ダーク・ファンタジー小説
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- 死にたい担当です
- 日時: 2022/05/26 20:57
- 名前: ゆあ (ID: hsews.TL)
『死にたい』
何度聞いたかわからない程自分に問い詰めた。
でも、もうこれで終わりなんだ。
もう、怖くなんか無い。
これで
これで
この世界とはおさらばだ。
- Re: 死にたい担当です ( No.1 )
- 日時: 2022/05/27 20:52
- 名前: ゆあ (ID: hsews.TL)
今の時刻は夜の23:46。24:00にここから飛ぶつもりだ。
ここは展望デッキだ。ここのデッキは柵があるだけで特に警備なんかされてない。それどころか25時まで開いている。こんな良いところがあるなら、もっと先に知っておくべきだったな。
月が私を照らす。
24時だ。
さよなら、この世界。
バイバイ。
目を瞑り、静寂の中に聞き分けた誰かの足音。
今すぐとばなきゃ。
スッ
あれ?腕を掴まれてる。嘘だ。死のうとしたのに、誰が、誰が邪魔をした⁉︎
ヒョイ
デッキの上に上げられた。
「お前!何で死のうとした!」
目の前に安堵した表情を見せる男子がいた。背の高さ的に同い年か?
「こっちのセリフだよ!何で邪魔した!」
一言言い出すと、怒りが止まらなくなった。
「私は、死にたかった。死を望んでいた。そんな人間を助けたところでお前に得なんかない。お前がと助けたせいで勇気を出した意味が!意味が!」
ポロポロ
「ハンカチです。全部全部吐き出して良いんですよ。沢山、沢山泣いてください。きっと楽になれます。」
この人の言葉は、
優しかった_
- Re: 死にたい担当です ( No.2 )
- 日時: 2022/06/09 17:47
- 名前: ゆあ (ID: hsews.TL)
「『優等生だから』で全部済ませられるのが嫌だった
姉と比べられるのが辛かった
もう、演じるのが疲れた
優等生だなんてならなきゃよかった
辛かった
でも辛いだなんて言ったら殴られる
痛かった
口に出すともっと殴られた
だから口答えせずに耐えた
誰かに自分を認めて欲しかった
才能ではなく、自分という存在を
自分というものが何かわからなくなって生きる意味もわからなくなった
生きる意味を見つけたくて必死に探した
そして見つけたんだ
歌が生きる意味だって
アニメなら、『ここから家族の言いなりになんかならないって』出て行って成功して家族にやっぱり戻ってこいって言われて、
最終的に論破して終わる。でも、現実は違った。
歌を、認めてもらえなかった。
『お前は紗羅(姉)見たいになれ!歌なんてやってる暇があったら勉強しろ!』って。
気づいたらもうボロボロになっていて、死ぬことを決めた。
死ねば、死ねば、楽になれる。
楽にッゲホッゴホッ」
「水、いる?」
「ゴクン、プハッ」
「落ち着きましたか?」
言葉にはできないほど叫んだのだろう。声が出なかった。
でも楽にはなれた。
コクッ話すことはできないから頷いて返事をした。
「辛かったですね。僕にはわからないですが、あなたの気持ちが少しでも軽くなれたなら嬉しいです。」
「あ、あのっ、おなっ、まえは?」
できるだけ出る声で、カッスカスの声で名前を聞いた。
「僕ですか?僕はですね翡翠と申します。」
「翡翠さん、いい名前だなぁ。宝石の名前をつけてもらうだなんて、かっこいいですね。とか言ってる自分も宝石の名前なんですけどね。」
「なんて名前なんですか?」
「瑠璃。」
「瑠璃さん、」
そう言った瞬間
黄金色に輝いたものが私を纏った
そして
一気にどっと重みが増した
「一年、頑張って生きてみてください。きっと何かが変わります。」
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