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ダーク・ファンタジー小説
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 飢えと自由と戦争と 2
- 日時: 2025/04/03 12:07
- 名前: 佐々木太吉 (ID: 4mrTcNGz)
時は1968年、8月15日。ナイジェリア東部のビアフラ共和国に、主人公の若松三平はいた。三平はオンボロのジープの荷台に乗りながら、「あぁ、つくづく金がないんだな、ここは。」と呟く。日差しがサンサンと照ってくるというのに、荷台に6時間は乗っているのだ。三平のすぐ後ろにはライフル銃と爆竹が乗せられていて、とても窮屈で、ヒヤヒヤする。メモ帳にそんなことを書いていると、運転士が現地の言葉で話しかけてきた。「アジアの人、あと少しでお目当ての場所に着くぜ。」その言葉は、3時間前も聞いたので全く信用できない。苦笑しながら運転士と話していると、腹が減ってきた。こんな時間車に乗っていたら当たり前である。日本だったらこんな時、大好物のネギトロ丼をかきこむが、ここはアフリカのビアフラ。さらに朝はコーヒー1杯とサラダだけだったので、より腹が空く。しょうがなく荷台にあったコンビーフをもらい、ムシャムシャ食べた。すると、少しずつ何かの建物が見えてきた。村だ。だが、静かだ。すると、運転士が喋り始めた。「この村はな、1ヶ月くらい前にナイジェリア軍に襲われてな、50人はいた村人がほとんど撃ち殺されちまって、今いるのは3人のチビっ子と婆さんだけなんだよ。」心が痛んだ。(続く)
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