ダーク・ファンタジー小説
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- 宝石ゲーム
- 日時: 2022/12/27 13:30
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「クッソ!また負けた!」
そう言い俺、高橋陽斗は床にゲーム機を叩きつけた。
「まだまだだな!」
そう言い挑発してくるのは親友の鈴木颯太だ。
今日は颯太の家に遊びに来ている。
「なぁ、トイレ借りていいか?」
「いいぞ〜。」
返事はしているが、颯太はゲーム画面に釘付けになっている。
一人部屋から出て、トイレに向かうためリビングを通る。
颯太と一緒にやっていたゲームはマスタークエストという戦闘系のゲームで、クラスで人気なゲームだ。
(同じゲー厶ばっかり飽きたな〜。)
やはりいくら面白いゲームでもいつかは飽きる。
(なんか面白いもんないかな〜。)
そう思いながらトイレから出る。
「は?」
驚きを隠せず声を出してしまう。
先程までリビングだった場所が廊下に変わっていた。
見間違えかと思いもう一度目を擦ったが、やはり変わらない。
「おーい!陽斗!」
名前を叫ばれ思わず周りを見渡す。
「颯太!いんのか?」
そう問いかけると目の前にあった部屋から飛び出てくる。
「どういうことだよ。これ!」
「知るかよ!てか、どこだよここ!」
颯太も知らないようだ。
もう一度周りを見渡す。
よく見ると、颯太が出てきた部屋は教室らしかった。
「なぁ、ここもしかして…。」
颯太も黙ったまま頷く。
同じことを考えているのであろう。
「学校だよな…。」
「それは俺も思ったんだけどさ、なんで急に学校にいるんだよ。さっきまで俺の家にいたじゃん。」
確かに、陽斗がトイレから出てきた瞬間、家が学校に変わっていた。
ーーパチパチパチパチーー
どこからともなく、拍手の音が聞こえる。
「誰かいるのか?」
そう大声で問いかける。
「よくわかったね!」
すると目の前にスクリーンが現れ、男が映る。
その男は髪の毛は赤色、目の色が黄緑色と変わった見た目をしていた。
「誰だ!」
颯太が大声で聞く。
「そんなに大きな声で言わなくても聞こえてるよ。」
男はそう両手で耳を塞ぎながら言う。
「僕はこのゲームのゲームマスター。司会者みたいなものだよ。」
「ゲーム?」
「そうだよ。君たちが参加したいと言ったじゃないか。」
そう言われ記憶を遡ったが、やはりそんなことは言っていない。
そもそもこんな派手な男と一度あったらおそらく忘れられないと思う。
「あ!」と颯太が何かを思い出したように急に声を上げた。
「どうしたんだよ。」
「もしかしてあれじゃねぇか?漫画についてたあのハガキ!」
はじめはなんのことが分からなかったが、時間が立つに連れ思い出してきた。
「あ!あれか!」
一ヶ月ほど前、颯太と共に同じ漫画を買い、その漫画についていたハガキに応募しようと言うことになったのだ。
ハガキには、「超リアル!戦闘ゲーム!」と、書いてあったので面白そうだと思って二人で応募したのだ。
「これがゲームっていうのか?」
「あぁ。そうだよ。信じれないだろう?」
嘘だと思うがなぜか嘘をついているようには見えない。
「とにかく、ルール説明は皆がそろってから始めよう。」
そう言い、ゲームマスターは指を鳴らすと周りに人が現れる。
その人たちは陽斗たちと同じような年齢の子たちばかりだった。
「何だここ!?」
「夢…なのか?」
そう皆困惑している。
「皆そろったね。それでは、ルール説明を始めよう。」
「ルール説明?」
「君たちが応募した戦闘ゲームのね。」
そうゲームマスターが言うと皆心当たりがあるようでキョロキョロしている。
「まず、このゲームはチームで宝を奪い合うゲームだ。ルールは至ってシンプル。どんな手を使ってでもいいから宝を奪う。ただそれだけだよ。」
