ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 戻らぬ記憶に思いを馳せて。
- 日時: 2023/07/04 19:40
- 名前: 海月伊吹 (ID: Ms/Mj5Tz)
どうもこんにちは!
最近アイスケーキを食べて天に上りかけてる海月伊吹です。
この度新作小説を出すことにしました。
投稿スピードはかめさんくらいですが、ぜひ読んでくれると嬉しいです。
この物語は世界を旅する冒険家の少年が記憶喪失の少女に出会い、記憶を戻すことができると言われている花を探す旅に出るという内容となっております。少し鬱要素があるかもしれないのであらかじめご了承ください。
目次
第一話 記憶 >>1
第二話 名前 >>2
第三話 旅の始まり >>3
第四話 不思議な島 >>4
- Re: 戻らぬ記憶に思いを馳せて。 ( No.1 )
- 日時: 2023/06/20 19:35
- 名前: 海月伊吹 (ID: Ms/Mj5Tz)
第一話 記憶
波の音がする。どれくらい寝ていただろうか。視界が真っ暗だ。遠くで誰かが何か言っている、気がする。
「おい!大丈夫か?」
「ん……。」
私はその声で目を覚ました。日光がとても眩しい。目の前には高校生くらいの少年が立っている。
「大丈夫か?君、ここで倒れてたから……。」
心配そうに聞いてくる。特に痛いところはない。
「そうだったのね……。」
一度冷静になって辺りを見渡してみるとここは浜辺だと分かる。遠くには綺麗な青色の海がある。
「君、名前なんて言うの?」
少年に聞かれて私ははっとした。自分の名前が思い出せないのだ。自分が今まで何をしていたかも覚えてない。パニック状態であたふたしていると、少年はそれに気付いたのか
「大丈夫?ゆっくりでいいよ。」
と言ってくれた。優しい人なんだなぁと私は思う。
「ごめんなさい。自分の名前が思い出せないの……。」
「それは大変だ!記憶喪失かもしれない!病気行くか!」
少年が自分以上に焦っているのが面白くて少し吹き出してしまった。
「ふふっ!そんなに慌てなくて大丈夫よ、たぶんね。」
私は少年を宥める。すると次の瞬間、少年が「あっ!」と叫んだ。どうしたんだ?と私が首を傾げていると少年が言った。
「もしかして……?いや、違うか。ごめん、何でもないや。」
しかし私は気になってしまう。
「なになに?教えてよ〜!」
「またいつかにね!」
そういえばこの少年の名前は何だろう?ふと気になって聞いてみた。
「あなたの名前は何?」
少年は少し目を見開いたがすぐに戻して言った。
「僕?僕の名前は『はっか』だよ。白い花って書いて白花。」
「白花……。素敵な名前ね。」
「あのさ」
少年が何か言いたそうにしている。
「どうしたの?」
「君は名前が思い出せないんだろう?だから僕が決めてあげるよ。」
少し驚いたがこの人なら素敵な名前をつけてくれる気がした。
「じゃあ今日から君は……。」
どんな名前かな?胸が高まるのが分かる。
「君の名前はデイリーだよ!」
- Re: 戻らぬ記憶に思いを馳せて。 ( No.2 )
- 日時: 2023/06/12 20:07
- 名前: 海月伊吹 (ID: Ms/Mj5Tz)
第二話 名前
「デイリー……。」
私はしばらく黙り込んでしまった。すると白花が心配したように聞いてきた。
「どうした?もしかして気に入らなかったかな……?」
全然そんなことなかった。むしろ逆だった。
「いや、私この名前とっても気に入った!ありがとう。」
少年はほっとしたように肩を撫で下ろした。
「よかった……。」
ずっとこの名前だったように感じてくる。
「あのさ。デイリー。君はこれからどうするの?記憶がないから家に帰れないよね。」
「確かに……。どうしよう。」
このままだったら私はずっと外で暮らすことになってしまうかもしれない。そう考えていると
「1つ提案があるんだけど……。」
と白花が口を開いた。何だろう。
「言ってなかったけど僕は冒険家なんだ。だから、もしよかったら僕と一緒に旅をしない?」
そんなこと言われると思ってなくて私はポカンとしてしまった。白花が冒険家だったということに驚きが隠せていない。考える。冒険か……。少し楽しそうかも!意を決断して私は白花に言う。
「私白花についていくことにするわ!」
「そうか。じゃあこれからよろしく!」
「よろしく!で冒険ってどこに行くの?」
気になって聞いてみた。
「んー?なんか行きたい場所って感じ?」
そんなラフな感じなんだ。冒険って。
「んじゃ、まずは僕の飛行船を紹介するよ。」
「え!飛行船?!」
飛行船なんて物語でしか見たことがなかった。どんな感じなのかわくわくする。
「そんな驚くことじゃないよ。」
「え!驚くでしょ。普通。」
「ふーん、飛行船はここから少し歩いた所にあるからついてきて!」
そう言って白花は歩き始めた。私もしれに続いて歩く。
「海が綺麗だね。」
そう私は歩きながら言う。
「うん、そうだな。」
そんなたわいのない話をしながら歩いていると5分ほどで目的地についた。そして白花は言った。
「これが僕の飛行船だよ!」
- Re: 戻らぬ記憶に思いを馳せて。 ( No.3 )
- 日時: 2023/06/20 07:49
