二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.93 )
日時: 2011/07/30 23:30
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

番外編—語られる生れ落ちし者たちの罪—

「久しぶりの私の部屋———ッ!!!」

「相変わらずそう言うところだけは、子供だな…」

一時的にだが未来に帰って来たリズとムーンは、その日の夜久しぶりにリズの部屋に寝る事になった。
そして勝手に改造したベットにダイブしながらリズが喜んでいると、そんな彼女に苦笑し何気ない時間だった。
だがそんな時間を楽しんでいる時、彼女の部屋をノックするチャレンジャーがいた←

「何よ、折角人が気持ちよく休んでる時に…(黒笑」

「(…この状況でリズの部屋を訪ねてくるチャレンジャー…じゃなくて尊い犠牲者は誰だよ…)」

もちろんムーンが想像していたどおり、彼女はドス黒いオーラを解放し何処のバカが来たのかと合掌しながらドアの目の前に立つ人を心配してると—その心配は無用だった。

「よっ、リズ!!」

「…何故、キーブレードを二本出している?」

「父さんが、リズ姉ちゃんに夜食持って行けって言うから持って来たぜ♪」

そこに現れたのは尊い犠牲者やデミックスのようなチャレンジャーではなくて、仲間である過去のロクサスとアクセル、そして彼女の弟レイシャであった。
頼まれて夜食を持ってきてくれた仲間を流石に殺るワケにもいかず、キーブレードを仕舞うとアクセルが絶対俺たちじゃなかったら殴るつもりだったなと悟る。

「悪いわね、わざわざ夜食を持ってきてくれるなんて」

「アハハ、父さんと母さんが『リズは夕食だけで足りるわけ無いだろうし』ってな」

それから部屋に通し、床に座りながらおにぎりとぬか漬けをしたキュウリ(ゼクシオン作)を食べながらリズがお礼を言うとレイシャがロクサスとナミネを言った事を説明し姉弟揃って笑う。
その時、アクセルとロクサスは本気でリズって女の子だよな?と疑問を覚えたらしい←失礼

「そうだ、ご飯食べている中悪いんだけど…俺ずっとリズたちに聞きたかった事があるんだ」

「何ロクサス?」

するとロクサスは何か思い出したのかおにぎりを更に置きながら、そう言うとリズは首を傾げる。
そう言えば、ロクサスは自分にこの前から何か聞きたそうな表情を出していたが何時もそのたびに邪魔されていたんだっけ(主にハートレスやアンヴァースの出現が原因)

「—俺、リズたちの過去を知りたい!!!」

「「「「ブホッ!!?」」」」

だが次の瞬間、聞かれた質問が余りにも突拍子の無い事で4人は飲んでいるお茶や紅茶を吹きそうになる。
過去のロクサスは、デリカシーが無いのか天然なのか!!?とレイシャは考えると、リズは腕を組み

「…そうね、色々と巻き込んじゃったんだから話してもいいわよ」

「…って言うか、話さないわけにもいけねぇだろ散々巻き込んじゃったんだから」

何と今まで散々話す事を渋っていた過去を、話すと言い少々ムーンは最初驚くが納得する。
そして少し長くなるけどねと言うと、目を閉じ語りだした。
—それは悲劇で残酷とも言える話だと、彼らが悟るのは全てを知ってから

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.94 )
日時: 2011/12/20 18:16
名前: リラ (ID: BDgtd/v4)

「—私はかつて『闇の扉を閉じるために』旅をしていたの」

「闇の扉を…?」

その日々を思い出しながら語っているのか、目を閉じながらリズは教えるとロクサスは首を傾げる。
闇の扉は、確かソラが完全に閉じたと聞いていたから

「ロクサスが予想している通り闇の扉はソラによって閉じられたわ…でもね私たちの時代になるとその封印が何故か弱り始めたの」

「なるほど、だから闇の扉を閉じるか…」

そんな彼の考えを察してリズが説明すると、アクセルも納得した。
キーブレードで閉じたはずの闇の扉が、閉まっていないワケがないから(キーブレードの能力はどんな鍵でも開けられる事)

「でも…それを実行するにはあの過保護なゼムナスを説得しなきゃいけないのもあったから私はある『手段』を使った」

「ある手段…?」

「ええ、機関を脱走し、皆の中にある私の記憶をナミネ母さんにより消す事」

そして過去の説明を再開し、旅立つにはとある事をしたと言うともちろんどんな事かと聞かれ答えた。
自分の記憶を…大切な仲間、親友、家族から消す事

『…私が闇の扉を開いた原因や閉じる方法を捜索するためには、私の記憶を皆に忘れてもらうしかないね』

『なっ!!?』

『正気なの、リズッ!!?』

それを決断しロクサスとナミネに言うと、酷く驚かれる。
記憶を操る能力がどんな物かを、リズは身を持ってよく知っているからこそだが(ナミネ自身とレイシャ)

『当たり前でしょ、大体記憶を操る能力についてよく知っている私がこんな事本気じゃないと言えるかっての』

『…そう、だったわね』

思っていたどおりの反応を返してくれた両親に呆れつつもそう言い返すと、ナミネは哀しそうな顔をする。
まだ幼いリズに、こんな重い物背負わせている事を改めて自覚したからだ(ちなみにこの時、リズは当時10歳)←

『だからお願い、私の決心が鈍らないうちに記憶を消して』

『…分かったわ』

その言葉を聞いて、よっぽど考えて決めた事なんだなとナミネは悟ると記憶を操る能力をスケッチブック—絵に描いてリズに関わる者の殆どの記憶を消去する。

『—これで貴女に関する皆の記憶は消えたわ』

『そう、ならこれからは私は機関にとって『謎の敵』と言う事になるわね』

『そうね…でも忘れないでリズ、どんなに大切な事をその人が忘れてしまっても貴女の記憶と思いと心は消えない…その思いがリズの事をきっと何時か思い出させてくれる』

『そうだ、誰だって忘れてしまった事を思い出さない訳じゃない…きっかけが無くて思い出せないだけなんだ』

『うん、ありがとう父さんに母さん♪』

そして完全にロクサスとナミネ以外がリズの事を忘れると、リズも何かを堪えながら頷く。
それを理解しているからこそ、ナミネとロクサスがアドバイスをするとリズも笑顔になり—闇の回廊で消える。
そうこれがリズティクスト・ブラックノーバディ、10歳の始まりだった。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.95 )
日時: 2011/08/01 23:51
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

「それから私はⅩⅢ機関の皆にバレないように世界を回りつつ、闇の扉を完全に閉じる方法や原因を探した」

「4年間、父さんと母さんは行方不明で俺はよくアクセルと一緒に任務で捜索を言われてたなぁ…(黒笑」

我ながらよく10歳でそんな行動を取ったよと笑いながら言うと、レイシャも思い出したのか黒さを解放してリズを睨みつける。
そんな弟に、ハハハと乾いた笑みを浮かべながらうな垂れる。

「まだ気にしてるのかよ何も言わないでアンタに隠してた事…執念深い奴」

「誰だって気にするわ、バカ姉貴がぁ!!」

どうやらリズはレイシャすらからも記憶を奪って(正確に言えば消した)らしく、彼は根に持っていた。
そして、そんな彼を見てアクセルが自分と同じ何を感じたのは言うまでも無い(ツッコミ本能)

「だけど4年後、ちゃんと頼ったじゃん」

「そりゃあ、覚えてるわけも無いアンタが現れてずいぶん驚きました♪(怒」

「あのー、姉弟喧嘩してるところ悪いんだが本題に戻ってくれないか…?」

毎度のボゲ(リズの事)が入り、レイシャがドス黒いオーラを出しながら姉弟喧嘩を始めてしまいロクサスが止めるとようやく話を再開してくれた。
その日—ディスティニーアイランドの島では、ソラとカイリとリク—そしてグラッセが夕日を見ながらいた。

『…何でここから夕日の時、海を見てると哀しくなるんだろう』

『いきなりどうしたんだグラッセ?お前らしくも無い…』

海を見ながら…いや何処か遠くを見据えているような眼差しでグラッセはそう呟くと、珍しい発言にリクが吹いて笑う。
カイリも珍しいねこれはこの世界に雪でも降るかもとふざけるたように笑うが、彼にとってはふざけた事では無かった。
何かこの風景を見てると、とても切ないくなる—いや懐かしい感じがするんだ。
自分はこの風景を誰かと見ていた気がする、いや気じゃない…事があるんだ。
だからこそ、こんなにも恋しくなるような…誰かを待っているかのような…

『…俺も、グラッセの気持ち分かるなぁ…』

『ソラ?』

そんな事を考えていると、何と父親であるソラまでもそんな事を言い出しカイリがその名を呼ぶ。

『なんかさ…俺の場合、何か大切な事…を忘れている気がするんだ』

『大切な事…?』

あえてそれには答えず自分の考えを言うと、父さんらしいなとグラッセは思うが大切な事を忘れている—それには同感だ。
何か—何かが足りないんだ、まるで昔から俺の傍にいた者が消えたような感覚

『…俺には、昔から友達なんていないハズなんだけどな』

そうぽつりと言葉を零すと、突然闇の気配がした。
次の瞬間、それは開かれた—闇の住人が使う闇の回廊
この世界にそんな物を使って現れる人物なんて、一人しか想像できなかった。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.96 )
日時: 2011/08/02 13:43
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『よぉッ!!ソラにグラッセ』

『アクセル…』

想像通り、闇の回廊から出てきた人物は—ⅩⅢ機関の踊る火の風ことアクセル
恐らく情報収集のために、この世界に来たってところだろう。

『悪いけどアンタが欲しい情報は無いさ…ロクサスさんとナミネさんはこの世界に来ていない』

『やっぱりな…レイシャの奴も心配してるってのにあのバカ…』

そしてその情報—ロクサスとナミネの行方について、この世界には来た形跡もないと教えると予想はしていたのかため息をはいて木で出来た橋のところに座る。
レイシャ—ロクサスさんとナミネさんの二人目の子供で…?…二人目?

『何言ってんだ!!レイシャは一人っ子だろッ!!?…うぅ〜(涙』

『?どうした?(汗』

そんなアクセルを見ながらロクサスさんたちの子供・レイシャの事を考えていると、何ともおかしい間違いを犯してグラッセはパオプの木に頭をぶつける。
流石にそれは痛くて悶絶してると、心配したのかアクセルが駆け寄ってきてポーションをくれる。

『ありがとう、何だかレイシャに勝手に姉弟増やしちゃって…(汗』

『何言ってんだ…レイシャはロクサスたちの唯一の子供だぜ?(呆』

ポーションを飲みながら自分を勘違いを話すと、アクセルに呆れられ父さんたちにも笑われた。
—やっぱり、俺の勘違いだよな…そう思っていると事態は急変した。

—グオオオオオオオッ!!!

