ダーク・ファンタジー小説
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- 1章 デストロイワールド-Destroy World
- 日時: 2024/09/28 22:28
- 名前: 桜月ゞ幻夜 (ID: HTruCSoB)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=14029
1章 第1話「入学」
___主な登場人物____
ジーク・デストロイ(主人公)
フレイ・ベルージュ
フレッド先生
_____________
"俺って何だろうな……"
"家族もいなくて人と関わることもできない"
"一人で寂しく生きるだけの『カイブツ』か……"
"だが、これからは違う。俺もみんなと同じ『普通の子』になる、はずだったんだ……"
ここは『デストロイワールド』完全実力主義の世界だ。 強いものは慕われ、弱いものはゴミのように扱われる。それがこの世界のルールだ。その「強さ」を決める上で重要になってくるもの、それは『スキル』だ。生まれてくるとき、誰だって一つ『スキル』をもって生まれてくる。例えば、火をつけたり、水を操れたり、土の中を潜れたりなど種類は無数にある。そして人々はそれを使い、能力値というものを作った。1から12までで表され、その数字で強さを表すものだ。もちろん高ければ高いほど世間から優遇され、低いものは気持ち悪がられ、社会から捨てられる、このように成り立っているのだ。そしてこの男も辛い社会を生きるものだったのだ。その名は『ジーク』世間はジークのことを「能力社会のゴミ」という。理由はもちろんジーク自身の能力値に問題があるからだ。そう、ジークの能力値は〈1〉世間のお荷物と呼ばれている。
「はぁ…疲れたな今日も」
ジークはひそかに街の静かな場所を歩いていた。
「それにしても風が冷たい。早く帰らないとな。だって明日は……入学式だからな」
そしてジークは歩いた。「はぁーねっむ。今日から毎日これかよ……」
いつもより早く布団から起きてジークは呟いた。
「てか、荷物いらないってマジか?しかも入学式だけじゃなくて毎日らしいしな」
そして学校に着く。それからジークにとって重要な時でもある。クラスの奴らに良い印象を持ってもらう。非常に大事な時だ。
「頑張らないとな」
ジークはそう言い、校舎へと歩いた。すると後ろから声をかけられた。
「おい、そこのお前」
少し怒っているような男の人の声だった。
(誰だ?まぁ、誰であろうと能力値が高い奴だろうな)
「おい、聞こえないのか?イライラしてるから早くどけ」
(はぁー、気分さがるなぁ……今日は入学式だってのに)
仕方なくジークは口を開くことにした。
「あの……何でそんなに怒っているんですか?」
「お前死にたいのか?偉そうにしやがって…お前の能力値はいくつだ?」
(うん、知ってた。多分シカトしたら潰されるんだろうな……)
ジークは答えた。
「能力値は………〈1〉です……」
するとその男は少し間をおいて言った。
「は?お前マジで言ってんのか?本当に〈1〉の奴なんて初めて見た……」
それで終わると思いきや、まだその男は口を開く。
「よし、今なら許してやる。だから俺がキレる前にさっさと消えろ」
(こいつはだいぶイカれてるな)
そう心に思ってジークは言った。
「でもなんで能力値が低いからって、道を通さないといけないんでしょうかね」
そう言うと相手の方から炎のようなものでできた弾が数発とんで来た。おそらく相手の『スキル』だろう。
「っち……まさかこんなとこで騒ぎを起こすなんてな」
ジークは素早く避け、男は構えながら話す。
「いいか、この世界は実力主義だ。強いものに逆らうとこうなってしまう。だが、世間はそれを間違ってるとは言わない。強いものの言うことは絶対だ。だからお前は間違ってる。これが現実なんだ」
「ふっ、そんなことぐらい知ってるさ」
そう言ってまた心の中で呟く。
(俺はそんな世の中をぶっ潰すためにここにいるんだよ)
その瞬間に学校のチャイムが鳴った。
「っち…もう時間がない。おい貴様、次会ったら殺す」
そう言い残して男は高く飛び上がりどこかへ行った。
「やっと行った…たぶんあいつ学生だよな。そしてこの辺りには学校は1つしかない。なんか嫌な予感してきた」
そして学校のクラス名簿が貼られている場所へジークは行った。
「あれに書いてあるのかな?」
そこには4組のクラスの名簿があった。ジークのもある。そしてそこには能力値〈10〉の名前があった。
