ダーク・ファンタジー小説
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- プロローグ
- 日時: 2025/01/28 23:54
- 名前: みやぎあすか (ID: GbhM/jTP)
- 参照: https://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=form
ことの発端などいつの事だったか。幼い頃の記憶は曖昧で、途切れ途切れとしか覚えていない。
だが、今思えば私は──普通の子よりも、少々異端だったのかもしれない。
他の人には見えず、聞こえず。そんな人ならざるものの声を聞き、たびに見て。
「普通の人には見えないものが見える」などと言えば、普通の人ならば私をどのような目で見る
か?答えは簡単、訝しく思うか、奇異の目で見るか、基本はそのどちらかなのだろう。
さて、「人ならざるもの」といえば皆は何を思い浮かべるだろう?多くの人は幽霊や妖怪などを想
像するのだろう。
…そう、私は幼い頃から、幽霊や、異界への境界が視えていたのである。巷間で言うと、「霊感」
と言うべきものだ。
だが、幽霊や異界への境界が視れるというだけならば、探せばいくらでもいる。
普通の人間なら、霊感というのは幼少から成長するにかけて弱まり、やがてなくなっていくもの。
だが、霊感がある人ならば、幼い頃の霊感がそのまま維持されたり、霊感がさらに強くなっていく
事もあるそうだ。
そして…私は後者だった。だが、問題はここからだ。
ただただ「霊感が強くなってきている」と感じる程度では、わざわざ人の目に触れる可能性のある
電子媒体の文書ドキュメントなどに書き込んだりしないのだろう。
…なんと言えばいいのか、言葉が見つからない。自分の語彙のなさが恨めしい。
そう、自分の語彙の無さで説明するとすれば───霊感の成長の仕方が歪なのだ。
他意は……ある。
もし、友達や家族に──今の私の霊感の状況がどうなっているのか……。それを言ってしまえば、
おそらく、嘲笑されるのだろう。
だって、普通の人には、幽霊なんて、境界なんて、視えないのだから。
では、なぜ私はここに書き込んだのか?
ここに書き込めば──何かが変わるかもしれないと、そう思ってしまったのだ。
もちろん、今から私が書く記録は、ただの与太話だと思ってもらって構わない。
だが──もし、この話を信じてくれる人がいるというのならば、私は大変嬉しく思う。
なぜなら、この話は、この記録は、紛れもない事実であり経験であり、見解であり、実話なのだか
ら。
では、そろそろ綴ろう。
私の経験、見解、境遇、そして……私の秘密を。