二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テイルズオブザワールド ( No.4 )
日時: 2010/11/24 18:58
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

〜ストーリースキット1〜
ルイ「ねぇ、次に向かうトーティスってどんな村なの?」
カイン「さあな。俺も行ったことがないから知らん」
ルイ「楽しみだね。楽しい人がいればいいな〜」
カイン「旅の目的を忘れるなよ」
ルイ「うっ!分かってるよ」
カイン「・・・本当に分かってんか?」
ルイ「・・・たぶん」
カイン「先が思いやられるな・・・」

〜戦闘スキット1〜

カイン「随分戦い慣れてるんだな」
ルイ「そうかな?普通だと思うよ。そう言うカインだって凄いじゃん!
剣でズバズバって切ったり足でバキバキって」
カイン「生きてくために自然に身に付いただけだ。・・・俺と会うまで一人だったのか?」
ルイ「うん!そうだよ!・・・それが?」
カイン「魔術師なのに一人でね・・・・」
ルイ「??何か言った?」
カイン「何でもねえよ」

〜雑談スキット1〜

ルイ「ねえカイン。一つ気になる事があるんだけど」
カイン「なんだ?」
ルイ「モンスター倒すとアイテム手に入れたり、お金手に入れたりするじゃん?
何でモンスターがお金持ってるの?」
カイン「商人とかから盗んだんだろ?」
ルイ「でもさ、中には食材も含まれてるけど、モンスターなんでわざわざ食べ物持ち歩いてるの?」
カイン「俺が知るかよ!知りたきゃ、モンスターに直接聞け」
ルイ「うん!そうするね!!」
カイン「・・・・・。こりゃ本気だなこいつ・・・」

〜ストーリースキット2〜
カイン「・・・・・」
ルイ「・・・ギン君たちの事、考えてるの?」
カイン「ん?ああ、まあな」
ルイ「大丈夫だよ!皆もう子どもじゃないし!!ギン君、とてもしっかりしてそうだから」
カイン「無事ならな・・・」
ルイ「・・・・。・・・ごめん」
カイン「冗談だ。ま、あいつらなら平気だろ。簡単にくたばる様には出来ないからな」
ルイ「・・・・うん!そうだね!!」
カイン「じゃ、とっととトーティス村に急ぐぞ」



