ダーク・ファンタジー小説
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- 「助けて」なんて届かない
- 日時: 2025/11/02 18:41
- 名前: 天音ここあ (ID: uoVGc0lB)
登場人物紹介
【鈴木杏里】
【荒川早苗】
【早星聡太】
この物語は早苗ちゃん視点です。初投稿ですがよろしくお願いします。
疑問を持つようになったのはつい最近のことだ。
私、早苗の幼馴染である杏里の様子がおかしいと気付いたのは。
数ヶ月前までは学校終わりに遊んだり、親に内緒で日帰り旅行に行くこともあった。
しかしだ。最近の杏里はどうもおかしかった。
前まですぐに返してくれていた連絡も大体は既読無視だ。酷い時には既読もつかない。
気にしすぎだろうかと思ったが、連絡はマメなタイプだと自他共に認める杏里がこのような行為をすることはおかしいのだ。
「どうしちゃったんだろ…」私は、今日も既読にならない杏里とのLINEページを睨んだ。
明日は休み明け。2週間程風邪で休んでいた私は杏里と会っていなかった。
「明日、何かあったのか聞こう」と私は思い、眠りについた。
朝、私は杏里の家の前を通った。わざわざ遠回して。
別に用はないのだけれど。
私は、スマホを開いて時刻を見た後、ため息をつき、また歩き出した。
もう少しのところで渡れた交差点の信号機をじっと見つめていたその時だった。
「おはよう」声変わりした低い声が耳の後ろで聞こえた。
後ろを振り向き、そっと見上げると、同じクラスの聡太だった。
聡太はニコッと笑って「久しぶり」と言った。
「うん。久しぶり。風邪ひいててさ」と私が笑うと「へぇ」と一言。
聡太は不器用なところがある男で有名だった。自分から色々聞いてくるくせに、興味がなくなったらそっけない。
「本当に猫みたいな男だ」とつり目の聡太を横目で見る。まあ、これが女子に受けるのだが。
信号の色が変わり、私達は歩き出す。
そんなに時間は掛からなかった。聡太が口を開くのは。
「ねぇ。彼女。出来たんだよね。俺」と聡太がボソボソと言う。
「え!?マジで?おめでとう!」まさかの告白に私は驚いたが聡太に拍手を送った。
聡太がはにかむように「うん」と言った。
そんな彼をからかいたくなり「お相手は〜?」とニヤニヤしながら肘を突いた。
「言うわけないだろ」とキッと睨まれ、私は笑う。
「まぁまぁ!そんな怒んないの〜」と私が言うと「先行くから」と聡太が歩く速度を早めた。
「あ!ちょっと!」呼び止めるも陸上部に所属してる聡太の足には追いつけるわけがなく。そのまま後ろ姿を見送った。
教室に入り、見渡すと、聡太はいなかった。荷物はあるので、きっと呼び出されたかなにかだろう。
ついでに、一番後ろの席の一番端の席にも目を通した。杏里の席だ。
杏里はいなかった。欠席だろうかと時計を見る。
朝礼まで後5分。結構ギリギリだ。
「あぁ〜!おひさ〜!」と近くにいた女子が私に手を振る。
わたしも「おひさ〜」と笑いながら手を振った。
「ねぇねぇ。聡太くんって彼女いるのかなぁ?」とその中の1人が顔を赤らめて聞いた。
今朝、聡太は彼女が出来たと言っていた。だからいるのだろう。当然だが。
「え〜いるらしいよ〜」と流すと「え、マジ…?」と聞いてきた子の顔が青くなった。
教室中がヒソヒソと何かを話している。「しまった」と思った私は慌てて付け足した。
「う、噂だよ!やだなぁ〜」と苦笑いすると「だよねぇ!聡太くん、彼女とかに興味なさそうだもん!」と言い聞かせる女子がいた。
いや。いるんだけどね。と、内心申し訳なかったが、まあいいだろう。
「おーい。席座れ〜」先生が入ってきて、私達は席にのそのそと座った。
「さーせん」と低い声が教室に響き、何人かの女子が顔を赤くした。
「早星。また部活の呼び出しか?」と先生がため息混じりで聞くと「そんなとこっす」と不器用に聡太が返す。
その時、チラッと教室の窓を睨んだような気がした。
「何かあるの?」私が窓を盗み見るように見ると、背筋が凍ったような感覚に襲われた。
「杏里…?」杏里が聡太と少し離れたところに立っていたことに気付いた。
しかし、杏里の様子がおかしかった。目は虚で何かに怯えているようにも見える。
白い肌がもっと白くなったように感じたのは、廊下の蛍光灯のせいだろうか。
固まっていると、ふと杏里と目が合った。
