ダーク・ファンタジー小説
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- 死神〜四口の紡ぐ唄〜
- 日時: 2023/05/30 16:03
- 名前: 海月伊吹×叶太×此雨真狐×ミースパ (ID: Ms/Mj5Tz)
第0話 始まり
20XX年 東京
「あっちぃなー」
俺は我慢できずに言った。俺は暑すぎてイライラしていた。
俺は今待ち合わせをしている。けど誰もこない。
「他に3人いるって言ってたけど……?」
周りでは大型受像機で報道が流れている。
『謎のウイルスの正体が今、解明されようとしています。
10分後に正体を発表するそうです』
いつまで待っても誰もこない。
「おっかしいなぁ」
俺は思わず呟いた。
その時だった。
「キャー!」
少し遠くの方で悲鳴が聞こえた。気になって近づいてみるとそこには人が倒れていた。
そう上に乗っかっているのは……
「もののけだ!」
俺は叫んだ。
俺はカッコつけて言った。
「さっそく俺の出番だな!」
まだ大型受像機から報道が流れている。
『謎のウイルスの正体がついに解明されました。
専門家によるとこのウイルスの正体は ーもののけー だそうです。
ウイルスをなくすため、政府は至急で平安時代から陰陽師を派遣するそうです。
陰陽師とはもののけを封印し、払う力を持った者のことです。』
こんにちは!
海月伊吹です
今回、私史上初の合作をすることになりました!
メンバーは叶太さん、此雨真狐さん、ミートスパゲティさんです
まだまだ初心者ですが暖かく見守ってくれると嬉しいです
- Re: 死神〜四口の紡ぐ唄〜 ( No.2 )
- 日時: 2023/05/26 22:23
- 名前: 叶汰 (ID: 4NhhdgqM)
第2話
猛暑により、思考が掻き回されそうな感覚に襲われながら待ち合い場所まで歩く。
街中が騒がしいと思い、ふと周りを見渡してみる。
「あーらら、大変なことになってらあ」
巷で噂の『もののけ』とかいうやつだろう。
俺は逃げ惑う人々の流れに逆らい、その場に立つ。
「なーんでこんなことにまっちまったかな」
目の前の異形をしたもののけを見ながら言う。
もののけの後ろには、逃げ遅れて殺されてしまった人々の姿が。鮮血は流れ、眠そうに半目を開いたまま死んでいる。
世界とは実に残酷だ。命は必ず尽きる。その形は様々だが、謎の生き物に何も知らずに殺されるなんて、残酷だなとつくづく思う。
「...」
俺はただ黙ったまま、腰に差した刀を抜く。
ただ今は、やるべきことが目の前にあるからやる。
「さてと、もののけさんよぉ」
返事も、聞いている素振りもない。
「悪いが俺はあんたらをぶっ殺さなきゃならねえ」
正面で刀を構えて、間合いをギリギリまで詰める。
一歩、二歩、三歩。
「っ!!」
アスファルトが割れ、斜め上に切り裂く。
もののけは抵抗しないまま、上半身と下半身に分かれてしまった。
「封印、っと」
ポケットの中に入っていたお札を貼り付け、やることは終了した。
「いっけね、待ち合わせ時間まで間に合わねえ」
再び、目的の方向へと歩き出した。
- Re: 死神〜四口の紡ぐ唄〜 ( No.3 )
- 日時: 2023/05/29 18:33
- 名前: 此雨真狐 (ID: aQG7fWp7)
第3話
もののけを倒した後、俺は急いで待ち合わせ場所へと戻った。
「つっかれたぁ、なんでこっちはこんなに暑いんだよ。温度バグってんじゃねーの!?」
小声で愚痴を言ったつもりが、誰かに聞かれていたようだ。上空から声がする。
「お主、先程はご苦労じゃったのぉ。」
パッと上を見上げる。するとそこには妖狐が浮いていた。
「もののけか!?」
急いで刀を構える。
「お前もこっちの政府から呼ばれた不幸な陰陽師やな。俺は千手。お前と同じモンや。この耳と尻尾は気にするな。いちいち話すのは面倒だからな、全員揃ってから話す。」
そう言いながら千手は後ろから襲いかかってきたもののけを斬り捨て、お札を貼っていた。
「普通に話せるのか。」
