二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- とある科学の超電磁砲 闇をつぶす闇 キャラとかどうですか?
- 日時: 2011/10/28 16:55
- 名前: 冒険者 ◆6ITp4OKtkc (ID: Y8BZzrzX)
ども、冒険者です。とともの以外でもなんか書こうと思って、友達が現実のほうで書きあげた小説を、リメイクとオリジナルとか混ぜて新しく作りました。
気まぐれですが、頑張ります。
キャラは、まだ決まってないので、大まかな設定だけ。
主人公は暗部の人間です。レールガン優先なので書きます。
メンバーという組織に属しています。
で、キャラ投稿用はこれです。
人数は、メンバーの組織が5人です。あとは普通の組織の人間で扱います。
名前/読み
性別
能力
レベル
組織(メンバーなら仮定ですがみんなレベル5です)
能力詳細
性格
容姿
メンバーなら序列。(序列一位と三位は埋まってますのでそれ以外で)
その他
いじょうです。詳しくは後ほど。
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- Re: とある科学の超電磁砲 闇をつぶす闇 キャラとかどうですか? ( No.4 )
- 日時: 2011/10/29 13:59
- 名前: 冒険者 ◆6ITp4OKtkc (ID: Y8BZzrzX)
「メンバーよ、よく集まってくれた」
「「「「……」」」」
とあるビル。一室の電気はついていない。そんななか、一人の初老の男性が、どっかり座り、無精ひげを触りながら10代半ばの少年少女を見つめる。孫を見るような優しい顔に反して、言ってることは物騒極まりないことだ。
「君たちは、仮にも超能力者に匹敵する者たちばかり。さぁ、闇を屠れ、闇を食らえ、彼のもの、黒き魔獣のように」
「「「「……」」」」
本来、メンバーは7人。だが今は半数しかいない。序列と呼ばれる、実力差によってつけられた階級。一位、ニ位、三位、四位。今ここにいるのは上位組だけ。下位組はまだ呼ばれてすらいない。
一位の、ボブカットの少女が一歩、前に出た。顔も幼く、小柄で、可愛らしい顔なのに、面倒そうな表情は残念だ。
「常闇。今回の目的はアイテムを攻撃、それでいいのですか?」
「そうだ」
「私たちを序列4位とぶつけるつもりで?」
「ああ」
「彼女はアイテムの実質的なリーダーと分かってうえで?彼女は原子崩し(メルトダウナー)と知った上で?」
「そうだ」
「ならば、了解しました。外の常識(アウター)、漆黒ノ穴(ブラックホール)、妖精の国(ネバーランド)、偽造能力(コピースキル)、出ます」
「頑張ってくれ、私の孫たちよ」
4人は黙って部屋を出て行った。初老の人物はにこやかな表情で微笑んでいる。
「おい綾乃、どうするんだよ」
「相手はこちらのことも知ってます。殴り込み以外ないでしょう?」
「いや、まて。あっちにはこっちが喧嘩を吹っ掛ける理由が」
「組織だから。それだけで十分」
「容赦ねえな……俺、帰って寝ていいか?」
「俺も、大場に賛成だな。無益な戦いは避けたいし」
「貝塚、じゃああんたも帰りますか?」
「帰っていのかよ!?」
「どうぞ?別に、私と夜闇だけでなんとかなります」
「……マジか」
「そうね。常盤の言うとおり」
4人は裏通りを通りながら、目的の場所に向かう。一人は黒髪ロングの美少女。
茶髪のポニーテールの中性的な男の子。同じく茶髪の少年。こちらはカッコい顔。
夜闇、と呼ばれる少女は小柄な少女の隣に立つ。凛とした横顔は、さながら人形のように美しく。
「常盤と私だけで原子崩しくらいなら何とかなる。所詮、超電磁砲にすら勝てない格下。フレンダとかいう奴は能力者でもないし、大能力者もいるらしいけど、別に大した相手じゃないわ」
「そういうことです。仮にも、序列一位と序列ニ位はとってませんよ?」
「それは俺たちが」
「うるさい。帰れ、健也」
「こわっ!?」
