ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 天冥裂界#4
- 日時: 2025/09/02 17:02
- 名前: will (ID: gobBUkxM)
第五章:崩れゆく神界と、選ばれし意志
激しく雷と白光がぶつかり合う中、風雅は思い出していた。
神界での、あの忌まわしい日々を——
神谷 風雅(回想):「イツキ……あの頃はまだ、僕たちも神々の意志に従っていた。だが、彼はバランスを守るためと称して、非情な裁きを執行しすぎた」
イツキ(回想):「秩序は、混沌を許さぬ。犠牲は避けられぬのだ、風雅」
その時、悠真が声を上げた。
神楽 悠真:「風雅、今は昔話してる場合か!? あいつの攻撃が止まらねぇ!」
風雅はハッと我に返り、空中で剣を振るう。
神谷 風雅:「すまない!今、俺の雷の力を全開にする!」
月影 凛:「任せて!その間、私が援護する!」
凛は炎を燃え盛らせ、悠真を囲むように防壁を作り出した。
月影 凛:「《焔竜結界・紅蓮守護》!!」
イツキはそれを見て、一瞬眉をひそめたが、すぐに凛の炎を切り裂こうと白光の剣を振り下ろす。
神楽 悠真:「行くぜ……《雷翔・天雷閃》!!」
雷のエネルギーが剣を包み込み、悠真はイツキの攻撃を受け流しながら斬りかかる。
イツキ:「……まだ、力が足りぬか。だが、覚悟はできているのだろうな?」
その言葉と同時に、イツキの全身に白い光の翼が広がった。
イツキ:「《白羽・神威翔破》!!」
彼は天へ舞い上がり、白光の斬撃を何本も連続で叩きつけてきた。
三人は必死に防ぎ、かわしながら反撃の機会を狙う。
神谷 風雅:「皆、俺の合図を待て! 一気に仕留める!」
月影 凛:「了解……私たちなら、できるよ!」
神楽 悠真:「おう、今度は負けられねぇ!」
空中での攻防が激しさを増す中、雲の裂け目からは更なる異変の兆しが見え始めていた。
第六章:連携の閃光、そして覚醒
神谷風雅は空中で深呼吸をし、凛と悠真に向けて手を振った。
神谷 風雅:「準備はいいか? 今度こそ、一気に行くぞ!」
月影 凛:「任せて!私の火が、みんなを燃やすわ!」
神楽 悠真:「俺の剣に雷を纏わせる。合わせ技、いくぜ!」
三人はそれぞれの力を最大限に高め、合図とともに一斉に動いた。
神谷 風雅:「《雷迅閃光(らいじんせんこう)》!」
月影 凛:「《焔舞乱刃(えんぶらんじん)》!」
神楽 悠真:「《迅雷双牙斬(じんらいそうがざん)》!!」
風雅の雷が閃光となって突き刺さり、凛の炎が踊り狂い、悠真の剣が連続の斬撃を繰り出す。
その合体技は、イツキの白い翼を一瞬にして砕き、彼を大きく吹き飛ばした。
イツキは地面に倒れ込み、しかしその瞳はまだ鋭く光っている。
イツキ:「……なるほど。これが、君たちの“覚悟”か。認めよう、暫くは……」
その言葉を最後に、イツキは静かに消え去った。
風雅:「逃げられたか……だが、これで彼も本気を出すだろう」
月影 凛:「こっちももっと強くならなきゃね!」
神楽 悠真:「やっぱり、俺ら最強コンビだな!」
三人は苦笑いを交わしながら、再び歩みを進めた。
その先に待つのは、さらなる試練と謎だった――。
第七章:静寂の中の約束
激しい戦いを終え、三人は荒れ果てた森の中に腰を下ろしていた。
周囲には切り裂かれた樹木や、焦げ跡が生々しく残っている。
神楽 悠真:「はぁ……マジで疲れたな。イツキ、強すぎだろ」
月影 凛:「でも、あの合体技が決まったのはデカいよね。次はもっとスムーズにできるかも」
神谷 風雅:「そうだな。だがイツキはまだ本気を出していない。神界の裁定者、簡単には倒せそうにない」
しばらく沈黙が続く。
悠真は地面に剣を突き刺し、凛は火の残り香を手で払った。
月影 凛:「……ねぇ、風雅。あのさ、神様って言ってもさ、人間みたいに感情あるのかな?」
神谷 風雅:「感情……そうだな。少なくとも、イツキには“感情の欠片”すら感じられなかった。彼は裁定を下す機械みたいなものだ」
神楽 悠真:「俺たち、人間でよかったのかな。だって、あんな冷たい奴と戦うなんて」
月影 凛:「でも、私たちには家族や仲間がいる。だから戦えるんだよね」
神谷 風雅:「……その通りだ。だからこそ、俺たちは諦めない。どんなに困難でも」
その時、遠くの空が一瞬だけ明るくなった。
三人は顔を上げ、未来を見据える。
神楽 悠真:「よし、行こうぜ。まだまだ旅は続く」
月影 凛:「次の異界の歪み、どんなのが待ってるのかな〜」
神谷 風雅:「覚悟を決めて進もう。俺たちの旅は、まだ終わらない」
第八章:静かな影、揺れる想い
戦いを終えた三人は、再び旅路を歩き出していた。
今はまだ穏やかな田舎道が続くが、その先には新たな試練が待っている。
神楽 悠真:「なあ凛、なんか最近、前より強くなってる気がするんだけど……」
月影 凛:(少し笑いながら)「そんなことないって。でも、たまに変な夢を見るのよね……」
神谷 風雅:「夢?どんな?」
月影 凛:「うん……昔の記憶みたいな。父さんの話はあんまり聞かされてなくて、ただ、空に光る何かとか、羽根みたいなものとか……」
悠真:「神人の血が混じってるって噂、あったもんな。凛の親のどっちかが神様の力を持ってるってやつ」
凛:「うん……そのことは、まだ自分でもよくわからないの。でも、時々、その力が勝手に反応する気がして」
風雅:「それは、良いことか悪いことか……」
凛:「わからない。でも、今はこの旅で強くなりたい。それだけ」
悠真:「俺たちがついてるからな。どんな秘密でもな」
三人は互いに視線を交わし、固い絆を再確認した。
だが、凛の胸の奥にある「もう一つの影」は、静かに動き出していた。