「能力値……〈10〉…?なんだろう、嫌な予感が強くなってる。そして後ろから殺気を感じる……」
ジークが振り向くとそこには先ほどの男がいた。
(いやまずい、入学早々にやらかしたな…まずは、何事も話しかけないと始まらない……冷静になれ……)
ジークは焦っていたが冷静を取り戻し話しかけた。
「あの……あなたは……」
「消えろ」
「……いや、違うんで……」
「もういい、消えろ」
はっきりと言われたジークは、何も言えないままそっと後退りしてその場を去り、教室にある自分の席についた。
「はぁ、朝から波乱だなぁ」
待っていると始まりのチャイムが鳴り、先生が来る。
(先生、どんなひとだろう……)
先生がやって来た。口元には牙があり、黒いマントを羽織った吸血鬼のような姿をしている。そして教卓へ移動すると口を開いた。
「皆さん!入学おめでとうございます!今日からこのクラスの担任を務める『フレッド』です!『フレッド先生』と呼んでください!」
軽い自己紹介を済ませると、みんなも自己紹介をしようと言い、順番に自己紹介をすることになった。そして1番の人が前に出て自己紹介する。
「はじめまして!ディオス・ブラウスです!能力値は〈5〉で、好きなことはサッカーです。よろしくお願いします!」
そうして1人目は終わって2人目が始まる。ちなみにジークは3番目だ。
「………レイス・フロギストンです………好きな物はコーンスープです。能力値は〈5〉です……喋るのが苦手なので、喋り掛けてくれるとうれしいです……」
その人は自分で言い終えると照れくさそうにして席に戻った。そして、ジークの番になる。
「ええと、ジーク・デストロイです。能力値は〈1〉です……よろしく………」
そうしてジークの自己紹介は終わった。そして4人目の番だ。それは、ジークに「消えろ」と言った人物だった。
「フレイ・べルージュだ。能力値は〈10〉だ。先に言っておく、俺の邪魔はするな。以上」
このようにして全員分の自己紹介を行い、先生が話す。
「皆さんありがとうございます!それでは簡単にこの学校について話そうかと思います!」
こうしてこの学校の説明が始まる。
「この学校は他の所より比較的強い人たちがあつまる強豪校です。そしてクラスごとに強さで分かれています。1組には能力値の高い人たちが沢山いて、この4組は比較的弱い人たちが多いです。強さ順は1→2→3→4になります」
とのことだそう。そして3週間後にはクラスで生き残りをかけたクラス対抗戦を行うことになっている。この学校はそのような行事が沢山あるようだ。そしてそのルール説明と能力値の測定を次の授業でやることになっている。
1章 第1話「入学」 終わり
- 1章 デストロイワールド-Destroy World ( No.1 )
- 日時: 2024/09/30 19:10
- 名前: 桜月ゞ幻夜 (ID: HTruCSoB)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
1章 第2話「測定」
___主な登場人物____
ジーク・デストロイ(主人公)
フレイ・ベルージュ
ディオス・ブラウス
レイス・フロギストン
ハデス・デスサイザー
フレッド先生
_____________
「それでは、クラス対抗戦の説明をします!よーく聞いといてください!」
クラス対抗戦のルールは以下のようになっている。
クラスで一人リーダーを決める。
↓
リーダーが負けるとそのクラスは全員脱落。
クラスの中でリーダー含め、クラスの仲間が最後に残っていれば優勝。
ルールその①:時間がたつと禁止エリアが増える。そこに入ると即脱落。
ルールその②:武器、スキルの使用可。
ルールその③:仮想空間での学校で行われる。
(致命傷を喰らっても死なないがその場合は脱落となる)
「という感じです!ルールを守って戦いましょう!それでは、能力値の測定をするので体育館へ移動しましょう!」
先生の説明を受け、そのまま体育館へ移動する。
「はぁ、クラス対抗戦……どうなるんだろう……」
ジークがそう呟いているとクラスメイトに声をかけられた。
「ねぇ君!ジーク君だっけ?」
その声の主はディオスだった。ジークは少し戸惑った。
(この俺に話しかけてくれてる………?)
ジークなんとか返事することができた。
「そ……そうですが、何か……?」
「一緒に体育館いこ!」
元気で明るい声と純粋なその笑顔で言われた。
(俺と?嘘だろ……生まれてきて誘われたことなかったのに……これが友達ってやつ?)
