二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

。+゜番外編No.11゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.72 )
日時: 2011/09/23 13:44
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

と、そこに一人の軍人がフライ達に話しかけてきた。
「あの・・・・フライさんでいらっしゃいますか?」
「ええ・・・・そうだけど。あ、もう届いたの?」
「はい。更衣室のK-154に入れておきました。」
「わざわざどうもありがとう。」
ニコっと微笑むフライ。
一方、マスタングは話しに入れず戸惑っていた。
「あ、それとラスモン大将からの伝言です。」
「ラスモン大将から・・・?」
「はい。・・・・・・・・・・・・・・・と、言うわけです。」
「成る程ね・・・。了解。」
「では、失礼いたします!」
とその軍人はビシっと敬礼して帰っていった。
「あの・・・・・フライ・・・さん?」
軍人が帰って行ったのを見送った後、マスタングはフライに聞いた。
「なに?」
「その・・・失礼ですが、軍人だったんですか・・・・?」
「だったと言うか・・・今もだけどね。」
ため息まじりに言うフライ。
どうやらあまり軍人な自分が好きではないらしい。
「はぁ・・・。」
マスタングはこのフライと言う女性に少し違和感をもっていた。
1つ目、何故中央司令部を知らないのか。
普通中央司令部に転勤してくるのだったら場所ぐらい知っているはずだ。
なのにフライは知らなかった。
2つ目、フライが今日司令部に転勤してくるだなんて聞いてなかったからだ。
普通、転勤してくるならばマスタング自身に情報が入ってくるはずである。
なのに情報どころか風の噂すら聞いたことがないのである。
そして3つ目。
エドワード・エルリックから聞いた例の国家錬金術師に似ていたからだ。
赤い髪・・・というのは良く分からないが、聞いていた性格と一致するからだ。
性格だけでそうだと判断するのはどうかと思うが、理由はもう一つあった。
『あまり知られていない裏の軍人。』
・・・・・・・決定的だな。

フライと言うこの女性は、最強の錬金術師だ。

。+゜番外編No.12゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.73 )
日時: 2011/09/23 23:56
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

「ねぇ、レベッカ!ちょっと調べてほしいことがあるんだけど・・・・。」
「どうしたのリザ!?そんな取り乱して。」
・・・・そう、私は取り乱していた。
だって、あんな噂聞いたら取り乱さない人間、誰がいるっていうの?
「いいから!!・・・・・最近、最強の錬金術師という人が噂されてるでしょ?その人を調べてほしいの!お願い!!」
そう、私は焦っていた。
「あの人が・・・・!生きてるかも、会えるかもしれないの!」
その私の真剣な表情と眼差しに、「分かったわ。私に任せなさい!これでもリザの親友なんだからね!!」と笑顔で私に言った。
「ありがとう。また後でブランドのインベジブルの財布買ってあげるわね!」
ラッキー♪と言う声を聞きながらすでに私は走り出していた。
歩いてる軍人、友達と話している軍人、忙しそうにしている軍人、自分からして上司にあたる軍人。
目に見えるすべての軍人に最強の錬金術師の噂を聞いてみたが、返ってくるのはどれもこれもエドワードから聞いた話しばかりで有力な情報を得ることはできなかった。
どうしようかと考えていた矢先に1人の軍人からレベッカが有力な情報がでてきたからとの伝言を聞いた。
急いでレベッカのところへ駆け寄る私。
「レベッカ!」
バン!と勢いよく開いたドアと共に私の声が部屋に響き渡る。
「リザ!こっちこっち〜。」
おいでと手招きするレベッカに素直にそこへ行く私。
ドアの音とその私の変貌ぶりに驚いている他の軍人達。
そんな人たちを私は気にもとめずにレベッカが調べたファイルを食い入るように見つめていた。
「これなんか、どう?」
1つの新聞記事を指でさすレベッカ。
「これは・・・・!!!」
それは、少し古めの一つの小さな記事だったが私の興味を大いに誘った。
『イシュヴァールの英雄で有名なロイ・マスタングよりも、イシュヴァール殲滅戦で活躍した謎の゛女性゛がいた!  その女性の身元、所属する司令部などは分かってないが、どうやらその女性は国家錬金術師であることが聞き込みにより発覚した。また、その女性の名は・・・・・・』
最後の方は古い記事だったため途中読めなかったが、これで私は確信した。




