ダーク・ファンタジー小説

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Cord___CyAN:New Mission
日時: 2023/01/26 22:22
名前: 緋彗 (ID: 5R9KQYNH)

続編?です
投稿頻度クソになりますが


Re: Cord___CyAN:New Mission ( No.1 )
日時: 2023/01/28 13:01
名前: 緋彗 (ID: 5R9KQYNH)

人物紹介

楠本蒼唯くすもとあおい Age.21
4年前の大規模テロ事件の犯人。
記憶が戻る前は津葉木叶魅つばきかなみとして生きていた。
犯罪未然防止組織CyANの特別潜入捜査官。

柏木藍奈かしわぎあいな Age.20
蒼唯のバディ。
高い身体能力と、強靭なメンタルの持ち主。
犯罪未然防止組織CyANの代表兼特別潜入捜査官。

九条渚くじょうなぎさ Age.29
水色の髪が特徴。
最強と言われるほどの強さを誇る。
犯罪未然防止組織CyANの司令官。

志摩奏太しまそうた Age.20
元情報部部長。
正確な射撃が長所。
犯罪未然防止組織CyANの研修生教育代表。

梛迪夕葉なぎみちゆうは Age.19
2年前の事件で影虎に右目をくりぬかれた。
とてつもない情報網と、素早い戦闘スタイル。
犯罪未然防止組織CyANの捜査部最高責任者。

橘聖華季たちばなせかい Age.21
2年前に謹慎をくらっていた。
最強クラスのスピードとパワーを兼ね備えた戦闘のプロ。
犯罪未然防止組織CyANの副代表兼特別潜入捜査官。

Re: Cord___CyAN:New Mission ( No.2 )
日時: 2023/01/28 13:18
名前: 緋彗 (ID: 5R9KQYNH)

Prologue

「今からこの銀行内に居る全員を人質にする。解放してほしくば、100億円を17:00までに用意しろ」
「...あーらら、僕も人質かぁ」
長身で、すらりとした体形の青年。
「静かにしろ!!死にたいのか!」
「まあまあ落ち着けって。まあ君たちに用があるっていうかさ」
ポケットから薄い手帳を取り出す。
そこには、犯罪未然防止組織CyANと書かれていた。
「犯罪未然防止組織CyAN所属の特別潜入捜査官の端くれだ。楠本蒼唯、覚えておいてくれ」
「CyANだと!?くそが!!」
銃をこちらに向けると、トリガーに指をかけた。
蒼唯はすかさず腰から彼の愛銃であるUSPを引き抜く。
「危ないだろこんなところで撃ったら...死んじゃうんだぜ?」
一気に間合いを詰めて、武装集団に向かって乱射する。
「はい、大人しく待っててな。こちら楠本、鎮圧に成功した。あとは警察に任せよう」
かつての津葉木叶魅の声は、楠本蒼唯という男の声だった。

Re: Cord___CyAN:New Mission ( No.3 )
日時: 2023/01/28 17:20
名前: 緋彗 (ID: 5R9KQYNH)

Episode 1.「Re:」

「あー...配属初日からテロ鎮圧とか疲れたー...。人事とかどうなってんの?」
「うるさいですね解雇しますよ」
愚痴を溢す蒼唯に、容赦なく解雇という発言をする。
蒼唯は配属初日にいきなり任務と言われ、拒否したが、今や階級は藍奈の方が上で彼は人権を一つ失った。
「つーかさ、みんなは?」
「屋上にでも居るんじゃないですか?」
「てきとーだなおい...」