『え…?』

『ッ!!グラッセ逃げろッ!!!』

突然夕日が消えたと思ったら、暗闇がディスティニーアイランドを包み下級ハートレス—シャドウと大型ハートレス—ダークサイドが現れた。
これにはグラッセも驚いていると、何時の間にかダークサイドの拳が振り下ろされ誰もが危ないと冷や汗をかいた瞬間

『—危ないッ!!!』

全員の心情を代表したかのような声を響いたと思ったら、ガキンと何かが防がれた音がする。
これにはグラッセも閉じていた目を開けると、そこにはダークサイドの拳を伝説の鍵—キーブレードで防いでいる金髪と栗毛の少女がいた。

『キミは…?』

『自己紹介は後よ!!それよりも嫌な予感がして来てみればこれかよ…ッ!!!』

その姿に思わず名前を聞くと、金髪と栗毛の少女はごもっともな事を言いダークサイドの拳ごとはね返す。
これにはリクとアクセルも唖然とする。

『あのダークサイドの拳を弾き返したのか…』

『アイツ、只者では無いようだな…口調からしてこの異変に何も驚いていないし何かを知ってるな』

『—そこぉ!!そんな愚痴はどうでもいいから下級ハートレス倒すの手伝って!!このままじゃボスのダークサイドに近づけないし数も多いの!!』

アクセルは感心するが、リクだけはこの状況ながらも金髪と栗毛の少女の素性を判断し何者だと考えていると金髪と栗毛の少女は叫ぶ。
確かに彼女の言うとおり、彼女とグラッセの周りは明らかに下級ハートレスと言えども数が多くてダークサイドに近づけないようだった。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.97 )
日時: 2011/08/04 22:27
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

「あの時、本っっ当にリクの奴使えなかったんだろ?ざまぁねぇな!!(黒笑」

「…ムーン、物凄い邪悪な本音が出てるよ(汗」

リズとグラッセが初めて(?)会った時の思い出を聞くと、ムーンが主人公にあるまじき極悪非道な笑みを浮かべる。
これにはリズも冷や汗をかき、グラッセがいたら『こんなムーン俺知らないッ!!(涙』とか言いそうだなと思う。

「…どれだけリクさんが嫌いなんだよ、ムーン兄」

「レイシャその質問は愚問だ、まぁ分かりやすく言えばマスター・ゼアノート並みじゃね?」

「そんなに!!?」

これを見ているレイシャがそんな疑問を浮かべると、代わりにロクサスが答えてくれてツッコミを決める。
ロクサスもリクが嫌いなので、ムーンとはかなり気が合うらしい←

「それから私とグラッセは成り行きで一緒に旅をする事になったんだけど、トワイライトタウンによった日私昏睡状態に陥っちゃったんだよね〜」

『えぇ!!?』

流石にこれ以上、ムーンに発言させるとマズいので再び本題に戻り倒れた事を教えると全員に驚かれる。
倒れたのは—トワイライトタウンの悲しみの記憶と闇の記憶が私に入り込んだのが原因だったのはその後に分かった事なんだけどね…

『ここが時計台…』

『そっ、ロクサスさんたちの思い出の場所であり…トワイライトタウンの名物なハズ…』

『ハズって何だよ?』

『そこは気にしない!!早速シーソルトアイス食べよう♪』

トワイライトタウンをグラッセに案内しつつ新しい友達が出来て喜んでいる最中の事だった。
時計台の座る場所に座りながら、シーソルトアイスを二人で食べていると—異変は起きた。

—このアイスの名前覚えてるか?

—ええっと…

—シーソルトアイス…前に教えただろ?ちゃんと記憶しとけ

—しょっぱい…でも、甘い

—へへっ…ロクサスお前、この間も同じ事言ってたぞ

—そうだっけ…よく、覚えてないな…

『うっ!!』

突然頭にそんな声が響いたと思ったら、激痛が私を襲い始めた。
—苦しい…痛い…何この声…いや記憶!!?
そんな疑問を頭の中を巡るが、それどころでは無い—意識が遠のく

『リズ?どうした!!?』

『頭が…何よコレ…?』

そんな風に頭を抱えていると、グラッセも心配してきて出来る限り自分の症状を教えるがもう遅い
彼に頭を授けたまま、彼女は気を失っていた…いや長い眠りに入ったと言うべきか

『リズ!!?おいリズティクスト!!?…リズ——————ッ!!!!!』

そして誰もいない中—誰も聞いていない中、グラッセは時計台で少女の名を絶叫する。
それは、ただ虚しく響くだけだったらしい…

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.98 )
日時: 2011/08/05 14:12
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

「それから…どうなったんだ?」

「私はそのままグラッセに運ばれハイネさんの家で眠り続けて『懐かしい夢』を見ていたわ、それから目覚めたのは20日後ぐらいかな」

空気が重くなる中、ムーンが冷や汗をかきながら聞くとリズは苦笑しながら答える。
20日も眠っていたなんて、まるで俺やシオンみたいだなと密かにロクサスは思った。

「最初は本当に驚いたわね、そんなにも長い期間眠っていたとか聞いて」

「そりゃあ、驚かない方がおかしいだろ(汗」

よくよく思えば我ながらよくそこまで寝てたわねと自分自身に呆れていると、レイシャにツッコミを決められ目覚めた時の話を再開する。

『う…ん…?アレ…ここは?』

気が着いたらそこはベットの上で、夕日が窓から差し込んでいた。
それでここはトワイライトタウンだと気が付き、もう一度自分の状況を確かめる。

『何で私ベットの上で寝てたのかな…?それにしても』

まずはどうしてこんなところで寝ていたんだという疑問を彼女の頭を占めるが、ぐぎゅる〜とお腹がなる。
何故か私のお腹はかなり空いていた、今言いたい事は

『腹減った…取り合えず外に出てみましょ(汗』

思い立ったらすぐ行動じゃい!!とはばヤケクソになりながら、窓から飛び降りてそこを脱出する←(ハイネの家だと気付いていない)
すると夕日がなおさら差し込んできて、寝起きとも言える私にはちょっとキツかった。

『夕日が眩しいー…そう言えばグラッセたちは何処かしら?』

『リズッ!!?』

思わず目をしかめながらも今更な疑問を浮かべていると、突然自分を呼ぶ声がした。
一応振り向いて見ると、そこには今考えていたグラッセとアクセルとリクがいた。

『あら、グラッセにリクに赤ウニ…どうしたのそんな大声出して…?』

『そりゃあ出すわバカ野朗!!お前何日寝てたと思ってるんだ!!』

『何日も寝てた?私が…?』

ちょうど探そうと思ってたんだと思いつつ、何だか慌てている三人に少々戸惑いを覚えたので聞いてみると意味不明な事を言われ首を傾げる。
確かに私は眠っていたけど、そんなに寝てたのか?

『グラッセ落ち着け、リズお前覚えてるか倒れた時の事?』

『ええ、確か時計台で何か頭痛がすると思ったら意識を失ったところまでは覚えてるわ』

するとこれ以上事態がややこしくならないようにと、リクが倒れた時の状況を聞いてきたので覚えている限りは答えるとため息をはかれ

『信じられないかもしれないが、それからお前はずっと目を覚まさなかったんだ』

『ちなみに言っとくがお前が倒れてからかなり日にち立ってるぜ?記憶したか?』

『は?』

『そうだよ!!リズが倒れてから今日で20日ぐらいだよ!!』

『20日ぁ!!?長ッ!!?』

どうやら分かっていないようだなと判断したのかリクとアクセルがそう説明し、再び首を傾げると次にグラッセが言った事に驚愕する。
何時の間にそんなに、眠っていたなんて…本当に信じられなかった。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.99 )
日時: 2011/08/08 13:36
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『20日かー、どうりで腹が減っているワケだ!!』

『食べ物を食いながら話すなッ!!』

余りにもお腹が空いていたので、商店街でパンを食べながら話すとグラッセにツッコミを決められる。
食いながら話すなって、お前は私の母親かいと思うとおかしくなってしまう。

『何がおかしいんだよ』

『いーや?アンタって私のお母さんみたいねって思って』

『ぐはっ!!?』

どうやら何時の間にか笑っていたようで、グラッセが不貞腐れながら聞いて来た。
そして、思ったとおり伝えると何故か変な声を出し頭を抱えられる。

『俺って、男としても見られてないのか…(涙』

『え?何で落ち込んでいるの?(汗』

そう言っただけなのに、何故かかなりグラッセは落ち込んでおりよっぽど堪えたらしい。
気に障ったのならと謝ると、この鈍感がとか言われたのをよく覚えてる。

「「「「………………(呆」」」」

「…何よその、呆れたかのような目は」

その話を聞いたら、全員がリズを冷めた目で見つめる。
その時から、グラッセにはリズに惚れている自覚があったのに当の本人は全く気付いていないと言う鈍感さに呆れているのだが

「…哀れだな、グラッセが」

「ああ、報われない奴…」

「すみません、こんな姉で…」

流石にいくら鈍感2号のロクサスもこれには同情し、アクセルも闇のエネルギーで昏睡状態になっている話の張本人に合掌する。
レイシャも、グラッセが不憫過ぎてごめんなさいと代わりに謝っていた。

「何でアンタたちまで涙目になってるのよ…それで目覚めた私は旅を再開して、間も無くレイディアントガーデンで再会したんだ」

「誰と?」

「—4年間、会ってなかった父さんと母さんよ」

そんな彼らをリズは不信な目で見つめ、また話の続きに戻る。
トワイライトタウンを出てからレイディアントガーデンに向かい予想以外の人と出会った。
ちょうどその時、私はソラたちが偽アンセムを倒した城に異様な気配を感じ様子を見に行っていた時だった。

『相変わらず、闇の匂いが濃いところね…ハートレスも多いし異様な気配を探す前に疲れる…』

ベビーモスとワイバーンを同時に倒した後、闇の匂いに顔を歪めながら謎の気配を探す。
ハートレスが多過ぎて、エントランスに着くまでにもこれかと疲れがどっと出てしまう。

『リクとかアクセルとか連れて来るべきだったかなー、でもここには何か一人で来なきゃいけない気もするし…』

いくら強いだの言われるリズも、疲れや痛みはちゃんと感じる。
だからこそ仲間を連れてくるべきだと思ったのだが、何故か一人で来なきゃいけない気がしたんだ。
その予想は—更に進んだ礼拝堂で分かったが