〜トーティス村〜

トーティス村まで来た二人。だが、妙に辺りがざわざわしているのに気が付いた。

「何だ?やけに騒がしいな」

「止めとけクレス!!」

「何で止めるんだ、チェスター!!」

そんな中ひと際大きな声で叫ぶ二人の青年を見つけた。何かを言い合ってるようだった。

「今から言ったって間に会いっこない!!」

チェスターと呼ばれた男が叫び、クレスと言う男の肩に手を置く。するとクレスはその手を撥ね退けた。

「間に会ってなくても!生存者がいるかもしれない!!今にも死んでしまいそうな子どもだっているかもしれないんだぞ!!?」

今にも走りだしそうなクレスの腕を強く掴むチェスター。

「冷静になれクレス!!インヴェルの奴らがユーゼントに現れたってことは、この近くに奴らがいるかもしれないんだぞ!!」

「・・・!!じゃあチェスターはユーゼントの人たちを見殺しにして、ここを守れっていうのか!?」

「そうは言ってねえだろ!!」

「・・・ユーゼントに行く必要はないぜ」

カインの言葉に先ほどまで争っていた二人がこちらを向いた。それでようやく二人の存在を気付いたようだ。

「・・・君たちは?」

「ユーゼント村のカインだ。今更ユーゼントに行っても人っ子一人としていねえぞ」

カインの言葉の意味が二人に伝わったらしく、言葉を無くす二人。

「ところで、こっちに15歳ぐらいの男女7人を見なかったか?」

カインの言葉にクレスは町人を見渡すが、皆顔を見合わせたり、首を傾げたりする人ばかりだった。

「悪いけどこっちには来てないみたいだよ。・・・その子たちもユーゼント村の人たちなのかい?」

「ああ。騒ぎで逸れてな」

「そうか。・・・・すずちゃん!!」

クレスが呼ぶと目の前に木の葉が舞い、目の前の小さな女の子が現れた。

「はい。なんでしょう?クレスさん」

歳には似合わない口調で女の子が喋った。

「悪いけど、それらしい人を探してきてもらわないか?」

「はい。わかりました」

「いいのか?」

カインが言うと、クレスは笑顔で頷いた。

「困った時はお互いさまだからね」

「はい。こんな時世です。皆で助け合って生きてかなければなりません」

「じゃあ、すず・・・だっけ?もしあいつらを見つけたらこれを見せてやってくれ。
そうすれば、一発で信用してもらえると思う」

そう言って渡したのは十字架を模られた小さな木彫りだった。

「はい。わかりました。それでは!!」

すずはそう言うとまた木の葉が舞い、姿を消した。

「変わった子だね」

ルイが呟く。クレスが不思議そうにルイを眺めている。

「あ!まだ私自己紹介してなかったね。私はルイル・ルーゼ・ルゼス。よろしく!」

「ああ。こちらこそよろしく、ルゼス。・・・ところで二人ともいろいろあって疲れただろう?
立ち話もなんだし、家へきなよ」

「おいおい、いいのかクレス?こんな怪しい奴ら?」

「ああ、大丈夫だよ。もし敵だったとしてもチェスターがいるからね」

クレスがそう言うと、チェスターは不服気とも満足気ともとれる表情で言った。

「ちぇっ。言ってくれるぜ」

さっきまで言い合いをしていた二人は今度は普通に喋っている。元々この二人は親友なのだろう。

————————————————————

クレスの家に行くとそこには二人の女性が待っていた。

「やっほ〜〜!!おかえり!!」

「お帰りなさい、クレスさん。チェスターさん」

ピンクのポニーテイルの女の子と、琥珀色の大人しそうな女性だ。
琥珀色の女性の方が後ろにいるカイン達を見てクレスに尋ねた。

「クレスさん。後ろのお二方は誰でしょうか?」

「ああ。ユーゼント村で生き残ったカインと、それとルゼスだよ。
この村を訪ねて来たから家に連れてきたんだけど・・・まずかったかな?」

「いいえ。そんなことないですよ。・・・初めまして、ミント・アドネードと言います」

ミントは二人の前に行くと丁寧に挨拶をした。するとピンク毛の女の子は手を上げた。

「はいはい!私はアーチェ!アーチェ・クラインって言うの!よろしくね!!」

Re: テイルズオブザワールド ( No.5 )
日時: 2010/11/27 21:39
名前: 風 (ID: 13edWJH2)

初めまして。
おぉ,また相変らず大作の予感ですね(汗
私はテイルズシリーズ…興味有るけど殆どプレーできてない人間でして…
アビスしかプレイ出来てないんですよね?大佐とリグレット長官が好きでした…

全然設定などは分らないですが…読ませてもらいたいと思います。
あぁ,フェアリーティルの方での件なんですが出来るならバロル続編此処に掲載して貰いたいですね!
やっぱり,アビスさんもいけないんですか…閉鎖したとかですかね?


では,頑張って下さい!

Re: テイルズオブザワールド ( No.6 )
日時: 2010/11/27 21:54
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

大作ですかねぇ?俺はアビスはTOWでぐらいしか知らなくて、
本編はやったことがないんですよね(苦笑)そのくせ名前はこれからとってますけど。

そうですか!ここは最近モンハン小説の人口が少ないですけど、やっていこうと思います。

ガイムの方ですけど、零十の話しだと何か会員登録しなきゃ入れないらしいです。
でも、その会員登録申請のメールも送っても一向に帰ってこないってのが現状です。

Re: テイルズオブザワールド ( No.7 )
日時: 2011/02/21 12:57
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
参照: http:/

