二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 異世界の危機 〜魔光石編、開始!!〜 ( No.275 )
- 日時: 2011/05/29 08:43
- 名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
3 永続の魔法
冬『でも、どうして?』
風介「ベッドに入れたら起きたんです。その後、強制的にここへ連れてきました」
守「……あの、姫」
守が何かを言いたそうな眼差しで、冬花を見つめると、一瞬冬花は戸惑ったかのように視線をそらすが、すぐに向き直った。それに見かねた夏未が状況を変えようと、話を切り出した。円堂たちもいるこの場で、守たちを尋問するわけにもいかないと考えたのだ。
夏「ハァ、はいはい、今は食事でしょ?食事、それ以外のことは後でじっくり聞かせてもらうから」
アツヤ「お前はなんも持ってないよな?」
夏「はぁ?なんでそんなこと聞くの?なんもないわよ、剣以外」
夏未はアツヤに手をヒラヒラさせて、何も持っていないと訴えた。
アツヤ「ならいい」
全(だから何なんだ?)
円「座らないのか?」
円堂が守たちに聞いた。やっと我に戻ると、守は少し眉間にしわをよせ、考え事を始めた。
守「俺、分身なんて使ったか?」
修「分身ごときも使えないやつができるわけねぇだろ」
修也が去り際に小さく呟いた。しかし、その言葉はわざと守に聞こえるようにいった。
守「喧嘩売ってんのか?」
修「サル並みの脳みそで考えてみるんだな」
守「上等だ! 夏「城内武器禁止!!そして修也も構えるな!!」 チッ」
守たちは一番奥の席に座った、そうすれば自然と守の横には円堂が座ることになった。ほかの人から見れば、ここに鏡を置いてるのではないか、と間違えてしまうほど瓜二つだ。それもそのはず、円堂と守は違う世界の人でも、魂は同じの同一人物ともいえるのだ。性格に関しては全然違うが。
夏「円堂くん、食べちゃってもいいよ。こいつ等うるさいけど、気にしないでね」
修「こいつ等って…」
夏未が守たちの方を指差し、円堂たちに伝えた。
秋「気にしない方が無理だと思う」
春「うるさいのは修也と守でしょ〜」
秋「春奈も入ってる」
春「なっ、大半はこいつらでしょ!」
豪「食べにくくないか?」
風「少しな…」
円「そうか?」
円堂は夏未から食事を勧められた時から動いていた手を止めていない、むしろ周りの空気に関係なく、自分のやりたいことをやっていた。
鬼「こんなことを言っていいのか分からないが、本当にお前らを信じても大丈夫なのか?」
鬼道がゴーグルの中から守たちを鋭い眼差しで睨みつける。
守「何がだ?」
守もそろそろ食事を口の中に詰め込んでいるところだった。鬼道に言われたことが理解できていないらしい。だがほかの三人の顔は少し引きつる。
夏「アンタ、なんも覚えてないの?」
守「別に全部ではない、ただ…」
そこまで言うと、守は表情を暗くし少し躊躇ってから、話を続けた。
守「アルティスの野郎に鎖で縛られて、《ルロード》をかけられるまでな…」
夏「だから記憶がなかったのね」
秋「でも、ルロードは記憶操作魔法あるいは、記憶抹消の永続魔法…一度かけられたらもう二度と記憶が戻らないはず」
こちらはこちらでその話に入っているが、円堂たちは意味の分からないままその話を聞いていた。
円「えいぞくまほーってなんだ?」
秋「分からないなら分からないでいい」
円堂の質問に秋がきっぱりと答えた。
夏「そんなこと言わないの」
秋「言ってもどうせわからない」
豪「永続……永遠に続くって意味だろ?」
豪炎寺が言った。
永続魔法文字通り、永遠に効果の切れない魔法のことを意味する。つまり、発動した術者自身でも止めることは不可能なのだ。
そんな問題をよそに、茜が胸の前で小さく拍手をした。
茜「すごいね!私でさえもいまだにわかってないのに」
修「それを二文字で表せばこうなる、『馬鹿』だ」
茜「ひっど!!」
夏「ハイハイ、そんな話してたら食べ物がまずくなっちゃうよ。話題かえましょ、このことはまたあとで、ってことで」