—最強の錬金術師と言う異名を持つその女性とは、私の姉であるフライ・ホークアイであると言う事。

。+゜番外編No.13゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.74 )
日時: 2011/09/24 11:23
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

「・・・・・です。元々・・・・・・・司令部に勤めていました。・・・ええ。そうで・・・え?連絡がきてない?あ、それは・・・・・。」
なんだか聞いてはいけない様な内容だったので、マスタングは出来るだけ聞かないようにした。
だが、いくら聞かないようにしても耳には会話の内容が入ってくるわけで・・・。
「フラ・・・ホーク・・・・です。うん、そう。今すぐお願いします。」
・・・・ホーク?
どこかで聞いたことがあるような名前だなと思うマスタング。
「ホーク・・・?!」
気がつけばマスタングは声にだしていたようで、フライは?マークをいくつも浮かばせていた。
「あ、いや・・・・。なんでもないです。」
「そう。」
ホーク・・・・か。
あの部下の名前にそっくりじゃないか。





「・・・・お姉・・・ちゃん・・・・。」
女性更衣室で軽めの軍服に着替えるリザ。
周りには誰も居らず、今はリザ一人だった。
ポツリと呟く。
「・・・・・やっと、会えるかも・・・・・・しれない。」
自分自身にそう問いかける。
なぜか、ちょっとだけ涙がでてきた。
「鷹の目と言われた私が一人涙を・・・ね。」
馬鹿みたいね、私は。
いくら鷹の目と言われても
いくら犯罪者と罵られても
・・・涙はいくらでもででくる。
辛くても、悲しくてもそこには・・・・
いつもマスタング大将や、ファルマン准佐、ブレダ少佐、フュリー大尉、そして最近復帰を果たしたハボック元少尉がいた。
だから、私は涙を流さなかった。
でも・・・・・
一人の時は、全然ダメ。
いくらでも辛いことを思い出してしまって、自分が自分でなくなってしまう。
私は、いつどんなときでもポーカーフェイスをしとかないと。

—なんだと思う。

・・・?

—「リザ、あなたは頑張りすぎなんだよ。」

この声は・・・・。

—「もっと自分に、素直になりなさい?」

お姉ちゃん?

—「・・・はーい。」

そして、私・・・・・・。




・・・もっと素直に、ね。
それが出来るのは一体いつかしらね。

コンコンと小さくノックの音がした。
「はい。」
返事をする私。
「貴女一人かな?よかったら使いたいんだけど・・・。」
「大丈夫です。」
壁越しに話す私と私の上司と思われる女性。
「じゃあ、入るね・・・。」
ガチャと音がしてドアがゆっくりと開いていく。
・・・・私は、私の世界が止まったのかと思った。





「・・・・・・リ、ザ・・・?」




。+゜番外編No.14゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.75 )
日時: 2011/09/24 11:36
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)





嘘でしょ?



「リザ・・・・・・。」


もう一回、私の名を呼ぶ女性。


私をホークアイと呼ぶ人ならたくさんいるわ。
けど・・・・私の名前を呼ぶ人は・・・。


レベッカ以外で、呼ぶ人は—。


「お・・・ねえ・・・・・・ちゃん・・・・・・?」



`家族´以外、いないのよ。



「・・・・遅くなって、ごめんね。」




多分、遅くなってとは帰りのことだろう。




—死んだと思っていた人が、生きていた。

—もう二度と会えないと思っていた人が、今私の目の前にいる。





気付いたら私は、その女性に抱きついていた。



「お姉ちゃん・・・・。フライお姉ちゃん・・・・!!!」


気がついたら、涙も、流していた。




「・・・・っ、お帰りなさい!」

泣きながら、少し笑って言う私。



「うん。・・・・ただいま。私のたった一人の家族。」




お姉ちゃんは、私を抱きしめながらそっと耳打ちした。



「待っていてくれて ありがとう。」

。+゜番外編No.15゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.76 )
日時: 2011/10/23 17:09
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

