ダーク・ファンタジー小説
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- 君は死んだはずなのに※1話完結
- 日時: 2022/05/10 20:41
- 名前: ゆあ (ID: hsews.TL)
俺の名前は、伊藤(いとう)氷雨(ひさめ)。今日は生まれた時からずっと一緒だったこの場所から引っ越す日だ。いよいよか、と思うと少し寂しくなる。父が小さい時に亡くなり、ずっと母子家庭だった家は生活も良い方ではなかった。色々とあった末、引っ越すことになった。責めて、この地を離れる前に居なくなっては欲しくなかった。もう少し待ってくれれば、、、。
「やっと見つけた!もう、なんで引っ越しちゃうかなぁ。」
聞き覚えのある声、、、でもそんなはずはない。咄嗟に振り返るとそこには、3ヶ月前死んだはずの時雨(しぐれ)がヤッホー、とニコニコしていた。
「時雨!?なんで?3ヶ月前死んだはずなのに。」
「えっとね、、、未練があって『じょーぶつ』とかってやつが出来ないらしい。」
じょーぶつ、、、きっと成仏のことだろう。
「それで、氷雨に手伝ってもらおうと思って!私のこと見えてるのも氷雨だけみたいだし、、、」
俺だけ、、、か。でも一体なぜだろう。
「なんで俺だけ?」
「親友だからじゃない?知らんけど。」
いや、知らないのかよ。
「ま、そのことは置いといて。行こ!未練探し。」
そう言って、俺の手を引っ張ってゲーセンやら、クレープとか言う甘いやつを食いに行った。
「お前遊んでるだけじゃない?」
「あはは、バレたか。ま、いいじゃん!未練見つけたら、もう帰ってこれないわけだし。」
『帰ってこれない』そう聞いただけで、涙が出できそうだ。
「ねぇ、海行こうよ!海!」
そう言って彼女の白くて細い綺麗な指が指した先には昔2人ではしゃいでいた海があった。俺らはこの海のことを“宝物”と言っていた。「ほら、ボーッとしてないで行くよ!」
そう言って俺の頰を引っ張る。痛かったから、
「うわわっ!わかったって!」
と答えた。
坂を駆け降りた先にある。俺らの“宝物”。この町で唯一、変わらなかったとも言えるほど昔と全然変わっていない。
バシャッ
軽快な音と共に冷たさを覚えた。
「隙あり!」
毎回ココ(海)に来るたび言い合った言葉、『隙あり』。水を掛け合いビショビショになって、帰って、怒られて。時雨が風邪ひいて、お見舞い行ったら、移ったことあったな。
「やったなぁ!」
そう言って水をかけ返す。
そして疲れ果てた俺たちは砂浜に倒れ込んだ。
「はぁ、やっぱ9月の海は寒すぎるって。お陰様でビショビショw」
「ごめんてw」
少しの間が開いた後、時雨は口を開いた。
「ねぇ氷雨。私ね
氷雨のこと、好きなんだ。」
そう言った後、俺の目の前から時雨は消えた。いや、正しくは『この世界から消えた』
本当に一瞬のことだった。本当は5分くらいあったのだろう。だが、俺はそう感じた。
俺はまだ残暑が残る9月の空の眩しいくらいに光る太陽に手を翳しながら、こう話した。
「なあ、聞こえるか?時雨。お前もホントひでぇ奴だなそんな言葉言って逝くとかよ。俺から一つ言わせてくれ。俺もお前の事が好きだ。」
END
- Re: 君は死んだはずなのに※1話完結 ( No.1 )
- 日時: 2022/05/10 20:53
- 名前: ゆあ (ID: hsews.TL)
残暑が残る、世界にたった一つのこの場所に、一人の少年の『叶わない』という恋の結末が創り出したこのお話を、最後まで読んでいただきありがとうございます。
今後も是非、私の小説を読んでいただけると幸いです。
ゆあ
- Re: 君は死んだはずなのに※1話完結 ( No.2 )
- 日時: 2022/05/12 16:35
- 名前: 紅葉 (ID: GzJPdjfy)
涙だばぁぁぁぁぁ、、
かんどぉぉぉぉ
ごめん、私語彙が死んでるんだわ!
幸せになって欲しかったぁぁx((テメエ語彙力直す気ないだろ
コメ失礼します!
- Re: 君は死んだはずなのに※1話完結 ( No.3 )
- 日時: 2022/05/12 19:08
- 名前: ゆあ (ID: hsews.TL)
紅葉さん!
コメントありがとうございます(*☻-☻*)
ここからは、皆さんの感想などありましたらご自由にどうぞ!
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