言われるがまま、屋上に行くと茶髪のセミロングの女性が座っていた。
「...あ、蒼唯」
「えーっと、どちら様で?」
すると、目の前の女性は驚いたような顔をした。
蒼唯自身、記憶のどこを探しても該当する女性が見つからないのだから仕方がない。
「そっか、口調も変わったし髪も染めたから分かんないよね。聖華季だよ、橘聖華季」
「え?せ、聖華季?」
「そう、聖華季」
「僕の知ってる聖華季はもっとヤンチャで、上官に対しても軽くて金髪でギャルみたいな人なんだけど」
「私に対する印象すごいね」
とはいえ、2年前までは蒼唯の言った通りである。というか聖華季のアイデンティティーがすでにぶっ壊れである。
「蒼唯はどこに行ってたの?」
「ん?僕はねー、オーストリアの留置所で必死に冤罪を証明してた」
「なんでさ...」
「オーストリアの爆破テロの犯人が僕じゃないかって。やったのは日本だけなのにさ」
この男、記憶が戻ってからというもの危機感がなくなった。
「そーだ、九条さんたちは?」
「あー、九条さんは資料作成でずっと資料室に引きこもってる。奏太は多分射撃場に居ると思う。梛迪はその辺うろついてれば会えるよ」
「なんか、みんな一気にてきとーになったね」

「改装工事とかしたのかな?壁の色が違う気がする」
2年前までは壁は一面水色だったが、現在は一部分だけ深い青になっている。
資料室は相変わらず、インクの匂いが充満していた。
「失礼しまーす...誰も居ないのかな」
「蒼唯くんみーつけた...!」
「キャァァァァァァァァァ!!!!!」

「ごめん、そんな驚くとは思わなかった」
「いえ、大丈夫です」
「...怒ってる?」
「怒ってないです」
嘘。怒っている。入ったら後ろから来るとは、誰も予想しないだろう。
渚は相変わらずといった感じだ。
「九条さんずっとここに引きこもってるんですか?」
「ずっとって言っても2日ぐらいだけど」
「何まとめてるんです?」
「知りたい?」
なぜそこで聞くのだろうか。別に大した物でも
「CyANの黒井が居た頃の不正取引一覧」
聞いちゃいけないやつだった。
というか不正取引があったことに対してとても驚きなのだが。
「黒井は反社と繋がってたからねー」
「笑えないですしそんな人が司令官とか信じたくないんですけど」

「そこ!肩落とさない!」
「はい!」
銃声が鳴り響く射撃場は、4年前から姿を変えていなかった。
「よっ、奏太」
「あ、叶魅さん...じゃなかった蒼唯さん!お久しぶりです!」
「久しぶり。身長伸びた?僕と大して変わらないじゃないか」
蒼唯の身長が182cmなので、奏太の身長はそれなりに大きかった。
「この歳になって身長伸びるなんてことあるんですか...」
「さあ?この子たちは?」
「捜査官候補です。身体能力やメンタルが強い子を、捜査部に配属させるんです」
「志摩さん余計なこと言わないでください。私嫌ですよ、なんかやらかしたら私の責任になるんですからね」
右目に眼帯をした漆黒の髪の女性。
間違えるはずない。
「梛迪!?」
「あ、楠本。おひさ」
「おま、死んだはずじゃ」
「は?勝手に殺さないでよ。私ぴんぴんしてるんだから」
2年前、影虎に右目をくりぬかれそのまま意識が2週間戻らなかったとは聞いていたが。
いかんせん、蒼唯は葬式の準備などをされていた。
「まあまあ、再会できたんだから良かったじゃないか」
『これより、テロ鎮圧作戦を開始します特別潜入捜査官は、直ちに出動してください』
機械音声が鳴り響き、蒼唯たちは即座に走った。


1話終了です。

Re: Cord___CyAN:New Mission ( No.4 )
日時: 2023/02/05 13:08
名前: 緋彗 (ID: 5R9KQYNH)

Episode 2.「First」

『いいか?今回は駅ビルの立て籠り事件だ。下手に刺激すると、人質に危害を加えかねない。そして実弾の使用許可が下りた。が、それは最悪の場合だ。ゴム弾で応戦しろ』
「了解」
『奏太くんがスナイパー、藍奈と蒼唯くんは上手いこと紛れ込んでくれ。狙撃ポイントのデータは送っておく』
人質になりすましての作戦だ。奏太はあくまでも援護。二人の危険を回避するためである。