「・・・・・・で、あんたがその錬金術師のフライさんってか。」
フライとリザが出会って1時間後・・・。
今、マスタングの仕事部屋でエドワード達は集まっていた。
集まったメンバーはロイ・マスタング、リザ・ホークアイ、フライ・ホークアイ、エドワード・エルリック、アルフォンス・エルリック、ヴァトー・ファルマン、ケイン・フュリー、ハイマンス・ブレダ、ジャン・ハボックの9人である。
「ええ。・・・マスタング大将。さっきは案内をしてくれてどうもありがとうございました。」
頭を下げるフライに笑いかけるマスタング。
「いえ、困っている女性を助けるのは当たり前です。」
「・・・・・ところでお姉ちゃん。なんで・・・・っ。なんで、生きてるって教えてくれなかったの・・・?」
その言葉に固まるフライ。
「あ、え〜っと・・・その・・・・・ちょっと、色々あって・・・・ね?」
「・・・お願いだから、全部話して。これ以上、自分だけ苦しまないでよ・・・。」
リザの言葉に一瞬迷いを見せたフライだったが、ハァと息をはいて重たい口を動かし始めた。




。+゜番外編No.16゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.77 )
日時: 2011/11/05 00:29
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

「・・・・・最初は、軍に入って国家錬金術師として働いてたら確かにお金が家にはいっていったわ。・・・・これで、リザは救われる・・・。そう、思っていたの。」
フライの言葉に耳を傾けるマスタング達。
「・・・・・・・・・・・・・・・でも。」




「一体どうゆうことなのこれは!!!!」
「なにをそんなに怒っているんですか?フライ准将。」
「ふざけるな!私は・・・っ、私はリザを・・・・・家族を救うために軍に入ったって言うのに・・・!!!」
「だから、助けてあげたじゃないですか。」

「家を全焼して、永遠の楽園へ・・・・。」

ニヤリと笑ったその男は、確かにそう言ったわ。
・・・後から私は知ったんだけど、家が全焼する前にはもうすでにリザは家から出て行ったみたいだったらしいわね。
その言葉に頷くリザ。
「ええ・・・。軍に入ってちょうど3日目、急に家が全焼し、原因は分からず仕舞い・・・・。」
どうやらリザも腑に落ちなかったらしい。
「・・・で、話を戻すけど。その時私は家と共にリザは死んでしまったと思い込んでしまったの。・・・・そして、私は・・・・・



—その男を殺した。

 。+゜番外編No.17゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.78 )
日時: 2011/11/05 22:57
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

「「「「「「「!!!!!!!」」」」」」」」
フライの言葉に衝撃がはしる。
「・・・・・ほ、本当に・・?」
リザはにわか信じがたい感じでフライを見た。
しかしそれは事実なことで、フライはこくりと小さく頷いた。
「・・・今でも覚えてる。私は剣を練成して・・・・・。」




「ひぃっ!?ゆ、許してくれ〜っ!!!これは私の意志でやったんじゃないんだ!・・・そ、そう!軍の!軍の上層部が言ったから仕方なく・・・っ!!!!!」
「・・・貴方は、上層部の方が殺せと言ったら殺すの・・・?」
フライが男を見るその目は、とても人間を見つめているような目ではなかった。
「・・・っ!!悪かった・・・。本当に・・・・っ!本当にすまなかった・・・・!!!!」
そしてそのまま土下座し、地面に頭を擦り付けながら命乞いをする男。
「・・・・言い訳、よね?」

—瞬、間

男は背筋が凍ったかと思った。
「殺せと言ったら殺して、死ねといえば死ぬ・・・。それが軍人ってものだったかしら?・・・・くだらない。結局それは、自分が死にたくないから従ってるだけ。・・・全く面白くない人間ね。」
「・・・・・ーぁ・・・・・・・・。」

