ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 月とアンデット
- 日時: 2025/03/19 17:32
- 名前: 美絢−Miharu− (ID: Ri2ciVSR)
☆登場人物☆
名前:月村 瑠南(♀)
所属:陸上部
少し、ビビりだけど、いざという時には役に立つ。泣き虫だけど、親友の存在でどんどん心が強くなっていく。
名前:国広 アリス(♀)
所属:陸上部
日本人とアメリカ人のハーフ。普段から落ち着いていて、ホラー映画好き。なので、彼女に怖いものは何一つない、、、?
名前:安樂 星羅(♂)
所属:陸上部
女の子みたいな名前なので、よくいじられる。陸上部の中ではダントツ男子トップの成績で、全校陸上大会では大活躍した。
名前:新戸 慶(♀)
所属:陸上部
瑠南達の先輩であり、憧れ。運動神経抜群で、陸上部のエース。また、心優しいお姉さんらしき一面もあり、人気がある。
名前:月村 瑠衣(♀)
所属:美術部
瑠南の妹。将来の夢は画家。ある日、アランと遊ぶ為、外に出ていったきり、戻ってこない。瑠南の事が大好きだった。
名前:国広 アラン(♂)
所属:バスケットボール部
瑠衣の彼氏。アリスの弟。将来の夢はプロバスケットボール先輩。瑠衣の事をバスケットの知識で守る。
☆注目点☆
この作品は、ホラー要素がありながら、少しほっこりする要素もあり、その作品のギャップに注目してほしいです。
☆ご忠告☆
『月とアンデット』には、『アンデット』の通り、ゾンビが登場します。少しホラーな要素が沢山含まれています。もし、ホラーが苦手なのであれば、お気をつけ下さい。
また、投稿した小説には、打ち間違いがある可能性があります。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
美絢−Miharu−は、他にも様々な作品を書いています。基本的には、ライト小説を書いていますが、今回は初めてのダーク小説に挑戦してみました。ぜひ楽しんで読んでもらえたら私としても嬉しいです。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
- 月とアンデット【1】 ( No.1 )
- 日時: 2025/03/19 18:29
- 名前: 美絢−Miharu− (ID: Ri2ciVSR)
「え、、、えぇ〜!?」
私、月村 瑠南は、窓の外にいた"それ"を見て、悲鳴をあげた。
バランスを崩しそうになるが、なんとか耐えて、立ち直った。
そして、後ろから、親友のアリスが近寄ってきた。
「うるさい、、、どした?」
さっきまで寝ていた、国広 アリスは、眠たそうに私に問いかけてきた。
私は、驚きすぎて、口が動かず、何も喋ることが出来ない。
アリスが窓を覗く。
「は?」
アリスが凍った様に固まった。
顔を真っ青に染めたアリスは、一歩だけ、足を後ろに引いた。
「まさか、、、ゾンビ!?」
尻もちをつくアリス。
アリスは、ホラー映画が好きなので、これを見ても驚かないと思っていた。
が、尻もちをつく程怖かったのか。
いや、これは怖いだろう。
口は大きく裂けているし、右目は取れているし、目から血を出しているし。
それに加え、明るい朝日が差し込み、影になって、雰囲気が出ている。
「私達、、、死ぬの、、、?」
私達に気づいたゾンビが、窓に飛びついてきた。
私はそれに怯えながら、アリスに問いかけてみたが、アリスも固まって動かない。
「ねぇ?アリスってばぁ、、、」
私が涙が溢れる中、アリスは立ち上がって、窓に飛びついているゾンビに、問いかけるように言った。
「あんた、ゾンビだよね!?」
さっきまで怯えていたとは思えない程、ニヤッと笑っている。
それは少し、不気味でもあった。
ゾンビは、表情を変えた。
窓があって、声が聞こえない筈だが、アリスの心が届いたのか、ゾンビは不思議そうに首を傾げているように見えた。
「アリス、私達、、、死んじゃうよ?」
そう言っても何も言ってくれない、アリスについ怒鳴ってしまった。
「ちょっと!無視しないでよ!」
アリスは、びっくりして、私を見つめた。
アリスは直ぐに「ごめん」と謝ってくれて、私の手を掴んだ。
そして、ベランダへと向かった。
「何でベランダ?」
「階段に一番近い部屋に移動する為。」
そう言って、アリスはベランダに出ると、下を見ずに、次の部屋のベランダに着地した。
そして、私に手を伸ばしてくる。
私は首を横に振って、「無理」と表した。
「無理じゃないよ、ほら、私の手を掴んで、、、そしたら怖くないから。」
私はまた首を振った。
その時、、、
バタンッッッ!
部屋の中から大きな物音がした。
何かと思い、そちらの方を見ると、部屋の扉が壊され、ゾンビが入ってきてしまっていた。
「嘘でしょ!?」
私は、汗だくになりながら、焦って次の部屋のベランダに着地した。
そして、走ってきたゾンビが、勢いで下に落下する。
しかも、一体だけでなく、何体も何体も、落下していった。
落下していったゾンビを見ようと、下を除くと、そこには、沢山のゾンビがウロウロしていて、血を流して死んでいる沢山の人間の姿があった。
「これ、、、やばくない?」
汗を下に落としながらそう言った。
そんな中、アリスだけは、不思議なくらいに笑っていた。
「はははははははっ!やっば〜!これ怖すぎて死んじゃう〜!」
「ちょっと、、、いかれてない?」
いかれているかの様に、爆笑するアリスに、私は、問いかけた。
「アリス、笑ってる暇なんかないんだよ?これから、どうするわけ?」
バタンッッッ!
またもや、扉を壊され、ゾンビが走ってくる。
それに直ぐに反応し、二人で次の部屋に飛び移った。
そして、アリスは楽しそうに叫んだ。
「生きる!」
「え!?」
私は驚きを隠せなかった。
そりゃ私だって死にたくなんかない。
でも、ゾンビがありふれているこの世界で、どう生きていくと言うのだろうか。
私は、絶望しか無かったというのに。
「ちょっと会議しよう!」
アリスはそう言って、窓の鍵を閉めると、私の前に座った。
「生きる為の計画を立てよう?」
「うん、、、」
少し怯えながらも、賛成した。
そして息を呑んだ。
そこでアリスは、サングラスを取り出し、つけると、ご機嫌で話した。
「生きる為に、食料をゲットしよう〜!」
私は、その時、あるミスに気がついてしまったのである。
そのミスとは、自分の家の食料を持ってくれば良かったと言うことを。
「どうしよ、、、もう戻れないよ、、、」
「だいじょーぶ!コンビニに行けば、食料は沢山手に入る!」
元気に言うアリス。
普段のアリスとは大違いだ。
普段のアリスは、クールで、落ち着いているので、驚いたりする事も少ない。
だが、今日のアリスはワクワクしているのか、声をよく張っている。
「コンビニって、、、そこまで行かなきゃ行けないって事じゃん!?」
「そだよ?」
そしてアリスは立ち上がり、「レッツゴー!」と言いながらマリオポーズを決め、次の部屋に飛び移った。
私もそれについて行く。
やっと、階段に一番近い部屋辿り着いた。
そして、その部屋の扉を開け、ゾンビがいない事を確認すると、ササッと移動を始めた。
アリスはサングラスをポケットにしまい、階段を駆け下りる。
すると、誰かが階段を上がってくる音がして、二人で警戒しながら降りていった。
足音が近づいてきて、やっと目の前に現れる。
そして前にいたのは、同じ陸上部の、安樂 星羅だった。
「「星羅!?」」
二人で驚き、叫んだ。
Page:1