二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- +短編 〜4/21まで。 ( No.179 )
- 日時: 2011/04/21 16:41
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 2RWcUGdy)
+短編 スレ作成日から4/21までの21コ?
○オリキャラでアニメver.>>16-17 (まさかのドリーム/適当)
●漆黒アワーグラス>>30-31 (ブレイク組/闇堕ちが好きです)
○ぽかぽかストーブ争奪戦!!>>55-56 (エイリア3TOP/ほのぼの幼少期?)
●曇りのち、晴れ>>91>>93 (不動さんと冬っぺ/ごめんなさい)
○惚れた病に薬なし>>95-96 (まいなーかぷ探しの旅・第一弾)
●夢の残骸>>100 (円秋/病んでるかもしれない)
○そしてきみは笑うんだ。>>104 (ロコ→夏→円/妄想度数マジパネェ)
●消える瞬間、>>106 (フィディオ/対リトルギガント戦後/捏造)
○魅惑溢れる苺色>>109 (夜桜中のお話/ふざけ100%)
●見失った、忘れちゃった。>>110 (豪炎寺さんめいん/どりーむ/暗め?)
○みっしょん!>>114 (王牙/夢/gdgd/色々と練習?)
●追憶プリズナー>>118 (ポニテのどっちか/シリアス風味)
○幻想ラプソディー>>129 (夢主/回想/しりあす?/反省はこれ>>130)
●I tail again>>139 (まいなーかぷ探しの旅・第二弾……のはず!)
○降り続けるは、桜雨>>140 (卒業シーズンですね!)
●炎帝の復活>>144 (沖縄に行きたいあまり、衝動で書いてしまいました)
○題名未定>>146 (3TOP/シリアス書こうと思った結果)
●なんて綺麗な眺めなんでしょうか!>>150 (初書きカップル/流血表現有だけど下手だから問題ない!)
○その涙を拭えたら、>>156 (参照1000突破お礼&記念作品!/まいなーかぷ探しの旅・第三弾)
●さよなら、>>159 (稲妻じゃない……だと?)
○題名考えてないw>>172 (意味不明なグラウル)
- 夢幻泡影 ( No.180 )
- 日時: 2011/04/24 16:12
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: iCAwesM8)
結局のところ俺という存在は、いてもいなくても同じようなものなのだ。最初はただ、アイツに俺は必要なんだ、求められているんだと思っていたが、最近ようやく気付いた。アイツに俺は不必要だと。アイツには他に、大切な奴がいるのだと。遅かった。気付くのが遅すぎた。だから俺は今、泣きたくて仕方が無いのだと思う。アイツが今までに、あれほど人を求めたことがあったか? 俺がアイツを欲したように、あの男を求め続けているんだ、アイツは。もう俺なんか、眼中に無いんだよ。最初からあの男は、円堂に求められていたんだ。なのに、俺は?
「———風丸! サッカー部の人数が足りないんだ。出てくれないか?」
嗚呼、最初から数を埋める為だけに呼ばれたんじゃないか。
◆夢幻泡影◆
( 俺とアイツが天秤にかけられたなら、必ず俺が空に近くなるんだ )
+*+
無邪気な円堂さんを想う歪んだ風丸さん。豪炎寺は円堂にあんなに熱心に呼ばれたのに、自分は所詮数合わせじゃないかーみたいな。豪炎寺に嫉妬して円堂を求めたけど答えは返ってこなくて、それでDEになったんじゃないかって考えたりしてる人間がここに一人。
- 見えない症候群-司令塔少年編- ( No.181 )
- 日時: 2011/04/27 15:56
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: ofW4Vptq)
「死にそうなくらい、寒いんだ」
何を言い出すのかと思えば、くだらない戯言で。どうせ、嘘なんだろうと決めつけ、早くこの場を去りたいと願う。ただ、どうしても頭から離れないのは、同じようなことを呟いた彼女の見たことがないくらい切ない横顔だった。
「……それ、で?」
ようやく発する事に成功した言葉は、彼を拒むに等しい言葉で。お前は知らないのだろう。その歪んだ愛情が何故こんな姿に変わったのかを。自業自得という、事実を。お前が早とちりなんてしなければ、見捨てられたと自暴自棄にならなければ。お前の願いも叶ったのだろうし、恋とやらも上手くいったはずだ。
なの、に。
「それがどうしたんだ」
彼女がお前を慕っているのは、誰の目から見ても明らかだった。そんな愛情を拒み、求め、踏みにじったのは自分自身だろう? 俺を恨むのは、俺の視線の先にある姿を疎むのは見当違いだ。早く、気づけ。お前のせいで仲間の輪が、乱れ始めていることに。
アイツが悩み、仲間を想って声を掛ける円堂に、雷門が再度、惹かれつつあることに。ようやく手に入れたのに。お前がアイツを悩ませるから、アイツがまた、俺から遠く離れていくんだ。もう、そんなの、
「……どんなに努力しても、力を手に入れても。アイツは俺の事なんか、見向きもしてくれないんだ」
それは違う。アイツはいつだって、お前しか眼中になかったよ。言葉では円堂を慕っていたかもしれない。が、あの瞳に映っているのは、風のように速いお前だけではないか。自惚れろ、自惚れて早く、その可笑しな考えの呪縛から逃げ出せ。被害者は、お前だけでは無いんだ。
お互い、もう辛いのは嫌だろう?