『…と、父さん…に…母さん…』

『リズ…!!』

礼拝堂に入る前、異様な気配はここからのものだと気が付きキーブレードを構えながら突入するとそこにいたのは完全に予想外の人物
あちらもあちらで、4年ぶりに再会した私にかなり驚いていた。
—だって、4年間会おうとしなかったのは紛れもなく私だったから

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.100 )
日時: 2011/08/08 18:02
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『…何故ここに…?』

『…大広間に行って見ろ、そこに行けば…全て分かる』

まず出た第一声はそれだった、どうしてロクサスたちがここにいるのか分からないから
それを理解しているから、ロクサスは大広間の道を指差すのでリズはよく分からないで進む。
そして目の辺りにした真実に—私は絶句するしかなかった。

『闇の扉…?』

そこに合ったのは、かつてソラが封じた最後の鍵穴の場所と闇の扉だった。
なによりも驚いたのは—その目の前に立っている人物

『ソラ…!!?』

『ソラか…そう呼ばれるのは初めてだな』

何と立っている人物は、ソラにとてもよく似た黒髪の少年だった。
唯一違うところは、全身から闇の力を感じる事と闇の住人を象徴するかのような—哀しげな金色の瞳

『いやソラじゃないわね…あのトラブルメーカーからは光の力しか感じないしアンタと違って身体だけは大人だし』

『見た目よりお前毒舌だな…『マスター』から聞いたとおりだが』

『マスター…?』

それでソラじゃないと判断すると、黒髪の少年はソラに対して流石に可哀想だと同情するがすぐに自嘲じみたような笑みになる。
その黒髪の少年が言うマスターとやらに、リズが首を傾げていると少年は闇を象徴するキーブレード『ヴァイドギア』を出す。

『キーブレードッ!!?何でお前が…ッ!!?』

『さぁな、それよりもお前がどれだけの実力を持つか…見せてくれよ』

いかにも怪しげで敵な黒髪の少年が闇から出したのは、伝説の鍵剣キーブレード
只者じゃ無いと感じ取ったリズが問い詰めるが、黒髪の少年は自分と戦う事しか考えていないようでいきなり攻めて来る。
一回目は何とかかわすが、黒髪の少年は闇の力を何時でも放てる…戦うしかない!!

『チィッ!!やるしかないッ!!』

本当はここまで来るにハートレスとの戦闘が重なり疲れているのだが、戦わなきゃ殺られる。
何故か気配だけでそんな気がして、今だけは今まで任務で鍛えられた腕に感謝するしかない気分だ(それは野生の勘です by作者)

『ふっ!!』

『雷よッ!!』

早速動いたのは黒髪の少年、いきなり間合いを攻めてくるのでリズはサンダガで防御する。
だが黒髪の少年はその攻撃を普通に受けても、まるで痛みを感じていないようにサンダガを耐え抜きキーブレードを振り下ろす。

『ッ!!?コイツまさか…闇の力で痛みを感じないようにしてる…!!?』

その攻撃を何とか防ぐと、少年の戦法が分かり厄介だなと顔を歪めるとキーブレードを振り下ろす力が増してきていた。

『グッ…光よッ!!』

このままではマズいと判断したリズは、受け止めているキーブレードに光の力を宿しホーリーを撃ち出した。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.101 )
日時: 2011/08/11 12:40
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『これなら幾分でもダメージを…』

『喰らえッ!!』

与えられた—と思ったが、黒髪の少年はダークサンダガを放ったと思ったら一気にシャドウダイブを使い回避をしつつ攻撃をしてきた。
流石にリズもこれは予想していなかったのか、一瞬呆然としてしまうと…その隙をつかれる。

『諦めろ』

『ああッ!!』

黒髪の少年の姿が消えたと思ったら、どうやらワープしただけで後に来たと思ったらダークスプライサーが襲い掛かる。
いきなりの事で防御が出来ず、光属性の自分には大きなダメージが来て膝をつく。

『うぐっ…』

『最初はざっとこの程度か、アイツと同じだな…『純粋な光』の心を持つ女、リズティクスト・ブラックノーバディ』

しかもリズは先らまでずっとハートレスと戦った傷も癒えてなく、更にダメージが重なり意識が遠のきそうになるが堪える。
コイツの前で気絶なんかしたら、とんでもない事になしそうだし…ッ!!

『お前を見ていると反吐が出るな、その光り輝く存在、見ているだけで消えて欲しいぐらいだ』

『うぅ…』

そんな事を考えていると、傷口を黒髪の少年の足で踏まれ痛みに顔を歪めているとなおさら嬉しそうに踏みつけてくる。
それで気が付いた事があった…少年は心を完全に怒りや憎しみで埋め尽くされている。

『…何なのよ、アンタ…ッ!!いきなり私に喧嘩売ってきて意味不明な買った覚えの無い恨みや憎しみぶつけられて…!!私が何をしたって言うのよ!!』

『…何も知らないんだな、お前は…それが羨ましいな』

『ッ…アンタが言いたい事ばかり言われて意味分かんないよ!!お前の心からはまるで『闇しか無いように感じる』し…』

思い切って私が思った事を問い詰めてみると、黒髪の少年は少しだけ穏やかで哀しみが宿った金色の瞳で見つめてきて戸惑う。
だけど次にぶつけた疑問と意見で、彼の目付きも表情を一変した。

『…うるさい!!!お前に俺の何が分かるっていうんだ!!何時も光に愛されているお前がぁ!!!』

『ッ!!?』

そして突然そう叫んだと思ったら、少年のキーブレード『ヴァイドギア』が闇に包まれる。
それで一撃で終わらせる気かと判断した私は、何とか動こうとするが傷が深いのか目が霞んできて動けない。

『またしても『マスター』の命令には背くが仕方ない…コイツは殺してやるッ!!!』

それが引き金—黒髪の少年は悲痛な声を上げると同時に、強大な闇のエネルギーを纏わせたダークスパイラルを振り下ろしてきた。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.102 )
日時: 2011/08/11 20:29
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『(私、ここで終わるのか…?)』

怒り狂った黒髪の少年がダークスパイラルを放った時、動けないリズは密かにそんな事を思っていた。
だけどそれよりも、自分の無力さに腹が立っている方が強いかもしれない。

『(クソ…ッ!!)』

覚悟を決め少年の怒りの攻撃を受けようと思った瞬間、何か赤と黒の影が入り込んだような気がした。

—ガッキィィンッ!!!

『何ッ!!?』

『弱っている女の子に攻撃を加えるなんて、大した神経だな!!』

すると何か防がれた音が響く、そして次には黒髪の少年の驚いた声と見知った少年の声
思わずリズが目を開けると、予想通りの人物がキーブレードを持っており黒髪の少年お攻撃を防いでいた。

『グラッセ…』

『遅くなった…悪い、一人で戦わせて』

赤髪の少年—グラッセの名を呆然と呟くリズに、グラッセは謝ると力いっぱいに黒髪の少年の一撃を弾き返す。
それに相手も警戒したのか間合いを取り、その隙にグラッセはリズにケアルラを唱え体力を回復してくれた。

『ありがとう…でもどうしたここに…?』

『この世界に来てからお前の様子がおかしい事は全員気付いていた、だからあんな夜明けに出て行ったお前を心配して探しに来たってワケさ』

そんな彼に感謝しお礼を言うと、何故ココにいると聞くとどうやら皆に心配をかけていたようで探しに来てくれたようだ。
何も言わないで行動したことに関しては彼女も負い目を感じていたので、なおさら申し訳なく感じ俯く

『…ごめんなさい』

『いいんだ、お前だって連れて行く事を迷っていたんだろ?…それに全ての記憶が帰ってきたしな』

『ッ!!!』

罪悪感からまるで幼い子供のように落ち込みながら謝ると、そんな自分に苦笑するとグラッセはリズにとって驚愕の事実を述べる。
思い出したって—まさか、私との記憶をと焦ると頭に手をぽんと置かれる。

『その事に関しては後でたっぷりと聞かせてもらうからな、だがまずは目の前にいる敵からだ』

その様子にグラッセは絶対怒っているオーラを出し冷や汗をかいていると、グラッセは得意な魔法を構築し始めた。

『そのお陰で、忘れていたあの技も思い出せた!!喰らえッ!!光輝く氷刃よ、その力で切り裂け!!!シャリィライトッ!!!」

『ぐあああッ!!!』

彼が思い出した—かつてリズと一緒に生み出した光の氷刃の魔法が完成すると、それは黒髪の少年の腹に刺さり少年は苦痛の声を上げる。
その技を見て、あの時の技完成してたんだと感心するとリズは今の状況を思い出した。
そうだ、今は戦いの最中だと言うのに…

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.103 )
日時: 2011/08/12 12:46
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『うぁぁ…』

『俺のシャリィライトとマトモに喰らったんだ、もう戦う力なんて残ってないだろ…それともまだやるか?』

グラッセの思い出した技—光のシャリィライトを喰らい、呻き声を上げながら黒髪の少年はしゃがみ込む。
そんな彼に、キーブレードを突きつけながら今の状況を言いまだやるかと聞くと黒髪の少年が笑う。

『ふっ…はははっ!!面白い、こうもアイツを同じ状況となるとお前にも『素質』があると言う事か…』

『何がおかしいッ!!』

『アイツって誰よ!!?』

そして高笑いしながらそう言うと、グラッセとリズはお互いが思った事を問い詰めるが黒髪の少年は闇の回廊を出す。

『いいだろう、お前の成長…楽しみにしている』

『あ、待てッ!!』

そのまま意味不明な言葉を残して闇の回廊に入ると、リズが待てと追いかける。
だがその闇の道は、リズが入る前に閉ざされてしまった。

『クソォ…逃げられたぁ!!!』

『何なんだアイツ…全身から闇の力を感じると思ったら父さん(ソラ)に似てるしワケが分からねぇ…』

今頃何処かにいるであろう、黒髪の少年に対して悔しさの余り地面に拳を突きつけていると、グラッセも感じたのかリズと同じような事を言っている。
本当にワケが分からない、どうしてアイツはソラに似ている?そしてアイツって…一体誰なの?
その単語が、どれほど大事な物だったか後にリズは知る事になる。

