ダーク・ファンタジー小説

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この首の紐がないならば
日時: 2022/12/18 11:57
名前: ふらふ。 (ID: GXllTEMy)

暗い部屋の中、少年少女らがひとりの少年を囲んでうつむいていた。
「ねえ、なんで起きないのかな」
「きっと、頭をぶたれたのですよ」
「チッ…あいつら、絶対一回なぐってやるから」
「お前可愛い顔してんだから舌打ちとかすんなよ…」
そんな雑談をうるさく思ったのか、囲まれている少年は苦しそうに起き上がった。
「あれ、オレ…」
「キャメラ!!」
ある少女…シーナは倒れていた少年、キャメラに抱き着き
ある少女…ペリカは安心したように穏やかにほほ笑み
ある少女…花華かおうはキャメラをつねり
ある少年…カイラはそんな花華を止めている。
「オレ、なんで」
「あいつらに殴られたのよ」
「ちょっと花華…、聞かれたら殴られちゃうよ」
シーナは不安そうに言った。
ペリカは紅茶を上品に飲みながらその風景を見ている。
ここ…42101号室では五人の子供が暮らしていた。
郵便受けが音を立てて揺れた。
キャメラが取りに行こうと起き上がる。
「キャメラは寝てろ」
カイラはそう言いつつ郵便受けに向かった。
「おーい。キャメラ宛てだって」
キャメラが封筒を大雑把に破り、中身を取り出した。
すると、キャメラが震え始めた。
「キャメラ?どうしたのです」
ペリカが中身を奪い取ると、それを読み上げた。
「キャメラ・シーマン。あなたは来月の新月の日に実験、解剖の実験体になります。詳しくは来週の…。なんですの、これは」
「ハハ、もう、そんな時期か」
キャメラがうつむく。

ここ…ユフラ研究所では、この五人のようなユフラ患者を実験体として過酷な実験を行っているのだ。ユフラとは、魔力を持つものだけが罹るといわれている病気だ。ユフラには能力と副作用が存在し、重度なものから軽度なものまでさまざまである。
シーナは石を操るが、泣くとき涙が宝石になってしまう。
キャメラは血液を操るが、痛みが10倍になってしまう。
ペリカは影を操ることができるが、副作用が分かっていない。
花華は異性をとりこにできるが好きな異性に嫌われる。
カイラは動物と話せるが性が定まらない。
この物語はこんな五人が研究所から脱出しようと試みるものだ。

「脱出、しよう」
シーナがそういうと皆が目を見開く。
「どうして、急に」
「だってキャメラが死んじゃうの、嫌だもん」
「シーナ」
キャメラが泣きそうな顔で笑っている。
「ありがと、シーナ」
「てかさ、私たち、攻撃能力が多いからさ、脱出できるくない?」
「そうですわね」
「じゃあ、一週間後に脱出するとしてだよ?地図とかなくない?」
「そうだねぇ」
作戦を考えながら、夜が深ける。

「じゃあ、今日は。地図を取りに行こう」
「おっけー」
「お前、軽くね?」
キャメラがあきれながら花華をつつく。
「まぁまぁ。早くいきましょう」
ペリカが先陣を切り、歩き出す。
「地図って何?」
「だから言ったじゃん。脱出に必要な…ってあんた誰よ!!??」
七歳くらいだろうか…かわいらしい少女二人で手をつないでいる。
「に、逃げる?どうしよう」
「リーヤたち、敵じゃないよ」
「うへぇ?」
花華が間抜けな声を出す。
カイラが花華の前に立ちふさがり、
「誰だ」
威嚇し始める。
「リーナ…私が、リーナで、こっちがリーヤ」
「リーヤ、手伝うよ」
「リーナも手伝う。だから、ここから出して」
五人は顔を見合わせ、うなずくのだった。

「リーヤとリーナは何でここに?」
「あのね、リーヤたち、すちゅあーと?っていうおうちなの」
「え、あのスチュアート家ですの?」
「ペリカ、知ってんの?」
花華が首をかしげる。
「もちろんですわ。だって、この国の中のトップのほうの家ですよ」
「じゃあこの子ら、ご令嬢!?」
「えぇ」
花華が震える。
「で、ど、どうしたの」
「えっとね!リーナがくろーんって言って、おうちにいると死んじゃうんだって」
五人は息をのんだ。シーナはリーナを撫でている。
「リーナちゃん、がんばったね」
「うん、でもリーヤのためだから」
「そっか」
「そうなの、リーナ、いいこなの。だけど、このままだとだめだとおもって、おうちでたの」
カイラは苦虫を嚙み潰したような顔で二人を見て
「その…つらい?」
と聞く。リーナとリーヤは首を横に振り、笑った。
【これ以降は後日追加します】


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