「もう、どうなったっていい」
嘘吐け。アイツが完璧に円堂の隣にいってしまったら、それこそ生きていけないくせに。バカじゃないのか? と言えない弱い自分が、確かにここにいる。
何故、彼は気付かないのだろうか。自分が犯した、最大のミスに。
「……そうか」
———見えない症候群———
( 都合の悪い嘘なんて、彼に見えるわけないじゃないか )
- 見えない症候群-偽愛少女編- ( No.182 )
- 日時: 2011/04/27 15:54
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: ofW4Vptq)
「アンタばっかり、ずるいんだ」
今にも泣きそうな瞳に溢れんばかりの憎悪を映して、目一杯、自分の怒りを私に伝えようとする彼女は、見当違いの恨みをその華奢な身体に抱え込んでいた。サッカーをやっていて私よりも鍛えているはずなのに。ちっとも寒くないこの場所で、小刻みに震えている貴女は私よりも小さく、そして儚く見えた。嗚呼、彼女、消えてしまうんじゃないか。そう、本気で悩んでしまうほどに。
「それは、多分……貴女の勘違いよ」
貴女の幸せは、貴女だけの幸せは、すぐ傍にあるじゃない。そう、何度語りかけたことか。けれど彼女は、幽霊にでもに憑かれたんじゃないかってくらい虚ろな瞳で精一杯私を睨みつけ、私が発する言葉全てを拒絶してきた。そちらが責めてくる癖に、私の言い分はこれっぽっちも聴いてくれないんだもの。
ねえ、塔子さん。私は貴女に、何をしたの? 貴女の幸せを知らず知らず妨害していたのなら謝るわ。でも、私。自分の幸せを守り抜いた、ただそれだけのことしかしていないのよ。何が悪かったのかしら……?
それに、貴女には、
「……アンタが独りの時は、必ずアイツが隣にいたのに」
———あたしのことを気に掛けてくれる人は、誰一人いなかった。
吐き捨てるように、貴女は叫んで。貴女には、見えないのかしら? 貴女を心掛けてくれる、仲間の存在に。円堂くんだって、綱海くんだって、立向居くんだって、女だからと貴女を仲間外れにするようなこともなく、同じフィールドに立って、同じだけ苦しんで、同じだけ"勝利"の喜びを分かち合ったのでしょう? なのにどうして、独りだって言うの?
塔子さんの幸せは、何の事を言っているの? 私が独りになれば、誰からも見放されれば、それでいいの? 他人の不幸を喜ぶような、その程度の人間だったの? 違うわよね、塔子さん。
貴女は、同じ女とは思えないほどたくましくて、かっこよくて。ベンチで見守ることしかできない私とは違って、彼と同じユニホームを着て、雷門のサッカーを共にしていたじゃない。羨ましいのは、私のほうよ。彼は私を、雷門イレブンの一員だと言いきってくれた。でもそんなの、建前だけで。貴女は誰が見ても、真の雷門イレブンだったでしょう? 地上最強のチームの一員だったじゃない。DFの務めを立派に果たしていたじゃない。私に無いもの全て、持っているじゃない……!
「ねえ、塔子さん。貴女は一体、何を望んでいるの……?」
私が何をすれば、貴女は偽の優越感で満たされるの?
「……何をしても、無駄なんだよ。アンタが何をしようと、アイツの想いは変わらないんだから……!」
ほろほろ、ぽたり。
気付けばその瞳から、透明な雫が零れ落ちていた。
「死にそうなくらい、寒いよ」
何処かの彼と、似たような台詞を残して。
———見えない症候群———
( 時に恋する乙女は、自分の幸しか見えなくなるの )
- 呟きですけど何か? ( No.183 )
- 日時: 2011/04/28 19:53
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 0y/6MWPS)
更新時間ェ……なんで少ないんだ……
と言うか、イナイレ終わっちゃいましたね。イナGOよりイナイレ派の人、挙手!(ちょ
葵ちゃん連載、只今絶賛スランプ中。流れは考えてあるけど、気力が足りません。江戸時代のは頑張りますけどw
イナGO始まっても、短編とかは円堂編が多めになりそうです。とゆーか誰かリク下さいw書いてみたいんです!駄文だけど!悪いかっ!(悪いわ
ただなぁ〜イナイレ終わっちゃって寂しいです。イナGOに期待するけど、主人公がGKじゃないアニメなんて、イナズマイレブンじゃないんだいッ!
……あげついでの呟き終了です。スルーして下さいましw
- さよならラヴソング ( No.184 )
- 日時: 2011/05/01 20:57
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 0y/6MWPS)
「なあ、アンタ、」
彼女の視線はいつもと違い、どこか焦点が合っていなかった。私を見ていることに違いないのに、目の先はふわふわと、辺りを漂っていて。きっとそれほど困惑しているのだろうけど、それは私には関係の無いことで、同時に知らないことだから。私が彼をどう想っていようと、彼女に害は無い。むしろ、ちょうど良いんじゃないかな? 彼女は彼が好きで、でも私は、あの人が好きで。お互い、恋に一生懸命な女の子だもん。分かり合えるはず。
なのに、どうして。私に憎悪をむき出しにしているのかな? 酷く哀しそうな声で私に、認めざるを得ない現実を拒否してしまう自分の弱さを伝えようとするのかな? 同じキャラバンに乗っていると言えど、私は彼女を理解しているわけではない。冷たい言い方になっちゃうけど、結局は赤の他人だもん。わからないよ。
「どうし、て、ダーリン、のこと」
徐々に大きくなっていく声。虚ろな瞳は、再度見てみるとしっかりと私を映していた。ただ、弱々しい声色は寸分足りとも変わっていないけど。
ダーリン。ああ、彼のことか。私の幼馴染で、大切な人。でも、好きな人はあの人で。彼が誰を愛し続けたいと恋焦がれているのかは知らない。けど、大切な人の恋だもん。応援してあげたい。
でも。だからどうしたのよ、浦部さん。彼がどうしたの? そんな不安そうな瞳で訴えかけられたら、私だって心配になるよ。
「ちゃんと、振ってあげないん?」
「……え」
誰がいつ、私に告白なんか。
「ダーリンはずっと待ってるのに、なんでアンタは、そうやっていつまでも、ダーリンの優しさに甘えるん? そんなの、可哀そすぎるやん!」
何を狂ったように叫んでいるの? 何の話をしているの? 私が知らない話、だよね?