二人の前には美味しそうなご飯が並べられている。これを作ったのはミントだった。

「お口に合うか分かりませんが・・・」

ミントのその不安そうな言葉にルイが全面否定するように、首を振った。

「ううん!そんなことないよ!!すっごく美味しい!!ね、カイン」

「ああ、そうだな」

「良かった〜」

ミントはほっとしたように胸を撫で下ろす。

「ミントの料理は本当に美味しいんだ。洗濯や掃除も完璧なんだよ。
家事でミントの右手に敵う者はいないんじゃないかな?」

クレスが本当にそう思っているように言った。ミントは顔を紅くして手を顔に当てながら。

「そ・・そんなクレスさん!大袈裟ですよ」

「いやいや。そんなことないよ」

「・・・ねえねえ、ミントとクレスってさ・・・」

二人の会話に水を挿すそうにルイが口を開いた。

「何かな?」
「何でしょうか?」

「夫婦?」

「「〜〜〜〜/////!」」

ルイの爆弾発言に二人はトマトに様に顔を紅潮させた。

「なななな・・・何を言っているんだ、君は!!!??」

「そ・・そうですよ!!わ・・私とクレスさんはそんな関係じゃ・・・」

ミントはそう言うとクレスを見る。釣られてクレスもミントを見る。
すると二人はさらに顔を紅くして背けた。

「否定するならもっとそれらしくしろよ」

「気にすんなよ。この二人は何時もこうだ」

カインとチェスターがそんな二人を見ながら言っていると、ドアがバーーン!!と勢いよく開いた。

「じゃ〜〜〜ん!!あたしも手料理を作ってみました〜〜〜!!」

「げっ!!!」
「アーチェ!!?」
「アーチェさん!!?」

先程までの二人は打って変わって、何か壮絶な顔でアーチェを見ている。
そのアーチェがそう持ってきたのは皿に乗っかった得体の知れない何か。

「これ何だよ?」

カインが恐る恐る聞くと、アーチェがえっへん!と胸を張った。張れる程の料理には到底見えない。

「私が作ったのは海鮮サラダ!ほら、食べてみて!!」

カインの方にぐいぐいと海鮮サラダと言う名の何かを押しつけるアーチェ。

「こんな得体の知れないもん食えるかよ」

そう言って皿を突き返す。するとアーチェはぷんすかと怒った。

「何さ!食べてもないのにそう言う事言うんだ!!?ひど〜〜〜い!!」

「じゃあ、まずお前が食ってみろよ」

カインの言葉にアーチェは見てろと言いたげな顔でスプーンをそれに指す。
そしてそれを取ると口に入れようとした。

「ま・・待てよアーチェ!!」

それを止めに行ったのはクレス。

「何すんのさ!?」

「何も本当に食わなくてもいいだろ?」

「あんなこと言われて黙ってられるかっての!」

「ほ・・ほら。そんなもの食べてお腹でも壊したら困るだろ!?」

説得力のある言葉だが、これがアーチェ自身が作ったものだ。むしろ逆効果になってしまっていた。

「あ〜〜〜〜!!クレスまでそんな事言うんだ」

「良いだろクレス。食わせてやれよ」

二人を止めるようにチェスターが間に入った。

「チェスター!けど・・・」

「こいつも自身の料理の不味さをしれば、料理を作りたがろうとなんてしないだろ?」

チェスターの言葉にアーチェがムキ〜〜!!とする。

「・・・なあ。少し聞きたいことがあるんだが」

このままじゃ埒が明かないと思ったカインが口を開いた。

「なんだい?」

「この辺りに精霊が棲んでいるっていう話しを聞いたことはないか?」

「精霊?そんなものに一体何の用が?」

クレスの言葉にカインは自分たちの旅の目的を話した。全てを話しを終えた後。

「何か胡散臭い話だな」

チェスターがまずそう言った。

「だろうな。俺もあんたのの立場だったらそう思う。けど、少なくても世界を救う方法を除けば、
あんたたちも感じるところがあるだろう?」

カインの言葉に4人は黙ってしまった。激化する戦争。どんどん苦しくなっていく生活。
マナの減少。治安の低下。そんな話を聞いたことがない人なんていない。

「この世界で圧倒的な軍事力を持つ3つの大国、インヴェル軍、デリス軍、テルカ軍。
この3つの激戦は数年におよんでいる。確かにそれを止めるともなれば、
それぐらいの物がなければ止められないのかもしれないね」

クレスはそう言うと何かを覚悟をした顔をする。

「・・・この町から北西に10キロの地点に風鈴山って呼ばれる場所がある。
そこは風が止む事がない場所で時々山奥から声が聞こえるとかで、
風の精霊・シルフがいるんじゃないかって言われてるよ」

