ダーク・ファンタジー小説
- Re: 神が導く学園生活 ( No.13 )
- 日時: 2022/02/06 12:27
- 名前: ベリー ◆mSY4O00yDc (ID: hujSVxra)
「とゆーわけで…」
タミが一息にそういう。放課後俺達はいつものようにラナの席に集まっていた。
「ファミリア紹介やって来ましょー!特にクロ!その特殊なファミリア!」
タミがいつものように仕切り出すと俺の事を指す。やっぱりそうだよな。俺の竜の話になるよな。
「そう言えば名前とか決めたのか?」
コウが思い出したように俺に聞く。あぁ。もちろん決めてるさ
「こいつの名前はローズのロとラナンキューのラをとってロラだ!」
いい名前だろう!なんせラナの名前から取ってあるからな!俺の竜も清く正しく美しく麗しく育つに違いない!
「よくそれをラナが許したな…」
コウがラナの方を見て言う。ラナははぁっと一息つく。あぁそんな所も美しい。
「最初はラナって名前だったから即却下してお互い妥協した結果こうなった。」
ラナは珍しく一息で長文を読み上げる。俺もラナの要望を通したい意志と名前をラナにしたい意志があったからな。両方叶えられるこの形が1番と思ったんだ。
「てか、その竜?って何属性なの?てか竜って何?なんでラナにそっくり?」
タミが一気に多く質問をしてきて俺はキャパオーバーしそうになった。
「なんかクロがキャパオーバーしてるから俺が説明するわ。竜と龍について。」
俺が混乱しているとコウが先陣を切った。タミはキラキラとしためでコウを見つめた。ラナは…相変わらずの無表情。そこが麗しい。
「まず龍っつーのは世界で7匹しかいないSランク級のモンスターだ。」
Sランクって言うと…伝説級モンスターってことか。俺は生きているうちに会えなさそうなモンスターだな。まあ、会ったが最後なモンスター何だろうけど。
「それぞれ、魔法の属性を司っていて、俺たちの魔素や、魔法、妖精、魔物はその龍から分離された存在だと言われてる。」
コウは何故こうも歴史に詳しいのか。俺はそう思ったが、突っ込まずに聞いていた。
「え、てことはめちゃくちゃ凄い魔物じゃん!」
タミがワンテンポ遅いリアクションをとる。確かに、伝説級のモンスターってよくイメージが掴めなかったが、魔素や妖精、魔物の元となった存在と聞くと雲の上の更に雲の上の存在だということが分かる。
「で、次は竜だ。竜は龍から分離されたモンスターの中でも特に龍の部分を多く受け持って生まれた存在だ。と言っても希少性は高くて人生で1度お目にかかれれば良い方だな。」
ってことはそんな希少種をファミリアにした俺ってめちゃくちゃラッキーって事なのか…?
「てことはクロ人生の運使い果たしちゃってるじゃん…」
タミがポカーンと口を開ける。って言ってもエルフの寿命は長いからエルフぐらいなら人生で1度なら竜と巡り会えそうだがな。
「そうだ。それぐらい凄いことなのに…きっかけがな…」
コウがうーんとうなり始める。どうしたんだ急にそんな顔して。
「そうよね…きっかけが、『ラナみたいなファミリアがいい』って願った事だもんね…なんて言うか、こんな変態が主人の竜も可哀想っていうか…」
「おいそれどういう意味だ!」
俺はタミとコウの話に思わず叫んでしまった。
ラナの様な神々しい人のようにと願えばそれはそれは貴重なモンスターが出るに決まってるだろう!なんせ想像してるのがラナだからな!
「…よし!クロ以外のファミリア紹介しようか!」
なんかタミが諦めた様子でそういう。最初から思ってたけどこういう時俺よく呆れられてるよな。呆れられる要素が一体どこにあるっていうんだ?
「俺のファミリアはシャノワール。名前はシャノ。」
するとコウの影から黒猫が出てくる。この黒猫のようなのは妖精でシャノワールという種族だ。基本的に闇魔法を使う種族だな。
ていうかシャノワールのシャノってめっちゃ単純だな。意外とコウはネーミングセンスはないのかもしれない。
「うっわぁ名前単純。」
タミも同じことを思ったようで呆れていた。
そう言われたコウは顔を真っ赤に染め始めた。
「うっせーよ!指摘してくれる人が居なかったんだよ!」
あぁ、コウはぼっちだからな。俺達以外に指摘してくれるような仲の人がいなかったのか可哀想に。
俺とタミはコウに同情の視線を送る。すると更にコウは顔を赤くし始めた。
「次は私ね!私はルナール!名前はスイ!」
そう言うとタミは机の下から白キツネを取り出す。どこから出てきたんだ?!というかいつから俺たちの下にいたんだ?!あぁ、多分タミの気魔法でバレないようにしてたんだな。
と俺は1人納得をした。
ルナール。白色のキツネの姿をした妖精だ。使う魔法は水系統魔法。
「水系統を使うからスイってことか」
俺は言う。タミもまあまあ単純な名前なんだな。それにしても愛らしい見た目をしている。ラナとロラには叶わないがな。
「可愛いでしょー!次っ!ラナ!」
それまでずっと黙って俺たちを見ていたラナに焦点が当たる。
「私はフエット。名前もフエット。」
ラナはずっと膝に抱えていた白色のフクロウを取り出す。フクロウは寝ているようで俺たちに見つめられていることも知らずに目を瞑っている。
フエット。嵐系統を操る妖精だ。
うん、さすがラナの召喚した妖精だからけたたましく美しい!さすがラナだ。
「名前…そのまんま?!」
タミが驚く。そう言えばそうだったな。ラナとラナの妖精が美しすぎて気にならなかった。
「まあフエットもいい名前だけどな」
「そうだけど…」
コウがフォローを入れるとタミは押し黙る。ラナは何も言わず無表情でフエットを撫でている。
う、羨ましい…そこ変われ!フエット!
その日から俺にライバルが出来た。
ファミリア編 ~完~