でも今、私が言えることは一つ。いつか伝えようと思ってたから、丁度良い、よね。
「……言いたい事は、それだけかな?」
乱れた呼吸が、ピタッと止まる。同時にこの空間の時間さえ止まってしまったのではないかと、そんな錯覚さえ覚えた。明らかに動揺している彼女。ぽかんと、いつも彼へ愛の言葉を紡ぎだす口が、開いたまま閉じようとしなかった。
「大事な事だから伝えておくけど」
一度、言葉を切り息を吸うと、しっかりと彼女の瞳を捕らえた。
「一之瀬くんの優しさに甘えてるのは、他でも無い貴女じゃない」
私はとびきり優しい笑顔で、強張っている彼女の口元を緩ませようとした。私の意見は、正しいよね? だって、そんな。私が一番、彼に近かったんだから。そうよ、じゃないと私。
———私の初恋は彼だったって、胸を張って言えなくなっちゃう。
そう、だよね。
*+*
ドロドロな女の子を書こうと足掻いた結果。訳わかんなくなりましたw私の好きな秋ちゃんは何処にw
- ぐぅ、ぽーん! ( No.185 )
- 日時: 2011/05/02 21:09
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: gdJVioco)
「ねー、聴いてる?」
すっとぼけた顔のまま、ぼんやりと空を見ている少年くん。せっかく話せる時間ができたから、わざわざ僕の夢の話をしてあげてたのに。何を考えてるのかホントにわかんない、コイツめ。
ぐぅっと右手を空に伸ばす。綺麗な青に、飛び込んでみたくなった。
「あぁ、空の向こう側に行ったんだろ?」
「ご名答。だから、もっかいリアルに行きたい」
真面目に言ってみせる。は、と思いっきりバカにされた。同い年とは思えないほど、夢の無いヤツ! いいもん。僕の考えがお前なんぞに簡単に理解されてたまるか! 僕は、アンタが思ってる以上に複雑な人間だもんねー。
——空の向こうに何があるのか知ってるのか? 唐突に尋ねられた為、質問を受け取り損ねたが一拍置いてから、わかんないよと素直に答える。大きな溜め息を吐かれた。あれ、幻滅されちゃった?
「……じゃあ、空の向こうに無くて、ここにあるものは?」
「えーっと、僕の隣に座ってる仏頂面の少年」
アンタはどうせ、ついてきてくれないんでしょー、僕が遠くに飛んで行っちゃおうと。悪戯っぽく笑いかけたら、もっと仏頂面になっちゃって。
そしたらなんだか、右手が暖かくなった。
「なら、ここに捕まえておかないとだな」
俺の隣で、お前がバカっぽく笑ってるように。
小さく言い添えると、プイっと顔を逸らされた。もう、素直じゃないなー。でも、いっか。なんか、耳が赤くなってて可愛いから。あ、でも可愛いって言ったら怒られちゃうか。ああ、どこまでも扱い難い少年だ。
———ぐぅ、ぽーん!
( 空の向こうまで行かなくても、笑顔はここにあるのです )
*+*
個人的な練習文です。お気になさらずw
- +しずく様リク+ ( No.186 )
- 日時: 2011/05/03 22:18
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: MxRrFmUb)
「春奈、これとか鬼道お兄様に似合いそうじゃない?」
「それいい! ナイス、未来ちゃん!」
とある豪邸の前。はしゃぐ少女。これから始まるのは——不運な少年と、無邪気な少女達の愉快な物語。
—*愛されお兄様!*—
凄い美人なお嬢さんが顔を出しそうな、重々しく、そして立派なドア。そのドアが押し開けられる事を今か今かを待ち構えているのは、あたし——雷門中サッカー部の『優秀』なマネージャー、宝生未来と、大親友の春奈。しっかりと抱きかかえた紙袋には、今回の作戦に必要なアイテム達が取り出されるその時を、待ち焦がれていた。
「お兄ちゃん、まだかなぁ……?」
春奈はくたびれてしまったらしく、小さく欠伸を漏らした。あたし達が鬼道家に到着してから五分は経っている。大きな家だと、情報の伝達にも時間が掛かるのかな? そんなことを考えていると、ふいにドアが近づいてきた。反射的に退くあたし。
ドアが開いたそこにいたのは、待ち焦がれていた人物だった。
「春奈と……宝生?」
「私が誘ったの。良いよね? お兄ちゃん」
「お邪魔します、鬼道お兄様!」
とびっきりの笑顔で告げると、春奈を先頭にしお宅へお邪魔する事にした。困惑するお姿も素敵です、お兄様。さっすが鬼道お兄様のご自宅。良い匂いがするのは気のせいじゃないよね?
靴をしっかり揃え、髪留めで髪を留めなおす。栗色の髪が、そわそわと揺れた。
「ではでは、お兄ちゃんの部屋にレッツゴー!」
「おー!」
鬼道お兄様の瞳が一瞬、酷く悲しそうに見えたのは、緊張してるあたしの気のせいだ。
「……久しぶりに春奈が会いに来てくれたと思ったら」
そんな呟き、聴こえません。
慣れたように部屋へと入り、ふかふかそうなベッドに腰を下ろす春奈。あたしも後に続いて行く。勉強机には、見るだけで頭がショートしそうな紙がたくさん積まれていた。さっすが鬼道お兄様。あたしなんかとは次元が違う。
「で、何の用なんだ?」
私服のお姿もまた素敵ですね! そう口を挿もうとして、慌てて言葉を飲み込む。そうだ、今あたしが邪魔をしたらこの計画が台無しになっちゃう……! 我慢、我慢っと。
春奈は、足元の紙袋を手に取り抱きかかえると、顔に満面の笑みを浮かべた。二ッと上がった口元が、細められた瞳が、悪戯っぽく煌いている。そんな春奈のスマイルに対して、穏やかな微笑みに不安の色を落とす鬼道お兄様。悪巧みしてる時の顔を知ってるから、あんなに不安そうなのかな? あたしがいるからじゃないよね?