そう心に思ってジークは答えた。
「あ、うん、いいよ………」
「やった!ジーク君はこのクラスで最初の友達だ!」
(……俺からしたら君は人生で最初の友達だよ……)
「そんじゃ、行こっか!」
「あ、うん」
そうして二人で体育館へと向かった。既に先生は着いているようで生徒たちを待っていた。
「みんな集まりましたね!今日は1組と合同で使うので、仲良く使ってくださいね!じゃぁ最初は……ディオス君!やってみましょう!」
先生はディオスを指名した。
「えっ、お、俺ですか?」
「はい!あの機械を見てください!」
そこには赤紫色の丸い形の判定の周りに鉄の支えがある。
「あれに攻撃するんですか…?」
「そうです!あの丸い所に攻撃してください!」
「よーし……」
そうしてディオスは測定機へ近づき、ジークはぼそりと「がんばれ…」と呟いた。
ディオスは攻撃態勢に入り言った。
「よーし…クラスのみんなのために、ジークのために……俺が1番目にいってやる!」
ディオスは飛び上がり空中で構える。
「スキル『渾身の一撃』発動……【渾身の一撃】」
測定機へ一気に近づき、力いっぱい込めた拳を放ち、周りに小さい衝撃波が弾ける。
「どうだ………?」
すると測定機には〈5〉という数字が表示され、先生は言った。
「ディオス君の能力値は〈5〉ですね!ちなみに攻撃してから3秒間は測定判定があるので、その間は何度攻撃してもらって構いません!では次はレイスさん!」
どんどん順番が回って来る。レイスは少し驚いた。
「え!私ですか!……わかりました……」
レイスも測定機へ近づき構えた。
「集中して私………」
そう自分に言い聞かせると高く飛び上がった。
「スキル『氷結』発動……【アイスバニッシュ】」
氷でできた鋭い弾を飛ばす。測定機には〈5〉と表示される。
「レイスさんも〈5〉ですね!二人とも優秀です!次は フレイさん!お願いします!」
指名されたフレイは焦る様子もなく言う。
「やっと、俺の番か。今日はいつも以上にイライラしている……本気が出せるかもな……今度こそ、〈11〉をとるために!」
フレイは自分の周りに炎の弾幕を放ち、武器の槍を構え、弾幕のスピードに合わせ、さらに測定機へ畳みかける。
「どうだ………」
測定機には〈10〉と表示される。
「す、すごすぎる……これが能力値〈10〉……」
ディオスはその精度に驚いている。
「素晴らしい!フレイ君!フレイ君はこの学校でも有数の能力値〈10〉ですね!では次は……」
「すいません、少し時間をもらっていいですか?」
フレイの測定の後に誰かが先生に話しかけた。
「あなたは……確か1組の……」
その人は続けた。
「自己紹介が遅れましたね……僕はハデス・デスサイザーです。そこの槍を持った君…何て名前なんだい?」
ハデスというものはフレイに話しかけた。
「デスサイザーって、あの…大手企業を束ねてるあのデスサイザーなのか……俺はフレイ・べルージュだ」
フレイはハデスに答えた。そしてハデスは言う。
「へぇーいい名前してるじゃん。じゃあフレイ君、俺は君のライバルになるよ」
「はぁ?いきなりなんだと思えば、宣戦布告か?さっきのやつを見て言ってるのか?」
「あぁそうさ。じゃあ、今から俺もやらせてもらうとするよ。先生、少しお時間もらっても?」
「あ、はい大丈夫ですよ。本来は時間が余る予定なので」
ハデスは先生にお礼を言うと測定機の前へ出た。
「派手にいくよ……」
ハデスはそう言って構える。そして測定機めがけて高速で移動していく。
「スキル『邪炎』発動……」
ハデスは測定機との距離をさらに縮める。
「燃やしてやるよ、何もかも」
【邪神魔人拳】
紫の炎を纏ながら放った一撃は空気を震わせるほどだ。
「どうだい?僕のスキル『邪炎』は。なかなかに良かったでしょ?」
測定機には〈9+〉と表示される。そしてフレイは言う。
「〈9+〉か……悪くはないが、俺にはかなわない」
そう言うとハデスは言った。
「やったぁ~能力値〈10〉からのアドバイスだぁ~へへへ………いずれ抜いてやるからよ……」
「やれるものならやってみろ…」
フレイはそう言いながら心の中で思う。
(だが一撃であの精度……かなり鍛錬をしないとあの精度は難しい……)
そのころ、ジークも考えていた。
(なかなかやるな……フレイもすごいが、一撃であの精度までいくとは…さすが、連続的に能力値〈10〉を産み、そのほとんどが世間を動かしているデスサイザー家……)
その中先生は言った。
「け、けんかはしないように〜………それではジーク君!お願いします!」
ジークは少し嫌がったが、やるしかない。
「わかりました………」
そしてジークは定位置へ着くと、フレイに言われた。
「おい、雑魚め、心配するな。誰もお前のことなんて気にしてない。能力値〈1〉なんだからな………」
そう言われた後にジークは心の中で言う。
(別に〈1〉だからって何を言われても気にしない。だが、それでできないことが増えたり、いじめられると少し面倒くさい……少し暴れてやるか…………)
そしてフレイに言う。
「黙って見てろ……」
