ダーク・ファンタジー小説
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- 閉鎖都市 #探索者の檻
- 日時: 2025/06/03 19:12
- 名前: 和泉椛 (ID: Id2v7qO.)
あの日から俺たちの危険な探検が始まった。
明日、いや、1秒後すら生きているか予想できないような都市で。
一章 一話
俺は一応、"元"奴隷だ。もともとは国名すらわからないところの奴隷だった。今は……去年閉鎖された都市の調査隊としてここにいる。閉鎖された理由は……ウイルス。
突如この都市で起こり、瞬く間に広まった。だが、
他の県や街には広まらないという、とても謎が深いウイルスだ。奴隷の俺は、つい五分前に、「ウィルスの正体や治し方が分かればとなりにある都市に報告しろ、それまではここで調査員として生活し、都市から出るな」と命令されてこの都市に放り込まれ、今に至る。
奴隷生活ではなく、調査員としての生活だから、元奴隷というわけだ。
「しかしさすがウイルス都市。空気が汚ぇ…」
人間だけが消滅したかのように、そこら辺に食べ物や飲み物のゴミが散らばっている。ふと、空のペットボトルが足元に転がってきた。「…?」
転がってきた方向に向かってみると、横たわる女性の体があった。遺体だと思っていたが、よく見るとかすかに肩が上下している。起こしてみると、あっさりと起きた。
「何?……まだ寝てたいの………に…」
女性はびっくりした顔をし、「人間!?」と叫んだ。
「に、ににに人間!この都市にいたなんて!!まさかあなた、生存者!?」
「いや、俺は調査員で……」
「え、調査員!?私も!!」
女性も調査員だったらしい。
「私、三谷李花!リカって呼んでー!あなたの名前は?」
勝手に俺の手を掴んでブンブン振りながら女性……リカは言った。
「俺は、坂原零…」
「レイくんね!よろしくーっ!!」
これからの調査活動が不安になってきた。