「実はお兄ちゃんに、お願いがあって……」
"お願い"という単語に顔をしかめる鬼道お兄様。ああもう、今日は鬼道お兄様の色々な表情が見れる。うん、幸せすぎる!
春奈はあたしを一瞥すると、目で合図を送ってきた。よし、作戦実行なんだね!
一歩一歩、鬼道お兄様に近づいていく春奈。胡坐をかいているお兄様の前にちょこんと座ると、ゴーグルの向こうに隠れている赤い瞳をじっと見つめ始めた。当然、動揺する鬼道お兄様。しばらく沈黙が続く。よし、あたしの番だ! ゆっくりと鬼道お兄様へ近づいていき、ゴーグルへと手を掛けた。そこからは、あたしの能力が発揮され瞬く間にゴーグルを奪い取った。
きょとんとした赤い瞳が、あたしを映しこんで。吸い込まれそうな、そんな錯覚に襲われる。素敵過ぎです、鬼道お兄様!
「ちょっと"お着替え"、してくれませんか?」
引きつった笑顔が生まれ、声に鳴らない悲鳴で助けを求めるお兄様。今が絶好のチャンス! あたしと春奈が持参した紙袋から、秘密兵器が舞い始めた。
黒地の長い袖。首元は、清楚な白いフリルで飾られている。それは、袖も同じデザインだった。髪を下ろした鬼道お兄様は、それもまた似合っていて。頭の上に乗せられたシルクのリボンが、お兄様に可愛さという魅力をプラスしていた。腰で縛られた短めのエプロンも控えめな雰囲気が演出されていて素敵。上出来だと思った。春奈と顔を見合わせ、にっこり笑い合う。
「鬼道お兄様、素敵です! あなたさまに似合わない服など、この世界には無いのですね!」
素直に感想を述べると、うんうん! と春奈も同意してくれた。何を考えているのか、鬼道お兄様はぷるぷると震えている。普段、着慣れない服を着て緊張しているのだろう。潤んだ赤い瞳は、あたしに怯えた子ウサギを連想させた。可愛いです、お兄様。
「お兄ちゃんは何でも似合うねー」
次は何を着て貰おうかと、互いの紙袋をあさってみる。
そんなあたしの至福の時間を邪魔したのは、携帯の着メロだった。ゴメン、と呟き携帯を手に取ると、液晶を覗き込んだ。刻まれた文字は、雷門中サッカー部キャプテン、円堂守の名前で。大きく溜め息を吐き、通話ボタンをプッシュする。ああもう、ホントKYだなこの人! 別に鬼道お兄様のイニシャルじゃないけど!
「もしもし、円堂?」
その言葉に反応したのか、鬼道お兄様の身体がピクリと揺れる。助けを懇願するような、そんな目の色をしていた。
「え? 来週の練習時間が変更になった? ……どうだっていいわ! あたしの幸せを邪魔しないでよっ。……だーかーら、円堂には関係ないの! そんなこと言ってる暇があったら、豪炎寺や風丸でも誘って練習してきなさい! そうするつもりだった? どうだっていいの! じゃ、切るから。……だから、連絡は後にしてよ!」
電話の向こうにいる天然男に向かって、思いきり叫ぶ。電話を切ろうとボタンに親指の腹を当てる。その瞬間、見開かれた赤い瞳。
「えっ円堂! 聴こえるのなら助けてくれ! 大変なんだ!」
「……すいません、もう切っちゃったんです」
がっくりとうなだれる鬼道お兄様。苦笑する春奈。携帯をポケットにしまうと、とびっきりの笑顔を見せる。
「さあ、鬼道お兄様。次は、ネコ耳メイドですよ!」
『鬼道お兄様満喫大作戦!』は、紙袋が空になるまで続くのでした。
−fin−
〜後書き(という名の言い訳タイム)〜
初めてリクエストを貰い、浮かれていられたのはほんの一時……
自分の文才がゼロにも満たない事を思い出した私は、少しでも満足してもらえる作品を目指し、書いてみたのですが……
これが結果です!(開き直るな
未来ちゃんのキャラが崩壊していないか不安です;鬼道お兄様には、とことん恥ずかしがってもらいました。
オチも無ければ盛り上がる場面も無い。こんな作品しか書けない私は……うん。←
タイトルには触れないで下さい。これが限界なんです、えぇ。もし宜しければ、この駄作にタイトルを考えてくだs
しずく様、リクエストありがとうございました!これからもよろしくお願いします^^
- 姫騎士ネタのメモ ( No.187 )
- 日時: 2011/05/08 15:29
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: npMPGGPe)
「何故、姫騎士が"世界平和"と偽って悪事に手を染めなければならないのですか!?」
狂ったように叫ぶ少女を一瞥すると、目の前の男性はただただ黙って首を横に振った。その行動が何を表しているのかは定かではないが、それでも少女の願いが聞き入れられないことは事実で。がっくりと項垂れる少女。蒼水晶色の瞳から、透明な光が一筋、流れ落ちた。そんな光景を見ても尚、男性は顔色一つ変えない。
「……"四季を司る姫騎士団"を遠ざけるのならともかく、"空間(とき)を奏でる夢幻の姫騎士"の力を無理強いするなど……それでも、王族の誇りを持っていらっしゃるのですか……?」
嗚咽交じりに吐き出される言葉には、嘘の欠片も無かった。それに気付いても、男性は無表情を保っている。否、保つ事しかできないのだ。——魔力を奪われた男には、ただ、それしか。
魔力を持つことを神に許された姫騎士よりも上に立ち、自分達の望みを"命令"として伝えることしか。
「きみはまだ、全てを知らないからそう言えるのだ。彼女の本心を、きみは知らない」
「アンタよりは理解しているつもりだッ!」
少女の首に掛けられた十字架が、淡い光を放つ。彼女の魔力が、聖剣との交差(クロス)を望んでいるのだ。男性を、消去するための魔法を発動するために。焦りだした男性。冷酷な視線はそのままに、唇を噛み締める。
そして、慰めるような口調で言葉を紡いだ。
「……これは宿命なのですよ。貴女の——"蒼空(そら)を切り裂く幻影の姫騎士"——である、貴女のね」
