ダーク・ファンタジー小説
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- バッドエンド・シンデレラ
- 日時: 2024/07/27 16:13
- 名前: みずたまり。 (ID: Q8dIWKcE)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
これは、“ハッピーエンド”になるはずだったシンデレラが、“バッドエンド”になる物語。
本来のシンデレラは、王子様と結婚し、いやなお義母さんを見返す物語。
これは、王子様とも結婚せず、いやなお義母さんたちの言いなりにされる物語だ。
- Re: バッドエンド・シンデレラ ( No.1 )
- 日時: 2024/07/27 16:20
- 名前: みずたまり。 (ID: Q8dIWKcE)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「シンデレラ!早くお皿を洗ってちょうだい」
「シンデレラ!早く床のそうじをしてちょうだい」
「シンデレラ!早く食事の準備をしてちょうだい」
毎日毎日、お義母さんたちに言いなりにされる日々。
でも、最近は何も感じなくなっていた。
何を感じても、今の現状は変わらないのだから。
願うだけ無駄。そんな日々を、私は……、あれ、何年間だっけ。長すぎて、言いなりにされている年月も忘れてしまった。
「シンデレラ!何をしているの!早く肩揉みをしてちょうだい」
「わかりました……」
何も感じない。
ただ、時々来る、この何とも言えない感情は何なんだろう。
お義母さんを殺したくなるような、殴りたくなるような、そんな感情。
「あぁ、もういいわ。ほら、草むしりでもしてきなさい」
「はい……」
私はお義母さんの立派な操り人形。
私の本当の名前も、お義母さんは知らないんだろうな……。
- Re: バッドエンド・シンデレラ ( No.2 )
- 日時: 2024/07/28 20:25
- 名前: みずたまり。 (ID: Q8dIWKcE)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「あら、シンデレラ。また草むしりをしているの?」
真っ青なドレスの切れ端が、私の視界に映り込んだ。
「え、エレンお義姉様……」
あはは。わかってるよ。
お義姉ちゃんの企みは。
こいつはエレンお義姉ちゃん。
お義母さんといっしょで、ゴミクズ人間だ。
「手伝うわよ……、なーんて、言うを思った?そんなこと言うわけないじゃない。ほら、早く食事の準備をしてちょうだい。もう卯の刻を過ぎているわ」
ほらやっぱり。
お義姉ちゃんはいつもこうだ。
人を騙して陥れる。もうパターンはわかってるっての。
私は集めた草をゴミ袋に入れる。
なんで私がこんなことしないといけないの……。
「はぁ……」
明日はゴミ出しの日だし、ついでに捨てに行こうっと。
早く食事の準備をしないと。
そう思い、家の中に入ると。
「シンデレラ!!どうしてエレンのドレスを汚したの!?」
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