『ところでグラッセ、貴方一人でここまで来たの?』

『いや?アクセルやシオンにリクや母さんに父さんとも来たぜ?だけど俺以外の皆は全員してロクサスさんたちを戦ってるぞ』

『…やっぱりか、どおりで礼拝堂の辺りで強力な光や闇の力を感じるわけだ』

ここで考えていても仕方ないので、グラッセに一人で来た?と聞いてみると予想通りの答えが返ってきて頭を抱える。
しかも今は私に関する記憶を全員が思い出している、という事は全員が『本来の力』を取り戻しているわけだ。

『こりゃあ、かなりの大惨事光景が思い浮かぶわね、決着がつくまで私たちはここで待機してましょう』

『いいのか?実の両親が必死で戦っているのを助けなくて?』

思わず父親(ロクサス)とソラたちが大暴れしている姿が想像ついてしまい、呆れながら戦いが終わるまで待っていようと言うとグラッセが何処か楽しんでいるような笑みでそんな質問をしてくる。
もちろん今まで騙してた仕返しだと分かっているので、苦笑してしまうと

『いいのよ、今回の事は私たちが完全に悪いんだし素直に負けを認めるわ、いい加減父さんたちも捕まって協力しあえばいいのよ』

『—そうだな』

もう形振りとかも構ってられないし一緒に戦う道を選んだ方がいいじゃないと笑うと、グラッセも微笑む。
その時は、二人の間をとても穏やかな空気が漂った。
ちなみに、ロクサスとナミネが捕まって数分後にここまで連れて来られて協力体制を取る事になったのは言うまでもないだろう。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.104 )
日時: 2011/08/12 14:25
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

「あの後すごかったな〜…父さんが大暴れして壊した礼拝堂の無残な瓦礫の山が」

『ロクサス…(汗』

「俺を見るな!!未来の俺に言えッ!!(滝汗」

そこまで話し終わるとリズは冷や汗をかきながら苦笑し、全員がロクサスを見つめると過去の本人は身に覚えがあるハズ無いので慌てる。
予断だが、今のロクサスも対して未来の自分と同じ行動を行っている自覚は無いのに全員が呆れたのは言うまでも無い←

「ちなみに、まだ続きはあるわよ?ムーンと合流してからの話だけど」

「リズ、お前アレを話す気かぁ…!!?」

そしてムーンと合流してからの事を語ろうとすると、アレとやらを語られたく無いのかムーンが少々抵抗を見せる。
だがアレの話とやらは、あのムーンが戸惑う程なのだからロクサスたちは気になる。
仕方ない—最終手段だ。

『マジックアワー』

『エクスプロージョン』

『ダークファイガ』

「ぐはっ!!?」

光の柱と火を宿したチャクラムと闇の炎が一気にムーンに襲い掛かったと思ったら、彼は気絶していた。
その近くでは成功と言わんばかりの顔をした、ロクサスとレイシャが黒い笑みでハイタッチをしている。
一応あの一瞬の内に脅され技を放ったアクセルは、やっぱりコイツら正真正銘の親子だと思ったらしい。

「これで話せるぞ、リズ♪」

「う、うん…(ムーン、ごめんね」

ムーンが本当に気絶したか確認すると、ロクサスは笑顔で振り向く。
流石のリズもこれには引き攣った顔をしながら、今頃生と死の間で彷徨っている親友に合掌し話を再会する。

『燃えろぉ!!ファイガッ!!』

『光を象徴する聖なる光を…ホーリーッ!!!』

とある雪の降るワールドでは、当初仲間になったばかりのムーンとキーブレードを構えたグラッセがハートレスを退治していた。

『ムーンも随分魔法を覚えたな、上出来だよ』

『よせよ…お前らがいなかったら、俺は死んでいたし魔法も覚える事も出来なかったんだ』

もちろんハートレスを倒し終わるとグラッセは『親友』であるムーンの元に駆け寄り、ケアルをかけながら魔法が上達したと褒めるとムーンも嬉しそうに微笑む。
あのムーンとの対決があった後、彼は今は完全に無理やり埋め込まれた月の力を失っていた。
お陰でその時使っていた月の力を固めた闇の剣も使えず、彼に残るのは闇の力だけだった。
そんな彼にこのままじゃハートレスと戦う時不便だろと、心配したグラッセとリズは持っているエレメントを使いムーンに色々な魔法を教えた。
これで武器が無くても闇の生物と戦える力を手に入れたムーンは、親友がいて仲間もいる…とても楽しい毎日を送れるに感謝していた。
ただ、一つ重大な問題を抱えて…

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.105 )
日時: 2011/08/13 14:03
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『グラッセ、ムーン、そろそろご飯だし帰るわよー?』

『そうか、もうメシの時間だもんな…行こうぜムーン』

『ああ…』

そんな事を考えていると、リズが走りながら迎えに来てグラッセが行くぞと促がすがムーンはぎこちない返事で返す。
それもそのハズだった、この時間帯は彼にとって一番嫌いな問題の時間だったから

『ただいまー!!ご飯ご飯♪』

『相変わらず、リズは食欲旺盛だな…』

『………………』

そしてとある少し豪華な家に着くと、リズは嬉しそうに料理が並ぶ食卓に座りそんな彼女に苦笑するグラッセと無言になったムーンが隣に座る。
すると突然食卓全体の空気が重くなり、毎度の事ながらとリズとグラッセはため息をはいた。
食卓を重くする原因とも言える—ムーンの向こうに座っている二人の人物に向けて

『あ、あのねムーン?これ食べるかしら…?』

『………………いらねぇ』

『………………』

二人の人物の一人—シオンがムーンにサラダを差し出すと断られ、リクに至っては目を合わせないで無言でドス黒いオーラを出しながら肉じゃがを食べている。
そうこの三人、実はとある事件により親子だと判明したのだが、仲が非常によろしく無かった。
特にムーンは、人工的に生み出された事にかなりのコンプレックスを抱いている事からなおさらこの二人を憎んでおり嫌っていた。

『…どうして、ここまで仲が悪いのかねぇ…(呆』

『無理もないさ、ムーンは今までずっと苦しい思いをして生きてきたのにリクが何も知らないでのうのうと生きていたからなぁ…』←

『お前が一番ひでぇよ、ロクサス』

余りの仲の悪さにリズが呆れていると、ロクサスも苦笑しアクセルにツッコミを決められる。
誰もが何とか出来ないのかなとため息をはいたり、空気の重さに耐えられなくなりかけているとムーンが食事の席を立った。

『ふぁー、ご馳走様…悪いですけど俺先に風呂入りますね』

『あ!!じゃあ私たちも一緒に入ろー!!』

『賛成だな、行こうぜ』

するとどうやら先に風呂に入ると言い、リズとグラッセも同行し子供たちは消えた。
これを見て、リズとグラッセ空気呼んだな…と冷や汗をかきながらアクセルはそう思うとリクに駆け寄る。

『お前らが本当に仲悪いのは誰もが分かっているが…メシの時まで空気を重くするのは止めてくれよ?』

『…分かっている』

『嘘付け、分かってるならシオンみたいに頑張ってムーンに話しかけるだろ』

仲良くしろとは言わないがせめて空気を重くし続けるのは止めてくれと頼むとリクが分かっているの一言で終わらせようとすると、ロクサスに否定され睨みつける。
しかしリクの睨みなど、ⅩⅢ機関で散々目付きの悪い奴らに絡まれているロクサスにとっては全く恐怖の対象でもない(実際、ロクサスの方が戦闘も強いし)

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.106 )
日時: 2011/08/15 21:42
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『別に俺は本当の事しか言ってないぞ?お前はムーンの気持ちも何も理解して無いだろ?』

『ならお前は理解しているのか?』

そしてロクサスがため息をはき呆れながら言うと、リクは再び睨みつけながら問う。
この空気にカイリとナミネとシオンが慌て、流石にこれ以上空気を悪くしてはリズの気遣いも無駄になるので一言だけ言わせて貰う

『…少なくともお前よりは理解している、同じノーバディだからな』

『………ッ!!』

同じノーバディだから—その言葉は何よりも説得力があり紛れも無い真実だった。
その余りにも脆くて強い姿に、何もリクが言い返せなくなるとロクサスは自室に戻った。
—これ以上、リクを見ていると本気で殴り飛ばしそうになるから

『うわー、思った以上にゴタゴタになってるわねぇ…こりゃあ修羅場だこと』

『そう言うお前は、思いっきり他人事で盗み聞きしてるじゃねぇーか…』

そしてそんな修羅場を、さっき風呂に向かったハズのリズとグラッセはリクの服に忍ばせた盗聴器でその会話を全て聞いていた。
今回は明らかにリクが悪い、ロクサスの言った事は正しいのだから

『全く…聞いたムーン?リクの奴、私以上に他人事よ?』

『—ああ、全っっ部聞いてた…ッ!!(怒』

そんな状況に親子共々と言うべきか、リズも呆れながらムーンに聞くと本人はかなり怒り狂ってご立腹だ。
実を言うと、今回盗聴器を忍ばせたのはきちんと理由があった。
リクとシオンとムーンの関係を良好にするために、リズはリクとシオンの服に盗聴器を忍ばせムーンの事をどう思っているのかと確認したかったのである(言って置くけど、あんまり乗る気ではなかったからね? byリズ)
それで今回、ようやくリクの意見が聞けるチャンスだと思い盗聴器をオンにしとくと…ムーンに対する善意は無い…これだった。

『アイツ…元々嫌いではあったがなおさら殺意が芽生えてきたんだが…殺していいか?(ダークファイガ準備中』

『それはダメよ、あんな腐った男殺してもムーンが背負わなくてもいい罪を背負わなきゃいけなくなるから無意味だよ』←

『さり気無く、お前が一番ひでぇよリズ』

風呂場で闇のオーラ(力)を全解放するムーンに、リズが何とか止めようとリクの暴言をはくとグラッセがツッコミを決める。
大人がゴタゴタしている時、子供三人も色んな意味で大騒ぎだった。(暴れるムーンを押さえつけるのに)

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.107 )
日時: 2011/08/18 23:06
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

「…ムーンのリク嫌いは、元からだったんだな…」

「まぁね、ハロウィンタウンで私が彼を正気に戻した時からだし」

今頃異界と言う名の生と死を彷徨っているであろう、ムーンを見つけながらアクセルがそう言うとリズは苦笑する。
てっきり何かがありリクが嫌いになったのだと、恐らく思っていたのだろう

「それでも最初よりは幾分マシになったのよ?最初は近寄るだけでも攻撃して拒絶してたから」

『(…そこまでかい、どんだけ嫌いなんだよ)』

そしてリズが少しはマシになった事も教えると、ムーン以外の全員が同じ事を思った。
同じくリクが嫌いな、ロクサスも思わず同情するぐらいだ(未来では更に嫌ってますけどね by作者)