突然、小柄な少女の手に黒い何かが出てきた。それを突き付ける形で、少年たちに向ける。
「帰れったら帰れ。わたしは足手まといはいらない」
「……分かったよ」
少年たちは、立ち止まり最後にこう言った。
「何かあったら呼べよ?綾乃の後始末は俺の仕事だからな」
「格下に頼る前に決着をつける」
すたすた、と二人の少女は角に消えた。
- Re: とある科学の超電磁砲 闇をつぶす闇 キャラとかどうですか? ( No.5 )
- 日時: 2011/10/29 16:25
- 名前: 冒険者 ◆6ITp4OKtkc (ID: Y8BZzrzX)
「夜闇、未元物質(ダークマター)という能力者、知ってますか?」
「……。ああ、超能力者序列第ニ位で、今はもう死んでるっていう、あいつ?それがどうかした?」
「最近、奴が復活している、という情報が流れてきました」
「……ガセね。そいつは、一方通行に殺害されてるはずよ。妙な黒い翼に押し潰された、だかでね」
「果たして、それは事実なのでしょうか?」
「……常盤、何が言いたいの?」
常盤、と呼ばれた小柄少女は自分より背丈の大きい彼女を見上げて言う。
「私の外の常識も、夜闇の漆黒ノ穴も、まだ完全に解明されていません。そのせいで、私たちはあの時、一方通行に勝つことができた。一時的とはいえ、私も、夜闇も、妙な力とやらに目覚めたのも事実ですよ」
「だから?」
「その妙な翼というのに殺傷能力があったとしても、何らかの形で生きていると仮定すれば、案外ガセでないかもしれません。警戒は必要ですよ、夜闇」
「……貴方のその性格、なんとかならない?」
「用心しておいて損はありませんから」
「普段はいいけど、あの戦闘時の激情だけは何とかして。面倒だから」
「夜闇はもう少しまじめに活動してください」
「いい加減なくせに」
「ふまじめに言われる覚えはありませんね。……つきましたよ、あそこがアイテムの本拠地です」
雑談しながら、目的地。とあるビルの前まできた。入口には誰もいない。多分、オートでセキュリティーをしているのだろう。
「どうするの?」
「夜闇、お願いします」
「……はいはい」
夜闇の能力、漆黒ノ穴にかかれば、セキュリティーなど意味をなさない。彼女もまた、この世の方式、理論の向こう側にいる能力者、なのだから。
「誰もいませんね」
「そうね。気づかれてもおかしくないのに……」
「もしかして、気づかれた?」
「さぁ……」
二人は誰もいない廊下を歩く。今回の目的は攻撃のみ。
つまり誰かと交戦して、存在を戒めればいいだけ。つまり、殺す必要もないし、気楽な任務なのだ。
足音だけがやたら響く廊下。人の気配すらしない。
「どうしますか?いっちょぶち壊します?」
「面倒だし、拠点潰せればいいような気もしてきたわ。常盤、やっちゃって」
「了解」
めんどくさがりの夜闇、いい加減で大雑把な綾乃。この二人が一緒に出ると確実に建物が一個壊れる。力を精確に使おうとしないせいだ。
綾乃は右手のひらから、黒いエネルギーを出し、形を練る。
「注文は?」
「爆弾」
「威力は?」
「さっき言った通り。ビルごとぶっ壊すレベル」
「後先考えた方がいいですよ?大事は禁物ですから」
「……じゃあドアぶち抜く位でいいわ」
「はい」
簡単に形を整え、その辺に放り投げておく。あとは壁にぺたぺた、床にもぺたぺた、飛び上がって天井にもぺたぺた。
瞬く間に廊下一面、黒い何かで埋め尽くされる。
「……へえ、私たちのところに来る馬鹿なんていないと思ってたんだけどねぇ」
「「!」」
突然、後ろから声をかけられ、振り返る。
アイテムの団員たちがいた。そして、リーダーがいた。麦野、沈利。超能力者、原子崩しが腕を組んで睨みつけていた。
「あんたら、アイテムに喧嘩売るなんて、いい度胸じゃない。どこの馬鹿?私を誰だかわかってんの?」
「……」
傲慢。自分より強いやつなんていない。そういう風に認識している声、表情、言葉。全てが綾乃の癪に障った。
「……メンバー、という組織、ご存知ですよね?アイテムのリーダー」
