ダーク・ファンタジー小説

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風変わりなドリンク達
日時: 2022/10/02 22:55
名前: 糖液糖 (ID: xFdKC5ra)

==注意書き==
あくまでも暇つぶし程度の感覚で書いて参りますので、予め完成度や文の構成能力については下に見てもらえると助かります。
一つ一つの投稿でのボリューム(文の多さ)にはばらつきがあると思いますが、基本的にはちびちび投稿していく予定なのでご了承願います。
==以下本編==

人類の繁栄から何千万年後、地球ではかつてのような生命の活気は失われ、暗い星と化している。

その一方で火星ではちょっぴりおかしな生命が誕生し、覇権を握っていた。

炭酸人、"炭酸人間"だ。

彼ら彼女らは地球で生まれた人間とは違うエネルギーを摂取し、その"性質"を活かしたちょっとした"特技"を持っている。

そして各々生きるため"仕事"を行う……。

そんな世界で、一人の少女は自分に対して不満を抱いていた……。

Re: 風変わりなドリンク達 ( No.1 )
日時: 2022/10/02 20:42
名前: 糖液糖 (ID: xFdKC5ra)

心地よい。酸素を多く含んだ風が肌をなぞる。
組んだ両腕をひんやりとした鉄柵の上に乗せ、いつものように弱酸水の海を眺めていた。こうしていると何もかも忘れられそうで……。

私には幼少期の頃の記憶が全くない。気づいた頃には社会の中に溶け込んでいたのだ。液体に気体が溶け込むように、とても自然な感覚である。

「ふぅ」と深く息を吐くと鉄柵の側から離れ、近くに置かれているベンチに腰掛けた。
そして服のポケットに手を突っ込み、【水素】と書かれたねずみ色の缶を取り出すと、それを開け出す。

〈開ける音〉
カチカチ…パキッ

スゥーっと水素が漏れ出る音が聞こえ、開け口をそっと口元に運ぶ。

吸い終わると、「プハーッ」と声を漏らし(やっぱ水素は美味い!)と心中で言った。

Re: 風変わりなドリンク達 ( No.2 )
日時: 2024/03/17 21:14
名前: 糖液糖 (ID: xFdKC5ra)

日頃のストレスや仕事での失態。人間関係など、何もかも上手く行きにくい私に取ってこの水素補給は至福のひとときである。

局放送
『今日のキーワードはこちら"ニカタン補給"です!日々の酸生に飽き飽き?そんな貴方、ニカタン補給を欠かしていませんか?二酸化炭素の過度な接種不足は心身共に悪影響を引き起こします。こまめな接種を心がけましょう!酸酸局は皆さんの身近な話題をお届け。話題提供はこちら☓☓☓まで──』

……馬鹿馬鹿しい。
決して捻くれている訳ではない、と思うのだが、どうにも私の感性は他の人とは合わない。二酸化炭素の接種?あんな不味いもの体に入れられるかっつーのよ。それも毎日!
それに比べて水素はとっても体に馴染むし美味いのだ。これがやめられないのである。
顎を上に突き出し缶に残った水素をグイッとちゅうちゅうする。すると突如空の日光が遮られ、頭上に人影が出現した。

「こーら、またネロったら水素なんか飲んじゃって!」
そう人影が言ったかと思うと「あっ」と缶は取り上げられ宙に遠ざけられる。
──メロダだ。
彼女は私の数少ない友人であり、数少ない私の理解者、のはずなのだが。こうして水素を飲んでいると怒ってくる。

「水素は体に悪いの、昨日も言ったばっかでしょ」
もう飲み終わったもんねーと舌をペロッと出す仕草を見せつけると、メロダは呆れたような表情をする。貴方のためを思って言ってるのに、と。そんなことを言われてもニカタンは不味い、そう何度も言っているのだが…。