なんだ、

なんだこの威圧感は

「世の中、どうしてこんな人間が多いのかなぁ〜・・・・。・・・これなら一人ぐらい・・・死んでもいいよね?」
「ひっ・・・・!嫌だ!死に・・っ・・・死にたくない!!!」
そしてどこからか煙が出てきて、フライにまとわりつく。
「な・・・っ!?」
「・・・・・・死ね。」
ドシュッ



「一撃であの男の心臓を貫いた。・・・そう、私は返り血を沢山浴びたわ。」
「・・・・あんた、酷いことするな。」
エドワードは呟いた。
「・・・ええ。そうね・・・・・・。」
呟いたエドワード自身、分かっていることだった。
もし自分がフライの立場におかれていたら・・・。
・・・きっと、殺すまではいかなくともむごいことをしていただろう・・・・・と。
その場にいた誰もが思った事だったのは、言うまでも無い。

。+゜番外編No.18゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.79 )
日時: 2011/11/06 23:10
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

「あの・・・・ちょっといいですか?」
少しの沈黙の後、アルフォンスは身を乗り出しておずおずと手をあげた。
「ん?」
みんなの視線がアルフォンスの方へ向く。
「・・・その・・・・。か、髪が赤色に変わったことがあるって本当ですか?」
「!」
とたんにフライの顔が曇った。
同じくリザも視線を逸らしている。
「・・・・・・それこそ、お姉ちゃん・・・。フライ・ホークアイが最強の錬金術師と言われた理由よ。」
「どうゆう・・・事ですか?」
状況がいまいちよく飲み込めていないアルフォンス達。
「・・・・・私・・・・・は・・・・。」
見ると、フライの肩がかすかに震えているのをその場にいた誰もが気づいていた。




「・・・・・・・お父さんに、一回殺されたの。」


。+゜番外編No.19゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.80 )
日時: 2011/11/06 23:23
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

「なっ・・・・!?」
「意味が分からん!では何故貴女は生きているのですかっ!!!!!」
絶句するエドワード達を差し置いてフライに問いただすマスタング。
「・・・・なんだろう、正確には・・・。造りかえられた?」
そして私、フライ・ホークアイは語り始めた・・・。
そう。あの忌々しい過去を—




〜それは、まだリザとフライと父が住んでいた頃のお話〜

「・・・リザ・・・・・・。なに・・・・これ・・・・・・・。」
部屋へ行ってみると、そこには無数の血の跡が。
リザの部屋のドアからベッドまで繋がっていた。
「ガハッ・・・。」
「リザ!」
まだ、血を吐くのか・・・・。
特にベッドはすごい有様で、これ以上血がでたら本当に死んでしまうのではないかというぐらい鮮血で乱れていた。
「だいじょう・・・・・・・

なんだ


なんだこれは


そこで私が見たものは、




妹の背中に無造作に書かれた練成陣だった。



「はあっ・・・・お、ねえ・・・・ちゃん・・・・。」
弱弱しく微笑むリザ。
「何があったのよ・・・・・っ!私がいない間にっ!!!!!」

。+゜番外編No.20゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.81 )
日時: 2011/11/06 23:35
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

「お父さんっ!!!!」
バン!と勢いよく開いたドア。
「・・・・なんだ、騒々しい。」
「なにを・・・・っ!リザに何をしてるのよ!!!!!」



「これ・・・。お父さんの今までの研究の成果だって—」

「・・・・お父さん、これで安心して寝れるって言ってた。」


「何を・・・・とは?」
「・・・っ!?リザの・・・・・・背中。」
「ああ、あれは私の今までの研究の成果だ。見たか?素晴らしかっただろう!?」
・・・・・・なんで・・・・っ
「なんでアレ、私にしなかったの・・・・?」
「決まってるさ。」
それはもう、錬金術に取り付かれた魔物だった。
「お前を実験台にするから、先にリザで未段階な実験をして成功したらフライにするつもりだったからだ。」





「・・・ねぇちゃん・・・!フライお姉ちゃん!!!」
どのくらい眠っていただろうか。
後から聞いた話だけど、私は丸々2週間寝てたらしい。
「リ・・・・・ザ・・・・?」
「良かった・・・。」
安堵の息を吐くリザ。