だが感情は表に出さない。心が怒り狂っても、見た目は冷静に、言葉はクールに、相手に内を悟ることはさせないように。
「メンバー序列一位。常盤森綾乃といいます。こっちは、序列ニ位の夜闇九六。今日は、あんたらに喧嘩を売りに来たのでなく、宣戦布告にきました」
「……面倒ね、帰るわよ常盤」
「そうですね。意思さえ伝えれば戦う必要ないですから」
もう飽きたのか、夜闇は踵を返す。綾乃もそれに便乗。
「勝手に話を進めてんじゃねえよ!」
麦野が叫び、攻撃してきた。あれは確か、奴の十八番。
電子だか、あいまいな状態で発射するもの。普通の物理的な楯じゃ壊されるのは目に見えてる。なら、と綾乃は仕掛けた爆弾を到達する前に回収、形を変え廊下いっぱいに遮るようにエネルギーを展開、攻撃を防いだ。楯の向こうで連続した爆音が聞こえる。無理やり破壊しようとしてるようだ。
綾乃と夜闇はさっさと退散するべく走ってその場を後にした。
- Re: とある科学の超電磁砲 闇をつぶす闇 キャラとかどうですか? ( No.6 )
- 日時: 2011/10/30 12:24
- 名前: 冒険者 ◆6ITp4OKtkc (ID: Y8BZzrzX)
「……気に入らない」
「んー?何が?」
「何で私は健也と一緒に貴重な時間を使ってるのかしら」
「何気にひでえなお前」
綾乃は、普段と違い砕けた口調で言う。
「健也、ここはあんたの奢りよね?」
「なんでそうなる」
健也と対面する形で座り、肘をついて顎を乗っけている。苦笑いをしながら、仕方ないといった。
「そうだな、せっかくのデートだ。奢りにさせてもらうぜ」
「デート違う」
「俺にとってはデートと同義ですがね?」
「殺すわよ」
「なんでそうなる」
「私にその意思はないの。確かにあんたのことは大好き、だけどデートとは認めない。これは単なるお買いもの。デートならもう少しお互い楽しむべきでしょ?」
「お前俺には優しいのな」
「唯一の幼馴染だし、当然」
ちなみにプライベートでは、綾乃は大体健也と一緒に過ごしている。家が近いのもあるが、二人は恋人というか、何というか、曖昧な関係なのだ。互いに好きだ、とは言ってるが別に付き合ってるわけではない。
幼馴染とはこんなもんだ、と二人は思っている。まぁ傍からみればカップルにしか見えないのだが。
「そういえば、綾乃。お前最近、芙蓉に会ったか?」
「芙蓉と?いえ、会ってないわ」
芙蓉、とはかのクロの魔獣事件を解決に導いた表の序列6位。
綾乃はメンバーとして、かつて彼と対峙したことがある。勝敗は引き分け。互いの連れが止めたのだ。芙蓉は銀髪の綺麗な女の子が、綾乃は健也が。それ以来、綾乃は芙蓉と一応の条約を結んだ。彼の周りには手を出さないと。勝手な行動だが、綾乃としても彼は敵に回したくない。
「何か、芙蓉のやつこの間、派手に暴れたらしいぜ?」
「そう」
「……何か興味なさそうだな」
「別に。関係ないもの」
からん、とグラスの氷をかき回す。綾乃のアイスティーを飲む様子を健也は微笑んでみている。居心地が悪くなって、綾乃は唇を尖らせる。
「健也、みるな。殺すわよ」
「いいじゃん減るもんでないし」
「減る、私の精神が減る」
「おうおう可愛いこと言いやがって」
つんつん、と人差指で頬を突っつかれる。綾乃もくすぐったそうにしたが嫌がらず気が済むまでやらせるのであった。
「もう冬か……あれが結成されて、もう半年か」
「そうね」
あれ、とはメンバーのことだ。ちょうど、クロの魔獣事件と発端と同時期に結成された。まだ、潰した闇の組織は少ないが、闇を食らう闇として徐々にその名は闇の世界で知らしめている。
一般人は攻撃せず、闇の者だけを淡々と屠る。一方通行もそうしてるように、メンバーもまた、平穏を願っているのだ。
闇に話は通じない。通じるのは、力のみ。アイテムでも、他の組織でも、強ければトップに立てる。そういう世界だ。
「何で冬なのに、お前はアイスティーなんて飲んでるんだろうな?」
「悪い?好きなものを飲むのは自然でしょ?」