「え?当たり前やろ。、、、ところでお前、名前なんて言うん?流石にずっとお前のことをずっと「お前」って呼び続けるのも嫌じゃけ、聞いときたいっちゅうふうに思ったけん。」
「、、、死神。俺の名前は死神だ。」
「ふぅん。じゃあ死神、よろしゅうね。」
と、少し会話をしていると残りの二人もやってきたようだった。
「すみません。もののけを倒していたら遅れてしまいました。」
「僕も、右と同じ理由で遅れてしまった無礼をお許しください。」
「これで全員揃ったけんね。せやったら改めて自己紹介からせんといかんばい。最初にやりとう思っとっちゃる人おる?」
千手がそう問い出すから一応俺は手を挙げた。
「せやったらしにちゃんからお願いしようかの」
誰がしにちゃんだ!思わず心の中で突っ込みたくなる。すると心が読めたかのように千手は続ける。
「しにちゃん、かわええやろ。やっぱみんなと仲深めとったほうが良さげじゃ思うたばってん、俺が頑張って考えたんよ。こっちでは友達?の証につけるあだ名というものらしいよん。」
「まぁ、いっか!俺の名前は死神です。趣味は戦闘練習と武器磨き、好きなことは読書と暗殺、特技は殺しと情報収集です。」
とりあえず、自己紹介でよく言う項目は全部言ってみた。
「殺しの為に生まれてきたような方ですね。では次は、ぼくがよろしいでしょうか?」
「別にええでぇ」
「ああ。俺も特に困らないから平気だ。」
「初めまして、ぼくは若葉です。趣味は植物観察、好きなことは植物と生き物、食べることとお菓子、日向ぼっこです。特技は、、、秘密です。」
秘密主義というかのんびりというか、、、なんだか少し変わった人だな。
「じゃあ、次俺行っても良か?俺の名前は千手。趣味は寝ること、好きなことは日本刀、狐、油揚げ、特技は演技です。あとは、妖狐と人間の混血児で、この耳と尻尾はそれが原因です。でも、この耳のお陰で音は普通の人より拾いやすいみたい。よろしくおねがいします!」
周りに聞いておきながら結局無視して話し出す千手に少し程呆れながらもまだ自己紹介していない残りの一人に目を向ける。すると他の二人もそっちに目を向けていたのだろう、当の本人が少し困惑した表情をしながら喋り出す。
「そんなに見たって俺は何の面白い自己紹介もしないし、何も出てこないぞ。まぁいい。俺の名前は春乃だ。趣味は読書、好きな物や特技は特にない。」
「ねぇ、じゃあ嫌いなものは何があるん?」
「それも特にない。」
感情の起伏があまりない人なんだな。でも、もののけを殲滅した頃には理解できてるといいな。俺はそう思った。
- Re: 死神〜四口の紡ぐ唄〜 ( No.4 )
- 日時: 2023/05/30 16:03
- 名前: 海月伊吹 (ID: Ms/Mj5Tz)
第4話
「しにちゃん、若葉丸、春乃っち、これからよろしくなぁ!」
2人にも変なあだ名つけんなよ!俺は心の中でもう一度突っ込んだ。しかし2人はそのことについてあまり気にしてないようで
「よろしく〜」
「よろしく。」
などと平然と言ってやがる。なんかムカつく……。すると千手が手を一回叩いた。
「ほんじゃあ、行きますか!」
千手はそう言うとのそのそと歩き出した。5歩ほど進んで後ろを振り返ると誰もついてきてないに気がついたのか、
「どうしたん、はよ行くぞ」
と俺達を急かした。2人ともなんも言わないので俺は2人を代表して言った。2人が本当にそう思ってるかは知らないけど。
「あの……。どこにいくんだ?」
「………。」
一瞬の沈黙があったがそれを千手はすぐに破った。
「は?知らんの?!こっち来る前に聞かなかったん?」
驚いたように千手はずっと「えっ?」とか「ほんまに?」とか言ってる。
「そんなん知るわけないじゃん、俺は10分前くらいに知らされて大急ぎでこっち来たんだぞ!」
俺はちょっとキレ気味で千手に言った。
「ほんまか〜。じゃあ説明するからよく聞いとけよ!お前達もな!ぼー、とするなよ!」
そう言って千手は若葉達を指さした。2人はもう自分の世界に入っているようで何も聞いてなさそうだ。
若葉はそこら辺に生えてる花を熱心に観察している。春乃は……何を考えてるのかよくわからない!