。+゜番外編No.21゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.82 )
日時: 2011/11/07 18:03
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

「ここ・・・。」
「私の部屋。」
「・・・・そっか・・・・・。」
なんだろう、なんか体が軽い・・・・。
それからだ。


この忌々しい事件があった後、私は何かが変わった。



〜フライ・ホークアイ、21歳で軍人となる〜

「フライ!今日はちょっと危険な仕事になるけど、大丈夫?」
軍に入って6ヶ月、私は女少佐のラシュ・イートグランと共に行動していた。
「あ、はい!・・・・多分。」
「多分だぁ?」
「いえっ!!!絶対大丈夫です!」
ラシュさんは私にとってお母さんの様な存在だった。
ちょっと男っぽいがさつな人だったけど、一番私のことを部下として信頼してくれてたし、なにより・・・・。

・・・・初めて、私は母親と言う存在に触れたと思った。

ラシュさんの家におじゃまして、いつもみたいに話をして、ちょっと女性っぽい話なんかもして・・・・・。
そうやって私は軍人生活をしてきた。
「ははっ、そう?今回はアレ使うから。」
「はい!」
ラシュさんが言うアレとは拳銃とライフルのことだ。
「行きながら内容は説明するから、今から行くよ!」
「え・・・今からですか・・・・・・。」
「不満?」
「いえ、大丈夫です・・・・・・・・・。」




多分。

Re: 鋼の錬金術師〜その後〜参照1000超え記念小説大量up!! ( No.83 )
日時: 2011/11/07 18:30
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

今回の仕事は、地雷およびすべての危険器具の排除だった。
もう使われなくなった器具を回収する・・・・・
しかしどこから嗅ぎつけたのか、その器具の周りには2、30人はいるかと言うぐらい集まっていた。
「な・・・・・。」
「これじゃあ、穏便に回収するのは難しそうだね・・・・・。」
「そうですね・・・。」
「・・・仕方ない、強行突破しますか。」
「ちょっとラシュさん!?」
いやいやいやいや、強行突破って!
「あんだよ。」
「・・・ほ、本当にするんですか・・・・?」
そう尋ねてみたけど、どうやらラシュさんは本当にするらしく腕をぶんぶん振り回している。
「よし!やっるぞー!!!!!!!」
「・・・・・どうなってもしりませんよ、もう。」
こうなったら何を言っても聞かない。
そうゆう人です、ラシュさんは。
・・・と自分自身に言い聞かせる。
「じゃあ練成よろしく!」
「はい。」
ラシュさんは主に剣の使い手だ。
じゃあ何故ライフルや拳銃が必要なのか・・・。
それは私が使うのと非常事態専用のライフルのためだ。
バシュウウウッ!
練成独特の青い光・・・・ではなく、黄色い光が周りに広がる。
「いつ見てもフライの黄色い光は綺麗だね〜。」
「・・・・そう言ってくれるのはラシュ少佐だけです。」
そう。あの事件後、私の練成反応が青色から黄色に変わった。
変化といえばそれだけなのだが、どうも腑に落ちない。
・・・あの父は本当にそんなことを実験していたのだろうか、
でも、父は実験に成功したと言って2日後に息を引き取った。
「・・・・・・・・フライ?大丈夫?」
「あ・・・・、はい!すいません!!!ついボーッとしてしまって・・・。」
「・・・そう。んじゃ行くよ!」
「はいっ!!」

。+゜番外編No.23゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.84 )
日時: 2011/11/09 07:36
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