「メロは私のおかーさんか」
むーと頬を膨らませるメロダ。可愛い。

ザ…ザザ
『第三地区お住まいの職員は直ちに職場へ向かってください。繰り返します──』
ぎゃーぎゃー言っていると区内に放送が流れ出した。また憂鬱な仕事の時間だ。放送を聞いた私とメロダは職場へと走り出す。

Re: 風変わりなドリンク達 ( No.3 )
日時: 2024/07/31 21:53
名前: 糖液糖 (ID: xFdKC5ra)


1.強酸監督コーガ

"フィーズフィア第三地区"
それが私達の住む地区である。地区は全てで三つ存在し、第三、第二、第一、と数字が低くなるにつれ階級が高くなっていく。つまり贅沢が出来る地区か否か、ということだ。
第三地区は一番の貧困層で、日々死物狂いで仕事をしなければ生きていけない。

(駆ける音)タッタッタッ
しばらくすると、白を基調としたレンガ造りの家々がまるで列を作るかの様に姿を現す。

ヒソヒソ……
(おい見ろよ、緑のタグだぜ…)

ヒソヒソ……
(穢らわしい……)

職場に行くには第二地区を通らなければならない。その度に"糖無し"の連中がジロジロとこちらを見てくるのだ。

「たくさん稼げよー!」ケラケラ(笑い声

こいつらは肉体労働というものを知らないのだろう、皮肉にも全員綺麗な手をしている。私達が働いているお陰で自分達が暮らせていることが分からないのだろうか。

数分足を走らせると、海岸が顔を出す。
"O酸海岸"(おーさんかいがん)だ。
そこには一際目立つ人影が一つ。それは職員全員が集合の目印としている取締役、コーガ監督のものだ。

「2.6秒遅刻!前回に続いて、ネロとメロダは遅刻者だ!次回こそは直す様に!」

(職員らの笑い声)アハハハハハハ!!
私はぎろりと周りを睨み見る。メロダは苦笑いを浮かべた。

「す、すみません、明日からは気を付けますので……」
次は減給だぞ!と監督はサングラスを光らせ言う。

Re: 風変わりなドリンク達 ( No.4 )
日時: 2024/10/31 22:34
名前: 糖液糖 (ID: xFdKC5ra)

「ちぇっ可愛くないやつ、そう睨まなくたってよ」
そう口を尖らせて嫌味ったらしく言うヤツの名前は"レモ" 私がこの場所に新しく入った時から何かと突っかかってくるいけ好かない男だ。

「うるさい、いちいち構ってもらわないと死んじゃう病気でも持ってんの?」
しつこいのは毎度の事だったが今回ばかりは周りからも笑い者にされるわ、怒られるわで堪忍袋の尾が切れる寸前であった。
その横でメロはあわあわとしている。

「はぁ?なんだ、お前こそ自業自得のくせに」
正論である───が、今はそんな事どうでも良かった。

「いいわ、それじゃ今日のノルマ、私が先に達成したらその憎たらしい口を開けるのもうやめてもらえる?」

「ちょっとネロ!」
メロが横から割って入るが、今の私達の耳には入らない。

「ハッ冗談も大概にしろ、あのノロノロしたお前がか?この俺と勝負しようってのか」
ニヤニヤとしながらレモは舐め腐った態度を取る。その時ブチブチと何かが切れる感覚があった。

「言ってくれるじゃん?じゃあアンタが勝ったら何でも言うこと聞いてあげる」
勢いでなんて事を言ってしまったんだろう、内心ハッとするが、もう遅い。

その事を聞いたレモは何だか躊躇った様な表情を一瞬浮かべた後、直ぐ様ニヤける。
「言ったな?なんでもだぞなんでも」

Re: 風変わりなドリンク達 ( No.5 )
日時: 2024/11/08 21:14
名前: 糖液糖 (ID: 5CfDMEwX)

パスワード紛失による再投稿を行います。ご迷惑をおかけします。その際にタイトルや一部文を一新いたしますが、内容としては変更ございません。
以上によりこちらのスレッドでの投稿はこれ以降行わず、新しいスレッドでの投稿に切り替えます。


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