どんな手を使ってもいいという言葉に思わずゾッとする。
「ただ、生身のままじゃ面白くないから、君たちに能力をあげるよ。」
そう言うと、参加者皆の腕に時計が巻かれていた。
「うわっ!なんだよこれ!」
「それをつけている間は特殊な能力が使えるようになる。」
「能力?」
参加者の一人が首を傾げる。
「例えば…こんなふうに。」
そう言うとゲームマスターの手から火が出る。
みんなが「おぉ!」と歓声をあげる。
「見ろ陽斗!俺は風だったぞ!」
そう颯太が手の上で小さな竜巻を起こしている。
「でも…それってあたったら痛いんじゃ…。」
誰かが不安そうに聞く。
確かに、火なんてあたったら火傷してしまう。
最悪の場合、死んでしまうかもしれない。
「そのことだが、今君たちは仮想空間にいることになったいる。まぁ簡単に言えば夢の中と同じようなものだよ。」
ゲームマスターはそう言いその場でくるくる回る。
「だからここで死んでしまったって、現実世界ではなんの支障もなって事だよ。」
そう聞き、少しは安心する。
「それと、能力は使わずに時計で確認できるよ。」
そう言われ、皆が一斉に自分の時計を操作しだす。
時計にはマップ、それと能力確認というアプリらしきものがあった。
「これか?」
能力確認というアプリを押してみる。
ゲームマスターが言っている能力が確認できるアプリとはこれのことだろう。
すると大きく「重力」とでてきた。
「お前は何だったんだよ!」
そう、颯太が横から画面を覗き込んでくる。
「重力?ってどんなんなんだよ。」
そう聞かれたが自分でもわかっていないので答えれない。
「じゃあ、一通り説明は終わったし、ゲームを始めようか。」
ゲームマスターがそう言うとスクリーンがもう一つ現れる。
「チームはこれだ。」
そこには赤、鈴木颯太、木村佳奈美、田中翔太、高橋陽斗と書いてあり、青に木口美雪、神崎奈々美、佐藤和也、伊東虎太郎と書いてあった。
「よっしゃ!俺らおんなじチームだぜ!」
と颯太が喜びタッチをしてくる。
「では、チームごとに君たちをテレポートさせるから。」
そう言われるといつの間にか廊下から教室に移動していた。
そこには赤のチームと書かれていた人が全員、円を描くようになっていた。
「あのゲームマスターめちゃくちゃだな…。」
そう、ため息をつく。
他の二人は初対面らしくモジモジしている。
「あ、一応自己紹介しとくわ。」
そう言い颯太が円の中心に出る。
「俺は鈴木颯太だ。で、こっちのやつが高橋陽斗。俺の親友だ!」
そう言い方を組みに来る。
「僕は田中翔太。」
「私は木村佳奈美。」
そう他の二人も自己紹介をする。
「ちなみにみんなは能力何だったんだ?ちなみに俺は風だ。」
「僕は瞬間移動だったと思う。」
「私は透明化?みたいなやつだったよ。」
「瞬間移動に透明化!いいな!女風呂覗けんじゃん!」
そう、颯太が冗談混じりでいう。
皆が笑いだして場の空気がほぐれた。
こういうときの颯太はすごいと思う。
誰とでも仲良くなってしまうのだから。
「陽斗は確か、重力…?みたいなやつだったと思う。」
「重力って何だろう?」
翔太が首を傾げる。
「まぁやってたらわかるだろ!」
颯太が適当に言う。
「自己紹介は終わったようだね。」
またスクリーンからゲームマスターが現れる。
「この学校の中に宝を3つ隠した。それを先に3つ見つけたチームの勝ちだ。」
ゲームマスターがそう説明する。
「それじゃあ、ゲーム開始だ。」
そう言うとスクリーンが消える。
「まぁとにかく…。」
颯太が教室の扉を乱暴に開ける。
「宝、探すか!」
- Re: 宝石ゲーム ( No.1 )
- 日時: 2022/12/27 09:40
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
何回も修正してすいません…。
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