「あ!?お前誰に口を聞いて……」
フレイにキレられたがジークは気にせず続ける。
「さてと、久々にひと暴れするか……」
ジークは自分の剣を取り出し、測定機に斬りかかる。最初の一撃からさらに剣を振り連続攻撃すると壁から天井へ、天井から測定機へと壁キックで飛び上がり、急降下。最後の一撃を繰り出し、着地する。そうして、いつの間にか自分がしていたことにジークは焦る。
(まずい、まずい……やり過ぎた……なぜこんなに力を出した?怒りから来たのか?いずれにしろまずい……)
そうしてジークは周りの騒動に気づく。
「なんか、騒がしいな……」
そう言ってみんなの方へ振り向くと、フレイは呆然とし、ハデスは何も言わないまま黙っている。先生やディオスたちも、言葉を失った顔でジークを見つめていた。
1章 第2話「測定」 終わり
- Re: 1章 デストロイワールド-Destroy World ( No.2 )
- 日時: 2024/09/30 19:14
- 名前: 桜月ゞ幻夜 (ID: HTruCSoB)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
1章 第3話「暗殺」
___主な登場人物____
ジーク・デストロイ(主人公)
フレイ・ベルージュ
ディオス・ブラウス
レイス・フロギストン
ハデス・デスサイザー
フレッド先生
_____________
「………騒がしいな……まぁ、そりゃあ騒ぐよな……だって、測定機を壊しちまったからな」
周りが騒いでいたのは、ジークが攻撃した測定機が黒い煙を上げて完全に壊されているからだ。そしてレイス、ディオス、フレイの順で呟く。
「うそ……………」
「そ、測定機を……」
「ぶっ壊した………のか?」
3人が驚いていながらもハデスは黙っている。そして先生が言った。
「測定機を壊すほどの力を持ったものの高校生は…いや、大人でもそういません………これでは、測定の続きができませんね……皆さんすいません、測定はまた直り次第行いますので、一旦教室へ戻りましょう………!」
ジークは静かにその場を去ろうとしたがフレイに止められた。
「おい!お前、能力値〈1〉って言ってたよな?なぜ嘘なんかついた!?」
ジークはそのまま答える。
「別に噓なんかついていない」
「あれは俺はおろか、〈11〉でも出来かねない動きかだぞ。ましてや、高校生なんかにはなおさらできない。それをお前ができるなんて普通じゃないんだぞ!」
ジークは続ける。
「この世には無数といっていいほどのスキルが存在する。中にはスピードや、自身の体を強化するものもある。それらを組み合わせればもはや不可能なんて無くなる」
「じゃ、じゃあお前のスキルを教えろよ!」
「俺は長話が嫌いでな」
そう言ってジークはその場を去った。それを見ていたハデスは言う。
「ジーク・デストロイか……なかなかおもしろそうじゃん……」
ジークは放課後に外を歩いているとハデスに声をかけられた。
「やあやあジーク君、待っていたよ。俺はハデス・デスサイザーだ。知らないとは言わせねぇぜ?」
「あ、はい知ってます……」
「聞きたいことがある。君は何者だ?」
「一般人に決まってるだろ」
「そう答えるか…面白い噓だね」
「別にどうとらえてもらっても構わんが、勝手な解釈を広げたりするのはやめてほしい」
「残念だけどそれは無理かな。だって君の噂はとどまることを知らないよ?」
「どういうことだ」
「あの後、ほかのクラスの奴らは測定できなかった。そして君が壊したことが広まる」
「…………」
「君は早くも人気者だね。先生も言ってただろ?『測定機を壊すような人物はそういない』って。しかもあの測定器は硬化のスキルの能力もかかってる。並な一般人が壊せると思ってるのかい?」
「フレイにも言ったが、この世には無限といっていいほどの沢山のスキルがある。それを駆使すれば、不可能なんてない」
「じゃあ、そんなスキルを持っている君は、世間的に立場も能力値も高いはずだ。僕はおかしいとしか思えないね」
「すまないが、今日は用事がある。少し急いでるから道を通してくれ」
「なるほど、そうやって逃げるんだね。まぁ今日のところは逃がしてあげる。だた、俺は君に興味がある」
「好きにしてくれ」
「いつか一戦まじえることを楽しみにしてるよ」
そうしてハデスとの長いやり取りは終わった。
「やっと行ったか…面倒な奴2人に目をつけられたもんだ。それより、早く行かねぇとな………」
そう言ってジークはとある場所に向かって歩いた。
「来たか……」
ある路地裏に黒い布で口元を覆った黒ずくめの男がいた。
「先輩!」
もう一人同じような姿をした男がその場所にやって来た。
「合言葉を言え」
そう言われた後輩の男は答える。
「上流の蒸留水 取水場で事情聴取」
「よし、それじゃあブツを見せろ」
「これのことですね……」
後輩が手に取った物は名簿のような何か書かれている紙だった。
「よくやった。お前のことは上に伝えておく」
「わかりました」
後輩はそう返事すると心のなかで思った。
(よっしゃー!初任務完了!)
