二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

。+゜番外編No.1゜+。ver.その後1周年記念 ( No.49 )
日時: 2011/07/17 18:32
名前: 遥菰 (ID: L1i.CT7S)

これは、まだエドワードとアルフォンスが旅に出ていなかった時のお話・・・。



「アル〜!まだ準備できないのか?」
「もうちょっと〜!!!」
エルリック兄弟。
それはここら中央では少し名のとおった兄弟であった。
決して揺るがない信念。
その果てに、エルリック兄弟は本当の真理を見た。
「早くしないともうすぐ始まっちまうぞ!」
「はーい!・・・・できたっ!!」
どたどたと階段を降りる音がしたと思うと、ガチャとドアが開く音がした。
「んじゃ行くとするか。」
「お留守番頼むね、デン。」
ウィンリィが言うと、デンはワン!と吼えてしっぽを振った。
今日は中央のお祭りの日。
何のお祭りかと言うと、エドワード達がお父様を倒したお陰で世界が平和になったお祝いである。
「ま、俺は完全に平和になったとは思ってないけどな。」
「なに?いきなり。」
「なんでもねえよ。」
フイっとそっぽを向くエドワード。
「・・・けど、それは僕もそう思うなぁ。」
兄に同感するアルフォンス。
「なんで?」
と、首をかしげるウィンリィ。
「なんでって・・・。よく考えてみろよ。イシュヴァールの件も、ホムンクルスの件もまだ色々と残ってるからな。」
「うん。」
全く同じタイミングで頷くエルリック兄弟。
「そう・・・だよね。」
途端に顔が曇るウィンリィ。
((い・・・っ・・・・・。))
「そ、そんな顔するなよ!?せっかくの祭りなんだから!な!?」
「そっ、そうだよウィンリィ!ちょっとくらいならなんか奢ってあげるからさ!ね?」
キラン
アルフォンスの言葉に待ってましたと目が光ったウィンリィを見て、しまったと心の中で思うエルリック兄弟。
ひそひそと話し始める。
「おいアル!なんであんなこと言ったんだよ!!」
「ごめん兄さん・・・・。」
「じゃあとっとと中央に行こう!エド!アル!」
「ったく・・・。」
「ちなみにお金は兄さん持ちでよろしくね。」
「おい?!なんでだよ!!!!」
「だって僕一般市民だも〜ん。ウィンリィきっととんでもなく買うと思うから・・・ね?じゃあよろしく〜!!」
「あっ!?おいこら、待て〜!!!アルーーーっ!!!!!」


。+゜番外編No.2゜+。ver.その後1周年記念 ( No.50 )
日時: 2011/07/17 19:47
名前: 遥菰 (ID: L1i.CT7S)

「祭りですね。」
「そうだね中尉。」
「もう始まりましたね。」
「そうだね中尉。」
「・・・さぼってはいけませんよ。」
「ギクッ。」
「・・・・・・・さぼるおつもりだったんですか。」
「・・・。」
「ハァ。」
深いため息を一つつくホークアイ中尉。
「なぁ中尉、祭りだなんて中央で何年ぶりだろうな。」
片手で肘を突きながらもう片手でシャーペンを動かすマスタング。
「そうですね・・・。10年ぶりと言ったところでしょうか。」
「この書類を後1時間で終わらしたらどうだね、一緒に祭りに行かないか。」
「・・・本気ですか。」
「私はいつでも中尉の事になったら本気だよ。」
「書類を1時間で終わらす事を私は聞いているんです。」
「もちろん本気だが?」
「・・・・。」
「・・・・。」
「・・・・・分かりました。ただし、1時間までにキッチリ終わらせてくださいね。」
「ああ。分かってるよ。」
〜30分後〜
「・・・あの大佐が・・・・・。」
「やる時はやるんだな・・・。」
「まったくです。」
頷くフュリー達。
「よし!今日はお前達も祭りに行ってもいいぞ。せっかくの祭りだ。精一杯楽しんで来い!!!」
マスタングの一言に泣いて喜ぶフュリー、ファルマン、ブレダ。
「さてと・・・、中尉。私達も行こうか。」
「・・・今回だけですよ。」

「あ〜っ!ねえエド!今度はあのわたがしが食べたーいっ!!」
「ちょっと・・・休も・・ぜ・・・・。」
よろよろとウィンリィに着いて行くエドワード。
「まいどーっ!」
「ウィンリィ・・・。ちょっと休憩しょうぜ。な。」
「もう。しょ〜がないなぁ・・・・・・あれ?アルは?」
休憩所のベンチに腰掛ける2人。
「アルならさっきトイレに行ってたぞ。」
「ふぅ〜ん・・・。ね、他に誰か来てるかな?ホークアイさんとか!」
「あぁー・・・中尉ね・・・。多分中尉は今頃あのくそ大佐のおもりでもしてんじゃね〜のか?」
興味なさそうに言うエドワード。
「誰がくそ大佐だって?」

。+゜番外編No.3゜+。ver.その後1周年記念 ( No.51 )
日時: 2011/07/17 20:24
名前: 遥菰 (ID: L1i.CT7S)

「な・・・んでこんな所にいるんだよっ!!」
「私がここにいてはいけないのかい?鋼の。」
エドワードのことを鋼のと呼ぶのはこの世でもあの世でもただ一人。
ロイ・マスタング大佐である。
「・・・しかも後ろからぼそっと言うな!気色悪・・・。」
「あーーーーーーっ!リザさんっ!!!」
ウィンリィが指をさした人は、マスタングにいつもついている補佐・・・今となってはおもり役とされているリザ・ホークアイであった。
「ウィンリィちゃん。久し振りね。」
「はいっ!お元気そうでなによりです!!」
「私もウィンリィちゃんの元気そうな顔が見れてよかったわ。」
楽しそうに話し合う女達。
そこへトイレからアルが帰ってきた。
「大佐!中尉も!一体どうしたんですか?」
「よくぞ聞いてくれた!」
「なんで大佐がくいつくんだよ!第一仕事はどうした!!!」
「ふふん。聞いて驚け!私はたったの30分で仕事を終わらせたのだ!!」
「嘘だろ!?あの大佐がたったの30分で!?」
「ほんとうですか?中尉。」
アルフォンスの問いに頷くホークアイ。
「ええ・・・。まったく、毎日これだといいんだけどね・・・・・。」
「よろしければ、私達と一緒に祭りを楽しみませんか?」
「なんでこんなやつと一緒に祭りをまわらないといけねえんだ・・・」
「こんなきれいなお嬢さんと一緒に祭りをまわれるなんて・・・。嬉しいかぎりだね。」
「じゃあ行きましょう!」

—「見てみなよ、トリシャ。あんな子達の笑顔なんて初めてみたよ。」

—「ええ。・・・本当によかったわ。少しは心配してたんだけど・・・。いらない心配だったんみたいね。」

—「これで安心して私も寝れるよ。」

—「エドワード・・・アルフォンス・・・・二人とも仲良くね。」

「?」
「どうしたの?兄さん。」
「いや・・・今なんか声が・・・・・・。」
「声?」
「・・・・。いや、やっぱいいや。」
「・・・変な兄さん。」
「うっせえ!」
「エドー!アルー!早く早くー!!」
「へいへい。」
「今行くー!」

Thankyou!andAnotherFA END........