「でもね、ムーンはあの出来事でシオンだけは母親として認めたんだよ」

「シオンだけを?話を聞く限りでは絶対に認めないない感じだったよな?」

「うん…それだけの事があったからかな…」

でもと更に追伸してシオンの事を言うと、ロクサスは首を傾げる。
話を聞いた限りではムーンはリクとシオンの事をかなり嫌っていると思ったのだが、何かあったらしい。
それが分かるほど、リズの今の顔は何処か哀しそうだったんだ。

「…ここからはちょっとロクサスには哀しいお話になるけど、聞きたい?」

「俺に…?」

もちろんその予想は当たっており、リズはロクサスを見ると少々戸惑いながら口を開く。
俺にとって哀しい事—だけど、ロクサスはもう逃げないと決めたから聞きたい。

「…俺なら大丈夫だ、教えてくれリズ」

「…分かった、実はねその日…私たちは何時もどおりムーンの魔法特訓のためにハートレス退治に行って、ソラとリクとカイリは他のワールドに行ってて、赤ウニと父さんと母さんも闇の力を探りに出掛けてたんだ…そしてシオンだけが一人取り残された時に事件が起きたの」

「事件が起きた…?」

「—私たちが戦っている相手とも言える男『マスター・ゼアノート』が彼女の前に現れたの」

だからもう気にしないでくれと言うと、リズも覚悟を決めたのか語りだした。
その日シオンは一人でいたらしく、その時に彼女の前に現れたのが—ゼムナスの身体を乗っ取ったマスター・ゼアノートであったんだ。

『久しいなシオン…いや始めましての方がいいかな?』

『ゼムナス…ッ!!?裏切り者のあたしを消しに来たの!!?…いえ貴方は誰!!?』

突然現れたⅩⅢ機関のボスの姿をした男に、シオンは驚きキーブレードを構えるとゼムナスの姿をした男は笑う
正式に言えば、かつてのキーブレードマスターとしての姿を無くしたマスター・ゼアノートだが

『ほう…偽りの力のキーブレードか』

『偽りって…あたしの正体を知っている…?』

マスター・ゼアノートはシオンがキーブレードを構える姿をまじまじと見つめ、偽りの力だと見分けるとシオンは再び驚く。
あたしの正体を知っている人は—ⅩⅢ機関のメンバーとナミネ、そしてリクに本物の賢者アンセムだけなハズだ。

『もちろんだとも—キーブレード使い・ロクサスの力をコピーし行き続けている人形』

『…確かにあたしは人形だよ、でもそれが何だと言うの!!』

想像は当たり、何とも怪しい笑みを浮かべると危険だと察知したシオンはリミットカットであるイベントホライズンで攻撃を仕掛けるが

『うぐッ!!』

『止めておけ—偽りでは私には勝てんぞ』

何時の間に後に移動されていたのか、強力な一撃を受け倒れかけると首を掴まれ動けなくなる。

『偽りで勝てないとか…貴方がリクと同じ言葉を述べないで…ッ!!!』

『ほぅリクか…あの闇と光を持つ男は、お前の大切な者か』

せめてもの抵抗をするために睨み付けながらさう叫ぶと、マスター・ゼアノートは更に楽しそうに笑みを浮かべる。
その笑みは、何かを企んでいる…シオンは一瞬にして悟ったが抗えなかった。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.108 )
日時: 2011/08/26 23:32
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

あははッ!!こっちは久しぶりの更新ですね…あぎゃッ!!?(拳が飛んで来る

リズ「ホントお久しぶりねー作者♪…早速いっぺん空の彼方に行ってもらおうか…(黒笑&超低い声&指ポキポキ」

お断りします!!というか何時も以上に殺気立ってる…!!
悪かったですよ!!今から更新しますから勘弁してください!!(土下座

リズ「…チィ、仕方ない」

た、助かった…(怯
それでは、書きます!!




『それが何だと言うの…彼らに手を出したら絶対に許さないんだから…ッ!!』

『ほう、そこまでその者を思うか人形よ…面白い』

力で抗えない以上、言葉で抗うしかなかったシオンは強気に出るとマスター・ゼアノートはなおさら楽しそうに微笑み手に闇の力を宿す。
すると、その闇を—シオンの頭と心に埋め込んだ。

『きゃあああああああッ!!!!!』

『ちょうどいい、あのリズと言う娘を従えるにはお前を利用させてもらう…もう一度完全な人形となるために暴走するがいい』

それは余りにも苦しくて、痛くて、哀しくて…シオンが悲痛な声を上げ叫ぶとマスター・ゼアノートは自分を利用するために更にシオンの心を乗っ取るためか埋め込んだ闇の力を強化する。
だけとどんなに深い闇だって光はあるんだ—それを知っているシオンは諦めずに最終手段を使った。
例え、その反動で自分がどうなるかすらも分からず…

『シオンーッ!!』

『シオンさーん!!何処ですかー!!?』

それから数時間後、シオンの帰りが遅く用事を終え心配になったアクセルとグラッセは探しに来ていた。
そして雪が降り積もる中、黒いコートを着てフードを被っている1人の人物を見つける。

『あの背丈にフード…シオンさんだ!!』

『おいシオン!!どうしたんだ…!!?』

それを見て恐らくシオンだとグラッセが気が付き、アクセルが話しかけようとした瞬間—いきなり剣が飛んできた。
もちろんそれを投げてきたのは紛れも無くシオン、ノーバディの刻印を象徴した剣…キーブレード使いであるシオンがこんな剣を使うとはおかしい。

『シオンさん!!?いきなり何を…』

『下がれグラッセ!!コイツは俺たちの知っているシオンじゃない!!』

流石にグラッセも驚き、いきなり何をと近くまで駆け寄ろうとするが長いアクセルの腕により引き戻される。
するとさきらまで俺がいた場所にはレーザーが降り注がれたような跡がある、これはレーザーレイン…彼女しか使えないはずの技だけど何かが違う…

『クックックッ、流石あたしの親友だねアクセル…確かにあたしはシオンだけとシオンじゃない』

『ッ!!!』

頭の理解が追いつかず困惑していると、シオンじゃないがシオンだと謎の事を言う女が怪しげな笑いをすると闇を纏い姿を変えた。
それは半分鎧を纏い、半分はシオンの姿をした人形

『さぁ、あたしの力を見せてあげる!!来なさい!!光の意思たちよッ!!』

『何が…どうなっているんだよッ!!』

シオンの姿をした人形—いや本物のシオンが高笑いをしながら降臨すると、戦うしかないと判断したグラッセとアクセルは構えた。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.109 )
日時: 2011/09/02 22:07
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『遅いなーグラッセたち…シオンを迎えに行くだけでこんなに時間掛かるものなのかしら?』

『確かにな、アイツらが迎えに行ってからもう10分以上経つぞ?』

一方グラッセたちが滅茶苦茶危険な状況に陥っている時、リズとムーンはクリスマスタウンのサンタの家で待っていた。
彼らが今どういう目に合っているか知っているこっちの身としては、随分呑気な言い草だが—自分たちの間違いにすぐ気が付く事となった。

—ドガァァァァァァンッ!!!

『ッ!!?』

『な、何ッ!!?雪崩でも起きた!!?』←

突然大きな破壊音が聞こえてきて、ムーンは危うく持っているおたまを落としそうになったり、リズが慌てながらそんな事を言い窓から外を見てみると絶句した。
少しだけ雪崩がおき雪が流れては来ているがこっちまで来ないと思われるが、それどころでは無かった。
その中心では、何故か半分鎧を着けたシオンがキーブレードではない二本の剣を持っており何故かグラッセとアクセルが戦っている。

『何やってるんだアイツら!!?』

『シオン…ッ!!マズい!!大変父さん、母さんーッ!!!』

その光景に半分呆れつつもシオンの姿に疑問を浮かべていない彼に少々安堵を覚えながらも、事態の悪さに冷や汗をかきながらこの状況を打開出来る両親を呼びにリズは台所まで走る。
ただの喧嘩(?)でどうしてあそこまでリズは慌てているんだ?とムーンは首を傾げつつも、仕方ないとため息をはき親友に着いて行った。
それが、シオンと言う人物—母親についての衝撃的な真実を知る事になると気が付かず

『シオンが暴走してる…!!?』

『そんな…!!この前の『検査』では『異常』は特に見当たらなかったのに…』

『…『検査』?…『異常』?』

『『『ギクッ!!(滝汗』』』

そして台所まで行き、リズがシオンの事を話すとロクサスの顔は真っ青になりナミネも同じ表情になる。
そんな中、ムーンが今の会話で気になる点を口にするとブラックノーバディ家一家が冷や汗をかく
物凄い気になるが、俺が触れてはいけない話だとすぐに悟り本題に戻してくれと促がす。
何だかんだいって優しいムーンにリズは感謝しつつも、今の状況をまとめ報告を再開する。

『…とにかく、このままじゃグラッセと赤ウニが危ない…どうする?父さん』

『…恐らくシオンは本気で掛かってきているだろうしな、本気を出せない二人がやられるのも時間の問題だな…俺たちもその場所に行きシオンを止める』

『そうこなくっちゃ♪』

—シオンを止めに行く覚悟がある?と少々娘にバカにされる様な言い方をされたロクサスだが、彼女の本心は親友と戦えるの?と聞いている事だ。
自分を心配しての行動だが、あの時の大惨事を起こす訳にも行かない。
ナミネは連れて行くワケには行かないので、リズとムーン、ロクサス三人で向かう事となった。
ソラたちに知らせると、ある意味めんどくさいので(トラブルメーカー兼お人よしは同情を持ち運ぶので足手まとい)←酷い

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.110 )
日時: 2011/09/03 21:17
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『『見せてあげる』』

『うわぁ!!?』

『うぐっ!!』

またまた一方、暴走したシオンのソニックレイヴによりグラッセとアクセルは弾き飛ばされていた。
しかもシオンは機械音のような声で、そう叫ぶものだからなおさら焦りが大きくなる。

『マズいな…シオンが人形としての完成に近づいている』

『…ッ、もし完成したらどうなるんですか?』

シオンの正体とその身体の特殊体質を知っているアクセルは危険な状態だと判断すると、グラッセが重々しく聞く。
彼女の身体は『彼』から『力』と『記憶』を吸収する事は無くなったが、人形である事と特殊体質である事は代わりが無かった。
そんなシオンの身体が人形として完成してしまったらどうなるか、もう想像は出来ている筈だとアクセルはため息をはき

