ダーク・ファンタジー小説
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- パペット・ウォーズ
- 日時: 2022/12/10 17:26
- 名前: ポニョのさしみ (ID: yghb58zo)
パペット・ウォーズ#1「どこ…?誰…?」
「う……ん……」
少年「桃富游」は、どこかの部屋のベッドから目を覚ました。
目を開けると、備えつきのライトが眩しい。
耳を傾けると隣から男達の声が聞こえた。
「良し、成功だ。"傀儡融合成功者"はこれで、146人目だな。」
「しかも、"鬼丸"の適合者だなんて…」
「(傀儡…?鬼丸…?)」
游は、聞いたことのないワードばかりで困惑していた。
すると、游の方へと、一人の男が歩いてきた。
游は聞く。
「あなたは…ここは何処なんですか?」
男が嬉しそうに答える。
「俺は天儡堅太という傀操師だ。君と同じ、傀儡融合者の一人さ。
ここは"傀儡研究所"っていう所で、君が空から落ちてきたのを発見して、今に至る感じ。」
傀操師とは、その名のとおり、傀儡を操って戦う、「ユイルフット」で一番人気があり、一番やる人がいない職業だ。
堅太の言葉に、游は驚いた__わけではなく、考えていた。
「(空から…?そういえば、僕は死んだな…)」
游は現世で、流れ星を見ようとフォトスポットの丘で空を眺めていた。すると、流れ星が游に落ちてきたのだ。そして、起きたらここにいた。
すると、游の中でとある一つの考えが浮かんだ。
(もしやここは…異世界…?)
堅太は、まるで游の心を読んでいるかのように言った。
「そう…ここは異世界"ユイルフット"…
君はここに"転生"しだんだ。もちろん俺らも。」
やはり游がいるこの世界は異世界らしい。
「そうなんですか…
それで、僕はこの世界で
何をしたらいいんですか?」
堅太は游の質問を質問で返した。
「ねえ游君。君は現世に帰りたいかい?」
游は即答する。
「マジで帰りたいです。」
そして堅太は、游に手を差しのべながら
「じゃあ、俺と一緒に"傀操師"になろう。」
と言った。
「傀操師とは…?」
游が尋ねると、堅太は「そうかそうか教えて無かったな」とほがらかに笑った。
「傀操師って言うのは、傀儡を操って"凶傀師"っていう敵を倒す者のことなんだ。凶傀師のボスを倒すと、現世に帰れるのだ。」
凶傀師…古代からこのユイルフットに存在する人間のような姿をした人を襲う化け物のことだ。
凶傀師を倒すために、傀操師があるといっても過言ではない。
「むぅ…?」
游はそう唸るが、本当はしっかり理解していた。ここが異世界という事が分かったことで、全てを受け入れたのだ。
堅太はもう一度聞く。
「それで、傀操師になるかい?」
游は勢いよくベッドから起きて大きな声で言った。
「はい!」
「決まり! じゃあ付いておいで、傀儡の使い方を教えてやる。」
そう言って、堅太は研究所を出る。
そして游は、堅太に付いていった。
#1「どこ…?誰…?」了