守「無理やりすぎないか?」
円「う〜ん、よくわかんないけど、いっか!」
全「「いいのかよ!」」
春「ねぇねぇ、この人たちどうやってここまで来たの?大して魔力なさそうだし…」
豪(これがもう一人の音無なのか?エイリア石を使っていた時と随分感じが違う)
豪炎寺は今までの記憶を振り返った。確かに風丸たちがエイリア石を使っていた時は性格が明らかに異なっていた。暴力的になり、敵対心が強かった。今回もそうかもしれない。だが、こんなにも呑気な少女があんなにも性格が変貌するだろうか。守は記憶を消されていたとして、秋や修也は見る限り変化はあまり見られなかった。それほど冬花に復讐がしたかったのか。あるいは、アルティスに見せられた『映像』によって、心までも操られていたのか。今、考えてももう必要のないことだろうが、豪炎寺にとってはなにか引っかかる様な気がした。それは鬼道も同じであった。
その隣から円堂ののんびりした声が聞こえた。
- Re: イナズマイレブン 異世界の危機 〜魔光石編、開始!!〜 ( No.276 )
- 日時: 2011/05/29 08:44
- 名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
3 永続の魔法
円「冬花の魔法で来たんだ。魔法って便利だよな〜」
円堂は空を仰ぐように上を向きながら、うらやましそうに言った。
守「使えないのか?」
円「あぁ」
鬼「そもそも俺たちには魔力というものがない」
春「な〜んだ、つまんないの〜どんな魔法使えるのか見たかったのにぃ〜」
音「本当にそっくりなんですね!鏡があるみたいです!!」
音無が目をキラキラさせ、もう一人の自分を見た。
春奈は一度音無を頭から爪の先まで見渡すと、いきなりため息をついた。
春「ハァ〜ほら見て!もう一人の私もこんなにかわいいよ!」
修「あ〜もういい、お前の自慢話は耳が腐るほど聞かせれた」
春「相変わらず修也の白いチューチップはまだあるけど〜」
修「よ〜し、春奈、表へ出ろ。お前に天への綺麗な架け橋を見せてやる」
修也が隣側に座っている春奈の襟をつかもうとすると、春奈は避けるかのように立ちあがり、音無の両手をつかんだ。
突然のことに、音無は少し戸惑いの表情を見せる。
音「な、何ですか…?」
春「同じ顔なんだし敬語は使わなくていいの!!」
音「で、何かな?」
春「後で一緒に話さない?私、あまり貴女のこと知らないからさ!!ね?いいでしょ?」
春奈がしつこく音無に攻め寄る。
その行動に音無がついに何も言い返せなくなり、口をパクパクさせている。
守「座れ、春奈」
そこへ音無の救世主、守が春奈の服を引っ張り、椅子に座らせた。
春「守、乱暴!!」
守「乱暴で悪かったな」
春奈は口を尖がらせ、足をバタバタさせて、小さな子供のようなしぐさを取っている。
そんな様子の春奈にあきれ、守はため息をついた。
守「3歳児か?」
春「ざんねん、今年13歳で〜す」
守「h 夏「喧嘩はダメ!」 ……」
守が一言言う前に、夏未が喧嘩を未然に防ぐため、注意し、守が黙り込んだ。
隣にいた春奈は、何事もなかったかのように、食事を次々と口の中に運んでいる。よっぽぽどお腹が空いていたようだ。
夏「でも、円堂くんたちは仲がいいのね」
円「仲間だろ?」
夏「ほら、守も見習いなさい!」
守「俺のこと言ってんのか?」
修「お前以外に誰がいるんだ?」
修也の余計なひと言で、守と修也のにらみ合い、間に火花が散る。
夏「修也、いつも余計なこと言わないの!!」
修「ご馳走様」
夏「聞いてるの?」
修「残念ながら聞いてない」
すると、修也が席を立ちあがった。
アツヤ「帰るのか?」
修「あぁ」
夏「だ〜め、後で話があるからここにいなさい、もちろん拒否権なし」
修「ハァ…」
?「あっ、遅かったか」
修也がため息をついた後、壊れた扉の向こう側から一人の少年の声が聞こえた。
風介「今更、帰ってきたか…流星の討ち手が…」
全「「流星の討ち手?」」
全員が扉の向こうを見つめた。