また一筋、光は灯る。
*+*
長編ネタのメモ。書きたいけど、気力が……orz
- 姫騎士ネタのメモ*その2 ( No.188 )
- 日時: 2011/05/07 22:08
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: c1Cj7oJq)
「世界はまた、悪しき闇夜へと廻りだしたのですね」
それは、少女の隣に座る少年に伝えられた言葉なのか。はたまた、ただの独り言なのか。ぽつりと吐き出された言葉に抑揚は無く、表情も無に等しい少女から事実を読み取ることは、容易では無かった。
「……冬は怖いから、嫌いなのに」
「そうですね、私もです」
短く、素っ気ない会話はあっという間に途切れてしまった。それでも二人の間に、居心地の悪い沈黙は流れない。むしろこの静寂は、少女の心を揺さぶるのに必要な要素だった。
少年は気難しい表情を見せると、月さえ見えぬ夜空を一瞥する。そして少女の薄い桃色の瞳と視線を交差させると、にっこり微笑んだ。少女も薄く笑ってみせる。
「春を咲かせられるのは、僕が知るかぎりきみしかいないよ」
少女はまた小さく微笑み、椅子から立ち上がった。胸元の十字架が、ほのかに光を放つ。
「私がいれば、大丈夫ですよ。たとえ利用されようとも、私は春をお届けします」
ただ——と何かを言いかけ、唇をキュッと結んでしまう少女。少年が不安そうに、どうしたの? と覗き込む。震えるほど強く握られた、少女の左手。少年は両手で包み込むと、暖かいねと囁いた。
つめたい。少女の唇はそう形作り、刹那、小さく開いた。
「……桃花(とうか)が世界を廻すには、澄み切った"空"が必要なのです」
あの人は、大丈夫でしょうか?
少女は呟き、黙ってしまう。少年は優しく肩をさすると、甘い声色を少女の耳へ滑り込ませた。
「僕はいつまでも——春を待ち続けるからね」
ふんわりと、微笑む。
*+*
もう一つの視点。やっぱ書けそうにないorz
- ありがとう!( 、そしてサヨナラ ) ( No.189 )
- 日時: 2011/05/08 15:58
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: npMPGGPe)
「俺、思うんだ」
真剣な表情。彼の太陽のような明るい笑顔も好きだけれど、凛々しい横顔も素敵だなって思う。そんなことを考えちゃっても、おかしくないよね? だって私、ずっとずっと彼のこと好きだったんだもん。隣にいられるだけで幸せで、名前を呼ばれるだけで疲れなんて吹き飛んでしまって。彼は私にとって一番で。彼の一番になれるなんてそんなこと、望んでいないと言ったら嘘になるけれど、ちょっぴり期待をしていた。もしかしたら、なんて。でも、サッカー一筋な彼だもの。そんなの一期の儚い夢物語だわ。隣に居られるだけで幸運なことなの。
そう、わかりきっていたはずなのに。
「……冬っぺのとこに戻らなきゃって」
円堂くんの言葉が、周りの雑音を全てかき消して私の耳へと滑り込んできた。反射的にその言葉を拒む、私の思考。戻るって? ここからいなくなっちゃうの? 近くで見ていられなくなっちゃうの? ねえ、違うよね。違うって言ってよ、円堂くん。
「秋、あのさ」
彼の言葉は切られ、しばらく沈黙が流れる。
わからない。わからないわからないわからないよ! なんで? 冬花のところに行かなくちゃいけないの? ここじゃダメだの? 私がダメ、なの? 教えてよ、円堂くん。今まで信じる力の強さとか、仲間の大切さとか、大事なことを教えてくれたのは円堂くんじゃない。今更、どうして? 私のこと見捨てるの?
別れたくないよ。片想いでも良いから、傍にいてよ。隣で笑っててよ。なんで私じゃダメなの?
「……今まで、ありがとな」
最後の笑顔は、最高で。思考はそこで強制的にシャットダウンされた。脳内に再生される、円堂くんと冬花さんの姿。二人はいっつも笑ってて。私が円堂くんと出会うよりも前から、二人でそうして笑ってて。私はもう、走っても走っても追いつけなくて。
ねえ、円堂くん。
その"ありがとう"の本当の意味は、サヨナラなんかじゃないよね?
( A._Thanks you = Good bey_ )
- 流星ヴォーイと葵ちゃん。 ( No.190 )
- 日時: 2011/05/09 17:36
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: npMPGGPe)
「だーかーらっ、僕はジャンケンでキャプテンになったの! 別に信頼とかそーゆう暑苦しいのは一切、無いの!」
「でも、新羅城とか森本とか……葵を慕っているヤツはたっくさんいるぞ!」
「……なに? 幻でも見た?」
「そんなことより、サッカーやろうぜっ!」
+円堂と葵ちゃん。どういう流れでこういう会話になったのか全然わからない。
でもまあ、同じキャプテン同士、心が通じ合ってれば良い←
「……葵、ドリンクは投げるものじゃない」
「さすがごーえんじさん、ないすきゃっちですね」
「まあ、ありがとな」
「……いきなり素直にお礼言うとか、わけわかんない」
+豪炎寺と葵ちゃん。ツンデレを目指したがこうなった。後悔はしている。
夕香ちゃんとは仲良いと思うんだ。懐かれるというより、同レベルに見られてそうw
「きっどー、きっどー」
「"かっこう"のリズムで呼ばないでくれ」
「ところでさっき、木暮と立向居が春奈について話し——」
「語り合おうじゃないか、葵」
+鬼道と葵ちゃん。シスコンをいじるのが趣味になってくるという悪女ですねはい。
まあとにかく、春奈ちゃんは色々な意味で葵ちゃんを困惑させると思います隊長!