『シオンとしての意思は失われ、完全に破壊を目的と化した人形になるだろうな』

『ッ!!そんな…』

『—追撃を負う闇よ、迷い無き突き進め!!ダークヘイズッ!!!』

『—闇を力とする炎よ、その爆炎を打ち込め!!ダークファイガァ!!!』

分かっていた事だがシオンを倒さなければいけないと断言され、苦悩していると何処から闇の技が二つ飛んで来てシオンを攻撃する。
この状況を打開出来る救世主—リズとムーン、そしてキーブレードを構えているロクサスだ。

『リズッ!!ムーンッ!!ロクサスさん…ッ』

『待たせたわね、随分とボコボコにされたようね』

『シオンてめぇ…よくもグラッセをッ!!』

この三人の登場に思わず涙目になりながら喜ぶと、リズにポーションを渡されムーンが俺たちを守るかのように目の前に現れ激怒する。
実の母親なのに、何も情を感じず戦えるムーンをリズは哀しげに見つめる。
—ムーンはまだ生まれたばかりなんだから、素直に慣れたらいいのに…と戦場で呑気な事を考えながら

『ボーっとしてる場合かリズッ!!一応アクセルも回復させとけ!!生命力は無駄に強いけどこの戦いで倒れられたら迷惑だッ!!!』

『一応って何だッ!!?確かに生命力は自信あるが酷くねぇッ!!?』

そんな風に考えているとムーンに叫ばれようやくはっと現実に戻ると、アクセルがツッコミを決めていた。
最近よく戦場でボーっとするなと自分に呆れつつも、アクセルにポーションを投げつけた。

『げふっ!!?』

『赤ウニ早くそれ飲めッ!!シオンが来るぞ!!?』

それは見事に顔面にクリーンヒットし、危うく意識が昇天しそうだったがシオンの元まで走りキーブレードを振り下ろしているリズを見て何とか保つ。
そして体力を回復させると、アクセルも再びシオンの元へと走り込んだ。

『『見せてあげる』』

『させないぞッ!!今だ二人とも!!』

『これでも…喰らえぇぇぇ!!!』

『はぁぁぁぁぁッ!!!』

もう一度シオンがソニックレイヴを繰り出そうとした瞬間ロクサスがいち早く気が付き追撃を覚悟しその攻撃を防御しているとこちらに駆け込んできているリズたちに気が付き叫ぶ。
するとムーンの闇の力を込めた拳とリズがキーブレードを同時に振り下ろすと鎧が砕けた。
だがこれで終わりではない—今度は少し鎧の形状が変わったと思ったら剣も変な形に変わっていた。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.111 )
日時: 2011/09/08 16:58
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『だ、第二形態か…!!?』

『…やっぱり、あの時と同じか』

『…皮肉な物よね』

これにはグラッセが再び真っ青になり慌てると、ロクサスは自嘲じみた笑みを零しリズも哀しげな表情をするとシオンに駆け込んでいく。
すると、シオンが笑った気がした…何処か危険な笑顔で

『危ないリズッ!!!』

『『これをあげよう』』

『うわぁ!!?』

すぐに危険を察知しロクサスが叫ぶが時既に遅し、光の弾丸を何回も放つラグナロクを至近距離で受けリズが大ダメージを負うと思ったら

『させねぇ!!闇の加護を、その者を守りへと誘え!!ダークブロックッ!!!』

ムーンがリズを闇の箱のような物で包むと、ラグナロクは防がれる。
そしてリズがその隙に、安全地帯のムーンとグラッセのところまで引いた。

『サンキュ、助かったムーン!!』

『あの技は一体…?』

助けてくれた事に感謝しリズはお礼を言うと、グラッセは何時の間にあんな技をと首を傾げる。
彼は闇以外の力を全失ったハズだったから、結構驚いたのだろう。

『俺だってクリスマスタウンに来てから何もしていなかった訳じゃ無いんだぜ?自分の身を守れるぐらいの魔法と技は開発してたんだよ』

『…それが闇の技じゃなければ、是非とも習得したいな』

そんなグラッセの思考を知ってかムーンが苦笑しながら教えると、彼も侮りすぎたかなと思い笑顔で答える。
そんな感じに少々ほのぼのしい空気が流れたが、それは見事にシオンが壊してくれた。

『『これをあげよう!!』』

『ッ!!喰らえ、ファイガッ!!!』

『同じくファイガッ!!』

まるで自分たちが油断しているのをちょうどいいかのように、再び放たれたラグナロクは結構強力で二人のファイガをぶつけて相殺出来た威力だった。
それで、何時の間にかリズがシオンに接近しておりキーブレードを構えると

『ライトニングレイッ!!!』

『うぐ…ッ!!!』

素早いスピードで電撃を浴びた攻撃がシオンに突進し、また鎧が砕けるとシオンが苦しそうな声を上げる。
しかしまたしても、シオンは鎧の形状と剣を変えて立っていた。
今度は、4本の剣を持ちいかにも攻撃力が強そうだった。

『クソ…第三形態もあるのかよ!!』

『…悪いけどムーン、私と父さんの予想が正しいと第四形態まであるわよ』

『何ィッ!!?』

めんどくさいなとムーンが半分呆れ半分切れながら言うと、リズが頭を抑えながら言った言葉には更に絶句した。
というか、何でリズはシオンが第四形態まであると予想出来てるんだと言う疑問は頭の隅っこに押し付けながら

Re: キングダムハーツ メモリー ( No.112 )
日時: 2012/01/12 10:22
名前: リラ (ID: sp6Br4Ue)

『『楽にしてあげる』』

『きゃあッ!!?』

第三形態になったシオンの一撃は重かった、4本の剣を同時に振り回す技—ラストアルカナムを繰り出すと一番近くにいたリズに喰らわせる。
一撃一撃が重い…ッ!!まともに喰らったらヤバい!!とリズは悟り、グラッセたちを見る。

『グラッセ、ムーン!!魔法で援護してシオンの動きを封じてくれ!!私と父さんで決めるッ』

『分かった!!避けてろよリズ!!…光を象徴する聖なる光よ…ホーリーッ!!!』

『雷よ…サンダガァ!!!』

自分だけではシオンに近づく事も出来ないだろうと判断したリズはそう頼みながら叫ぶと、すぐに承諾してくれてホーリーとサンダガを打ってくれた。
どちらとも遠距離の魔法で威力が高い、遠くに離れていてもシオンを貫き一瞬動きを止めてくれた。

『サンキュ!!行くよッ!!』

『はぁッ!!!』

そして連帯攻撃をするために、次の瞬間リズとロクサスが同時にキーブレードを振り下ろすと確かに手応えはあり機会音でシオンがうめき声を出す。

『やっぱり…攻撃力が強くなったぶん、防御力は先らより劣っている!!!』

『攻撃力と防御力どちらも強くする事は、いくらシオンの身体でも難しいからな…この隙に一気に攻撃しかけるぞ!!』

『うし!!それじゃあ張り切って魔法連射するぜ!!』

どちらかの能力を一方的に上げるとその分違う能力は劣る—そんな弱点を見つけられた事にリズは嬉しそうに納得しロクサスも頷くとグラッセも両手に魔力を溜め魔法の呪文を唱え始める。
そしてムーンも、この時何も疑問を抱かずに魔力を溜め始めていた。
それが、どれ程後から後悔する事になるとも気が付かず…

『ファイガ、ブリザガ、サンダガ エアロガァァァ!!!』

『上級魔法オンパレード!!?お前どれだけシオンの事嫌ってるんだよ!!?』

怒り任せに普段の恨みも込めつつ、ムーンが上級魔法でシオンを攻撃していると容赦なさ過ぎとグラッセにツッコミを決められる。
だが俺よりも高度な魔法を使って攻撃している、お前だけには言われたくないというのが本音である←

『いい加減、砕けろやァァァァァァ!!!!!』←

『『『砕けろ!!?』』』

トドメは何とも物騒なセリフでダークファイガを打ち込むと、そこに全員がツッコミを決めシオンの鎧は3度目の砕け(?)を迎えた←
すると彼女は膝で何とか身体を支えつつも倒れかけ、シオンの身体が闇に包まれかけていた。
これにはムーンも疑問を覚え動きを止めると、リズとロクサスとグラッセはマズいと冷や汗をかいて走ってくる。

『ヤバッ…シオンの身体が限界を迎えている…』

『来るぞ『アレ』が…ムーン伏せろぉ!!!』

『うおっ!!?』

至近距離でシオンの容態を確認するとかなり冷や汗をリズはかいており、グラッセが俺を伏せさせるとシオンは闇を放ち一瞬視界が黒に染まる。
しかしすぐに元の白い光景—雪が積もっている所に戻り何だったんだと考えているとリズが俺の後ろに立っており呆然としていた。
何時の間にと思うが、それよりも大事な事に気が付く—地面が無い?何かバリア的な物で宙に浮いてる?

『…ここまで来ちゃったんだね』

『リズ…?どうし…た…?』

キーブレードを悔しそうに握り締めながら今にも泣きそうな少女に戸惑いを覚えながらも、振り返るとそこには信じられない物が立っていた。
それは—巨大化し鎧を纏いながら、巨大な2本の剣をクロスしたシオン

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.113 )
日時: 2011/09/11 21:46
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『なっ、これは一体…ッ!!!』

『…これも何もアンタの知っているシオンの真の姿だよ』

いきなりの事に頭の中が対応しきれずムーンは驚愕すると、リズが俯きながらそう告げる。
—今この巨大生物の事を、リズはシオンと言った?どう言う事だ…?

『もう隠しておけないから急だけど教えるね、シオンの正体の事』

『何…?』

そんな疑問を心の中で考えていると、俺の心情を察したのかリズは哀しそうな顔をしながら微笑み俺はもう一度シオンについて考えてみた。
そう言えば俺、シオンの事は全く知らなかった…人間ではないと知っているのでてっきりノーバディかと思っていたけど今回の件でそれは無いと分かった。
いくらノーバディと言えども人間の抜け殻がこんな化物のような姿になれる能力があるわけないし、だとすれば正体は限られている。
人間でもノーバディでも無い、異質な身体…

『…アンタのお母さんは、かつてⅩⅢ機関が暗躍していた時にとある計画を元に作られた人形(レプリカ)なのよ』

『れ、レ…プ、リ…カ?』

シオンの正体はレプリカ—そう聞いて、俺は声が自分でも震えていると思った。
俺とて『あの男』に何も知らされず育てられたわけではない、人形(レプリカ)のだって知らないわけではない。
だけどレプリカは、ただ人間やノーバディの都合で作られる最も哀れな生物だとされていると俺は教わった。

『…シオンはアンタと同じく利用されるために無理やり生み出された『物』だったんだよ、だけどムーンには自分の事を言わないでと私はお願いされていた』

『そ、そんな…事が…』

だから今まで言えなかったの、ごめんなさいとリズは苦悩の表情を崩さず謝るとムーンは唇を噛み締める。
俺は…そんな事も知らないで、シオンを拒絶していたのか…?

