ダーク・ファンタジー小説

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大妖怪と巫女の末裔〜現代に繋いだ物語〜
日時: 2024/03/20 17:09
名前: 魑魅魍魎 (ID: ms4vV0xW)

「ええ~。引っ越すの?」
十六歳になったばかりの梨璃(りり)は、不満たらたらに言った。
「しょうがないのよ。お母さん、具合悪くなっちゃったみたいでどうしても行かなくちゃ行けないの。」
お母さんのお母さん、私のおばあちゃんが具合を悪くしたと聞いては、どうしようもない。
おばあちゃんは、いつも私に優しくしてくれた。
子供のときに遊びに行って、帰りたくないとよく泣いたものだ。
今いる学校には、仲のいい友達など、あまりいないから引っ越してもいいのだが、何しろ田舎なので
十三歳になった私にとっては、そこまで行きたいとは、思えないのだ。


そんな私をよそに、引っ越しは行われ二県ほど先の田舎で暮らすことになった。
田舎に来ると、森林が多いせいかとても澄み切っている。
都会より、家は少なく道や田んぼが多い。
おばあちゃんは、いつも優しかったけど認知症のせいでときどきボケていた。
ここに来たのは、お母さんと私だけで、お父さんはいない。
聞いても、はっきりとは、答えてくれなかった。離婚したのか、失踪した?それとも.......
「梨璃〜、夕飯、手伝って。」
お母さんの声がしている。
外はもう暗くなりかけて、綺麗な赤と青のグラデーションになっていた。
「は~い。今行く」
台所のじゃがいもを洗って、適当に切っていく。
田舎だからなのか、食事の手伝いをすることが増えた。
来週には、地元の学校に通うことになっていて、友達のいない私にとっては気が重い。
「梨璃〜、畑から、ネギ取ってきて。」
「はいはい。」
サンダルを履いて外に出る。ちょっと歩けば、おばあちゃんの持っている畑がある。
森の麓の小道を歩いて、曲がり角を曲がればすぐだ。
来たときは、曲がり角がいっぱいで迷いそうだったが、慣れてくるとすぐわかる。
畑から、虫食いのない綺麗なネギを取った。
りんっりん

「!」

振り返って見ても、何もいない。
あるのは、暗い闇につつまれた深い森。
確かに今、鈴の音がしたと思ったんだけど
りんっりん
「!」
まただ、やっぱり鈴の音がする。森の中から。
じっと見つめていても、森の中は闇で何も見えない。だけど、森の中を探したい、
誰が、鈴を鳴らすのか.............






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