「何それ、感動系映画? 葵さん、そういうの見るんだ」
「まーね。吹雪も一緒に見る?」
「……僕の目の前で泣きじゃくる葵さんも悪くないよね」
「吹雪はドSなの? 病んでるの? 腹黒なの? どちらにせよ、そういう発言は慎もうか」
+吹雪と葵ちゃん。このスレの吹雪は黒いです。そして二人は、身長勝負を行っております。(暗黙ですが)
二人して高いところにある物を取れずにわいわいぎゃーぎゃーやって、染岡さんが善意で解決しちゃって、大ブーイングを受ければそれで良い。
*+*
雷門の流星ボーイズ組+葵ちゃん。
最近、自分のオリキャラであるにも関わらず葵ちゃんのキャラがわからなくなってきてる。うん、重症ですw
- 涼風が吹かなかったとある夏休み。 ( No.191 )
- 日時: 2011/05/11 18:59
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 6vRIMW/o)
「……暑い」
既にただの棒と化してしまった、ソーダ味アイスの外れ棒。翡翠色の瞳を不機嫌そうに歪ませると、少年——涼野風介は、先ほどまで頬張っていたアイスが美化されプリントされているビニールの袋を手に取ると、その中にアイスの棒を突っ込み、ゴミ箱に葬り去る。
風介は冷凍庫の中を確かめるべく無言で立ち上がる。が、豊かな表情に欠ける口元を歪ませ、肩を落胆させるとソファに身体を再度、預けた。冷凍庫には、そこらのコンビニでも大量に販売されている棒アイスが三本程、残っているはずだった。いつもならぺロリと平らげてしまう量だが、今日は違う。気が狂ってしまいそうな気温の中、風介は言葉を漏らす。
「一緒に食べようと言ったのは、お前じゃないか……」
そんな"お前"は、まだ帰らない。誘ったくせに、この私を待たせるなんて。
「……バカだな」
*+*
オチなんて無い(キリッ とある神小説のFDを見ていたら衝動的に書きたくなりました。許してください←
- あげあげですおw ( No.192 )
- 日時: 2011/05/13 21:15
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: cEkdi/08)
リク受け付けてます!オールキャラばっちこいです!駄文だけど!←
というわけで誰か切実にリク下さいいいい(ry
あげっ
- 涙の味がした、 ( No.193 )
- 日時: 2011/05/14 18:21
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: cEkdi/08)
- 参照: ボカロはネ申!
「……大ッ嫌い」
涙に濡れた瞳を憎悪に曇らせ、きつく少年を睨みつける少女。まだ整っていない呼吸から、先ほどまで泣いていたことが見て取れる。赤い目元が証拠の一つだった。嗚咽交じりに吐き出される言葉。それは全て少年を拒絶する内容のものであり、決して聞いていて気分がよくなるものではない。が、少年は黙ったまま、少女の背中を優しく摩っていたのだった。
ジャージの袖口をぐしゃぐしゃにして目元を擦る。背中を摩られることを嫌がってはいないものの、なぜか少年からハンカチを借りることは拒み続けていた。
「悪かったって」
「もう遅いっ! 大ッ嫌いだから!」
そう言い放って、少女はまた泣き始める。
そして何を思ったか、不規則に揺れる体を少年に押し当てた。少年に顔を埋め、ジャージを両手で握り締めるとまた泣き出す。幼子のように拗ねる少女を、少年はただ黙ってあやしていた。
( に、しても。俺は本当に嫌われているのか……? )
言葉と行動が正反対な少女。そんな少女の本音を少年が知るのは、もう少し先のお話……——
——* 涙の味がした、 *——
( あのね、本当は大好きだよ )
( お前が俺以外を好くなんて考えられない。この、人間嫌いがな )
+++
何がしたいのかわからない〜♪←
- 題名未定 ( No.194 )
- 日時: 2011/05/14 23:17
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: cEkdi/08)
- 参照: ボカロはネ申!
「ばーん、さま?」
「え……あぁ、レアンか。何か用かー?」
最近のバーン様は、様子がおかしい。いや、昔からお世辞にも"まとも"とは言えなかったけど。だって、頭に植物生やしてるだけで常識あるとは思えないでしょ? ……まあ、エイリア学園では希少価値の高いツッコミ要員だけど。
「別に、何も無いですけど」
指でユニホームを巻き取り、くるくるとねじっては離して遊ぶ。思い切って顔を上げると、「そっか」と独り言のように呟くバーン様がいた。まるで、あたしのことなんか、視界に入っていないように。初めからいない存在のように。
火照りとはまた違った熱さが身体中を独占して。ユニホームの裾をギュウッと掴むと、喉まで出かかった言葉を余すことなく吐き出した。
「晴矢のバカ! たまには、あたしのほうだって見てよ! ……チューリップのバカァッ!」
ビクンと身体を震え上がらせ、きょとんとあたしを見つめるバーン様。もう、遅いんだから!
「俺、何かしたか?」と言わんばかりにあたしの言葉を求めるバーン様を後にあたしは、話を聞いて貰おうとクララの元へと急ぐ。やり場の無い怒りと意味不明な悲しみを背負い込んで。
——気付いてくれたっていいじゃない。
- リクエストお願いいたします! ( No.195 )
- 日時: 2011/05/15 00:10
- 名前: 海穹 ◆EZarcElGGo (ID: UruhQZnK)
はじめまして!海穹といいます!
ふーのところでお見かけしていましたがこんな神文を書いていらっしゃったとは!