『だけどシオンは『物』何かじゃないよ、れっきとした『人』であり『私たちの仲間』なんだッ!!!助けるよムーンッ!!!』

『…ああッ!!!』

自分の愚かさを今更後悔していると、リズに諭されムーンは正気に戻りシオンへと駆け出した。
今度はたった一人、本当に自分の事を理解してくれる人を救うために—

『止めろシオンッ!!!』

『頼む正気に戻ってくれ!!』

今まで存在を忘れられていたアクセルが悲痛な声で叫び、ロクサスも思いを叫ぶが巨大化したシオンは聞こうともせず問答無用で攻撃を仕掛けてくる。←(忘れられてたって、だから俺のセリフが無かったのか!!? byアクセル)

『てめーこんな重要な戦いの中で緊張感の無いセリフ言うな——————ッ!!!!!』

『本当だよ!!相変わらず殺意が芽生える作者だなぁ!!!(怒』

そしてそんな天の声にグラッセがマジ切れしながらツッコミを決めていると、戻って来たリズも珍しくツッコミを決めながらシオンへとキーブレードを振り下ろす。
一歩遅れて来たムーンもシオンを助けようと動こうとした瞬間、異変に気が付いた。

『何だアレ…?』

『マズイ!!皆伏せろぉ!!!』

『『——————ッ!!!』』

それはシオンの頭の近くに黄色い何かの線らしきものが浮いており思わず首を傾げているとロクサスがハッとして叫ぶ。
しかしその声に反応したかのように、シオンの声ではない声が響きレーザーレインが放たれた。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.114 )
日時: 2011/09/14 22:24
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『『『ギャアアアアアアアアアアッ!!!!!?』』』

『グラッセ——————ッ!!!』

『父さん——————ッ!!?』

それは見事にグラッセとロクサスとアクセルにクリーンヒットし、三人の痛々しい絶叫が響くとムーンとリズは慌てながら駆け寄る。
しかし三人とも黒い物体になって焦げており、これには冷や汗をかく。

『…ヤバくね?』

『…ああ、つかこれ当たったら死ぬよな?』

『『行くよぉッ!!!』』

思わずリズがそう愚痴を零してしまながら聞くと、ムーンも同意して流石に哀れだと考えているとシオンはそれを許してくれないかのようにまだ攻撃を仕掛けてくる。
今度は掛け声が合図かとなったかのように、まるでトワイライトタウンの夕日の色を象徴するかのような光の衝撃波が走り魔力に敏感なリズはすぐに気が付いた。

『マズい!!ムーンじっとしてろよ!!?』

『え?…って、うわぁ!!?』

すぐさま逃げるためにリズが宙へ浮き上がりムーンにそう忠告すると、彼女はいきなりムーンを宙へと抱え上げ驚く。
どうしたんだと聞きたいところだが、今の必死な顔をしているリズに質問すると怒られそうなので黙る事を決めていると—シオンの技が放たれた。

『『うおおおおおおおッ!!!!!』』

『………ッ!!!』

『あぶねぇ…』

それはまるで全てを浄化するかのようなファイナルブレイクで、辺り一体をその光が覆うとムーンは絶句しリズはもう少しで消滅させられる所だったわねと危機一髪と言わんばかりの顔をする。
もしアレを受けていたら…そう考えると恐ろしくなり身震いすると、リズが着地する。

『—さてと、ファイナルブレイクが一度放たれたならしばらくは反動で大っぴらに動けない&あの技は使えないから今がチャンスよッ!!』

『ああ…でも貴重な戦力(気絶している三人)がいなくなった以上、攻撃する威力がなぁ…』

『光よッ!!!』

『着いて来れるかッ!!?』

シオンが上手く動けない今の状況を利用し、決めようとリズとムーンが動こうとした瞬間—今は嬉しくない救世主が現れた。
どうして嬉しくないって言うのは、この二人が何も知らないから—

『…ソラ、リク…』

『よっ、無事か?』

『どうやらかなり酷くやられたようだな』

何も知らない人物—ソラとリクの名前をリズは呆然と哀しそうに呟くと、ソラは彼女の心情も知らずに無邪気に笑う。
リクもリクで気絶しているグラッセたちを見て、キュアポーションをかけながら微笑むから—あの時はかなり憎んだ。

Re: キングダムハーツ メモリー ( No.115 )
日時: 2012/01/12 10:31
名前: リラ (ID: sp6Br4Ue)

「あの時は憎んだ…?」

「それってどう言う意味だ?」

「そのまんまの意味よ、今から聞く話を聞けば分かるから」

今の話を聞いて若干ロクサスとアクセルは冷や汗をかいていたが、何よりのその『憎んだ』と言う言葉が気になり首を傾げる。
するとリズは多分聞いたら腹が立つよ?と苦笑しつつも、話を再会した。

『—さてと、色々と話を聞きたいところだがあの化物は誰なんだ?』

『化物って言わないでッ!!!』

キュアポーションをかけた後、リクがリズを立たせ巨大な人形について聞くと思わずそう感情的に叫んでしまう。
これには何も知らないリクは驚き、ソラもどうしたんだと自分を見るので全て話す。

『…あの巨大化した人形は…シオン…なんだよ』

『何だって!!?』

『アレか、シオンだと…?』

リクは化物と呼んだ存在はシオン—その事を知ると、ソラは唖然とした表情で固まりリクは信じられないと言わんばかりの顔をする。
しかしこれが事実であり真実だ、私だってシオンだと認めたくないけどその感情を押さえつけるために震えながら耐えるしかなかった。
そしてそんな私を見て、リクはため息をはいたと思ったらロクサスを見て

『ロクサス、シオンを元に戻せる方法はあるか?』

『…多分、無いと思う…俺はこの第四形態を…シオンを倒したら消滅してしまったから』

『ロクサス、それに関してはもう思い出さなくていい…あれは事故だったんだ!!』

シオンを元に戻せる方法、一度シオンと本気で戦った事があるロクサスなら分かるかもしれないと思ったのかリクは聞くとロクサスはその時の記憶を哀しそうに思い出しながら俯く。
それを二人から聞いたアクセルも、ロクサスにこれ以上苦しみを背負わせたくないので気にするなとフォローを入れつつ慰める。
しかし次の瞬間—リクは三人の友情を知っていながら信じられない言葉を告げた。

『—それならシオンを殺すしかないな、ロクサスにアクセル…お前らが彼女にトドメを刺せ』

『…は?』

それを聞いた途端、グラッセは突拍子の無い声を出しながらリクを見る。
今—ロクサスさんとアクセルに殺せって…言った?親友である…シオンを…?

『何言ってるんだよリクッ!!?シオンを殺すなんて…まだ方法があるかもしれないだろ!!?』

『そうだッ!!またロクサスにシオンを殺させるとかてめぇ正気かよッ!!?』

もちろんその信じられない意見にソラとアクセルが反発しないわけが無く、アクセルに至ってはリクの服を掴みかかるがリクは平然に

『このまま攻撃しなければ全員が死ぬ、それだけは避けなくてはならないだろ…お前たちこそ冷静に考えろ、どちらが効率的な方法だと思う?』

そう、確かにこのままではシオンに攻撃され続け全員が死んでしまう。
それを聞かされソラとアクセルが息を飲み込んでいるとリクは再びロクサスを見て

『—俺はシオンを殺したくないし、アイツもお前に殺されるならと思うだろう…もう一度言う、ⅩⅢ機関のロクサス…シオンを殺せ』

言われた言葉はとても重く、リクは冷酷な瞳でロクサスを見つめながら告げた。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.116 )
日時: 2011/09/21 21:38
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『…俺は…』

『真に受けるなロクサス!!リクも血迷ってるんじゃねぇ!!!』

もう一度俺がシオンを殺さなければならない—その事実はロクサスの心を困惑させるものだった。
俺がまたしても親友を殺すと言う選択肢をしなければ、ここにいる全員が救われないのかと苦悩しているとアクセルが俺を揺さぶりリクを睨み付ける。
しかし彼はそんな目線に動じる風も無く、当然の事だろと言わんばかりの顔をしており思わずムーンが拳を構えると—先に動いていた者がいた。

—ゴスッ!!!

『リズッ!!?』

『ふざけるなッ!!何が父さんにシオンを殺せだってぇ…!!とうとう耳まで腐り果てたか!!!』←

もちろん響いた後は殴った音であり、リクはぶっ飛ばされる。
流石にやり過ぎなのではとグラッセが慌てながら殴った張本人を見ると、リズは何かを堪えながら結構酷い事を叫んでいた。
俺がブン殴ろうと考えた矢先に先に行動を起こし、殴ったリズを見て俺は呆然としてしまった。
—リズは『泣いてはいなかったけど』すごく哀しそうで、今にも泣き出しそうな顔でいたから

『…何でシオンをそう簡単に殺すとか言えるの…?シオンは仲間じゃ無いのかよッ!!!あの子が人形だから!!?いえ…『人間』じゃ無いからなのか!!?』

『………………』

シオンは仲間じゃ無いのか—その言葉は、ここにいる全員の心に突き刺さり顔を俯かせる。
そうだ、今のリクは…まるで『人間意外』の仲間は仲間でも殺していいと言っている事に他ならない。
それなのに、どうして彼の意見をすぐに反対できなかったのかとグラッセは己に恥を感じる。
そして黙り続けるリクを見て、リズは痺れを切らしたかのように更に悲痛な声で叫ぶ。

『答えろよッ!!!それともまさかその理由に答えられないであんな事言ったんじゃ無いでしょうね!!?それだったら最低だよ!!!アンタは何も解決方法を見出していない!!!ただシオンから逃げているだけじゃない!!!』

『リズ…もういいんだ、止めてくれ…俺が『父さんは黙ってッ!!!』…ハイ…』

怒り狂ったリズがリクの服を掴みかかりながら次々と問い詰めるが、リクは何も答えようとしない。
その様子になおさらリズはブチッと怒りのメーターが上がり、ロクサスが娘を止めようとするが逆ギレされ怯えてしまう。
それ程今のリズは怖い…何かただならぬ気迫を感じて幼なじみのグラッセですら恐怖を感じている。
そんな中リズは急に黙り込み俯きながら何かを考え込み始め、ロクサスがその顔を覗こうとしたら—倒れた。
いや正確に言えば、リズの拳がロクサスの腹に見事にクリーンヒットしている…つまりはリズがロクサスを気絶させたと言う訳だ。