心の中で言い終えると、背後から青い線の模様の黒い戦闘スーツのようなものを着た男が後輩に銃を向け、言った。
「随分うれしそうじゃないか。でもこんな言葉聞いたことはないか?『帰るまでが遠足』って」
それはジークだった。そしてそう言うと、後輩めがけて
引き金を引いた。
「逃げろ!」
先輩の男がそう言う頃にはもう遅かった。後輩はその場で倒れている。そしてジークは言う。
「悲しいよな…こんなあっさりと目の前で後輩が消えるなんて…だが、情報を奪ったからには、生きて返すことはできないんだよ」
「お前も……同じ運命に合わせてやる!」
先輩の男はジークに殴りかかるが、避けられる。
「やめておいたほうがいいぞ」
「うるせぇ……消えろ……」
ジークはあの測定の時に使った剣を取り出す。
「だってお前、弱すぎるし……」
ジークは先輩の男に向かって斬りかかった。すると、ジークの方から長いマフラーのようなものを首に巻いて、中折れ帽を被った男がやって来た。
「よくやった。やはりお前は任務を数秒で片付けるな」
するとジークは言う。
「テトラさん……俺は本当に人間なのでしょうか?任務をこなしていくうちに、人を殺すことにためらいがなくなってきてるんです。今ではこんなにも素早くできるようになって……俺は自分が怖いです」
「すまないなこんな任務ばかり………だが、この世界に『スキル』がある以上、このようなことをしなければならない世界がある。お前は汚い世界に足を踏み入れてしまっただけだ。強いが故に………な…………」
「……俺はこの世からスキルを消す。そして何もない世界に塗り替える。そのための………犠牲ですよね」
「あぁ…………絶対にやり遂げて見せよう。今日はこれで任務終了だ。帰還してくれ」
「わかりました。ではまた後日」
そう言って『テトラ』という人物は去った。しかし、誰かに見られている気配をジークは見逃さなかった。
「はぁ………いつから見てたんだ。『メニス』」
そこには紫の服を着た男が立っていた。
「へへへ……気づいてたか。お前くらいになるとこんなん朝飯前だもんな。な、最強さん」
1章 第3話「暗殺」 終わり
- Re: 1章 デストロイワールド-Destroy World ( No.3 )
- 日時: 2024/09/30 19:28
- 名前: 桜月ゞ幻夜 (ID: HTruCSoB)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
1章 第4話「偽造」
___主な登場人物____
ジーク・デストロイ(主人公)
フレイ・ベルージュ
ディオス・ブラウス
ハデス・デスサイザー
メニス・??????
フレッド先生
_____________
「何の用だメニス」
「へへへ……俺は別に用はないぜ?ただ忙しそうなジークを見て声をかけただけだ」
ジークの任務を裏で見ていた男『メニス』が答える。
「先に言っておく。来るなら来い、ただし全力でな」
ジークはもし何かあってもいいよう攻撃態勢でメニスに言った。
「おいおい、そんな殺気立てるなよ。それに俺は戦う気はないぜ?しかも今戦ったとしてもお互いメリットがない」
「わかってるなら帰れ」
ジークはメニスと話す気はなかった。
「まぁまあ久しぶりに会ったんだ。話でもしよう。聞いたぞ……お前高校に入ったんだってな?みんなからチヤホヤされてんだろうに」
「チヤホヤなんか一切されてない」
「まぁお前のことだ。何とかしているんだろう……」
「………」
「まぁ、俺も長居してられない。高校生活楽しめよ?」
メニスはそう言い残して姿を消した。
「もう高校のことがバレてるとは……情報が早いな…だが今に見てろ………『Z軍』どもめ……」
そして翌日の学校でジークが登校していた時だった。
「なにやってんだフレイ………」
ジークの目線の先には建物の裏にわかりやすく隠れたフレイがこちらを見ている。
「………ば、バレてた…………」
「いや、そりゃあ……お前足音でかいし………たまに見えてたし………」
「そ、そうか……今度から気を付ける……」
「いやもうやるな。てかお前、友達いないのか?」
ジークの質問にフレイは珍しく焦りを見せる。
「は、はぁ!?俺は能力値〈10〉だぞ!?友達なんて大量にいるし!」
「じゃあなんで1人通学………」
「今日は1人っつうか…まぁ仕方ないからおまえと行ってやろうってだけで……ほら、昨日いろいろあったし!」
「いや、俺1人で十分……」
フレイはそのジークの声をかき消すように言う。
「能力値〈10〉のこの俺と通学なんて、なんてお前は恵まれてんだろうなぁぁーー ‼」
ジークは言葉に出さず心の中で思った。
(こいつはあれだ…強いけど毒舌すぎるやつだ。たぶん俺と同じで友達出来にくい奴だ)
心の中で思った後ジークは言った。
「まぁいい、早く行くぞ」
「お、おう………」
そして学校に着き、測定の続きをする。