リク!?もちろんさせていただきまs(黙
==夢リク用紙===
名前【音羽 弥生/オトワ ヤヨイ】
年齢【14歳 中二】
容姿【髪は黒のストレートをポニテ。目は藍色。身長は低め。】
性格【優しく、明るいがはしゃいだりはしない。信頼されている。おしとやか。大和撫子な感じ。運動は禁止されてるが本当はしたい。成績優秀。容姿端麗。かなりもてる。】
人称【一人称 私 二人称 名前に君、ちゃん、名字にさん。鬼道のことは有人呼び。】
相手【帝国の鬼道さん!(でも優しい感じでお願いします!)】
関係【幼馴染でマネジ、そして許婚!!】
シチュ【お任せです!】
ジャンル【甘いので!】
サンボイ
「はじめまして。音羽弥生です。」
「有人。そんなに冷たく接しない。」
「ホントはサッカーしたいんだけどね……こんな体じゃあ何も出来ないよ……」
備考【鬼道とは許婚。そして付き合っている。親は実は養父。その養父が大企業の社長で、弥生は次期社長。かなり病弱で、運動なんて絶対にできない。発作を起こすことがある。心臓の病気。(突発性拡張型心筋症)】
- 海穹様へコメ返し! ( No.196 )
- 日時: 2011/05/15 17:39
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 0fWfwKh9)
- 参照: ボカロはネ申!
>>海穹様!
ミソラ(で読み方は合っているでしょうか?)様、初めまして!はい、ふーのところにお邪魔していた者ですw
神文……いやいや、自己満足の塊しか書けませんよwけれど、そう言って貰えると励みになります^^
弥生ちゃん、何度か見かけたことはありますが、可愛らしいです^^* 大和撫子さん大好きですw お相手は帝国の鬼道さんですね?了解です!テスト期間中故に遅くなってしまいますが、ぜひ書かせて頂きます!
リク、ありがとうございました!
- +しずく様リク+ ( No.197 )
- 日時: 2011/05/15 18:47
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 0fWfwKh9)
——* 私と彼女と、恋のお話 *——
合宿所の目の前にあるコートでは今頃、イナズマジャパンのメンバーさん達が一生懸命、サッカーに励んでいるのだろう。そんな彼等を一番近くで見ていられることが嬉しくて。食事の支度や掃除、選択は大変だけど、皆のサッカーを見ているとどうでも良いように思えてくる。さすが、イナズマジャパン。
ふぅ、と一息吐くと手元の作業に専念することにした。もうすぐ練習が終わる。選手達が腹ペコで帰ってくるはずだ。しかも運の悪い事に、今日はいつもより人数が少ない中での準備だ。急がなくては。
「桃花ちゃん、そっちは大丈夫?」
「なんとか頑張ってます……それにしても、春奈ちゃんに冬花さん、遅いですね」
「結構、頼んじゃったもの。大変だと思うけど、そろそろ帰ってくると思うわ」
まさか、調味料が切れちゃうなんて。苦笑交じりに呟く秋さんに、私も苦々しくはあるが笑いかけた。
ことの始まりは、春奈ちゃんが冷蔵庫を確認した時に起こった。信じられないが、マヨネーズ、ケチャップ、コショウ、そしてタバスコ等の調味料を全て切らしていたのだ。しかも冬花さんからは、洗剤も無くなりそうだと聴き。夕食前の忙しい時間帯であるものの、急遽、春奈ちゃんと冬花さんには買出しに行って貰ったのだ。
もちろん、残された私たちがのこのこと休めるはずも無く。
「タバスコの消費が早いのは知ってたけど……」
「皆、忙しくてそこまで手が回らなかったのね」
誰かを責める訳でも無く、優しい口調で話すとそれっきり、まな板の上に置かれたニンジンと睨めっこを始めてしまった。そんな秋さんをちらりと見てみる。手際の良い手つき。頼りがいがあるな、なんて羨ましく思えた。
「秋さんって、絶対良いお嫁さんになれますよね」
ストン、と。振り下ろされた包丁がまな板に帰ってきた途端、細かく刻まれていたニンジンが、大きな破片となって宙に舞う。それっきり包丁を動かす手は止まり。秋さんは、ゆっくりとこちらに振向く。ほんのりと染まった耳朶。思わず、可愛いなと思ってしまった。
「個人的に、円堂くんには秋さんが必要だと思いま——」
「桃花ちゃん、ストーップ!」
グイっと強く引っ張られ、バランスを失う。改めて秋さんの顔を覗き込んでみると、耳も頬も真っ赤に火照っていた。瞳も不規則に泳いでいる。明らかに動揺してますね、秋さん。
秋さんは小さく呻き、私をじっと見つめてくる。今の時間帯なら、誰にも聞かれていませんよ。そう言ってみても、恥ずかしがる姿は変わらなくて。
それどころか、不意打ちの猛攻撃を食らってしまった。
「……も、桃花ちゃんは優しいし、癒し系の存在だから、吹雪くんとお似合いだと思うな」
にこにこ、となんて笑っていられない。"吹雪くん"、"お似合い"という単語が私の思考を独占し、ぐるぐると廻り始める。身体の奥で何かが弾け散った、そんな熱さに襲われる。急上昇する私の体温。頑張って平然を装うとするが、簡単に砕け散った私の努力。
波のように襲い来る羞恥心に押し流され、同時に忙しく駆け足になる鼓動は、抑えようが無かった。無意識に噛み締める下唇。
「……今は、円堂くんも吹雪くんもサッカーに夢中で私たちのことなんか、気付いてくれてないと思う」
少し切なげに、話し出す秋さん。静かな口調だからだろうか。余計に言葉が身に沁みる。やっぱり秋さんは、皆のお母さんだなぁと改めて思った。
「でも私は、円堂くんの笑顔に——彼のサッカーに惹かれたから、今はその姿を見ていられるだけで幸せだな」
ちょっぴり照れたようにはにかむ秋さん。鈍感な円堂くんのことだから、自分に想いを寄せてくれている存在に気付いていないのだろう。いや、その好意を違う意味で受け取っているのかも。