「助かる」

カインはそう言うと立ち上がった。そして立ち去ろうとしたのを見てクレスが引きとめた。

「待ってくれ。風鈴山はとても危険な処でもある。
そんな場所を教えた以上、僕には責任がある。君たちを守る責任がね。
僕も一緒に君たちとついて行くよ。だめだって言っても勝手について行くけどね」

「おいおいクレス!」

クレスの言葉にチェスターが言う。そんなチェスターにクレスは笑うと

「心配ないよ。チェスターたちは待っていてくれ」

「私も行きます」

「ミント・・・ああ、わかった」

「じゃあ俺も」

「いや、チェスターとアーチェは残っててくれ。この村を無防備にさせるわけには行かないからね。
・・・そういうわけだから、カイン、ルゼス。暫くの間よろしく頼むよ」

Re: テイルズオブザワールド ( No.8 )
日時: 2010/12/17 19:18
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

〜スト—リスキット3〜
ルイ「ねぇ。これから向かう風鈴山ってどんなところなの?」
クレス「名前の通り、山に吹く風が風鈴の様に良い音をしている所だよ。
ただモンスターも多くて危険な所なんだ」
カイン「それでわざわざ付き添ってくれてるのか。お人好しもいい所だな」
クレス「そうかな?」
ミント「でも、そういうところがクレスさんの良い所だと思いますよ」

〜雑談スキット2〜
ルイ「で、結局二人はどういう関係なの?」
クレス「な・・まだ言ってるのか君は!?だから僕とミントはそんな関係じゃないんだ!ね、ミント!!」
ミント「え・・・ええ、そう・・ですね」
カイン「・・クレス。ミントが落ち込んでるぞ」
ミント「!!お・・落ち込んでいるわけではありません!」
クレス「そ・・そう言う二人はどんな関係なんだ!?」
ルイ「んん〜〜〜。行き当たりばったりでいつの間にか一緒に旅している感じ?」
クレス「そ・・そうなのか?」
カイン「よく言うだろ?旅は道連れって」
ルイ「で、二人は結局付き合ってるの?」
クレス「い・・いい加減その話題から離れてくれ!」

〜雑談スキット3〜
カイン「かいーなぁ・・・」
ルイ「蚊にでも刺されたの?」
カイン「さあな」
ミント「あまり齧らない方が良いですよ。傷口から病菌が入る恐れがありますから。私に見せて下さい」
クレス「かいー・・・」
ルイ「どうしたのクレス?クレスも蚊に刺された?」
クレス「・・・蚊に刺されてカイン(かいー)」
カイン「・・・・・」
ミント「・・・・・」
ルイ「・・・ぷっ!!あはははははは!!!」
カイン「待てルイ。今の何処に笑う要素があった?」
ルイ「だって・・・ぷふっ!蚊に刺されてカインって・・・あっははははは!!」
クレス「面白かったかい?今のは中々の力作だったんだ」
ミント「・・・クレスさんが駄洒落で自信を付けちゃいました・・・」
カイン「どんな神経持ってたらそんな駄洒落を自信作って言えるんだ」



