ダーク・ファンタジー小説

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fearboys【フィア―ボーイズ】
日時: 2022/06/23 21:24
名前: 睡眠本 (ID: HQL6T6.Y)

「恐怖病院」。通称「恐院」。





その名の通り今日も今日とて





悲鳴が響き渡る。





「…。」





僕にもいつか笑える日がくるのかな?

恐怖病院の1日 ( No.1 )
日時: 2022/06/25 00:16
名前: 睡眠本 (ID: HQL6T6.Y)

朝、僕は目を覚ました。



いつも起きるたびに聞こえるのは悲鳴や喚き声。



窓はカーテンで閉じられているため、日光はここに来た頃から見ていない。



日光がどんな色かすらも覚えていない。



「おうキフ!起きねぇと恐与官に怒られるぞ!」

「…起きる。」

「お前、いっつも起きんの遅ぇもんな!」

「…んぅ。」

「ほら、起きろっ!」

「キフ!起きないと恐怖を与えるぞ!嫌なら早く起きろ!」

バシンッ



恐与官に鞭で叩かれる。



…痛い



まぁいいか。

「キフ!コルト!朝飯の時間だ!食堂に行け!」

「はーい!」

「はい。」




「…なぁ。」

「…?…なに」

「お前ってさ。どんなに殴られても、怒鳴られても泣いたりしねぇじゃん?」

呼吸が止まるかと思った。

「なんでなんだろって思ったからさ!」

…。

「…で?なんでなんだよ?」

「…わかんない。」

僕もなんでかわからない。

「…そっか!」

「じゃあいいや!よし、食堂行こうぜ!」

「…うん。」

怖食堂〈ふしょくどう〉

「おはよう!今日の飯はこれだ。席について食え。」

「はい!恐与官!」

「はい。」


「よしっキフ!食うか!」

「…うん。」

パチンッ

「いただきます!」

「…いただきます。」

ただひたすら食べる。

恐与官が食堂から去る。

ああ。


始まる。

「ねぇ。そこの君。」

モグモグ
「…。」

「おーいっ!聞こえてんのか!?」

「…え、僕?」

「ああ、そうだ!君だよ!」

またか。

「お願いなんだけどさ!そのご飯くれないか?お腹が減っちゃっててさ~。」

「…いいよね?」

どうするかな。

「…ごめんなさい。…無理。」

あ、怒った。

「ふざけんなよ!いいから、よこせ!」

「…ぉい。」

「あ?なんだよてめぇ…っ!?」

「そいつ俺の友達なんだよ。殴ったりでもしてみろ。恐与官呼んで酷い恐怖を味わわせてやるぞ。」

「…チッ!」

あ、どっか行った。

「コルト、いつもありがとう。」

「別にいいんだよ!ほら、食うぞ!」

「う、ん。」

「…?キフ?どうしたんだ?」

「お腹いっぱい…。あげる。」

「またかよ…。まぁ食うけど。」

普通の人よりご飯が少ないと恐与官が言ってた。

だから、ご飯はとても大切なものらしい。

大体の人はほかの人に欲しいと欲張るらしい。

まぁ、僕の知ったこっちゃないが。

恐怖のテスト ( No.2 )
日時: 2022/06/25 00:15
名前: 睡眠本 (ID: HQL6T6.Y)

朝食の時間が終わると、



今日も恐怖のテストが始まる。


テスト用の部屋は20部屋。1部屋に30人でテストを受ける。


ここの病院は実力主義。実力がなければ死んでしまう。


何で知ってるかって?


恐与官がここに入る時に皆言われるんだ。

5歳の子供がね。

でも、例外があるらしい。

噂だと、1歳からここに通っているすごい子がいるらしい。たしか女の子だっけ…?