「こちら楠本、ポイントに到着。これより作戦を開始します」
インカムに向かって喋ったのが、このテロ鎮圧作戦開始の合図だった。
特に警備もおらず、案外すんなりと入ることができたが、中は静かすぎた。
「...こちら楠本、人質に紛れ込めました」
『了解。しばらく様子見だ』
テロ集団は、覆面を被り静かにこちらを睨んでいた。
中には怯える人や、家族連れの人、年配の人も居た。
「ママ...おうちかえりたい...!」
小学生ほどの少女が、立ち上がって歩きだした。
母親を探しているのだろうと、思考が変に働く。
「おい、ガキ。勝手に喋ってんじゃねえ」
鋭い目付きで少女を睨んだ。
「...私は、私はおうちにかえらないといけないんです!!」
嗚咽混じりの声で叫び、少女の目には涙が浮かんでいた。
しかし、そんな勇気すら愚か、覆面男は手に持っているアサルトライフルのグリップで少女の頭を殴った。
「いやっ!!」
「騒ぐんじゃねえぞガキが!てめえらもだ、余計な真似したらぶっ殺すぞ」
銃口をこちらに向け、叫ぶ。覆面越しに、充血した目が見え、とても焦っていることが窺える。
藍奈は震えていた。この震えは恐怖じゃない、怒りだ。
「...落ち着け藍奈、まだ何が起こるか」
「うるさいです。この状況で冷静にならなきゃいけないのは分かっています」
言葉とは反対に、握りしめた拳からは鮮やかな赤色をした血が滴っていた。
その時、インカムから奏太の声が聴こえた。
『こちら志摩、どうやらテロ集団の応援が駆けつけたみたいで、警察が押されてます』
「警察は使えない...!」
「いい知らせだお前ら。我々の応援が来た、お前らは楽になれるぞ」
そのとき、バン!!という轟音が遠くから聴こえた。
「何だ!?」
狙撃、となれば考えられる可能性はただひとつだけ。
奏太だ。
「...さて、」
「何だてめえら!!急に立ち上がってんじゃねえ!!」
蒼唯と藍奈は立ち上がり、ポケットに隠していた銃を向けた。
「犯罪未然防止組織CyAN」
「その端くれです」
「し、CyANだとっ!?ふざけるな!!これは俺がこの国を粛清しようと___」
男の叫びを遮るかのように、蒼唯は思いっきり右ストレートを顔面に叩き込んだ。
男は血を吹き出し、その場に踞った。
「いてぇ...いてぇよぉ...!」
「喚くな下等生物、私たちの前で呼吸をするな」
そう言い、覆面ごと頭を掴みあげる藍奈の目には光が宿っていなかった。
先ほど殴られた少女は目を覚まし、命に別状はないように見える。
それを見て安堵するも、藍奈の怒りのボルテージは下がる気配がない。
「今から出頭しても遅くはない、さあ早く立て」
「う、うるせえ!!...あーはいはい、分かりましたよ」
男は一瞬だけ笑みをこぼし、立ち上がった。
「いい女だぁ!!てめえは俺のペットにしてやら____」
藍奈の後ろから腕が伸びてきたが、虚しくも蒼唯に折られてしまった。
「悪いな、藍奈は僕の相棒なんだ。それと、5対2とは卑怯かと思ったけど、君たち弱いなぁ。僕は捜査官の中でも弱い方なのに」
「あ、あがっ...」
「...うし、藍奈、こいつら外に運んで」
「分かりました」

7時間に及ぶテロは、CyANにより鎮圧された。被害は死者0名、負傷者1名と最小限だった。
空は朱色に染まり始め、警察車両も去っていく。
「はーあ、疲れたぁ...」
「お疲れ様です」
「志摩さんの方が山登ったりとかしてるんですから、楠本さんはこの程度で疲れたとか言わないでください」
「疲れたんだからいいじゃないか」
作戦後の会話は、他愛もない話ばかりだった。
「あ、あの...」
「ん?あっ!!あのときの」
「た、助けてくれてありがとうございました!!」
律儀に頭を下げて、そのまま走り去ってしまった。
「...よかったですよね、あの子が無事で」
「そうだねぇ...」
(あれ?僕空気?二人に忘れられてる?)
その日、奏太は作戦結果報告に呼び出されることはなかった。


2話終了です


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