〜風鈴山〜

「なんか安らぐ〜〜」

ルイが目を閉じ耳を澄まして言った。辺りからは心安らぐ風の演奏が流れている。

「この奥に風の精霊・シルフが棲んでいるという噂があるんだ」

クレスの言葉にカインは訝しげな表情でソーサラーリングを見つめる。
ソーサラーリングはまだ何の反応も示してはいない。

「イアンの奴、粗悪品を渡したのか」

ソーサラーリングを見つめながらカインが呟く。と、ミントが言った。

「イアンさんって、確か世界樹の精霊さんですよね?そんな方が粗悪品を渡すなんてないはずですよ」

「けど実際、ここまで精霊に近づいてんのに反応はまったくない。それともここにはいなのか」

「考えてても始まらないよ。とりあえず奥まで行ってみよう。そうすれば
精霊もその指輪の事もはっきりとするんじゃないか?」

クレスの言葉に皆は賛同を受け先へと進んだ。途中多くのモンスターが襲ってきたが、
4人は冷静に対処し奥へと進んでいった。

——————————最奥——————————

—ビュオオオォォォォォオォ!!!—

「風すごーーい!!」

「皆!!吹き飛ばされないように気をつけるんだ」

一番奥まで来た4人は辺りを見渡す。風は強くなっていくばかりで別段何か特別ない。
風は4人をこの場から遠ざけようとするかのように吹き荒れる。

—・・・・さい—

「何か言ったか!!?」

カインは声が聞こえたのでそう叫ぶが、誰にも聞えていない。
むしろこの風の中、どう叫ぼうが聞えはしないだろう。だが、カインの耳にははっきりと聞えた。

—風に身を任せて下さい。そすれば彼方たちを私の所まで導きます—

カインはその後は何も考えなかった。声の導き通り身体の力を抜き風の流れるままにした。

————————————————————

「んん・・・ここは?」

目の覚めたカイン。辺りは肌を擽る微風が吹く洞窟のような場所。
立ち上がり辺りを見るが、皆の姿が見えない。一瞬最悪の状況を想像したカインだが、
すぐにその想像はかき消えた。

—大丈夫ですよ。皆さんは無事です—

声と共にイアンの時と同じ空間の歪みが現れ、そこから小さな少女のような格好をした
人物が現れた。カインはすぐにそれが精霊と認識する。

「あんたが風の精霊・シルフか」

—はい。そうです。話しはイアンから伺っています。カインさん—

シルフは優しく微笑むと目の前に緑色をした結晶が現れた。

—それが私のマナの欠片『ウィンド・オーブ』です—

カインはそれを手に取ろうとすると、ウィンド・オーブはその手を避けるようにシルフの元へと戻っていく。

—これをお渡しする前に訊きたい事があります—

「何をだ?」

—貴方はこの世界を滅ぼそうと本気で考えていた。・・・今もそうですか?—

自分は試されている。カインはそう思った。イアンはマナの欠片を『核』と言っていた。
それだけこれが精霊にとって大事なものと言うことだ。それを自分に渡すに値するからどうか、試されている。
暫く経ってから、カムイは口を開いた。

「ああ。この方法でもしだめなら、俺はもう一度世界樹の所に行き、あの樹を真っ二つにするつもりだ」

—そうですか。あなたの本心を聞けて少しほっとしました—

シルフはそう言うとウィンド・オーブをカインの元へと運ぶ。

「あんな回答でよく渡す気になれたな」

カインの言葉にシルフはにっこりと笑った。

—どんな答えでも渡すつもりでしたよ。私が問うたのは単純にあなたの気持ちを知りたかったからです—

「そうか。じゃあ、これは貰って行くぜ」

カインがオーブに手を伸ばすと、霧散しマナ化するとソーサラーリングの中へと入って行った。

—出るときはそこの歪みから出てください。そうすれば仲間の元に戻れます—

「助かる」

カインが洞窟から出て、一人になったシルフが呟いた。

—イアンが彼にこの使命を任せた理由。なんとなく分かりましたよ—

Re: テイルズオブザワールド ( No.9 )
日時: 2010/12/28 10:29
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

「カイン!!カイーーン!!」

出る限りの声で叫ぶルイ。激しい突風が止んだ後、辺りにカインがいない事に
気が付いた3人は必死になってカインを探していた。

「どこに行ってしまったんでしょう?」

ミントが心配そうに言う。クレスも不安そうな顔をして

「やっぱりさっきの突風で下に落ちたんじゃないか?」

奥地は岸壁のようになっていて、一歩踏み間違えれば奈落の底に落ちるようになっていた。
クレスはその奈落の底をみつめる。底はまったく見えない。落ちたらまず助からない高さだ。

