ダーク・ファンタジー小説
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- 能力と英雄#3 ~ジイサンとの逆心~
- 日時: 2022/11/15 19:00
- 名前: ぷちとまと。 (ID: rdX62NDu)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
備考
・「すれ違いで開く愛扉」配信開始 ・月2回のイラスト投稿 ・クリスマス限定配信予定 「クリスマスの小説カキコに、短編集ができました。」予定
・能力の慣れ、研究所。目次追加 ・作家プロフィール月1回の更新 etc,,,
ということでこれからも進化していくぷちとまと。をどうぞよろしく!!
11月15日
名前改名 「能力の慣れ、研究所。」から「能力と英雄」
第3章 ジイサンとの逆心
第1話 ほんとのこと全部話してやるよ。 >>01 >>02 >>03 >>04
第2話 mixed Feelings >>05 >>07 >>08
第3話 未来とともに、計画予定。 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13
第4話 失敗死=○○○○? >>14 >>15 >>16
第5話 not Ordinary Love >>17 >>18 >>19 >>20
~あらすじ~
「私たちの子。ああ、大好きよ。可愛い子。」
「えへへへ~。」
アカナは私たちの親。周りにいるみんなは、兄弟。私たちは貧困で飢えていた。それを、いつからかアカナが助けてくれた。私たちは元は貧困だったけれど、今では何不自由ない生活。暖かい家族、暖かく照らしてくれる家、暖かいベッド。これを一体だれが不自由というのだろう。私は、私たちはそう思っていた。しかし、今までの暖かい思い出は、ある人物によって打ち砕かれるのである。とある日、地下の奥深くにひっそりと住んでいたジイサンと言われている人に出会ってから、この家は偽りかもしれないと思っていく主人公――アカリはこの家で家族と一緒に「能力」を使って懸命に生きていた。能力を駆使し、今や同年代のアイマという天才にまで追いつけた。そんなアイマも、ジイサンとの出会いを重ねて、この家には秘密があると思っている。まだまだ信じたいアカリと、質問を繰り返すジイサン。果たして、アカリの未来は―――!?能力を持った子供たちよ、永遠の約束を結びだせ!
- Re: 能力の慣れ、研究所。#3 ~ジイサンとの逆心~ ( No.1 )
- 日時: 2022/11/07 21:14
- 名前: ぷちとまと。 (ID: rdX62NDu)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
ほんとのこと全部話してやるよ。 1
「ウソ…でも・・・みんな・・・・ベリーは、研究所にッ!・・」
ジイサンとの一問一答が終わった後、アカリの表情は悲しみと憎しみの両方であふれかえっていた。
それもそのはず、ジイサンはボロボロの杖で、布をひっくり返すと防犯カメラがあり、
それを見るとベリーのボロボロの顔があったからだ。日差しが入る明るい空も今はアカリたちを
嘲笑っているかのように、ぎらぎら、ぎらぎらただ光っていた。アイマは、ただただ黙ってアカリを
見つめていた。
「アカリさん・・・だったかな。」
「ううっ・・。」
アカリはまだこらえきれず泣いている。そんなアカリを、ジイサンはやさしく見つめた。
「アカリさん。よくぞ、ここまで生きてきた。生き抜いてきた。あなたの声が、命が、どうか神に届きますよう、お祈り申し上げますぞ。」
ジイサンの優しい、暖かな目で、ようやくアカリは「ありがとう」といった。
🧸5分後🧸
「本当だったんだ。全部。」
隅に追いやられた防犯カメラを部屋に隠してから、アカリはつぶやいた。
「アイマは、研究所に送られている兄妹を見て悲しくなかったの?寂しくなかったの?」
「俺は・・・。」
突然の質問に、アイマは目が赤くなった。そして、目に涙がたまっていく。