私はラシュさんに練成した剣を渡しながら拳銃を構えた。

「軍の者だ!器物盗奪の罪できさまらを逮捕する!!」
「しまった見つかった!!!」
ラシュさんの言葉に慌てふためく盗人達。
「構うな!撃ち殺せ!!!!」
その中の大将の様な大柄な男が、私とラシュさんに向かって言い放つ。
その言葉を待ってましたと言わんばかりに男達は次々と銃を持ち、躊躇いも無く私達に向かって撃ってきた。
「フライ!まずは周りでちょろっちょろしてる奴らから片付けるよ!!」
「はいっ!!」
何故周りにいる奴から片付けるのか。
理由は単純、先に殺されたくないから近くにいる奴は大抵初心者が多い。
結局みんな、自分自身が一番大切なのだ。
ドパパパパパパパ!!!!
ライフルの物凄い爆音で音が私の周りから消えた。
どうやら近くで撃たれたらしく、耳がいかれてしまったようだ。
こうなったらもう視覚と嗅覚、後は触覚を頼りにこの状況を打破しなければならない。
・・・・ちょっとヤバイ、かな。
周りは弾を撃ったせいで霧がもくもくと立ち込めていた。

。+゜番外編No.24゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.85 )
日時: 2011/11/09 16:40
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

・・・まいったな・・・・・。
その時私の頬になにかがかすり、直後血が垂れた。
「なっ・・・・・・!?」
マズイ。
非常にマズイ状況だ。
どのような原理か分からないが、相手は私の位置が分かるらしい。
そう考えていたら今度は右腕に激しい痛みが伴ってきた。
「がっ!!」
見ると右手の肩から指先にかけて血が赤々と垂れていた。
「や・・・ばい・・・・・・。」
目が・・・・

かすんできた・・・・。



「なんだ・・・!?霧がっ!?」
そのころラシュさんは霧にこそ覆い隠されてなかったが、周りを囲まれていた。
「くそっ!!!なんだこの霧・・・・!・・・・火薬の臭い・・。」
(もしかして銃口から・・・・!?)

。+゜番外編No.25゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.86 )
日時: 2011/11/09 16:59
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

(どうしよう・・・・!とりあえずラシュさんと合流しないと!!!一人は危険すぎる!!!!!)
私は利き腕である右手を左手で抑えながらよろよろと途方に暮れていた。

(ん・・・?あれ、フライじゃない?)
「おーいっ!フラ・・・・・。」
途中でラシュさんは言うのを止めた。
(あれ・・・!少し遠い位置からだけど、銃がフライに向けられてる・・・。・・・このままじゃフライが!!!)
馬鹿な私はそのことに気づいていなかった。
・・・戻れるならあの頃に戻りたい・・・・・。
今でも私はそう思うわ。


「ラシュさーん!どこですか——?」
「フライィィィィィィィィッ!!!!!!!!!!!」
「あ!ラシュさ・・「避けろぉ————————っ!!!!!!」」
そしてそのままラシュさんは私に覆いかぶさり、そのまま一緒に倒れた。
「イタタ・・・っ。ラシュさん・・・?大丈夫ですか?」
私が声をかけるも、ラシュさんは動かなかった。

「ラ・・シュ・・・さん・・・・?」




そこで初めて、私は事の重大さに気づいた。

「起きてください・・・!ラシュさんっ!!ねえ!ラシュさん!!!!!」



そしてやがて霧が晴れ—


「い・・・や・・・。」
私の上には、血だらけのラシュさんが居た。
「いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!」

。+゜番外編No.26゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.87 )
日時: 2011/11/09 17:51
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

「ラシュさん・・・・っ!返事をして下さい・・・!ラシュさんっ!!!!!!!!」
よく見ると、ラシュさんの手がかすかに動いていた。
「ラシュさん・・・!」
「フ・・・ライ・・・・・・。」
「なんで・・・・っ!!!なんでこんなことしたんですか!」
涙がぼろぼろとこぼれてきた。
・・・おかしいな、家を黙って出て行くときよりは泣かなかったのに・・・・。
「フ、ライ・・・。・・・・・・元気でな・・・。」
「いやだ・・・!いやだよラシュさん・・・・!お願い!!!私を・・・・・私を置いていかないで!!」
「・・・・あぁ、綺麗な空だな・・・・・・