「ではみなさん、測定器が新しくなったので測定の続きをしましょう!では引き続きジーク君から!」
先生はそのままジークに続きをさせる。
「わかりました」
ジークはゆっくり測定機に近づく。
「今度はしっかり目に焼き付ける……」
フレイはそう言いジークを見つめる。
ジークは測定機へ近づくと「ふぅ……」と一息ついてから測定機へ軽くパンチした。そして測定機には〈1〉と表示される。
「よっしゃ」
ジークはそう呟くと周りは目を丸くして口を大きく開けて我に返っている。そしてフレイはジークに話す。
「お前……なぜ手加減した?」
「手加減?何のことだ?」
「とぼけんじゃねぇ……俺はこの前の測定のような人間離れした動きが見たかったんだ」
「これで分かっただろ。俺が能力値〈1〉な理由……あれはまぐれだったんだよ」
「そうかそうか………なら……」
フレイはそう言うと武器を持ち、測定のときより多めの炎の弾幕を放ちジークへ無言で飛びかかる。
「なるほど、力を引き出そうってことか…俺って人怒らせるの得意なのかな…?」
フレイは構わずどんどん攻め込み、ジークは追い詰められる。
「まずい………追い込まれた……どうする?スキルを使うか?できれば使いたくないんだが、でも今のこいつは確実に俺の首を跳ねるつもりだ……」
とどめを刺さるかと思ったそこにハデスが入り込む。
【炎王突き】
【邪神魔人拳】
能力値の高い2人のスキルと技がぶつかり合う。それは他と比べ物にならないくらいの迫力だった。
「さすがにやりようがあると思うよ。いくらなんでも無抵抗のものをここまでするとはな。能力値〈10〉も堕ちたもんだね」
フレイの攻撃を受け止めたハデスが言った。
「っち、邪魔が入りやがって……まぁいい、ジーク、俺は絶対お前の実力を引き出してやるからな……」
フレイはそう言うと1人で教室へ戻ってしまった。
「お、おわった………?いやマジ怖すぎんだろ。突撃の仕方がレベチだわ………」
ジークはひとまず安心するとハデスは言う。
「やっと行ったな……全く……冷静さのかけらもないんだから……まぁでもあいつの言っていることも、わからないこともないね………」
ハデスは不気味な笑みを浮かべ、ゆっくりとその場を去った。そしてジークも教室へ戻り、授業が始まる。
「みなさーん授業始めますよ!今日やる内容は『Z軍(ゼータ軍)』についてです」
それを聞いたディオスは呟く。
「ゼータ軍?なんか何度か聞いたことあるような……」
先生は続ける。
「はい、何度か聞いたことがあると思います。まぁ、まだゼータ軍というのが本当なのか分かりませんが、政府がそう呼んでいます。まず、ゼータ軍がどのようなものなのかというと、幹部が約8人で形成されている『対政府組織』のようなもので、ここ100年あたりから政府とにらみ合っています。まぁ言ってしまえば『政府が最も恐れている組織』です」
「え、なんで政府がそこまで恐れているのですか?」
ディオスが先生へ質問する。
「実は、ゼータ軍の今まで確認できた幹部8人……それら全員が、能力値〈12〉なのです。」
「能力値〈12〉……最強クラスじゃねぇか………」
ディオスはそう呟く。
「能力値〈11〉が3人がかりでやっと戦える……そのくらい能力値〈12〉は異次元と言われております。それが8人集まった組織、だから政府が1番恐れていると言えるのです」
そしてディオスはまた質問をする。
「先生!その中にはどんなスキルを持っている奴がいるのですか!?」
「それがですね……スキルの情報は未だあまりないんですよ。まぁでも、そのような強い人がたくさんいるので、皆さんも気をつけてください」
「はーい」
ディオスは返事をする。すると先生がさらに口を開く。
「それでは今から、ついに3日後始まる…クラス対抗戦について話していきたいと思います!」
1章 第4話「偽造」 終わり
- Re: 1章 デストロイワールド-Destroy World ( No.4 )
- 日時: 2024/09/30 19:33
- 名前: 桜月ゞ幻夜 (ID: HTruCSoB)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
1章 第5話「開戦」
___主な登場人物____
ジーク・デストロイ(主人公)
フレイ・ベルージュ
ディオス・ブラウス
フレッド先生
_____________
「うわぁ………ついに始まるのか『対抗戦』」
ディオスはそう呟いて先生が言う。
「今日は作戦会議の時間を1時間設けたいと思います! なお、ルールは前回言った通りなので、しっかり考慮して考えてくださいね!期待していますよ!」
それを聞いたジークは呟く。
「始まるのか……最弱クラスだってのに」
先生は最後に説明する。
「では最後に、今から作戦会議をしてもらうので、このクラスで一番能力値の高いフレイさんに司会をしてもらいたいと思います!」