そんなことお構いなしに千手は話し始める。
「ほんじゃあ説明するぞ。まず今の日本はもののけ達による病気が流行っているんじゃ。このまま放置すれば日本は滅亡しるかもしれん!だから俺達、陰陽師がきた!東西南北それぞれにいるもののけの大将みたいなやつを倒せばこの病気はなくなる!らしい。」
「なるほど……?」
「分かったか?分かったよな!だから今からその大将を倒しにいくんじゃ!」
「それでその大将はどこにいるの。」
すると急に春乃が話に入ってきた。
「お!春乃っち、お前ちゃんと喋れるんか!」
ちょっと煽ってる気がするけど……。俺は心の中で思った。
「大将はな……この日本のどっかにいる!詳しい場所は知らん知らん!」
めっちゃ雑だなこの人……。
「まあ歩いてたらいつか見つかると思うでー!」
そう言うと千手は歩き始めた。それに続いて春乃も千手の後ろを歩き始めた。俺は若葉の手をつかみ、春乃の後ろについていった。
俺、これからこの3人とうまくやっていけるかな……。そんなことを思いながら俺達は千手を先頭に歩き始めた。
- Re: 死神〜四口の紡ぐ唄〜 ( No.5 )
- 日時: 2023/06/01 22:48
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
第5話
「フンフーン♪」
そう千手が楽しそうに鼻歌を歌いながら歩く
「ええ天気やなー」
などずっと何かしら千手は喋っていた
それに加えて変わった話かをしている
おそらく京の方の方言だろう
「のぉ、しにちゃん」
「え、あぁそうだな。」
急に振られた俺は少し動揺した
後ろを見ると若葉はずっと植物を見ているし、春乃は相変わらず何を考えているのかわからない
「グワアァ!」
そう鳴き声が聞こえる
もののけだ
今日だけで何体に会うのだろう
「ほら、しにちゃん!若葉丸!春乃っち!いくで!」
そう千手が先陣を切る
大きさはそこまでだが、数がかなりある
「ほーらほら、遅いんとちゃうか?」
そう千手はもののけに話しかけながら戦っている
春乃は無言で次から次へと封印していっている
若葉はというと…
まぁ、予想通り戦闘中も植物観察をしていた
俺も刀を抜きもののけを袈裟斬りにした
ぱっくりと割れたもののけに札を貼り付け封印する
そう繰り返しているうちに気づいたらもう全て片付いていた
春乃と若葉はもうとっくに戦闘を終えており、若葉はあすふぁると?というものに生えている草を観察していた
千手は最後の一体とずっと追いかけっこをしている
が、この戦いで一つわかったことがある
皆戦闘センスが半端ないということだ
「さぁ、さぁ次々行くでー!」
千手はそう言い一人で突っ走る
このままならすぐにボスも封印できるのではないのかと思った
だが、そんなにうまくいくはずもなかった
- Re: 死神〜四口の紡ぐ唄〜 ( No.6 )
- 日時: 2023/06/08 07:42
- 名前: 海月伊吹 (ID: Ms/Mj5Tz)
第6話
「ぐぅーー」
もののけだ。と思ったのは束の間、その音は若葉のお腹が鳴った音だった。他の2人ももののけだと勘違いして刀を抜きかけるがすぐに気づきやめた。
「おなかすいた〜」
若葉がお腹をさすりながら言った。
「おっ!お腹すいたんか。奇遇やな。俺もちょうど腹減ってたんや!」
全然奇遇じゃないと思うけど……。時計をみるともう12時だった。実をいうと俺も腹が減っていた。
「ほんじゃあなんか食べに行くか!」
千手が張り切りながら言った。
「何食べにいくの〜?」
若葉がわくわくしながら言った。