・・・・・また会おう。フライ・ホーク・・ア・・・・・・。」


ガクッ



「嘘だ・・・・・・。」
いくら信じたくないといえども、目の前にあるのはまぎれもない真実で。

「嘘・・・・・・・・・・・・!!!!!!」

直後、私の中の何かが動きだした

ドクンッ


「・・・私のせいだ・・・・・・・。」

ドクン・・・ドクン・・・・

「私のせいで・・・・!ラシュさんが・・・っ!!!!!!」

ド ク ン

「っ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 。+゜番外編No.27゜+。ver.参照1000超え!!! ( No.88 )
日時: 2011/11/18 21:14
名前: 遥菰 (ID: vKo2Fmoq)

「おい、なんかアイツの様子おかしくないか?」
フライの異常な様子に動揺し始めた男達。
「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ッツ!!!!!!!!!!!!」

ド  ク  ン  。

その何かは、私の全身を侵食していく。
「っつ・・・・・・!!」

そして

髪は黄色から紅色へ
まるで血のように、赤々しく。

人を殺すことをあまり好まない性格から
人を殺すことのために産まれてきた様な狂人へ

「・・・・俺は、フライ・ホークアイ。」

優しそうな眼差しから
この世のすべてを見てきたかのような目つきへ

「・・・・・・ラシュさん・・・。ごめんなさい、俺がしっかりしてなかったばっかりに・・・。」
あまりにも変わり果てたフライの姿に、男達は驚きを隠しきれない様だった。
「おい!なにしてる!!!相手はたった一人だぞ!?一斉にかかればこんな奴、一握りだろ!!!」
だが、首謀者らしき者の一声で我にかえる。
「っし!かかれぇ——————っ!!!!!!!」
「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」」
そして一斉にフライに襲い掛かる。
「・・・・・・・悪いな、」
たったひと声 フライが言った。

その刹那

「「「「「「・・・・・・っ!?!?!?!」」」」」」
男達は動きを止めた。
「俺の親を殺したお前達を、俺は許せない。」
否、止めざるをえなかった。

・・・・・なんだ、なんだっていうんだ、この威圧感は・・!!!!

「今さっきまでの俺とは違う。逃げたって無駄だ・・・。ただお前らにある道は、一つ—。



—゛死゛を待つしか    ない。」

Re: 鋼の錬金術師〜その後〜:最近upしてます! ( No.89 )
日時: 2011/11/19 14:01
名前: 遥菰 (ID: jADmD8Xa)  

そして、ここは血の海へとなった。

バシュウウウッ!!
フライは手のひらを合わせ、そのまま地面へと押しあてた。
エルリック兄弟が錬成陣なしで錬成するあれだ。
そしてそのまま長細い剣を錬成し、両手で男達に向かっていく。
銃弾がいくつもフライに迫るなか、フライは長剣でそれを防ぐ。
「1人、」
そう呟きシュン と空を切ったかと思いきや、男はそのまま倒れた。
血が勢いよく吹き出し、フライの体に飛び散る。
「・・っのやろぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
至近距離で銃弾を撃つが、軽くフライは避ける。
「・・・・・経験なしの糞どもが。」
そして左手を地面にあて、いくつもの大砲を錬成した。
「消し飛べ。」
瞬間、大砲が一斉発射し・・・・・

残ったのがフライとラシュだけだった。


Re: 鋼の錬金術師〜その後〜:最近upしてます! ( No.90 )
日時: 2011/11/22 20:39
名前: 遥菰 (ID: lm8tIa56)  


「・・・・っ。」
周りを見ると、俺が殺した人達の血とラシュさんの死体しか残ってなかった。
死体はすべて、大砲で消し飛んだ。
・・・・・これ、私がやったの・・・?







「あ、・・・?わ・・たし・・・・・?」
そう呟いたと同時に、俺の頭に強い激痛がはしった。「ガ・・ッ・・・あ、たまが・・・・・われ・・っ・・・?!」
そして自身の周りに薄い霧が取り巻いた。
次に顔をあげた時は、いつもの“私”に戻っていた。
「ハァ・・・ッ、」
何だったの・・・?
今の。
一歩前に踏み出したら、強い全身の痛みと眠気が私を襲った。
そして私は、静かに目を閉じた。