ダーク・ファンタジー小説

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エンドレスリピート[一話完結]
日時: 2023/01/27 22:01
名前: 四十物十 (ID: /m6A2I47)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13605

「「もう付き合い始めてから4年が経つね。」
男は、そういうと懐から指輪ケースを取り出していた。
「僕と、結婚して下さい!」
女はにっこりと不気味な笑みを浮かべ、こう言う。
「ずっとその言葉を待っていました。」
その瞬間、男は意識を失い、倒れた。
「お父様。No.1821は無事捕まえられました。」
黒服たちに拘束されて車に乗せられる男を横目に女は電話をした。
「そうか、よくやった。戻ってきなさい。」
「はい。分かりました。」
女は電話を切ると車に乗り込んだ。

男は目が覚めると、自分がカプセルに閉じ込められていることに気づいた。
「ーーー ーーーーーー」
口を塞がれていて、何も喋れない。
「目が、覚めましたか?」
女がカプセルを覗き込む。
「貴方は次の満月の夜。私の母のために生贄になるのです。」
厨二病のようなことを言う女に、男は信じられない。という顔をしていた。
でもそれが現実だ。その内、男の顔は落ち着きを取り戻していた。
「理解したなら大人しくそこで待っていてくださいね。」
そういうと、女は何処かへ行ってしまった。
男は寂しそうな顔をしていた。

「あーもう!」
部屋に戻ると、女は家具に当たり散らしていた。
女は今まで沢山の人を騙して母のための生贄にしてきた。でもあの男だけは特別だった。女は本当は男の事が好きだったから。次の満月は3日後。それまでに女は男を助け出そうとしていた。

次の日の朝。女は鏡に「私」を見た。「私」は小さな少女の姿をしていた。服装は女と同じ。深いフードをかぶっていた。少女は女に紙を見せた。この城の主である女の父でさえも知らないような隠し通路まで書かれた城の地図。
この地図を使えば男を助けられると女は手を伸ばした。その時女は自分の手を見た。その地図は既に手の中にあったのだ。自由時間にはその隠し通路を通り男の元に行けることを確認した。男を入れられそうなスポーツバックも見つけた。それに男を入れて逃げよう。重さは気にしない。力持ちだから。満月の夜まで残り2日。

逃げる手段は見つかった。でも気づかれたら終わりだ。どうしようか。
考えた末に女は城を燃やす事を考えた。朝。女は貯蔵庫に行き、ありったけの石油を集めた。どうせなら石油は母の部屋に撒こう。そしてライターで燃やしてしまおう。私が出かけてからしばらくしてから燃える方がいい。そう思い仕掛けを作った。満月の夜まであと1日。

男を助けるのは今日。黒服達によって男が祭壇に運ばれる停電を起こして睡眠スプレーを散布する。その隙に男を助けて逃げる。女は父にはあらかじめNo.1822とのデートにプールへ泊まりに行くと嘘を伝えてある。これで男を助けられる。これが女の計画だ。

朝。男は黒服たちに囲まれた。祭壇に連れ込まれる。と、その時、停電が起きた。それと同時に全てのスプリンクラーから水の代わりに睡眠スプレーが撒かれた。男も黒服も眠った。そのうち女が現れて男をスポーツバックにしまうと、雑貨で隠し、出ていった。
やがて男は目覚め目の前の光景に目を疑った。
さっきまでいた城が燃えている。隣にいた女はこう言った。
貴方を助けたかったから、城を燃やした。どうせ沢山の人を殺しているんだし、自業自得だ。と。それから、
「これからは、貴方と幸せな家庭を築きたい。」
とも。男は
「はい。」
と言った。後ろを振り向くと少女がいた。それには女も驚いたようだ。
少女は今度は男に紙を差し出した。その紙は、呪いの紙だった。
『満月の夜に生贄を捧げて無ければ女の命はないと思え。』
女は女の母と同じ呪いにかかったのだ。顔を上げると黒服たちが平伏していた。
「ー様、ー様。一生お仕えいたします。」
さらに、城があった場所のは祭壇だけが一切燃えずに残っていた。
そして、最後に少女はフードを取った。その姿を見て女は泣き崩れた。無くした幼少期の記憶が戻っていく。
「お前は...私じゃ無い。」
そう、フードを被った少女は女の幼少期だったのだ。」




































「もう付き合い始めてから3年が経つね。」
男は、そういうと懐から指輪ケースを取り出していた。
「僕と、結婚して下さい!」
女はにっこりと不気味な笑みを浮かべ、こう言う。
「ずっとその言葉を待っていましたよ。」
その瞬間、男は意識を失い、倒れた。
「お父様。No.2038は無事捕まえられました。」
黒服たちに拘束されて車に乗せられる男を横目に女は電話をした。
「そう。よくがんばりました。戻ってきなさい。」
「はい。分かりました。」
女は電話を切ると車に乗り込んだ。

女の一家は呪いの中で永遠に繰り返す。
同じ過ちを、ずっと、ずっと、繰り返す。
両親からは逃げられても、その呪いからは逃げられない。
それは永久のリピート。

「エンドレスリピート」





どうでしたか?本作品は僕の初投稿作品です。
まだ慣れないことも多いですが、姉共々宜しくお願いします。
また、上手くできたか心配なのでコメントで感想を教えてもらえれば嬉しいです。