈夫、君が信じるモノを信じ切れば...きっと」
優しく、懐かしい。そんな声が聞こえる
言葉にならない声を必死に出して叫ぶ
「オマ、えはイッッダイだれナンだ?」
声は優しくそして淋しそうに笑い
「私が誰かは君自身が見つけなきゃ、ほらもう目覚める時間だよ?」
その瞬間闇は消え眩しいほどの光が視界を埋めた
「おーい、おーいっ!!起きろ!この寝坊助ッ!!!」
「イッデ?!何すんだよ??!!」
頭にきた衝撃と共に上を向くと不機嫌顔の幼馴染みが立っていた
「何すんだよ、じゃないわよ!この寝坊助!!今何時だと思ってんの?」
その言葉と同時に時計を指差すコルエ
「あー、、10:35?」
「そうよ!そして私との約束は?」
約束、、、
「あ!!...じゅ、10:00」
「9:30よ!!この馬鹿ゼルア!!」
物凄い形相で睨むコルエ
これは下手なこと言ったら鉄拳が下るだろう(汗
「わ、わりぃ!今度お前が食べたがっていたケーキ奢るから!!」
鉄拳を喰らいたくない一心で拝む
アレを食らうと真面目に痛い...
「..はぁ、早く支度終わらせてよね?下で待ってるから」
まだ少し不機嫌なものの鉄拳は回避できた
それにしても、あの夢は何だったのだろう
やけにリアルだったせいか気味が悪い、、早く忘れたいのに絶対に忘れてはいけない、そんな気がする
「ねえ!!まだなのー?」
下から怒号が聞こえてくる
「今いくー!!」
急いで着替えを終わらせ荷物とそれからペンダントを持ち
下に降りる
「遅いんだけど〜!!」
ふくれっ面で此方をみるコルエ、この様子だとそれ程怒ってないらしい
「ほら、行くよ!!今日はリベルタス学園の入学式何だからさ!」
リベルタス学園、、それは魔道師を目指すものなら誰もが憧れる場所だ
世界屈指の魔道師を何人も輩出しており魔法学園としてはとても名高い学園だ。
「えっと、確か此処だよね?」
薄暗い森の前、此処に入ったら間違いなく迷いそうだ
「多分..コルエ、チケットは持ってきたか?」
「当たり前じゃん!!はい、これはゼルアの分ね!」
リベルタス学園入学式へのチケットを持ち呪文をいう
「「Mapiko ku ufulu(マピコ ク ウフル)」」
一瞬辺りが明るくなったかと思うと
目の前に城のような場所が広がった
「やぁ、いらっしゃい。どうやら君等で最後のようだ♪」
声のする方を向くと綺麗な顔立ちの少女が立っていた
「えっと、どうしたの?もしかして迷って入ってきちゃったのかな?」
コルエが少し膝を屈ませ少女の目線に合わせて話しかける
「ムっ!!一応ボクは君等よりも年上だよ?コルエ・エステラそれからゼルア・シェトルツ」
少女はそういい此方を笑顔で見つめた
「なんで俺達の名前を、?」
「そんなの簡単だよ〜なぜならボクはこの学園の教師だからね!
ほら行こ♪もう説明会が始まっちゃう!」
そういい目の前の教師(?)は俺らの手を掴んだ
「時間もないからワープしちゃうね♪」
「「え?」」
何かを呟いたかと思った次の瞬間、そこは体育館のステージの真上だった
「あっ、ミスった〜」
キーーン
マイクの音が体育館中に響く
「。。。席に付きなさい、それからアルバ先生あとで学園長室に」
まるで物語の仙人のようなお爺さんが笑顔で言う
「「「はい、、」」」
さっきの人はアルバ先生というらしい
席に戻ると周りから呆れた目や好奇心、色々な視線が向けられていた
俺は悪くない!!!そう叫べたらどれほど楽だろうか。。
- Re: 翼は消えない ( No.1 )
- 日時: 2022/01/01 12:00
- 名前: 無色彩蜀 (ID: B3O778cF)
無事(?)入学式も終わってクラスに着いた
「じゃあ、私はこっちの席だからまたね..」
「嗚呼、、また後で」
流石のコルエでも先のは大分恥ずかしかったようで
すんなり静かに、ッと言うよりも落ち込んでしまった
「なぁアンタ先の入学式バカ目立ちしてた奴だろ?!!」
後ろから声を掛けられた振り返ってみると笑顔でVサインまでしてくれる
「まぁ、、色々合って(汗」
「そっか!でもチョーカッコ良かったゼ!!俺はザグファ・テアン
気軽にザグファって呼んでくれ!」
笑顔で握手を求めるザグファ
赤い髪色も相まってまるで太陽みたいな奴だな、そんならしくもない考え方をしてしまう
「ありがとう、俺はゼルア・シェトルツ」
「いい名前だな!宜しくゼルア!!!」ニシッ
そう笑い手をとるザクファそしてまたふっと思い出したように
「そういや、なんでお前らは落っこちてきたんだ?」
俺はアルバ先生との出来事をザクファにすっかり話していた
「え?!きみっ、アルバ先生を足に使ったってマジ??!!」
偶々通りかかろうとしていた金髪の男子が顎も外れるような表情で
聞いてきた
「いや、足に使うっていうか、無理やりやられた見たいな?」
「というかお前誰だ?」
「僕はルプロ・ヴァバール!君ら知らないの?!
リエル・アルバ先生、通称アルバ先生のこと!!」
「アルバ先生って入学式で魔法失敗した女の先生だろ?」
ザクファがそう答える
「そうなんだけど!彼の人、超強い魔道師らしくて!なんでもこの学園の教師の中で一番強くあの少女っぽい姿も魔力を抑えるためにやっているとか!」
そう熱弁するルプロ
「いや入学式で彼の先生魔法ミスってたじゃん」
本当に酷い目に合った、、
「そう!だから不思議なんだよ!魔術師なんじゃないかと噂されている
アルバ先生が失敗するなんて、、君らアルバ先生になんかした?」
訝しむような目で俺を見てくるルプロ
しかし俺に心当たりなんてものは一つも無い為、首を振る
「そうだよね〜そんな凄い人を失敗させるような魔法を君が知っているとも使えるとも思わないしね」
その言葉に俺より先に反応したのはザクファだった
「おい!そんな言い方はねえんじゃねえか!!」
ルプロの首元を思いっきり掴むザクファ
「は?本当のことを言って何が悪いの?離してくれないかな、脳筋」
途端に険悪な雰囲気になるザクファとルプロ
「おいっ、お前らやめとけよ」
これ以上目立つのはごめんだ、そう思い止めようとしたその時
「静粛に、、」
いつの間に入ったのだろうか、俺たちの目の前に立つ四十代後半らしき男
いかにも規律などに細かそうな顔
「入学初日から問題を起こすな、、テアン、ヴァバールそれからまだ
問題を起こす気か?シェトルツ」
ギロッと俺たちを睨んでくる
というか又ってなんだよ、俺なんもしてないんだが???
「さて、自己紹介が遅れた、、今年一年君等の担任となる
バルバト・ドグマだ。諸君らは決して馬鹿なことをせぬように
入学初日から暴れるなど以ての外だ」
俺たちを睨みながらそう喋るドグマ先生
「では御機嫌よう」
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