- 名前: 海月伊吹 (ID: Ms/Mj5Tz)
第三話 旅の始まり
そう言って白花は後ろの方を指差した。そこには赤く目立つ大きな飛行船があった。
「わぁ……!すごい……!」
私は興奮して言った。
「へへ、それほどでも……。」
白花は少し顔を赤くしながら言った。
「大丈夫?顔赤いよ?」
私は心配になり言った。すると白花はもっと顔を赤くして言った。
「だ、大丈夫だよ。」
ほんとに大丈夫かな。私はやはり心配だった。
「そんなことよりさ!さっそく冒険に行こうよ!」
白花は仕切り直したように言う。こんな飛行船で冒険できるなんて夢みたいだと思った。
「うん!」
「じゃあ早速中に入って!」
そう言って白花は飛行船に近づいて行く。その距離が1メートルほどになった時だった。『ウィーン』と不思議な音が鳴ると、ドアが勝手に開いたのだ。
「え!すごい……。ドアが勝手に開いた…!」
白花は目を見開いて言った。
「え、自動ドアだよ。もしかして覚えてない?」
「じどうドア?そんなのあったかなぁ。」
すごいものがあるんだなぁ。私は関心してしまった。白花が中に入ったので私もそれに続いて飛行船の中に足を踏み入れた。中は狭い部屋だった。正面にハシゴがあるだけの部屋だ。
「狭い……?」
私は思わず言ってしまった。もっと広いのを想像していたからだ。
「あは、そんなわけないよ。この上に部屋があるんだよ。」
白花は笑いをこらえらながら言う。なるほど。私は納得した。
「それじゃあ、僕についてきて。」
そう言って白花はハシゴを登り始める。私は少しためらってしまった。高いところに登るのが怖かったからだ。私が何もできずに棒立ちしていると、白花はそれに気づき言った。
「大丈夫?ほら、僕の手に捕まって。」
私は白花の手を掴んだ。次の瞬間、白花が私の体をひょいっと持ち上げて抱き抱えたのだ。私は頭が真っ白になってしまった。心臓がとてもドキドキしてる。しばらくするとハシゴを登り終わったのか私を床に置いた。
「あ、ありがとう……。」
私は精一杯のお礼をした。冷静になって部屋を見渡してみるとそこは普通のホテルのような部屋だった。
「わぁ…!飛行船の中ってこんな感じなんだ……!」
私は興奮気味に言った。テーブルやベット、キッチンなどほぼ何でも揃ってる、気がする。
「ここは生活スペースだよ。もう一つ寝室があるからデイリーはそっちを使って。」
「うん、わかったわ。」
「そしてこのドアは操縦席へ行けるよ!」
そう言って白花はドアを開けた。そこにはよくわからない機械やらが置いてある。
「白花は操縦できるのね!すごいな!」
「それほどでもないよ……。」
すごいなぁ。私はずっと関心していた。
「それじゃあ、少し一っ飛びしますかね!」
「わぁ!やった〜!」
そうして私たちの旅は始まりを迎えた。
- Re: 戻らぬ記憶に思いを馳せて。 ( No.4 )
- 日時: 2023/07/04 19:39
- 名前: 海月伊吹 (ID: Ms/Mj5Tz)
第四話 不思議な島
「まずどこに行く?」
「うーんと。」
私は考え始めた。どこにしよう。というかここはどこなんだろう?まあいっか。
「うんとね、どことかじゃないけどここの近くの空を飛びたいな。」
「ok。じゃあ僕は操縦席に行くね。デイリーは窓から景色でも見といて!」
「わかったわ。」
そう言って私は近くの大きな窓の前に行った。ちょうど窓の前に赤いソファが置いてあったので私はそこに座る。しばらく待っていると飛行船が『ゴゴゴゴゴゴ……。』となり始めた。それと同時に体がふわっとした。窓から外を見てみると飛行船が上昇していっている。
「わぁ!」
私は目を輝かせながら声をこぼした。1分もしないうちに飛行船は空高くまで昇っていた。下にはさっきまで見ていた海が青く光っている。
「綺麗……!」
私はこの景色にずっと感動していた。海が彼方遥かまで続いている。
「あれは何?」
海の上に何か建物があるように見える。よく目を凝らしてみるとそれは大きな島の街のようだ。しかし様子が変だ。立っているビルや家には葉がまとわりついている。あたり一面が緑色だ。人が住んでいる気配がしない。操縦している白花も気づいたようで飛行船を街に近づけているようだ。奥で白花が声を上げた。
「この島に着陸するよ!なんかに捕まっといて!」
私はソファに座っていたので背もたれに捕まった。離陸した時と同じように体がふわっと浮いたと思うと飛行船はすごい勢いで島に降りていく。『ゴン』というと飛行船は島に着陸した。
「ついたよ!」
そう言って白花は操縦席から出てきた。
「どうだった?空の旅は?」
白花は聞いてきた。
「すごい楽しかった!景色がすごい綺麗で……!」
「それはよかった!次はこの島を冒険しようよ!」
「うん!でもここ、様子が変よね。一面葉っぱに覆われてて。」
「ね。何でだろう。まあ、外にでようか。」
「うん。」
そう言って私はハシゴを降りた。2回目だからもう慣れっこだ。それに続いて白花も降りてきた。『ウィーン』じどうドアを潜り抜けて私達は外に出た。
「わっ!」
遠くから見ていた時と違いとても迫力がある。とても大きなビルも葉っぱに覆われてている。白花は張り切ったようにいう。
「んじゃ、散策しますか!」
Page:1