杏里は、私が目に入ると、口を動かした。しかし、何を言っているかは分からず、眉を顰めた。
「おや。鈴木。お前は遅刻か?」先生の声が私の胸に突き刺さるような嫌悪感を感じた。
「は、はい。すみません」ヘラっと笑って、杏里は教室に入った。
気づけば聡太も席に座って、校庭を見ている。
私は杏里が隣を歩いた時、ぎゅっと杏里の制服の袖を掴み、耳打ちした。
「今日、一緒に屋上でお弁当食べよ」私の声は少し震えていた。なんだろう。この感覚は。
杏里の背中が一瞬強張ったが、小さく頷き、すっと私の手を引き離した。
授業が始まっても、私は昼休みのことしか考えることができなかった。おかしい。おかしい。なんだろう。何かがおかしい。
昼休み。私は、杏里の席へ小走りに向かった。
「久しぶりだね」私が言うと、杏里は引き攣った笑顔で「そうだね。屋上行こう」と扉に手をかけた。
屋上。いつもは賑わっているが今日はシーンとしていた。
杏里が着心地なく隣に座ると、お弁当の蓋をとって、もそもそと食べた。
「ねぇ、杏里。最近、なんかあった?」自分でも驚くほど真面目な声だった。もう少し茶化したほうがよかっただろうか。
杏里のお弁当を食べる手が止まり、私の方をチラリと見る。
その顔はあからさまに怯えていた。
「ど、どうして?」杏里が聞くと、私は全て話した。
連絡が返ってこないこと。今日の朝のこと。私が話していくと、みるみるうちに杏里の顔が青くなった。
「どうしたの?言って欲しい。すごく心配してるから」私は震えている杏里の手をぎゅっと握った。
杏里はうつむぎながらも口を開いた。
「か、彼氏できたの。その…聡太くん」
その言葉を聞いて点と点が結びついたような気がした。
だから。杏里は聡太の後ろに…。そこまで考えて、私は首を傾げた。
どうして怯えていたのだろうか。
気づけばそれを口にしていた。
「じゃあ、なんで怯えてたの?」私が聞くと、杏里は涙声になりながら言った。
「聡太くんが怖い。別れたい。でも。そんなこと言ったら…」杏里のスカートに水滴がポツンと落ちた。
「言ったら?」私は追い討ちをかけるように言った。でも、聞き出さなければ。聞き出さなければ一生後悔する。
杏里は涙を拭いながら「学校に行かせてもらえない。殴られる…!」と悲鳴混じりの声をあげた。
私は愕然とした。嘘。聡太ってそういう?既に頭がパンクしそうな私に杏里は縋った。
「ねぇ。お願い…!私を、たすk」杏里が言い終わる前に屋上の扉が勢いよく開いた。
「へ…?」私は顔が真っ青になり、体が震えた。
聡太だ。聡太が血相を変えた形相でこちらを見ている。
「荒川。何してんの?」聡太の声が一段と低く感じた。
私は声が出なかった。怖い。どうしよう。
私は自然と、腕の中にいる杏里を守っていた。
「荒川」苛立つ声が真上から聞こえる。
私は意を決して唾を飲み込んで言葉を発した。
「相談してた。それだけ。ガールズトークってやつ」私は作り笑いをして、震える体を抑えた。
「へぇ。鈴木は何してんの?そんなとこで」私は、腕の中にいる杏里をぎゅっと抱きしめた。
「ちょっと。触らないで。落ち込んでるだけだから」強く出た。私はギラリと聡太を睨む。
「助けてって言うほどに?」私は、全身の力が抜けた。聞かれていた。お終いだ。
「違うの!さっちゃんは何も関係ないから!」腕の中の杏里が素早く私の前に出る。
聡太は杏里のことをじっと見て、その後ろにいる私を見た。その目は見たこともないほどに冷たかった。
「そう。昼休み終わり」聡太が屋上の扉へ歩き出す。
ほっとしたのも束の間。聡太が杏里の方へ歩いてきて、何かを耳打ちする。
その内容は恐ろしいものだった。
「覚悟しとけ」よりも「絶対許さない」よりも恐ろしい。
「助けてなんて届かないよ」と確かに聡太は言ったのだ。
多分、続きないです。初めてにしては上手く書けたと思ってます。
皆さん、もっと長いの書いてると思うと、尊敬しかないです…。
コメントしてくれたら泣きます。ご視聴ありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いします。
- Re: 「助けて」なんて届かない ( No.1 )
- 日時: 2025/11/05 17:24
- 名前: 2 (ID: NSUxBWjR)
みすっさ
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