「俺も、そうだった。ジイサンの言葉が信じがたかった。悲しかった。お前らが寝たときに、あれが夢となって出てくるのも、怖かった。」
アカリが目を見開く。まるで、アイマのようじゃない。そう、涙目になったアカリが伝えている。
「けど、けどな。」
「俺が、俺たちが、研究所を終わらせる。そう、決めたんだ。」
はにかむような、アカリを元気づけるような笑みに、アカリはまた涙が止まらなくなってしまった。
「死ぬのが怖い、兄弟が人知れず死ぬのが怖い。怖い、怖い、怖い。けど、そうやって怖いを体験していくうちに、なんだか「助けよう」っていう勇気が湧いてくるんだ。俺らで終わらせる、この研究所を。そう、誓ったんだよ。……だから、な、助けようぜ、終わらせようぜ、研究所。俺らはそういう意味で生きてきたんだ。アカリ。」
手を差し出すアイマ。その手は、ただ一つの希望で、アカリはぐしゃぐしゃの顔でも、手をちゃんと取った。
「大丈夫、大丈夫だからな、アカリ。本当のこと、全部話してやるよ。一緒に泣いて、一緒に笑って、最低の人生を生き抜こうぜ。」
「うん・・・!」
アイマたちをみたジイサンは、とある過去のことを思い出していた。まるで、カーテンからのぞく夕日のように、怒りがわいていたあの頃のことを・・・・。
- Re: 能力の慣れ、研究所。#3 ~ジイサンとの逆心~ ( No.2 )
- 日時: 2022/11/13 19:50
- 名前: ぷちとまと。 (ID: rdX62NDu)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
ほんとのこと全部話してやるよ。 2
確か、儂が11か12だった時だ。
儂は兄妹の中で一番好きだったのが、あの子だった。
あの子は慣れもすぐ突破したし、皆に優しいし、このうえなくかわいい、天使のような子だった。
研究所も、すぐには出なくて、ただ14歳までに研究所に行くのが13歳で行ってしまったのだが。
研究所に行くとなった時はうれしいやら寂しいやらで手を振り、「研究所でも、頑張ってね。君なら
大丈夫。だって、君だもん。」この時間を大切にするように、しばらく間をおいてからあの子は
言った。「わかってるよ、大丈夫。あなたも、頑張ってね。私も頑張るから。「能力」研究所で待っ
ててね。」
あの時の寂しさが、研究所の意味を後々知ることになった理由になるとは儂は思いもしなかった。
…さっきも言った通り、儂は1年過ぎても研究所に行かないもんだから、儂が研究所に行ってみよう
と思ったんじゃ。儂らを育てた人たちは、研究所のことをとくに触れなかったもんだから、行って
見ようと思ったんじゃ。今思えば、たんなるバカの行動なんじゃがの。
5m近くある塀を能力で何とか乗り越えた。あとは、研究所の前に二人番人がいたが、儂の能力は攻
撃性ではない。従って近づかないといかん。儂は二人の番人を眠らせてから研究所の中に侵入した
んじゃ。「あの子の名前・・・あの子の名前・・・。」儂は人がいないか警戒しながら、研究所の中
を探した。あの子にあったら何を言おう。そして、うまくやってる?と聞こうかな?そう思うだけで
ワクワクするもんだから周りなんて全く見なかった。もちろん、人には警戒したがね。ようやくたど
りついた、あの子の名前が入った看板を見て儂は喜び、あの子がいるか確かめようとした、その時
だった。
ブッ・・・・シャアァアァアァッ・・・・
半分以上赤い部屋にいるあの子は目の色は暗く、何も覚えてないような顔でナイフを持ったまま、
そこに立っていた。儂はもう信じられなくて、折角あの子がいるのにすぐに逃げた。
帰りの研究所の通路に研究員らしき姿の人が何かしゃべってこっちに向かっているのが見えたので、
儂はまだ顔が青くなりながらなんとか隠れ、研究員の会話に耳を澄ませた。すると、この研究所の
本当の秘密が見えてきたのは言うまでもなかろう。「知ってるか?この研究所の意味。」
「そういえばまだ聞いてなかったなぁ。どんな意味なんだ?」 「なんでも、ここのボスは殺し屋を
欲しがっていて、小さい飢えた子供を救ったふりをして能力が手に入る注射を打たせ、大きくなった
