ダーク・ファンタジー小説
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- 【ちょいどんでん返し?】地球の裏側に届く愛情❶
- 日時: 2022/07/22 14:26
- 名前: らじゃ (ID: tes3uZgg)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13385
そんなこと絶対にあり得ないと,彼女は思いました。
そして目の当たりにした現実から目を背け,すくんだ脚を必死に動かしたんです。
彼女は走って行きました。助けなど呼べないとわかっているはずなのに。。
絶対に信じたくなかった。
愛する両親が,轢かれた事を。
自分がこの目で見た,倒れて動かない家族を。
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今でも思い出したらゾッとする。ゾーイが見たのは、紛れもない交通事故でした。
あの翌日に現場に戻った彼女は,両親は昨日のことで疲れて,路上でそのまま寝落ちしたのかと思いました。
彼女があの時親が寝ていたのは,永遠の眠りだったと気づいたのは,旅に出てからのことです。
ゾーイにはそれを思いつく暇がなかったのです。
可哀想な小さな女の子の頭の中は,お兄ちゃんのことでいっぱいでした。彼女には,兄のポールに両親の訃報がしっかり届いたのか,彼はこれからどう生きていくのか,そういう事が心配だったのでした。この街には一つだけ孤児院があるのですが,汚くて騒がしくて,おとなしいゾーイには我慢なりません。兄には,絶対にそこにだけ入って欲しくありません。
ポールに訃報が届いたのは次の日の朝でした。と言っても彼もまだ幼かったので,きっとすぐには理解できなかったでしょう。親にもう会えないことまでは行かずとも,とっても悲しい事だというのは,子供でも察することができたようで,間も無くポールの大きな目の端に大粒の涙が流れてき出てきました。こういったとき,育児経験のないひとは随分戸惑ってしまうようで,訃報を伝えにきた従兄弟のマークも,たじたじしながら宥めるのでした。
結局のところ,ポールはマークの家に引き取られました。ゾーイはそのことを知る由もありません。きっと未だ心配しているんでしょう。
え?ゾーイはどこかって?
かわいそうに,ゾーイにはもう行く宛がありません。残飯をもとめてふらついていると,大型のトラックが向かってきました。彼女は,吸い込まれるように,ゆっくりと,トラックの前に歩み出ました。あとは,もう,わかるでしょう?
次にゾーイが目覚めたのは,