ダーク・ファンタジー小説
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- ずっといっしょ
- 日時: 2025/10/19 15:59
- 名前: キリッと果実推し (ID: o2imsHOu)
「ずっといっしょ」
その一言で僕たちの関係はおかしくなった。
初めて会ったのは小学6年生、僕が転校した学校で出会った。
転校生という立場上、いろんな人が話を我先にしようとする。でも、君は違った。そんな君に興味が湧いた。
転校してから、2週間ごろしたときの休憩中、思い切って声をかけた。
「ねえ、なんで声をかけてこなかったの?」
そう言ったら君は答えた。
「私と話すとみんなに嫌われるよ。」
僕は思い出した。この子の周りに人がいるのを一回も見たことなかった。クラスで浮いてる存在なのだろう。幼いながらに察した。
それから僕はたまに君と僕だけの時に話をした。話をしてるのはとても楽しかった。だから、なんで避けられているのかがわからなかった。それから、そんなあいまいな関係を続けたまま卒業した。中学でも一緒になり、小学校の時よりもよく話すようになっていた。
ある日、2人で遊んでいた時に君は言った。
「ねえ、私たちとってもいい友達で…だから、これからもずっと一緒だよ?」
僕は答えた。
「うん、ずっと一緒」
学校帰り、なんとなく遊びに行った原っぱでそんな話をした。その時吹いた風がとても心地よくて、君のも僕のもスカートが軽くなびいて、とても綺麗だった。草が揺れたら聞こえるサーっと流れるような音もよく聞いたはずなのにその時だけは特別な音に感じた。
中学2年生でクラスが変わって、離れ離れになったときからおかしくなった。
長くない休憩時間でも必ず会いに来て、僕が他の子と帰ろうとするとすぐに駆けつけて来て、帰ろうとした子に
「この子は私だけの友達なの!一緒に帰らないで!」
と、怒鳴りつけていた。僕は何も言えなくなって、その様子を黙って見ていることしかできなかった。気が済んだのか、急にこっちを見て、手を引っ張られる。
そんなことを繰り返してた。そのせいか、僕は本当に友達が君だけになった。新しい子と仲良くしようとすると君が来て、必ず縁を引き裂いた。ここから、僕たちの関係は壊れてしまった。共依存気味になっていった。
ある日、僕は君に言った。
「なんで、僕と他の子の縁を引き裂くの?ひどいよ」
そうしたら、君はとんでも無いことを言った。
「だって、私だけのものになって欲しいんだもん。その、僕っていう一人称も、スカートがとっても似合うところも、笑う時は照れたようにするのも、全部全部!私だけのものにしたい!だから、縁を引き裂いてるの。今の絶望してるような表情もとっても可愛い。」
ああ、そっか。もう、昔みたいに何も考えずに楽しくいられる日々じゃないんだ。新しい友達も作れないんだ。全員君のせいで…。
逃げたくても、昔に自分が言ったじゃないか。「ずっと一緒」だって。