「まぁいいけどよ。次どこ行く?」
「ゲーセン」
「何で!?荷物ありでゲーセンかよ」
「うるさい奢れじゃないと屠る」
「漢字がややこしいなお前」
「串刺し八つ裂き食い殺しどれがいい?」
「どれも嫌だ」
……甘ったるい空気はまだまだ続きそうだ。
- Re: とある科学の超電磁砲 闇をつぶす闇 キャラとかどうですか? ( No.7 )
- 日時: 2011/10/30 13:36
- 名前: 冒険者 ◆6ITp4OKtkc (ID: Y8BZzrzX)
「なぁ……茜。俺、最近、よくわかんねーんだ」
「何がですか?」
「俺は、あの時、確かにお前に助けられた。だけど……」
「だけど?」
「……俺、間違えたのかな、って」
「……」
甘ったるい空気を出していると同時刻、とあるアパートの一室。
カーテンを閉め切り、真昼間だというのに暗くしている部屋のなか、序列6位は、ベットで横たわる少女に話しかけていた。
少女はやつれて、病魔に侵されているような見た目だ。肌は病的にまで白く、体の線は異様に細い。流れるような銀髪はかつての美しさはなく、くすんでいる。欠損していた右腕も再生したとはいえ、まだ自由には動かない。傷跡のない顔もまた、白くやつれていた。
秋原堂茜。かつてのクロの魔獣事件で悠一に力を与え、共に木原という男と戦った盟友。
能力は極秘と言われ、木原が歴史を変えられるとすらいった能力、書き換え(リライト)というもの。だが、その力はあまりに強く、自身の器である肉体までも破壊してしまった。
一度は死にかけた体だったが、黄泉川というとある医者によって、一命こそ取り留めたものの、それは衰弱し、弱り果てていた。
「ごめんな。あの時、あの化け物を止められなくて」
「謝罪は、何度目ですか?何度も言いますが、わたしは満足しているのですよ?今、生きている現実に」
「俺が納得できねえんだ。一方通行も、上条も、それなりに幸せに暮らしてる!なのに、何で茜だけ……。俺のせいだ。俺が弱かったせいで……茜は……」
茜と呼ばれた少女は、溜息を吐いた。彼の懺悔や後悔、弱音はこれまでも数え切れないほどあった。そのたび彼は強くなる、強くなるといい、そして、またかつてと同じ間違いを犯し続けていると、彼の二人の妹は報告してくれた。
彼は恐れているのだ。茜と言う少女が、また、自分の目の前で、息を引き取るのを。目の前で、無力な己のせいで、失われてしまうことを。
「悠一、貴方の望む未来は、何ですか?」
「え……?」
「臨むのであれば、叶えますよ?」
「駄目だ……それだけは……」
悠一は首を振る。答えを拒絶する。
「今、お前が能力を使えば、確実に死ぬって、黄泉川も言ったろ!死ぬ気か茜!」
「悠一の悔んだ顔を見てるくらいなら、死んだ方がマシ」
茜はやつれた顔で悠一をにらんだ。
「いいですか、悠一。貴方は今や英雄のひとり。ですが。たとえ英雄だろうが、全ての人間を助けるなど、傲慢もいいところです。貴方は出来ることをした。そしてわたしは助かった。これ以上何を望むんですか?」
「絶対に助けたかった人間の、命だけ助けて、それでいいってか?冗談じゃねえ!俺は、まだ諦めたわけじゃねえんだ。俺の頭ん中に残ってる、あの下らねえ知識の意味は、お前の為だけにあるんだ。お前を日の光の下に出して、普通に暮らせるようにしたい。それだけだ…」
悠一はうつむいたまま、そう言った。唸るような慟哭と、激しい憎悪の火が、彼にともっていることを、茜は知った。
- Re: とある科学の超電磁砲 闇をつぶす闇 キャラとかどうですか? ( No.8 )
- 日時: 2011/10/30 15:19
- 名前: 冒険者 ◆6ITp4OKtkc (ID: Y8BZzrzX)
「健也、先に帰れ」
「ん?どした綾乃?」
「ヤバい。私たち、追跡されてる」
「あん?」
「落ち着いて。多分、警備員の連中だと思う。だけど様子がおかしい……え、これ、まさか、操られてる……?」
「あん?どうした綾乃!?」
