ダーク・ファンタジー小説

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俺の美少女版 ”外伝”
日時: 2022/07/20 21:43
名前: メクスィィィー (ID: QGavJw1Z)

「マスタ~ぁ。もぉ~一杯~。」
バーで美少女が酒に溺れていた。
「ほほほ。ちと、飲みすぎなのではないのですか?アクアさん。」
ワイングラスを洗いながらマスターが言った。
「いいの。やけくそだから。」
アクアがそっぽ向いて小声で言った。
「彼のこと・・・ですか?アクアさんの心に宿ってたという。」
マスターが目を細めなが言った。
「・・・うん。今日は彼がいなくなった日だから・・・」
アクアが酔って揺れた声で言った。

アクア・レズリビア・リズ。
15歳で成人になり、”大賢者”と別れた。親元を離れてはいるがたまに顔を出しに来る
”大賢者”のことについてはごく一部の人にしか話していないそうで、マスターがその一人だ。
彼氏はいたが、暴行・性的暴行を受け、すぐに別れた。

「はい。もう一杯お出ししましたよ。」
マスターが愛想良く微笑みながら酒をアクアに渡した。
「ありがと。」
グイッと酒を飲み、何も言わず、金を払いバーを出た。
「お気をつけて。」
マスターが見送ると、無言で振り向かず手を振った。
「ただいま~」
アクアが言った。
「おかえりなさいませ。お嬢様。」
アクアの家は広く、周りにたくさんの使用人がいた。
「今日は、もう寝るから、お風呂はもういい。」
アクアがそう言い二階へ上がり寝室へ行った。

ときどき、こう思う。彼ともう一度会いたいと。
ときどき、こう思う。彼と重なって、快楽を得たいと。
女の子は器があって、年ごとにワインが注がれていく。
ワインが器からこぼれると爆発して欲にまみれる。
ときどき、こう思う。最初からやり直して、運命を変えたいと。
無理だってことはわかってる。だけど・・・もし・・・できるんだったら。

アクアが服を脱ぎ裸の状態で鏡を見つめる。
自分の体をまじまじと見つめた。

私のこの体に、あの人がいた。そう思うと、胸がドキドキして体が熱くなる。
それとともに、耳、頬、額などが赤くなり汗をかく。
これが・・・恋というやつなんだろうか?
私は彼氏とかかわっていた時、何も起きなかった。そういうものなのだと思ってた。
不意に告白されて、不意に堕とされかけて、不意に殺されかけた。
あのときは怖かった。ただ、彼氏が来ないようにと怯える日々だった。
ドキドキとしたら、恋じゃないのが今ようやくわかった。

そのままアクアは服を着るのも忘れて、等身大のぬいぐるみを抱きかかえ、寝た。
「失礼します・・・?お嬢様・・!?服!」

翌日
両親から手紙が届いた。
一通の手紙。
私の机の引き出しを整理していたら入っていたそうだ
話によると、彼が”現”に行く前に残したメモらしい。
封筒を破り捨てて読んでみた。
「このメモを読んでるなら、俺はもういないんだろうな、お前から。たぶん、この世界は”現”の世界の昔のい世界なんだろうな。”現”のことについての本を読んでる時だ。しゃべる板ってあっただろ?あれはたぶん アイボン6くらいだった。だから俺が使ってたやつは アイボン12だ。
つまり、ここは昔の世界だ。だから、俺が”現”のところに行った時には・・・もう・・・」
そこでメモが途切れていた。

その翌日
私はいつも通りポータルを開いた。
最近、高等学校というものに通い始めた。”現”の世界の勉強も面白い。
もともと、彼が宿っていたから、勉強ができるのかと思っていたが、私自身も勉強できるらしい。

高校で、教科書、ノートなどを抱え廊下を歩いていたアクアに誰かがぶつかった。
「あ、すいませ・・・ん・・・」
アクアが顔を上げた

そこにいたのは”私”だった。

「すいません。前向いてなくって。ごめんなさい。」
”私”が言うとアクアは手を伸ばし彼の髪、耳、頬などを触った。
「え?・・・あの・・なんですか?ちょっと・・・」
”私”の耳、頬、額が熱く、赤くなっていく。
「・・・ぁ。」
アクアが小声で言い、涙をこらえきれず、あふれだした大粒の涙をこぼしながら廊下を走った。
「ちょっと!」
”私”が呼んでも私が振り向くことはない。
もう彼とはあっちゃだめなんだから。彼にはあってはいけないから。

数年後、
アクアも高校を卒業し、”私”も高校を卒業した。
”私”には彼女ができていた。
これでよかったのか、と後悔したがそういう定めなんだと知っている。

本当に誰だったんだ?あの廊下の女子。
急にぶつかったと思えば顔を触ってきて、泣いてどっか走っていくし・・・でも、なんか見覚えがある。

数ヵ月後
12月のクリスマス。
もう”現”ではサンタクロースが子供たちにプレゼントを渡しているだろう。

サンタクロースってそういうことだったのね。
そりゃそっか。

男性が女性をかばって車にはねられ死亡するという事故が起きた。
そのことをアクアは知らなかった。

久しぶりに家へ帰った。家が何か新しくなったような気がする。窓越しから少しいえが見えた。
父さんと母さんが若かった。おかしい。
そう思うと、そこに歩いてきたのは
























幼いころの”私”だった。
私はまたも泣きながら逃げた。
走って走って走り続けた。




6年後。
そんなこともあったが、いつも通り、”現”に行き、バーへ行き、酒をたしなみながら、マスターと会話をし、家に帰り、風呂に入り、自慰行為をし、寝る。
そんな生活がずっと続いていた。

ある日
いつも通り、”現”に行った。
信号を渡り辺りを散歩していた。すると大きなクラクションが聞こえ、トラックにはねられ辺りが暗くなった。

その数時間後
アクアは目を覚ますと水の中にいた。ただの水じゃない。自分は水面に上がれず、息ができる。ただ深い底に堕ちていくだけ。
今までの記憶。それから見たことのない記憶。私が彼と一緒にキスしている記憶。さまざまな記憶が流れて水面に上がっていく。
いろんな記憶があったがようやく底に着いた。

薄れていく記憶の中でまた、新しい記憶が私に入ってきた。
私が初めて歩いた記憶。母の胸に飛び込み、謝った記憶。
何か頭の中で声がする。
(なによ、うるさいわね。)
私はその声を出してまた、新しい記憶を巡る旅を続けた。

いやぁ~長かった~!
外伝書くの疲れた。
ストーリー矛盾してたらごめんなさい(-_-メ)

~あとがき~
おそらく、これで俺の美少女版は完結です。
読んでいただきありがとうございました。どうだったでしょうか?わからない部分も解けたと思います。
あと、”もしかしたら”また外伝を出すと思うので、よろしくお願いします。


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