ダーク・ファンタジー小説
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- 死にたい僕と消えたい君2
- 日時: 2022/07/16 22:42
- 名前: 夏芽 (ID: ZmzvuLpA)
僕は意味が分からなかった。
「はい?一緒に死ぬ?僕達初対面ですよね?なんの冗談ですか?」と質問の連打をした。
少女は「そんなに質問されたら、何から答えたら良いか分からないよ~ せめて3つにして?」と戸惑っていた。
僕は「すいません では」と改めて質問した。
「1つ目 何故僕を誘ったんですか?」と質問した。
少女は「簡単だよ~私も自殺しようと思ってたの でさ、君が死のうとしてると思ったから声をかけたら、丁度君も自殺してるって分かったから」と丁寧に説明してくれた。
続けて僕は「2つ目 何故僕が死ぬってわかったんですか?」と質問した。
彼女は「勘かな でも、いかにも死ぬ人の目をしてたから」と答えてくれた
「3つ目、一緒に死ぬって?」と質問した
「う~ん 心中みたいな感じなぁ」と迷いながら答えてくれた
今までの話を聞いてると、嘘や煽っている訳ではなさそうだ。
彼女は真剣に初対面の男と心中しようとしてるのだ。
彼女は「どう?してくれる?」と言った。
別に何人で死のうが関係ないなと思い、僕は
「良いですよ 宜しくお願いします」と頭を下げた。
彼女は「決まりだね」と笑っていた。
すると、注文していた飲み物がきた。
僕がココアを飲んでいると「ってかさ、君ずっと俯いてるね」と声がした
そして僕の顔を掴み、顔を上げてきた。
僕は、驚いて飲み物を吹きそうになった。
その子の目は黒く、闇が深い色だった。しかし、彼女は笑っている。その矛盾に僕は苦笑いしか出来なかった。
(この子は闇を抱えて生きている)と簡単に察する事が出来た。
よく見ると、非常に可愛らしい女子が前にいた。
髪は黒とピンクの2色で、手は細く、所々傷跡が残っていた。
服は黒色が多く、いかにもメンヘラみたいだった。
手首には、予想通りリスカ跡が多数残っていた。
一応「その傷はどうしたの?」と尋ねると「分かってるくせに」と呆れた声が返ってきた。
彼女は「想像に任せるよ」と言ったが、服装が物語っていた。
そして少し世間話をしていた時に、彼女が唐突に
「黒崎 棘」と言った
僕は意味が分からなくて「はにゃ?」と疑問を浮かべた。
彼女は「何その声 おもしろ~」とにやけた。
僕は「悪かったですか 意味が分からないと変な声が出るんです」と睨んだ。
「君っていい反応するねぇ」と彼女は僕を見て、にやける。
そして「私の名前だよ」と答えを言ってくれた。
僕は「どうして名前を?」と疑問に思い、質問すると
「だってこれから死ぬんだし、名前くらいは知りたいでしょ?」と彼女は当たり前の様に言ったが、正直僕はどうでも良かった。
だが、彼女 違うな 棘は名前が聞きたかったらしい
「私は言ったよ?次は君の番」と言ってきた。
最初は「どうでも良いでしょ」とか「知って何の得になるんですか」とか言って回避してたが、逃げれなくなり
「進藤です」と名前を言おうとすると「フルネームで」と念を押された
僕は仕方なく「進藤 健斗です」と本名を名乗った。
「健斗くんね~」と棘は納得する。
初対面なのに名前呼びとは案外陽気な人物なのだろうか