「もしそうだったら・・・」

「だいじょうーぶだって!!」

クレスの言葉を遮るようにルイが声を上げた。

「風に飛ばされたくらいで死ぬようなカインじゃないって。
きっとその辺で昼寝でもしてるんだよ、きっと。
おーーい!カイーーーン!!起きろーーー!!!」

「うるせーな。まず寝てねーよ」

「ひゃあ!!」

突如後ろからの応答にルイが悲鳴にも似た声を上げる。

「び・・びっくりした〜〜。もう!!いきなり出てこないでよ!!」

「あ〜〜、うるせーな。静かにしろ」

カインとルイが言い合っているとそこにクレスとミントが混ざり込んできた。

「カイン。無事だったんだな!」

「ああ、まあな。実は・・・」

カインはそこで自分がどこに行っていたのかを話した。
ミントとクレスは訝しげな表情で聞いていたが、ルイはすんなりと受け入れていた。

「あ〜〜あ。私も精霊さんに会いたかったな。・・・お〜〜い、精霊さ〜〜ん。
出てきてくださ〜〜い。ほら〜〜〜」

空に手を振り呼ぼうとするルイの姿を見て、カインはため息を一つ。

「阿呆か。そんなんで姿見せるなら態々こんな回りくどい事はしないだろ?」

「・・・ぶ〜〜、何さ。自分は精霊さんに会えたからって」

プンスカし始めるルイは置いといてカインはソーサラーリングを眺めた。
これに確かにシルフのマナの欠片『ウィンド・オーブ』が入ったはずなのに、未だに何の反応もない。

「へ〜〜。ソーサラーリングってオーブの保管庫の役割も兼ねてるだね〜〜」

いつの間にかカインの後ろにいたルイがソーサラーリングに触れる。

—チカッ—

「何だ!?」

ソサラーリングが突然光出したと思ったら光は上空に上ったと思ったら、それはカクンと方向を変えた。

「な・・なになに今の!?」

ルイが軽く興奮状態で言った。それを見たクレスが

「大丈夫かいルゼス。何か今光ったけど?」

クレスの言葉にルイは首をかしげた。

「光ったのはこっちの方だよ」

「え?・・・・そうっだったかな」

クレスも同じように首をかしげる。

「もう呆けが始まったか」

「ま・・まだ僕は18歳だよ!!」

「大丈夫ですよクレスさん。私、お年寄りの介護は得意ですよ」

「ミ・・ミントまで・・・・。・・・ところでさっきの光は一体?」

話をすり替える様にクレスが言った。先ほど飛んで行った謎の光についてだ。

「おそらく、今のがソーサラーリングの機能の精霊の位置を教えるって奴だろうな。
飛んで行った方向は・・・・・南東か。クレスたちの村の方角だな」

「じゃあ、僕たちの村にも精霊が?」

「いや、光はもっと伸びていた。さらに南東ってことだろ」

「私たちの村から南東といえば、この辺りでは一番大きな町『ザーフィアス』がありますよ」

「じゃあ、次の目的地はザーフィアスだね」

ルイの言葉にカインは頷いた。

「取りあえず一応僕たちの村に戻ろう」

——————————トーティス——————————

「答えろ。一体風鈴山で何をした?」

「けっ!!てめーみてーな奴に誰が教えるかよ!!」

チェスターが謎の男と話している。だが、ただ単に向き合って話しているわけではなく、
チェスターはぼろぼろで膝を着いている。男は身体を宙に浮かせ威風堂々と構えている。

「そうか。ならばこの村に用はないな。消えろ」

男が掌をチェスターへと翳す。するとその手が凄まじい光を放ち始めた。

「ぐっ!!」

「チェスター!!」

アーチェがチェスターに駆け寄る。

「く・・来るな!アーチェ!!」

それを必死に止めるチェスター。

「終りだ。ダオス・・」

「鳳凰天駆!!」

—ドォォオォォン!!—

「大丈夫かチェスター!!」

「クレス!!」

間一髪のところでクレスが現れた。村に戻る途中、何か激しい音と共にクレスの胸に
とてつもない何かを感じ取り、急いでトーティスに戻ってきたのだ。
そこに遅れてやってきた3人が加わる。

「ダオス!!この国の王であるお前が何故こんな処にいる!!」

「王?・・・じゃあ、こいつがデリスの」

剣を握る手を強めるカイン。

「何故ここにいるかだと?分からないのか。この村にはあの山の管理を任せていたはずだ。
誰にもあの山には近づけさせるなと。そのはずがあの山で起きたあの光。
・・・答えろ。貴様らは今までどこに行っていた?まさかあの光の原因は貴様らか?」

