ダーク・ファンタジー小説

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寒帯の勇者 第二〜三話
日時: 2023/12/26 10:46
名前: 緑柳零 (ID: zh8UTKy1)

第二話 当然の報い

ジャーファは,龍の國の前へと来ていた。
寒帯と龍の國は大陸は繋がっているものの,侵入を防ぐために国境には柵が掛けてある。
しかし,一箇所だけ,柵がない部分があった。
それは,貿易場だ。
しかし,そこには門番もいるので,簡単に侵入はできない。
(どうやって中に入ろうか。)
このままでは,灼熱の地へは行けない。
灼熱の地へのルートには,必ず龍の國に入らなければいけない。
(となれば,強行手段で行くか。)
ジャーファは,貿易場へと歩き始めた。

(警備態勢を見直すべきだな。)
龍の國への侵入は,案外簡単にいけた。
途中,よくわからない言語で声をかけられたが,
「わかりません。」
と寒帯で使われる言葉で話したら,すぐに退けてくれた。
自分の語源がジャーファに伝わらないことを悟ったのだろう。
(少なくとも,これを使うのはもっと後らしい。)
ジャーファは,手に持っていた袋を革の鞄にしまった。

ジャーファは,街を歩いていて異変に気付いた。
繁華街のような場所がやけに騒がしかったのだ。
「早く裏切り者を出せ!コイツがどうなってもいいのか⁉︎」
という大声が,ジャーファの耳に入った。
(なんのさわぎだろうか?)
ジャーファは騒ぎが起こっている場所に向かった。

近づいてみると,それが結構な騒ぎだったことが分かった。
警察のような人も動いていた。
野次馬の中心には,大きな穴が空いており,中心にごつい体系の男と,細い腕の女性がいた。
女性の方は,男性の片手により首を絞められており,男性のもう片方の手に持った出刃包丁が,首に当てられていた。
どうやら男は,,この女性を人質に何かを,もしくは誰かを出させようとしているらしい。
「落ち着いてください。」
警察が男に呼びかけるが,
「うるせぇ!」
と,男性は聞く耳をもたなかった。
そこでジャーファは,ここの語源を聞き取れていることに初めて気付いた。
(なんでだ?もしかしてここの住民は・・・・・・。)
改めて聞いてみるが,明らかに寒帯で使われている言葉を発していた。
(じゃあ,あの男の人は・・・・・・。)
「どこだ!ファーグドジジィを出せ!子供でもいい。こうなるのは当然の報いだろう!」
「!」
ファーグドとは,ジャーファの父の名前である。
(父さんが,ここに住んでいる・・・・・・?)

第三話 父親

ジャーファにとって父親とは,生き別れた顔も知らない存在である。
祖父に名前だけは教えてもらっているものの,それ以外のことはわからないのだ。
そんな父親が,この國の,この町に住んでいることに,ジャーファは驚愕した。
しかし,喜べるのも束の間であった。
(息子でもいいっていっていたよな。いやしかし,お父さんも出てくるかもだし,それに,同名の別人なんじゃ・・・・・・。)
そう思っていると,
「ここだ!」
大きな声が聞こえた。
ジャーファは,その声の主を全力で探す。
すると,大きな動きをしている男を見つけた。
その動きは,まるで「女性を助けろ」と呼びかけているようだった。
(もしバレれば、僕の命は終わるかもしれない。でも・・・・・・。)
ジャーファの体は自然と戦闘体制に入っていた。

【To Be continued】


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