荷物を持っていた健也をおいて、綾乃は走り出した。その後ろ、呆けている健也の後ろから警備員が綾乃を追うように表に飛び出してきた。
綾乃を目視するや、各々の武器を取り出し、追いかける健也は無視だ。
「!」
人数がやたら多い。こんなに大量の人間を一回で想いのまま操れる能力者、該当するのは一人だけ。常盤台中学の生徒、序列5位、心理掌握(メンタルアウト)の、食蜂という女の子だ。
どうやら、歓迎されるらしい。徐々に、先回りされて、逃げるコースを制限されてきてる。このルートは……。
「はじめまして、外の常識さん。歓迎するよ」
「……」
辿り着いたのは。常盤台中学。
散々追われて、ここまで走って逃げてきたが……。たくさんの取り巻きをつれて誰か立っていた。
「うっわ〜…思ったより普通の女の子だ……。あれ、そんなに敵意はもってないの?」
「……」
普通の女子中学生だ。ふわふわの金髪ロングの愛らしい見た目。常盤台の制服がよく似合ってる。女子中学生にしては、身長は大きい。綾乃よりは確実に大きいだろう。星マークのたくさんついたバックを肩から提げて、ニコニコしている。名前は食蜂なんちゃら。よく覚えてない。学園都市最強の精神系能力者。初めてみた。
「え〜と……名前は、常盤森綾乃さんで、えーと……能力は、外の常識。レベルは……え、不明?」
語りかけるようにべらべらと情報を吐きだす食蜂。さすが超能力者。確か、常盤台の最大の派閥を持つもの、だったか?
「うんそうだよ〜」
彼女は問うてもないのに、答えた。
「へえ……そういうことかぁ」
彼女のうなづきに、綾乃はあっさり降参した。
「何か、私に用事ですか?心理掌握」
両手をあげて、彼女は聞いた。
「ん〜と……用事ってわけじゃないんだけど」
「私のような雑魚に何か必要な情報が聞きたいなら、読み取ってください。私に敵意はないので、それが済んだら失礼します」
綾乃は無礼のないように答えた。実際、内心でも無礼などない。
「へー……記憶とか覗かれても抵抗しないんだ。いいの?私すっごく覗いちゃうよ?」
彼女は驚いたように聞いた。何だかからかって遊んでいるようだ。
「いいですよ?別に、恥ずかしい記憶しかありませんので」
「あはは。そうだね、何か頭のなか桜色と闇色しかないっぽい」
「よく言われます。隠し事はしませんので、なにかあったら口で聞くか勝手に覗いてください」
「分かった〜」
何だか無邪気な子である。取り巻きたちは驚いてるようだが、なにかおかしいのだろうか?
「ああ。普通ね、私に呼ばれた人はみんな嫌がるんだよね。ほら、心を覗かれるから」
「……なるほど」
「外の常識さんも、結構大変な目にあってるんだね。機密情報とか色々」
「それは口外しないていただくと、ありがたいです」
「しないよ〜。私もそこまで馬鹿じゃないし、伊達に超能力者じゃないからね」
彼女は無邪気に笑った。
それにしても、と彼女は言った。
「レベル不明なのに、恐ろしいなぁこれ。というか、どっかで見たことあるような能力だけど…」
「垣根のことですか?」
「そうそう、未元物質だか何とか」
「……私は、まあ簡単にいえば規格外って奴です。自分でも自分の能力分かってませんから」
「ありゃ。怖くないの?」
「怖いですよ。下手すれば簡単に死にますから。それで、必要な情報はありましたか?}
「あったよ〜。ありがとね、こんな方法の呼び出しに応じてくれて」
「いえいえ。困った時はお互いさま。お気になさらず」
彼女は軽く手で会釈すると、軽い足取りで校舎に戻って行った。
取り巻きたちもそれに続く。みな、微かに怯えたように綾乃を見る。
どうやら、彼女は同等の実力の相手に敬意を表するらしい。
綾乃自身、そういう風にきいている。つまり、取り巻きは綾乃を食蜂並みの化け物として見られていたらしい。
踵を返す綾乃は思う。彼女もそれなりの苦労をしているだろう。
心が見えるのは、いいことばかりではないのだから。
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