「え、俺が司会………まぁそれもそうか。じゃあみんな、作戦決めるぞ」
フレイは自分だけのことを考えるのではなく、クラスの優勝を考えてみんなをまとめた。
「フレイの作戦、大丈夫かな……」
その一方で、ジークは安心しきれていないようだった。
そしてフレイは作戦をまとめた。
「よし、じゃあ作戦を言うぞ。まず、このクラスは4チームに分かれる。それぞれのリーダーは俺、レイス、ディオス、ジーク。そしてこのクラスのリーダーはジークだ。ジークに敵がいかないように、俺と2つの班は動く。ジークの班はそこの護衛がやられた時にジークを守ってもらうような感じだ」
「まさかの俺がリーダー……いけるのかこれ……でもせっかくの機会だし、ちょっと遊んでやるか……」
そして3日後、対抗戦当日になった。
「うわぁ、来ちゃったよ学校。なんか緊張するな~。まぁでも俺らのクラスが勝ったら、学校史上初の最弱クラスの勝利ってことになんのか………やってやるよ」
ジークは昇降口の前で独り言を言っていた。そして教室で開始の合図を待機しているとチャイムが鳴った。
「よし鳴ったな。みんな!出るぞ!」
フレイが言うとそれと一緒にジークとディオスが教室の外へ出る。
「それじゃあ言ったように理科準備室にジーク。ディオスは理科室。俺はこの辺で食い止める」
すると3人の後ろから大きい音と揺れが起きた。
「っち、もう1組と2組が……お前らはさっさと行け!俺らが食い止める!」
そうしてフレイはその方向へ行ってしまった。
「最初から激しいな!ジーク行くぞ!」
ディオスはそう言ってジークを連れる。ジークもディオスの後に続く。2人が理科準備室へ向かっていると、遅れてフレイの班の人たちがフレイに向かった。
「フレイの援軍も行ったな。今俺らがいるのは1階。4組を出たばかりのとこだ。おそらくフレイは1組と2組の戦いを警戒してくれてる。4組の向かいにある3組はあそこの戦いを警戒してこちら側に来るだろう。俺は理科準備室に行って隠れておく。そういう作戦だが…………はっきり言ってディオスたちとレイスたちで、3組を止められる気がしない………なら俺が行くしかないな」
そう言うとジークは走っていた反対の方へ向かった。
「ジークこの中で隠れ………ってジーク!?」
ディオスはいつの間にか隣からいなくなっているジークに気付いた。
「向こうに4組がいるぞ!まずはあいつらから!」
ディオスたちに気付いた3組の3人はそう言うとその上から剣を持ったジークが一瞬で連続的に斬りかかり、3人を素早く片付ける。
「すまんな、先に3組の小隊をつぶしてた。これで寄り付きにくくなるだろう」
ジークはディオスの元へ戻り言った。
「お、おまえ、今の一瞬で3人やったのか?」
ディオスは先ほどの出来事に驚いている。
「その話は後だ。お前らの班は理科室で待機しててくれ。呼ぶときはしっかり言う」
「お、おう………」
2人は作戦の位置に着く。
1章 第5話「開戦」 終わり
- Re: 1章 デストロイワールド-Destroy World ( No.5 )
- 日時: 2024/09/30 19:35
- 名前: 桜月ゞ幻夜 (ID: HTruCSoB)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
1章 第6話「雷鳴」
___主な登場人物____
ジーク・デストロイ(主人公)
フレイ・ベルージュ
ディオス・ブラウス
レイス・フロギストン
ハデス・デスサイザー
鳴響 雷斗
ジャック・カーソン
_____________
クラス対抗戦が始まり、各クラスごとに戦っていると、 ハデスが2組の3人を倒しながら歩いていた。
「へへへ………2組の奴らこんなに弱いのかよ。話になんねぇな。やっぱり俺は………あいつとやりたいな……ジーク、あいつはどれだけ今回の対抗戦を楽しませてくれるんだろうな。楽しみで仕方がない」
そしてハデスがまた少し歩くと、後ろの柱に向かって話しかけた。
「………フレイ君、いつまでコソコソやってるんだい?」
ハデスが聞き終えると、フレイが背後から飛び出しハデスに斬りかかった。しかし簡単に避けられる。
「っち、バレてたのかよ」
「フレイ君、たぶん今の僕たちは戦わない方がいいと思うよ?君の隊の仲間は僕の精鋭たちが片付けてくれた。しかもこっちにはまだ主戦力もいる。そして君がいなくなれば4組の戦力はかなり厳しくなるよ?」
「ふん、そのくらいわかってる」
フレイはそう返事すると心の中で考えた。
(確かにさっきの戦いで3組は脱落、2組はリーダーはやられてないが8割近くがやられた。だから俺はあえて自分の隊に雑魚を多く入れ、情報収集のためここで使わさしてもらった……ただ、1つ妙な点が……)
「ちなみにお前らの言う主戦力ってのがまだ見えないんだが、ほんとにいるのか?」
フレイがそう聞くとハデスが笑みを浮かべ答える。