ダオスの目が鋭く強いものへと変わる。そこに立ちあがったチェスターが前へ出た。

「偉そうな口叩きやがって。実際てめーがこの村に何かしてくれたかよ?
王だからって調子に乗ってんじゃねーぞ!!この村にてめーの言う事を聞く奴なんざ一人も・・・」

「黙れ」

ダオスの言葉が終ると同時にチェスターの身体が吹き飛ばされた。

「チェスター!!」

「さあ答えろ。貴様ら、あの山でなにをした?」

Re: テイルズオブザワールド ( No.10 )
日時: 2011/01/07 23:25
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

「なんだと?」

クレスがある程度に一抹を話したところで、ダオスが顔つきが変わった。

「シルフに会って来ただと?馬鹿を言うな。彼らは人前には姿を見せない」

「本当だぜ」

そう言って前に出たのはカインだった。ダオスの視線がカインへと移る。
と、ダオスはカインの指につけているものを見て、目を丸くした。

「それは・・・ソーサラーリングー!」

「知ってるのか。さすが、腐っても王だな」

「なら、それから感じる波動はウィンド・オーブか。・・・それをよこせ、小僧」

「冗談。欲しかったら、俺を殺して奪ってみろよ」

「カイン!!」

クレスが叫ぶ。カインがダオスをが王と知ってから雰囲気が変わっていた。
それが憎悪なのはクレスも分かっていたが、幾らなんでもダオスに喧嘩を売るのは自殺行為だ。
『あの』デリスの王でもあり、デリス軍の頭であるダオスに。

「そうか。ならばそうすることにしよう」

そういうとダオスの後ろから沢山のモンスターが現れた。

「命令だ。あの男を含むこの村全員を殺せ。まともに管理などできぬ奴らなど必要ない」

モンスターが奇声を上げながら向かってくる。クレスたちも迎え撃とうとするが、
数が数だけに顔が絶望に満ちている。と、カインから黒いオーラが煮えたぎる。

「・・・・・天災禍神(てんさいかしん)」

—ザワザワザワッ—

モンスターたちが大人しくなる。クレスたちも襲いかかるおぞましい悪寒に肩を縮める。

「モンスター共。それ以上この村に近づいたら・・・『コロスゾ』」

カインが長剣を少し抜くと、それに怯えてモンスターたちが霧散して逃げた。

「モンスター何か使わずにお前が掛ってこいよ。ダオス!!」

カインは剣を振るうとダオスに突っ込んだ。ダオスはそれを素手で防ぐ。
そしてカインから出る闘気を見て、

「なるほど。貴様、『ノヴァ』の生き残りか」

「ノヴァ?・・・・ぐあ!!」

カインが一瞬気を緩んだ隙にダオスは剣ごとカインを吹き飛ばす。

「興が削れた・・・」

ダオスは翻るとそのまま消えていってしまった。

「・・・ノヴァって何だ?」

———————————————————

「まさかダオス本人がこんな所まで来るとはね」

ダオスが去って暫くして、村の方も落ち着いてきてカインたちはクレスたちの家にいる。
チェスターの怪我も大したこともなく、一日も安静にしていれば治るぐらいだった。
今はアーチェが看病している。

「あの山の管理とかのこと、クレスたちは知ってたの?」

「・・・いや、あの山には近づくなと村長に言われていただけで、詳しい事は知らなかったんだ。
済まない。僕たちのせいで君たちにも危険な目に会わせてしまった」

「クレスが謝るとこじゃないだろ。連れてってくれと言ったのはこっちだ」

壁にもたれながら俯いていたカインが言った。
カインはずっとこんな感じで何かを考え込んでいる。今はあんまり近づかない方がいいだろう。

「カイ〜〜〜〜ン!!」

そう思っていたクレスたちの思いをぶち壊すようにルイが立った。

「な〜〜に、ずっと考え込んでんのさ!?」

「お前には関係ないことだろ」

「関係あるよ!仲間だもん!!」

「・・・・・」

カインはルイをちらりと見ると、ルイは本当に御立腹って感じだった。

「さっきダオスが言ってた『ノヴァ』ってのが気になるの?」

「・・・・ああ。なんでか分からないけどな」

「いいじゃん!何だって!!カインはカインだよ」

ルイは笑顔でそういった。自分が何者であろうと何も変わらない。
知ったからって今までの生き方を変えなければならないことなんてない。
カインは小さく微笑んでから立ち上がった。

「当たり前だ。さ、行くぞ!」

「ラジャー!」