ダーク・ファンタジー小説

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魔法色~magic colors~
日時: 2023/04/19 21:01
名前: 星イクラ (ID: rTNrXcQ7)

どうもこんにちは。
新作、「魔法色~magic colors~」は、よくあるバトルファンタジーです。
主人公はなんと二人!!
彼らは因縁の相手を探しに向かう__!!
魔法色~magic colors~略して「魔色」、スタート!!!!










「……ごめんね」
ぽつり、ぽつりと、黒く覆われた空から降る雨粒が、黒曜石のように紫がかった髪と、背中を冷たく湿らせた。
目から流れる滴(しずく)は果たして、雨粒なのか涙なのか分からない。
「な……なんで……だよ……? 俺は連れてけ無いの
?」
目の前にいるのは、十代中半ほどといった顔つきの少年。
自分の背中から降る雨は、向かい合う少年には顔面に容赦無くかかり、その顔は蒼白で、今にも倒れそうに足がぐらついていた。
「なあ、もしかして、俺が"戒めの色"を使うから? "璃里華りりか姉ちゃん"?」
自分の名前を呼ばれ、璃里華という少女は顔をしかめた。
璃里華の目の前にいる少年は、璃里華の義理・・の弟である「御灯みとも 婢魔呂ひまろ」。
婢魔呂の言う「戒めの色」とは、人が皆、生まれながらに持っている魔法の色「魔法色」の事である。
魔法色の使い道は様々。
その色によって性質が異なり、魔法色を使って火を起こしたり、水を生成したりできる。
そして、魔法色を使って、魔法色で構築された獣、通称「イビル」を狩る者を「魔色師ましょくし」と呼んでいる。
だが、それ故に、魔法色を悪用する魔色師が現れてしまった。
彼らは日本の約半分を支配しており、「魔色師」は、国民から恐怖の対象として恐れられていた。
しかし璃里華は国民に優しく接し、有名な魔色師として知られるようになったのだ。
だが、婢魔呂だけは__
あいつが……大犯罪者の魔色師だから……?」
「……!!」
図星だった。
そう、婢魔呂は、婢魔呂の父であり、世界的犯罪者である「御灯 禪浪ぜんろう」の実の息子なのだ。
魔法色の「色」__つまるところ、性質は、祖先に依存する場合が多い。
婢魔呂の魔法色は「赤」色だ。
そのため、婢魔呂は自分の魔法色を"戒めの色"と呼んでいる。
「……そう……よ」
と璃里華が苦い顔をして重い口を開いた。
「た、確かに俺はあいつの息子だよ!?
でも!! 俺は魔色師の端くれだぞ!!」
婢魔呂は我慢ならぬといった形相で姉に向かって叫んだ。
__でも、それでも、彼は__
「駄目なの、婢魔呂は。本当は行かせてあげたいけれど。理由は……分かっているわよね?」
突き放したい訳では無い。
しかし、やはり彼は連れていけない。
父(禪浪)の所には。
「…………」
婢魔呂は、絶望したように顔を下に向ける。
そんな婢魔呂に、璃里華は背を向けた。
「……ごめんね」
トンッと、璃里華は静かに、そして一瞬で婢魔呂の前から姿を消した。
「……璃里華姉ちゃん……」
婢魔呂は地面に突っ伏し、ただ呆然と、姉が先まで立っていた地面の足跡を眺めていた。

***

雨は止んで、日光が葉に付いた雨粒に反射し、きらきらと輝いていた。
そんな中__そんな世界で、とある少年は歩み始めた。
「__行くか」

魔法色序章 了

魔法色~magic colors~ ( No.1 )
日時: 2023/04/20 05:40
名前: 星イクラ (ID: sekKWeQr)

そして


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