「んっとね、どうやらこっちには『はんばーがー』っていうおいしい食べ物があるらしいで。だからそれを食べに行く!」
『はんばーがー』?何だそれ。おいしいのか?俺は思ったが口に出さなかった。すると若葉が俺の思ったことを行ってくれた。
「『はんばーがー』ってどんな食べ物なの?」
「『はんばーがー』ちゅうのはな、蒸餅の間に野菜や肉をはさむ食べ物らしいで!」
「そうなんだ〜」
若葉は納得したように言う。なんか若葉よく喋るな……。そんなことを思いながらも、特にもののけが現れることもなく、俺達は『はんばーがー屋』についた。
「ついたで!ほんじゃあ入るぞ。」
千手を先頭にして俺達は中に入った。店の中は外と違ってとても涼しかった。
「涼しい……。」
俺は思わず呟いてしまった。本当に涼しかったんだ。
「なっ!ここ、涼しすぎるわ。生き返るー!」
一回、辺りを見渡してみる。前には注文する所があるようだ。そして周りにはたくさんの机と椅子がある。おそらくそこで食べるのだろう。
「んじゃ、注文してくるわ!みんな何が食べたいか言ったら俺が注文してきてやる!」
やっぱり千手は頼もしいな。初めての場所でも先人を切って。
「『ちーずはんはんばーがー』がいい。」
春乃が一番に言った。俺は何にしよう……。たくさん種類があるな。俺が迷っていると若葉が
「僕は『とりぷるばーがー』にする!おいしそ〜!」
「じゃあ俺は『てりやきはんばーがー』がいいな。」
俺もやっと決めて千手に伝えた。
「了解!じゃあ注文してくるわ。3人は席で待ってて!」
そう言われて俺達は近くにあった4人座れる席に行った。5分ほどして千手が帰ってきた。手には紙に包まれた何かを持っていた。千手はそれぞれにその紙包みを渡して言った。
「その紙包みの中に『はんばーがー』が入ってるからな!」
へえ。すごいな。俺はちょっと関心してしまった。
「早く食べようよ〜」
と若葉が急かした。どうやら待ちきれないようだ。
「そんじゃあ食べるぞ!手を合わせて………。」
俺達は手を合わせた。
「いただきます!」
そういうと、若葉はすぐに『はんばーがー』にかぶりついた。
「ん!おいしい〜!」
若葉があんまり美味しそうに食べるので俺も一口かじってみた。すると肉や蒸餅が口の中に広がりとてもおいしい。
「おいしいな、これ……!」
俺も思わず呟いた。千手もおいしそうに『はんばーがー』を食べてる。ふと春乃を見てみると、目を輝かせながら食べている。春乃のこんな表情をみるのは初めてだ。どうやら『はんばーがー』が気に入ったようだ。俺は何だか嬉しくなる。黙々と食べ進めていき、気付いたときには全て食べ終わっていた。
「ごちそうさまでした。」
俺がいうと他の3人も次々に「ごちそうさまでした」と言う。
「おいしかった〜」
若葉が言う。そう、幸せな時間に浸っていた次の瞬間。
「キャー!!」
とお店の人が言った。どうしたんだ、と思って見てみるとお店の人がもののけに捕まっていた。
「やばいぞ。」
他の3人も気づいて、腰の刀に手をかける。一斉に切りかかり、千手がもののけの体を切った。俺はその隙にお店の人を抱いて、後ろに下がった。しかし、切ったと思ったもののけがまだ生きている。
「どういうことだ………?」
もう一度千手がもののけを切った。しかし、もののけはすぐに体を修復してしまう。俺は今までこんなもののけを見たことがなかった。それはおそらくにみんなも同じ。呆然としている。千手が言った。
「こんなの、どうすればいいんだ……!」
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