ダーク・ファンタジー小説

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サイコキネシスと不老不死
日時: 2024/01/05 18:33
名前: Sumo* (ID: 8kWkLzD1)

白浜虹美しらはまななみ 中2
誰もが羨む美少女で、"顔立ち"は、大人びている。
声は低め。まつげが長い、髪の毛つやつや...

真木優美まきゆうみ 中2
情緒不安定で挙動不審な平凡な学生。
幼児体型なのが一番の悩み。
    

サイコキネシスと不老不死 ( No.1 )
日時: 2024/01/05 18:35
名前: sumo (ID: 8kWkLzD1)

窓から入るすきま風で薄緑色のカーテンが揺れ、
彼女の高く結んだ艶やかな髪の毛もふわりと揺れる。

長い睫毛の奥の、神々しいほうせきをこちらに向けて、彼女は寄ってくる。



__事の発展は数十分前。
いつも帰り支度が遅いので、一番最後に教室を出るのは必ず私。
今日は部活もないのでのんびり帰り支度。
そこでアクシデントが起きる。

クラスの美少女、白浜さんの白い手が私の肩に触れた。
「優美ちゃん」

「白浜さん、ど、どしたの」
「..まだ苗字で呼ぶの?名前でよんでよ、なんか似てるしさぁ」

「似てる..?」
白浜虹美しらはまななみと、真木優美まきゆうみ
共通点と言えば、名前の漢字一文字しかない。
("美"だけだなぁ..)
顔つき、性格、身長、髪色...
話しがけづらいオーラがあるし、人見知りの私は白浜さんとあんまり話したことがなかったけれど、
いざ目の前にすると、眩しいほどに顔立ちが綺麗だ。
名前の一文字同じなだけで、「双子」なんて冗談でも言ってはならない気がする。

「似てるでしょ、ゆーみと、ななみ。」
「うーん..そうなの..?」
微妙な表情で苦笑いを浮かべながら内心では完全否定しているのが私。


「これからは、名前で読んでよ、ゆーみちゃん。」
白浜さんは長い睫毛から綺麗な瞳を覗かせ、私を見つめる。
そんなにじっと見られたら、何も言えないではないか。

「う、うん..」

本人はその完璧な表情を変えずに私を見つめ続けた。
「それでさあのー、ゆーみちゃんにお願いがあって。」

宝石みたいなその眼には、不思議な圧を感じる。
絶対相手を否定させない、みたいな能力でもあるのだろうか、この人。

「...なにかな?」
なるべくにこやかに返事をしたものの、顔は岩石の如く硬直しているであろう。

口を開いた彼女は艶やかな唇を動かした。
「私」


「不老不死なんだけど」

この人、真面目な顔で冗談言うんだ?
なんか思ってたのと違ったかも。

Re: サイコキネシスと不老不死 ( No.2 )
日時: 2024/01/05 18:57
名前: sumo (ID: 8kWkLzD1)

「それで、ゆーみちゃんには私を殺してほしいんだよね」


「....。」
不老不死というワードに引っ掛かって、私は言葉を発っせなかった。
(この人もしかして...)
4にたいのかな。自殺願望あるの?
それを私に擦り付けられてもちょっと困るんだけど...?
それにしてもこの人嘘下手すぎでしょ。不老不死とかどういうことだよ

「ごめんね、急に物騒だよね..でもゆーみちゃんならできそうだと思うんだよ、私」
真面目な顔で言うけど、とんだ偏見だよそれ。
何で私が人を殺せそうだと思うわけ?
顔!?私ってサイコパスの顔なの?

「ええと...不老不死?ってそれ本当?なんか..大丈夫?」
不老不死とか平気で嘘つくから私は哀れみの目しか向けられないけど。
美少女過ぎて虐められてるとかかな?


「え、あ、大丈夫だよ。そう、不老不死なのは本当だよ、そんな嘘つかないもん」
彼女はパチリと瞬きをするくらいで表情は全く変わらない。

もしかして本当?そんな一現実にいるの?
病気の一種に入るの?不老不死って。


「あ、でも、、不老ではないかも、ごめん。13の時に止まったから。何もかも」
ぼそりと彼女は呟く。

えっ....。
13の頃からその大人びた顔立ちだったの..?
驚くところが違う気がするが衝撃の事実。

「そんなに、疑うなら..見てて」

彼女はいきなり、鞄からペンポーチを取り出して、
そこに入っていたハサミを思いっきり高くふり上げた。


「ちょ、ちょっと!!」

私は慌てて白浜さんの細い腕を掴んだ。

「っ危ないよ?ゆーみちゃんは不死じゃないんだから」
のんきに私の心配をする白浜さんは、もしかしたら、
もしかすると本物の不老不死なのかもしれない。

「そういう問題じゃなくて、危ないから....。」
私は白浜さんの手からハサミを没収して蓋をすると、彼女の手に返した。
「優しいね、」
私からハサミを受けとると、白浜さんはにんまりと笑って、
ペンポーチにハサミをしまった。

