ダーク・ファンタジー小説

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私とあの子の5年間(長編)
日時: 2024/03/23 15:55
名前: akane (ID: YAHQda9A)


 私が、まだ幼稚園に通っていたとき、よく話しかけてくれたり、遊んでくれた友達がいました。その子は、いつも元気で、楽しそうで、でも意外と泣き虫で、あまり高くないツインテールが似合っていた女の子でした。私は、その頃男の子たちとばかり遊んでいたのですが、女の子の友達の中で1番仲が良かったと思います。主に私のせいですが、一緒に怒られたり、泣いたりもしました。その子との8年間を短くですが書こうと思います。

 私は、今思えばその女の子とよく一緒にいました。遊ぶとき以外でも、先生の話を聞くときに隣になったり、何かあればその子のところへすぐに行っていたり。そんなその子との日常は、当たり前でありながらも私にとってかけがえのないものとなっていたのです。
 たった3年間の幼稚園生活でしたが、長いような短いような、とても楽しかった思い出ばかりでした。

 それから少し経って、小学校へ通う年になりました。私とその子は、同じ小学校に通い、同じクラスになりました。私は、かなりの人見知りで、すぐには友達ができませんでした。なので、その子とばかり話していたのですが、そんな私にも数人の友達ができました。そして、その子もまた友達ができていました。だからかも知れませんが、その子と話すことは次第に減って行きました。
 
 そして、少し経って2年生になった頃、私とその子のクラスが分かれてしまいました。前のように話すことも全然なくなり、その子は今どうしているだろう、と考えることが増えました。廊下などですれ違った時に、手を振るだけで、それ以外何か話すことはなかったのです。
 しばらく経ち、2年生の中頃になり、その子の姿を見ることがなくなりました。私も気になって、その子と同じクラスの友達に聞いてみました。すると、「その子は今病気で入院してるよ」と、言ったのです。私は驚き、呆然としてしまいましたが、そんなことをしてもその子の病気は治らないと思い、いつも、「治りますように」と心の中で思うことにしました。

 それからまた少し経って、私のお母さんが、少し涙目で、いきなり「このメール読んで…」と携帯を渡してきました。私は少し疑問に思いながらも、メールを読みました。私は意味がわからず、お母さんに「漢字の読み方がわからない」と言ってしまいました。本当はわかっていたのです。でも、でも、もしかしたら読み間違いかも知れない…と、でも、読み間違いなどではなかった。そう、その子は亡くなってしまったのです。何も喋れず、メールの文面をぼーっと見ることしかできませんでした。

 少し落ち着いた頃、私はその子のお通夜に行くことになりました。今の私にできることは何だろうと考えながら、お通夜の会場に行きました。そこで見たのは、白くなった体と、髪の毛がなくなっていて、帽子をかぶって目を瞑っているその子の姿でした。私はもう、何も思えませんでした。いや、いろんなことを考えすぎて、何から思えばいいのか分かりませんでした。どれだけ苦しんだだろう。どんなに痛かっただろう。こんなに若いのに、家族や友達と別れ、1人で亡くなるのはどんなに、どんなに…

 今、その子のために私にできること、それをできる限りする事が私のすべき事だと思います。天国でも、友達を作って、幸せに生きてほしい。
 私はまだ死ねないけれど、頑張るから、

   応援してね、さくらちゃん。


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