ダーク・ファンタジー小説

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雪うさぎの目は赤い
日時: 2024/11/01 16:00
名前: 透 (ID: Q8dIWKcE)

雪うさぎの目は赤い。
それには、不思議な意味が隠されている。

Re: 雪うさぎの目は赤い ( No.1 )
日時: 2024/11/01 23:47
名前: 透 (ID: Q8dIWKcE)

「わー、ウサギだ!かわいーね、かがみみたい」
いやいや、おかしいだろ。
なんでこんな都会のド真ん中に白いウサギがいるんだ?
「こんな都会にウサギがいるワケないだろ。お前も俺も幻覚を見てるんだ」
「逆にこんな人通りが多いところで僕たちだけが幻覚を見る方がおかしいよ!これは本物のウサギちゃんだよ」
俺の名前は雪兎ゆきとかがみ
目が赤いのが気持ち悪いってよく言われるけど、そんなの気にしねぇ。
そんでこの隣にいるのが幼馴染みのからすたすく
ふんわりおだやかな性格。
たまに腹黒いけど、学年でもけっこーなモテ具合だ。
髪もサラサラで、なんでこんなヤツが俺とつるんでんのかいまだにわからない。
「僕ウサギって好きだよ。鑑みたいでかわいいもん」
「......あっそ」
こういうことをさらっと言えるヤツだ。
でもこいつ、たまーになんかヘンなんだよな。

Re: 雪うさぎの目は赤い ( No.2 )
日時: 2024/11/02 00:49
名前: 透 (ID: Q8dIWKcE)

「ばいばーい、ウサギちゃん」
佑がウサギに手をふる。
ウサギはこっちをふりかえろうともせずに去っていった。
あのウサギの目は赤かった。
まるで俺の目のように。
ウサギには、目に虹彩こうさいがないものもいて、その場合は目の中の血管が透けて見えるから赤くなるらしい。
俺の場合もウサギと一緒だ。
いわゆるアルビノというやつなのである。
白い髪に赤い目。
俺の見た目はほとんどウサギと変わらない。
今まで「気持ち悪い」なんて、何度言われたか、そんなのもう覚えてない。
まぁもう全然気にしてねぇけど。
でも、小さいころはこの見た目のせいで結構ないじめに合ってたな。
全部黒に染めた時期もあったし。
そんな時も、そうじゃない時も、佑は幼馴染みなのもあってずっと一緒にいたんだ。
これはもう親友と呼ぶしかないくらいに。
そんな佑が、最近ちょっとおかしい。

Re: 雪うさぎの目は赤い ( No.3 )
日時: 2024/11/10 10:31
名前: 透 (ID: Q8dIWKcE)

本編と少し関係がある、「アルビノ」というものについて説明します。
アルビノは眼皮膚白皮症がんひふはくひしょうと呼ばれており、先天性の遺伝子の病気です。
2万人に1人といわれていて、国の難病にも指定されています。
髪の毛が白や金になっていたり、目は紫や青だったりします。
アルビノの人の目が赤く見えているのは、写真を撮った時の反射で目全体が赤く見えている、ということです。
本編で登場する主人公はウサギをモチーフにしているので赤い目となっておりますが、そのあたりはご理解ください。
アルビノは見た目だけでなく、両目の視力が悪く、眼鏡などを使用しても見えるようにはなりません。
また、アルビノには紫外線を防ぐメラニン色素が欠乏していて、強い紫外線から適切に身を守らなければ命に関わってしまう恐れもあります。
でも、アルビノも一種の個性のようなものなので、他の人とそんなに変わりがあるわけではないと思います。
かといってもやっぱりいろいろ大変だったりはするとは思いますが、僕はアルビノの人のことをキレイだと思います!

Re: 雪うさぎの目は赤い ( No.4 )
日時: 2024/11/22 20:48
名前: 透 (ID: Q8dIWKcE)

佑と初めて出会ったのは、今から11年前。
俺が通っていた保育園に転園してきたのが佑だ。
親の後ろに隠れてこっちを遠慮がちにうかがっている様子は、どこからどう見ても完全に女の子である。
少しでも力を入れると折れてしまいそうな華奢な身体に、触れるととろけてなくなってしまいそうなサラサラの髪。
俺でも初めは女の子かと思ってしまったくらいだ。
佑はたちまち園での人気者になった。
俺はそのころから人の上に立つタイプではなかったので、質問攻めに合う佑をただただ眺めていた。
多少の劣等感をかかえつつも、幼少期の俺は理解していた。
俺はあんなふうにはなれないのだと。
転園してきてからすぐに人気者になれるわけがないのだと。
たまたまそれが佑だっただけで、別に佑が悪いわけじゃない。
困りながらも質問を返していく佑を、俺はただひたすらに眺めていた。


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