やつらに殺し屋をやらせるらしくてよ。ここは殺し屋をつくる研究所なんだってよ。」
「へぇ。ボスはそんな奴らを欲しがっているのかい。怖いねぇ。で、実際殺し屋になったやつは
どうなっているんだい?」
「そういえば確か、ボスの家が宮家だそうで、殺し屋のことを「お掃除係」と言っていて今でも
いろんな殺し屋を殺し屋として掃除し続けているんだってよ。」
「そうなのかー。すごいなぁ。殺し屋って。宮殿って言われてんだよなぁ。」
「お前はそこが一番気になるんかい。」
儂が今でも覚えてる、鮮明な唯一の記憶。これは抑えきれないほどの怒りとむなしさで、この研究員
二人を殺めてしまうほどの、このうえない怒りだったのは、君たちも―――アイマたちも、
わかるはずじゃ。
- Re: 能力と英雄#3 ~ジイサンとの逆心~ ( No.3 )
- 日時: 2022/11/20 19:24
- 名前: ぷちとまと。 (ID: rdX62NDu)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
ほんとのこと全部話してやるよ。 3
「全部、殺し屋を育てるための、育成施設だったんだ・・・。記憶をなくして、能力を使って人を・・・・・ッ」
まだわからない、助けを必死に求めるアカリの姿に、正直俺は元気をなくした。ずっと親友
が泣いてちゃ、ぜんぜんうまくいけないもんだからな。あ、ちなみに俺はアイマ。アカリと同じ、
能力者だ。能力はシールド。最大5個までのシールドを使える。最大容量は横5mほどだ。
「儂はこの目で見た・・・。残念だが、ベリーとやらも記憶をなくして人を・・・・亡くしてると思う。」
「ベリー・・・。人を殺すんじゃなくて、人を守る側の人間なのに・・・。私、守るよ、守る。みんなも!」
確かに決意を固めたアカリを・・・俺は、こいつの笑顔も。守ろうと思った。改めて、誓ったんだ。
そう思った。それからの一週間は実に速いもんで、俺たちはここから脱出するもろもろの準備も
終わってしまった。あとは、いつ・どこで兄妹に告白するのか。俺らは図書室でアカリと話していた。
「やっぱり、最初は私たちの次・・・つまり、私達の最も年齢が近い人、リピ、アオに言ったほうがいいよね。」
「そうだよな。ただリピは出会ってからそんなに話さない。だから最初からちょっとずつ話しかけないとな。あと、アオ。アオもアオですごいヤツだし、警戒しながらのほうが…」
「だ、大丈夫だよ。リピもアオも10回以上は絶対に話してるもん。リピなんて『こんな私にかまってくれるのアカリだけ。ありがとう、アカリ』って言ってたよ。」
「…‥‥アカリ、人脈すげぇもんな。だってこの棟だけで、少なくとも100人ぐらいはいるのに。」
そう、まだ言ってなかったが、この屋敷には、5棟もの大きさがあるのだ。マップには、
各党に100人ぐらいいるのだが、一つの党を除いて、100人だった。その一つの党は大人がいて、42人くらいしかいないらしい。
「私達、ほんとにこんな大きいところから抜け出せるのかな。‥‥この図書室だけでも、すっごくすっごく大きいのに。」
「大丈夫だ。だって、言っただろ?俺らで、最低な道を生き抜こう・・・って。」
「そうだよね。私達なら、きっと。」
再び、アカリは勇気のある目にもどるとさっき言った棟について話した。
「ところで、あの棟・・・なんだっけ、えっと、えっと・・・。」
「『大人専用の棟』・・・か?」
「そう!それ!大人専用って、いったいどういうことなんだろうね。大人専用ってことは、私達みたいな人の大人バージョンってことかな?」
「わからないが、多分、偽りのママ…、アカナ達がいるってことなんじゃないのか?」
「でもたやすく『大人専用の棟』っていうかな?もしバレちゃったりでもしたら大変なのに、わざわざ大人専用の棟って。」
「確かにな。」
そう答えた瞬間、突然胸騒ぎを覚えた俺はうまくアカリの話を聞けなかったものの、なんとか
答えることができた。――――――刹那。
ゴンッ!!!
「え?」
続
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