「なぁ、アイツじゃね?1歳から通っている女って。」

「え?…多分そうじゃない?」


茶髪に紫色の瞳。髪は腰の上らへんまで伸びている。


顔はなにに対しても無関心そうな顔が僕に似ていたような気がする。

「アイツ、お前と似た顔してんな!」

「だよね。僕も思った。」

コルトも僕と同じことを思っていたようだ。


その女の子は誰とも喋らずに無言で歩いていた。

ここの病院の患者は合計600人。

でも、毎日のように死人が出ているから、何人生きているかわからない。

「…。」

その子は寝そうな顔をしているようにも見えた。

「…?キフ、どうしたんだ?」

「いや、なんでもないよ。」

「ていうか、今日のテストできっかな~」

「コルトならできるよ。お互い頑張ろ。」

「おう!…って、キフはいつも満点だから気にしなくてもいいんだよな。いいなぁ~!」

「そうかな?別に満点は普通だと思ってるけど。」

「っかぁ~!これだから優等生は困るねぇ~」

「優等生?」

「おうよ!あ、もうすぐテスト部屋に行かねぇと!じゃあな!おまえはA—1だっけか?」

「うん。じゃあね。コルトはBー1でしょ?早くいかないと間に合わないよ?」

「あ、やっべそうだった!行ってくるわ!じゃあな!また会おうぜ!」

「うん。またね。」







「これから、恐怖のテストを開始する!鉛筆を手にしろ!」




さあて、恐怖のテストが始まるぞ。

脱落者の悲鳴 ( No.3 )
日時: 2022/06/25 00:45
名前: 睡眠本 (ID: HQL6T6.Y)


問題を聞きながら頭を回転させる。


これくらいなら、余裕だ。


そう思い、あくびをしながらテストの回答を書いていた。


だけど、他の皆はあくびをしているどころじゃないらしい。


まぁ、そりゃそうだろうな。



「お前なんかいなければ良かったのに!」


「お前なんか出ていけ!」


「この恥さらしめ!」

テスト中は自分の中での最も恐怖となる人物や物の音、声を聞きながら、テストをするのだ。

つまり、


ここにはおかしな奴らしかいないってこと


僕もそうだけどね。


Aクラスはここの病院の患者の中で恐怖に耐え続けているのだ。


だけど…

「ひっ…。…ぁ。」


1人の女の子が悲鳴を上げてしまった。


恐怖に耐えれるからとはいえ、まだまだ小さな子供なんだ。



「あい!」

「は、はいぃ…!」

「お前は失格だ。テストが終了後、拷問部屋に来い。」

「あ、は、はいぃ…。」

なきそうな女の子はとても可哀そうだった。


どんなものにも無関心の僕でも同情してしまうほどに。


「…。」




ピーッ


テストが終了の合図が鳴った。




ようやくテストが終わる。

少女の行方 ( No.4 )
日時: 2022/08/02 14:34
名前: 睡眠本 (ID: HQL6T6.Y)


テスト終了後

「終わった~!キフ、お前、どうだった?」

「まあまあかな。」

「とかいって、キフは100点出すから怖えんだよな~!」

テストの話をしていると、悲鳴が聞こえた。

「…今の悲鳴…誰のだ?」

「多分、僕と同じランクの子だよ。あの子、悲鳴出したのこれで5回だから、ランク下げられるんじゃないかな?」

「へーってなんで知ってんだよ!?」

「2以上のものは数えないと気が済まないんだ。」

「お前の場合は1でも数えるだろ…」

そう、この病院にはランクがある。

高いランクを維持し続ければ、ここからでることが出来る。

一番下のランクが、確か、Fランクで、Fー5からスタート。

F-1を一周間の間維持していれば次のランクのEランクの一番下、Eー5へ。

E-1の次はDー5

Dー1の次はC-10

cランクが一番大変だ。

正直言って、F、E、Dランクはそんなに怖くない。

Fはほとんどいないからね。新しくいっぱい入ってきた人はいたけど、1ヶ月でほぼ全員が次のランクへ突入していた。

5が、いきなり10になるのだ。

僕自身、この5や10の数字は達成度みたいなものだと思いこんでいる。


でも、cランクが終わっても、苦痛は続く。

Bランクにたどり着く前に、ほとんどの患者、というか子供は過労死とかで死んでる。

だから、BランクとAランクは「恐怖少年」や「恐怖少女」って呼ばれて怖がられている。

でも僕から言ってしまえば、ここに入っている時点でみんな怖いのではないのか?


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