ダーク・ファンタジー小説
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- あの日の空を覚えていますか?あの流れ星を。
- 日時: 2022/05/16 20:37
- 名前: ゆあ (ID: hsews.TL)
prologue
「だめ!行かないで!お願いだから!」
「ごめん、もう行かなきゃだよ。人魚姫のお姉さんたちが人魚姫を呼んでるかのように、私もあれに呼ばれてるんだ。」
君が指したのは夜空に流れた一つの流れ星だった。
- Re: あの日の空を覚えていますか?あの流れ星を。 ( No.1 )
- 日時: 2022/05/16 20:48
- 名前: ゆあ (ID: hsews.TL)
ピピピッ
「うるさいなぁ」
ピピp
目覚まし時計を止め、階段を駆け降りる。机には目玉焼きとパンが置いてあった。ついでにメモも。
「んーと、『今日は遅くなるかも』か。」
母は仕事で忙しく、夜帰ってくるのが遅いのはいつもの事だから、もう慣れた。
「いただきますボソッ」
時は過ぎ、学校
「それでねぇ!」
「え!嘘!」
「うわ!ひっど!無いわー。」
うるさい、うるさい、うるさい、うるさい!
毎日ガヤガヤガヤガヤとお前らはアヒルかよ笑。
キーンコーンカーンコーン
ガラガラガラ
「授業の前に転校生を紹介する!」
- Re: あの日の空を覚えていますか?あの流れ星を。 ( No.2 )
- 日時: 2022/05/18 18:53
- 名前: ゆあ (ID: hsews.TL)
「入っていいぞ。」
そう言われ入ってきたのは、綺麗で長い黒髪を白のリボンでハーフアップに束ねた、可愛らしい少女だった。まるで、この教室という地獄に天使が舞い降りてきたような、そんな感じだった。
「自己紹介どうぞ。」
先生も明らかに態度が違うな。
「えっと、儒星学園から転校してきました、水咲流月です。よろしくお願いします!」
儒星(せい)学園。それはうちの学校を超えるほどの実力を持つお嬢様校。明らかにうちの学校に来るべきでは無さそうだが、何か目的でもあるのだろうか。
「じゃ、流星の隣な。」
申し遅れた。俺の名は流星。流れるに、星と書いて、流星だ。つまり水咲と隣らしい。
「よろしくね。えっと、、、」
「鳳流星だ。」
「どうやって書くの?」
「鳳凰の鳳でおおとり。それで、流れる星で流星。」
「了k」
「おい、流星!転校生が隣で嬉しいと思うが、うるさいぞ!」
注意されちゃったね、と笑う君を見ているとどこからともなく胸が高鳴った。
その時はまだ知らなかった_
こんな事が起こるだなんて。
- Re: あの日の空を覚えていますか?あの流れ星を。 ( No.3 )
- 日時: 2022/05/19 20:07
- 名前: ゆあ (ID: hsews.TL)
「センセーさよなら」
「おう、じゃあな!酒井。」
「てんてぇたよならぁ。」
「お、おう。じゃあな、藤原。」
先生も大変だな。
「お・お・と・り・君!」
「うわぁ!」
俺の目の前に突如、流月が現れた。咄嗟に頼りない声を出してしまった。
「ちょ、うるさいよ〜!」
ごめんて、と謝る俺に対して、もー!と、頬を膨らましているところを見ると、笑いが込み上げてきて、結局、話を始めることができたのは笑いの嵐が去った後だった。
教室には、俺と流月だけになってしまった。先生は笑っている間に帰ったのだろう。
すると、
「一緒に帰ろうよ。」
ゑ?
「今なんt」
そう言おうとした時
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
と音がした。
君(流月)は無意識だろうが、俺に抱きついていた。
やがて、音は収まった。大丈夫か、と流月に問うと、頬を赤らめながら
「あ///ごめん、無意識に。」
そう言った。
窓の外を確認すると、信じ難い光景が広がっていた。
学校いや、ここ東京中心部に値する場所全てにおいて水浸しになっていた。
空を見上げると、『空』と言うものが、跡形もなく消え、水に浸っていた。
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