『リズ、いきなり何を…』

『ソラは黙ってろって言っただろ(黒オーラ全開』←そんな事、一言も言ってません

その事態に再びメンバーが呆然とし、代表したソラがリズに聞くとかなりヤバい目付きで睨まれ固まってしまう。
そんな彼らを一瞥し、リズはキーブレードを構えるとシオンを向け

『こうなったらやるしかない…私が『光の癒しの術』でシオンの意識と身体を癒し、正気にさせてやる!!!』

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.117 )
日時: 2011/09/23 22:02
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『光の癒しの力…?』

『なっダメだリズッ!!!あんな巨体にアレをかければお前がどうなるか分からないんだぞ!!?』

キーブレードを構えそう宣言するリズに対してムーンが首を傾げていると、グラッセが慌てて彼女を止めようとする。
どうしてグラッセがそんなに必死になってリズを止めるのか理由が分からず何をする気なんだと考えてると、リズはグラッセの静止を聞かず

『分かってるよ!!だけど…やるしかないんだよ!!!』

『バカ…ッ!!!』

リズの腕を掴むその手を振り切ったと思ったら、少女はキーブレードを天へと掲げ何か叫んでいるとその身体が光に包まれる。
それを見てグラッセはクライドで飛び上がり、リズの元へと行こうとするが時既に遅し

『心を痛みつけ破滅へと誘う闇を癒せ…         』

リズは何かの呪文を唱えたと思ったら、シオンの身体が優しい光に包まれ辺りが白で埋め尽くされた—
その白い空間は何処か懐かしくて、何だか俺もハロウィンタウンでその力で包まれたような感じがすると—辺りの光が再び強くなる。
そして次の瞬間には元の雪が積もる場所に戻っており、俺は思わず呆然とするが周りで倒れている仲間を見てハッとした。
そこには元の姿に戻っているシオンも一緒に倒れているから

『シオンッ!!おいシオン!!大丈夫か!!?』

『…ムーン…?』

あんな事があった後なのでケアルガをかけながら呼びかけると、とても眠そうにその俺と同じ色をした青い瞳をシオンは開ける。
ゆっくりと起き上がりながら俺の名前を呼び、少しボーッとするとハッとし

『そうだあたし…ッ!!ムーン怪我無かった!!?』

『…別に俺は対してダメージを負ってないよ、寧ろ負ってるのロクサスさんたちだし』

『あ…起きたら謝らなきゃね、ごめんねロクサス、アクセル、グラッセ…』

どうやら自分がしでかした事を覚えているようで、涙目になりながら俺に謝って来るから俺より酷い怪我をしている人物たちを指差す。
その方向を見てまだ焦げている場所がある三人にシオンは、起きたら謝るといいつつも今謝っている様子に思わず俺は笑ってしまう。

『くくっ…面白いな…母さんって』

『え…今、母さんって言った?』

母さん—初めてシオンの事を親として認めそう呼びながら笑うと、本人は唖然としながら母さんって言った?と詰め寄ってくるのでなおさら面白くて俺は笑ってしまった。

『もう、そこまで笑うこと無いじゃない!!』

『あははははッ!!!ごめんごめん…それより皆を…』

不貞腐れたシオンにまたしても笑いつつ、皆を起こそうといった瞬間彼は目を見開き真っ青になる。
そこには俺より真っ青なリズがいて、苦しそうに血を吐きながら呻いていたからだ。

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.118 )
日時: 2011/09/25 21:04
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

『り、リズッ!!?どうしたんだよ!!?』

『…大丈夫よ、少し力を使いすぎただけ』

『力を使いすぎただけでそこまで消耗してるなんてあり得ないわ!!』

これには慌てムーンが駆け寄ると、リズはとても小さな声で笑顔になりながらそう説明するがその理論をシオンがケアルガをかけながら否定する。
そう確かに普通力を使い過ぎただけなら、倒れたり体調を崩したりする程度だろう。
だが俺たちはまだ知らなかったんだ—リズが放った魔法がどれ程危険な物なのかを

『これまたあり得なく無いのよね…さっき使った術は…『癒しの反動』とも言うべきもの…だった…から…ね…』

『リズ?』

そしてそんなシオンにリズが苦笑しながらまるで最後の力を振り絞ってそう言うと、彼女は目を閉じた。
しばらくして手も地へと落ち、呆然とムーンがリズの名前を呼ぶが返事をする訳も無い。
しかも彼女の手は異常と言えるほど冷たく、まるで二度と目を覚ましそうに無いと言う表現が合っていた。

『—うああああああああああああッ!!!!!』

『嘘…嘘だよね!!起きてよ…リズ——————ッ!!!』

余りにも脆く儚い少女の手を握り締めながら、雪が降り積もる世界で一人の少年と女性の悲鳴が響き渡った—



「ぴぎゃあああああああッ!!?(涙」

「ちょ、待てぇ!!つまりはリズは死んだって事か!!?じゃあ今ここにいるリズは…あだっ!!?」

「落ち着けバカ二人、大体あの時死んだなら私はここにいるわけ無いでしょうが、喧嘩売ってるの?」

クリスマスタウンの話を聞き終えると、レイシャが絶叫しアクセルに至ってはリズが死んでいると勘違いし混乱していると張本人からのデコピンにより落ち着く
確かにリズが死んだのならここにいるハズがない、いや?もしかするとヴィクセンの力でレプリカを作ったんじゃ?

「ちなみに私はレプリカでもないからね、正真正銘のリズティクスト・ブラックノーバディなんだから」

「俺もそうだと思う、つか勝手に人の娘殺さないでくれるかな?(黒笑」

—と、そんな事まで考えていた事をリズに見破られロクサスにもドス黒い笑顔で切れられ冗談です、すみませんと謝り話の続きを聞く事にした。

「つまりはムーンとシオンの勘違いよ、私が目を閉じたのは戦いの疲れのせいで気絶しただけで、手が冷たくなっていたのは長時間寒い中外にいたからなのよ…それ聞いた後面白かったけどね」

「「「(…絶対恥ずかしくて顔真っ赤になったろうな、だからムーン(ムン兄)の奴話聞かれたくなかったんだな…)」」」

かなり笑いを堪えながらその話の続き—あの後どうなったかを教えると、何だかリアルにその姿が想像着き三人は横で気絶している張本人に合掌した。
ちなみにこの後ムーンはすぐに目を覚まし、穴があるなら全力で入りたいとか言いながらヘコむ
そして夜中にはやかましいレイシャの絶叫を聞きつけたママンが現れ、バーサクしたのも言うまでは無い。
そう言えばもう一つ聞きたかった事があるんだよなと、ロクサスは一人ママンから完全に逃げ切った後ベットに沈みながら思い伏せていた。
あの後—ヴァニタスとか言う奴と決着は着けられたのかと言う事と、闇の扉は閉じられたのかと言う件だ。
彼がその意味を知るのは、もう少しの事である。

番外編終了

Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.119 )
日時: 2011/09/25 21:37
名前: リラ (ID: I69Bg0jY)

グラッセ「やっと番外編が終わったな…今までの中でヘタすれば一番長かったんじゃないか?」

ムーン「今回もお前いるんだな…そう言えば、何時もなら番外編終了!!とか言って騒いでる奴(作者)が何でいないんだ?」

グラッセ「ああ、作者の奴ならあそこでやられてるぞ?(そう言うとスタジオを指差す」


リズ「第三章の結末変える気になった?いい加減諦めて素直に変えた方がいいんじゃないの〜?(超悪人顔&超黒笑&キーブレードを首筋に当てている」

絶対嫌ですッ!!これ変えたらスクールの話も変わっちゃうし…ってギャアアアア!!?(ザンッと髪の毛を切る

ムーン「リズの奴…新種のSプレイか?」←違います

グラッセ「第三章の話が気に食わなくて、リズの奴作者を脅して話変えようしてるんだよ」

ムーン「ああ…だってなぁ…(納得&横目でリズを見る」

納得するな——————ッ!!
てか見てるんなら助けてぇぇぇ!!!(涙

グラッセ「…分かったよ(これ以上、リズに暴れられても困るしな」

—リズを落ち着かせるまで、しばらくお待ち下さい byムーン—

ロクサス「はぁ…やっと落ち着いてくれたな…」←何時の間に!!?

ムーン「ああ、アクセルの尊い犠牲によりな…(合掌中」

アクセル「勝手に殺すな!!生きてるから!!!」

リズ「チッ…」←

はいはい、そこで漫才やっている暇あるなら次回予告やるよ!!
ファンタジアが行方不明と聞いたリズたちは、一度過去の世界へと戻ろうとするが思わず事態が起き!!?
そして哀しい戦いが、未来で幕を開けようとしていた…
次回第四章『幻想曲との再会と苦痛の別れと決断』をお楽しみに!!

リズ「全然お楽しみにじゃねーッ!!!シリアス全開の上に『アレ』をやらなきゃいけねぇんだぞぉ!!?」

あ!!それともう一つ連絡があります!!

ロクサス「まだ何かあるのかよ!!?」

これは結構重要な発表よ?
実はですね、私はピクシブの知り合いさんもといLIayaさんと合同話を書く事になりました!!

5人『『『『『何ィィィィィィッ!!!!!?』』』』』

その名は…『後悔』と『遺憾』をテーマとした『キングダムハーツ リグレットストーリー』です!!!
主人公はリズだけど、グラッセやムーンと言った何時ものメンバーに対して…
何と!!大和さんの小説のキャラでもあるマーベル・ダークネスハート君がメインキャラクターとしても出ます!!
他にもレイシャと『親友二人』も出ますので!!是非小説立ち上げたら見てください!!

リズ「レイと親友二人って…あの二人も出てくるのぉ!!?」

二人とも顔見知りだし、あの二人も出さないとレイシャ君可哀想じゃん
ちなみに時間帯はスクールの本編で、ラックたちはすでに登場している時です!!
—人間誰にでも『後悔』や『遺憾』といった感情を持つ事がある。
それはノーバディも一緒で、代わりが無い事である…これはそれを語る話であり哀しい真実でもある事実が語られる…
—どうして私たちが選ばれたの?
—何故、世界は私たちに望んだの?いや望みを託したの?
全ては—14年前から始まっていたんだ、この事件は
これもシリアスが強い話ですがギャクはもちろん入れるつもりなので、お楽しみに!!