「そんなに見たいのかい?へへへ……まぁ、この辺りにはもう残党もいないだろうし特別に見してやるか……じゃあ……いいよ『雷斗』暴れてきな」
「雷斗?なんか聞き覚えが………」
フレイがふと思うと、まばたきする間もない速さで誰かがフレイに向かって斬りかかる。
【響雷閃光】
「フレイ、奇襲はこうやってするんだよ」
フレイはギリギリのところで避けた。その正体はフレイの服と形が似た黄色のものを着ている男だった。
「お、おまえ!まさか中学の時の!唯一マリンといい勝負したやつじゃないか!お前もこの学校だったのか!」
「覚え方が悪いのも変わってないみたいだね。僕はいつも君の1つ下にいた。どれだけやっても君だけには1歩追い付けなかった。だがそれも今日までだ。フレイ」
雷斗は刀のような武器を構えてフレイに何度も高速の居合い切りで斬りかかり、フレイと押し合う。
「クソ、速すぎだろ…速すぎて目で追うので精一杯だ……だが、こいつの情報はつかめた。悪いが帰らしてもらう」
フレイが必死に防御していると後ろから拳を構えたハデスが話す。
「背中ががら空きだぜ?へへ…………君の敗因は僕たちの情報を集めようなんて思ったからだね」
ハデスが紫炎を纏った拳をぶつけようとすると、ジークが間に入り、ハデスの攻撃を受け止めた。
「へへっ、ジークじゃんか。会いたかったよ」
フレイとジークは後ろに下がり、ハデスと雷斗もジークたちとは逆の方向へ下がる。
「ジーク!お前!隠れとけってあれほど ‼」
フレイが言うとジークはフレイに突っ込むように言った。
「お前のことだ、どうせ馬鹿みたいに突っ込んで勝てるとでも思ってたんだろ。この高校は国内トップクラス。お前と対等に戦えるやつもいるんだ」
「っく………」
ジークがフレイに言うとハデスが話しかける。
「話は終わりかい?」
「すまないが、俺はこいつを助けに来ただけだ。今回は 逃げさしてもらう」
「まぁ、それが一番いい判断だろうね。まぁいいさ、どうせ僕たちがやりあう時は近い」
「それはどうか知らんが、うちのフレイがすまなかったな」
ジークは雷斗と同じような速さでその場を去った。
「あ!?お前、馬鹿にしやがって ‼」
フレイもジークに続いてその場を去った。
「……よかったのか?今潰しに行かなくて………」
2人が去った後に雷斗がハデスに聞いた。
「あぁ、平気さ。あいつらは最高の状態で招待する」
「でも他のやつにやられる可能性もあるぞ?」
「大丈夫だ……ジークは負けない。俺にはわかる」
「………お前がそこまで言うなら、そうなんだろうな」
「さて、じゃあ俺たちも、そろそろ準備するか。最高の状態にするための……な」
「そうだな………」
そしてハデスたちもその場を去った。その頃、ディオスは理科準備室前で呟いていた。
「んー……ジーク大丈夫かな……俺守る側なのに、全然ジーク守れてない。それより俺らなんていらないくらい 強いし……」
ディオスが呟き終えると校内に放送がかかった。
「こちら、対抗戦司令部です。現在の状況をお送りいたします。現段階の脱落クラスは、1-3、2-3、2-4、3-3、3-4、以上のクラスが脱落しました。また、 1分後に各クラスの教室を禁止エリアにします。以上対抗戦司令部でした」
「うわぁ………こりゃえぐいな」
放送が終わりディオスが歩くとレイスが走って来た。
「ディオス君………聞いてた!?」
「あぁ、もう高学年の3・4組もやられてるとはな」
「私たち……生き残れるかな………?」
レイスが不安そうに言うと、2人の背後から誰かに話しかけられる。
「いいや、あんたらはここで消えてもらうぜ?」
話しかけた人物は海賊の帽子を着ている男だった。そしてその男は続ける。
「同志たちが消えてもなお、俺の心は変わることはない!この俺『ジャック・カーソン』は‼この学校一海を愛するため、貴様らを倒す!そして海に認めてもらうのだ!」
「な、なんだあいつは!?海賊かぁ!?」
ディオスがそう言っているとレイスが言った。
「いや、絶対にただのヤバい奴でしょ」
ディオスはレイスの言ったことに聞く耳を持たずジャックに言った。
「やい!そこのお前、俺の方が海を愛してるぞ!」
「あ!?お前!そんなわけないだろ!お前ごときに何がわかる!」
ジャックは否定するがディオスは続ける。
「俺の父親は漁師だ。父親は言ってた。『お前はこんな狭い世界じゃなく、海のような膨大な大海原で生きろ!』 とな……だから俺は、この海を誰よりも愛しているんだぁぁ!」
2人の会話を聞いていたレイスは呆れた様子で言う。
「もう私突っ込まないからね」
そしてジャックがディオスに言った。
「お前の気持ち伝わった………なら、実力で試そうではないか!」
ジャックがそう言うと、海賊が持っているような刃が大きい剣を構え、ディオスたちに向けていた。
1章 第6話「雷鳴」 終わり
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