「どうせ死なないのに」

その言葉をどうしても信じられなくて、私は白浜さんを睨んだ。
初めて、目があった。

「そんなこと、簡単にしちゃダメだよ、死んじゃったらどうするの」

「だから死なないってば」
ふふふ、と彼女は二ヒルな笑みを浮かべた。

Re: サイコキネシスと不老不死 ( No.3 )
日時: 2024/01/05 21:24
名前: sumo (ID: 8kWkLzD1)

結局、白浜さんが本当に不老不死なのかは分からぬままだったが、白浜さんに聞きたいことは他にも結構あるので私は次に発する言葉を選んでいた。

「えっと..なんで私に白浜さんを殺すことを頼んだの?全然、話したことないのに..」
なるべく不審に思われないように、かつ探っている感じを出さないように
細心の注意を払いながら聞く。

私の心境を全く気にしてなさそうな顔で白浜さんは「なんとなく」と答えた。

(なんとなく...???)
なんとなくで殺される相手を選ぶなんて、恐るべし、白浜虹美...!!


「そ、そっか...」

「そう」


「それと、なんでこ、殺してほしいなんて頼むの?」

「なんでって?」

「白浜さんは死にたいんだよね?なんで、し、しし死にたいの?」
簡単に"死ぬ"なんて言葉、使えないし、使いたくないから、声がごもってしまう。
恐る恐る聞いてみたものの、白浜さんはさっきから微動だにせず、落ち着いている。


「死にたいって言うかー死んでみたいんだよね、もっかい生まれ変わって、普通に生きて、普通に死にたいの」
艶やかな長髪をいじりながら答える白浜さんは相変わらず絵になる。

「そっか...」
私の発言で白浜さんが死んでしまったらまずい。
罪悪感に襲われながらここからの人生過ごすか、最悪自殺に協力した犯罪者として捕まってしまうかも...。彼女には一旦だとしても生きていく道を選んでもらわなくてはならない。
「. .で、でも勿体無いんじゃない?」

「何が?」キョトンとした目で見つめられると喋りずらい。
「だって、生まれ変わったら姿は変わっちゃうし、せっかく不老不死なんだから...」

「うーん、そうなのかなぁ」
返答がふわふわしすぎてこちらが困る。
一般の学生がこんな意思も固まってなさそうな美少女を仕留められるわけなかろうに。

「そうだよ!」

「でもさ、ゆーみちゃん。私さぁ、これからどんどん大切な人が死んでって、何年もたったら知り合いも居なくなって、そしたらそのあとずーーーーっと、ひとりぼっちなんだよ」

言われてみれば、確かにそうだ。
ずーっと生きていられるならいつかはひとりぼっちだ。
それは想像しただけでも辛くて、寂しいことだ。

白浜さんはゆっくり下を向いてうつ向く。
可哀想に見えてくる..けれども、やっぱり違和感は残ったままだ。
白浜さんが嘘をついているようには見えないが、
不老不死なんて生まれたら世の中のリズムが崩れてしまうのではないのだろうか?
白浜さんだって、いつかは死ぬのではないか。

違和感が残ったまま、私たちは教室をあとにした。
職員室から荷物を取りに来た担任に見つかり、
早く帰れと軽く叱られてしまったからだ。

Re: サイコキネシスと不老不死 ( No.4 )
日時: 2024/01/05 21:57
名前: sumo (ID: 8kWkLzD1)

正門を通過したあと、この時を待っていたように白浜さんが口を開いた。

「それで、引き受けてくれるかな?
「え?」
どうやら本気で殺してほしいらしい。
そう簡単に人は殺せない。
彼女はいったい、何がしたいのだろう。
私を犯罪者に仕立てあげたいのか?白浜さんを殺してしまったら、
あるいは傷つけでもしたら、私の青春、人生が丸々ゴミ箱行きだ。
そんなのはごめんだ。

「ごめん、私にはできないよ...それに死んじゃうのはあんまりだと思う」
申し訳なさそうにしながら私は先に歩く。
この話はなかったことにしよう。彼女の秘密も、聞かなかったことに...「なんで?できるじゃん。君なら私の気持ち、少しはわかってくれるとおもったんだけどなぁ」
白浜さんは少し眉をつり上げて不満そうに頬を膨らませる。

「それは..どういうこと」

「私知ってるよ?ゆーみちゃんなら、できるって。」
さっきまで輝いていた宝石の瞳が、あっという間に脅威に変わる。
「どういうこと?」

「もういいよー明日みんなにゆーみちゃんの悪口いっちゃおっかなぁ」
真剣な眼差しが急に緩んで、白浜さんは悪役の女優のようにニヤリと笑った。

「え、それはちょっと、困る..かも」
そんなことしたら私明日から皆の標的じゃん。
国民的(仮)美少女白浜さんを不快にさせた奴として扱われるんだ、きっと。

「だったら協力してよ。ねっ」
微笑む彼女は、私についてよく知っているのかもしれない。
例えば、今まで隠していた私の...\\\\とか。
ばらされたらとんでもない。
私はこれを隠して生きていくと決めたのだから。

「わかった。わかったから誰にも私のこと言わないでね」
これには深い意味も隠されいるんだからね、分かってね、白浜さん。


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