そう考えると秋さん、健気だな、なんて思ってしまって。でも、秋さんがサッカーを見ているときの瞳は輝いているから、それはそれで幸せなのかもしれない。
だって、私も同じだから。
「私は、士郎の隣にいられるだけで幸せです。昔のことを考えると、今の状況なんて願ったり叶ったりですから」
でも、私だって。
「だけど……少しくらい欲張りになっても良いですよね」
ずっと隣にいたい。笑い合っていたい。きみと一緒に、時間と空間を共有したい。
「私もそうだよ。だって、円堂くんのこと、」
リップを塗ったばかりなのだろうか。光に綺麗に反射する唇が、「す」の文字を形作る。彼の前で言うのは無理だけど、自分の想いを言葉にして確認するのも悪くは無いものね。続きの言葉がほんの少しだけ作られた時、二人の空間に突然の来訪者が訪れる。
- +しずく様リク+その2 ( No.198 )
- 日時: 2011/05/15 22:29
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 0fWfwKh9)
「どうしたんだ、二人とも? 俺が何だ?」
「え、円堂く……」
ぷしゅー。湯気が立ち上る秋さん。あとちょっと円堂くんが早かったら。秋さんは何の覚悟も無しに告白を完了させるところだった。そう考えると、運命って——偶然って本当に恐ろしいものだ。
わなわなと震える秋さん。不思議そうに笑う円堂さんに苦笑を向けると、私の背中に隠れてしまった秋さんを摩った。今さっきまでそういう話をしてたんだもの。仕方が無いよね。
「桃ちゃん、今日の夕飯はなぁに?」
ひょっこりと現れた、噂の人その二。秋さんが言いかけた言葉が脳裏を過ぎり、体温が右肩上がりに突き進む。
「あ、えっと、その……ハンバーグ、だよ!」
「桃ちゃんが作ってくれるんだ。楽しみだなぁ」
いつもマネージャー四人で作ってるのに。こんな時に限ってタラシな発言をされるものだからまともに顔を合わせられなくなってしまった。うぅ、一人だけ意識してる私が恥ずかしい……。
「もう練習、終わったからさ。じゃあ、今日の夕飯、楽しみにしてるぜ!」
「いつも美味しいご飯を有難う、マネージャーさん、桃ちゃん」
私だけ別に呼ばれたことに、また鼓動が駆け足になる。
けれど気付けばもう、メンバーは続々と帰ってきていて。真っ赤になって固まっている秋さんの肩を揺する。
「秋さんっ! 急がないと、間に合いませんよ〜!」
「……そうよね、うん。頑張らなきゃ……」
無言でそれぞれの持ち場につく。居心地の悪い沈黙。だけど、もうどうしようもなくて。
でも何か、言っておきたい。
「……秋さん」
お互いに、同じ悩みを持つ私達だから。
「マネージャーの仕事も恋も、一途に真っ直ぐ、頑張りましょう!」
返事らしい言葉は返ってこなかったけど、代わりに暖かい微笑が向けられた。
思いがけず、ほっこりと暖められたココロを抱いて、今日はとびきり美味しい夕飯を作ろうと私は一人、静かに口元を綻ばせるのだった。
-fin-
〜反省会〜
や ら か し ま し た !
ガールズトークになっていない気がしますが、これが限界なので諦めました←
ふむ、照れる描写って難しい。てか全てが難しい……でも秋ちゃんと桃花の会話は書いていて楽しかったです^^
二度目のリクでしたが、如何だったでしょうか? しずく様の足元にも及ばない力でしたが、頑張りました(キリッ ガールズトーク難しいけど楽しいってことに気付きましたw感謝ですw
気付いたら暴走していたため、二つに分かれてしまいました;見難かったらゴメンなさいっ!
それではしずく様、リクありがとうございました!
- テストという悪魔に捕らわれています。 ( No.199 )
- 日時: 2011/05/18 20:12
- 名前: とーり (ID: ollL4NQQ)
- 参照: iPod touchから入っていますw
あげついでの呟き← 小説書けなんて言わないで。
……秋ちゃんの彼氏は一之瀬? 公式は円←秋←一←リカだったじゃん!
え、ちょ、秋ちゃんの旦那は円堂だって信じてたのにーっ(泣)
一之瀬の片想いが叶っちゃったの? リカはエドガー? もう訳わかんないよっ(泣)←
……うわーん、勉強やだよ。これからやんなきゃなのねえなんで?
テストの存在価値って何? 紙の無駄じゃん。あああパソやりたいお^p^
……一秋がショックすぎて思わず書き込んじゃった桃李でした。
リクエストが遅れているミソラ(変換できませんでしたorz)様、本当に申し訳御座いません。テストが終わるまで、しばしお待ちを!
- +海穹様リク+ ( No.200 )
- 日時: 2011/05/27 17:00
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: arQenQl7)
- 参照: テスト終わったぜやふー!
——+ 茜色カルテット +——
「有人ッ!」
名前を呼ぶよりも先に、足が勝手に駆け出していた。スカートの裾がひらひらと揺れる。はしたないかな、なんて思ったけれどもう止まれない。少しくらい、良いよね?
下駄箱に寄りかかり、私を待っていてくれたのは有人——帝国学園サッカー部のキャプテンだ。一見、冷たい印象を受ける彼だが本当はとても優しいってことを、私が一番知っている。それに有人は冷たいんじゃなくて、厳しいだけなんだもの。もちろん、人にだけでなく自分にもだけどね。
だって、ほら。今だって、
「走って大丈夫なのか? 弥生」
「ありがとう。でも、大丈夫だから」
こうやってさりげなく、私のことを気遣ってくれる。そんなちょっとした心遣いがたまらなく嬉しくて、そしてこんな優しい人と出会えたことが幸せで、隣にいられる今、この瞬間がたまらなく愛しくて。いつも練習で忙しい彼だから、こんな短い時間でも良い。ほんの少し話せるだけで、本当に嬉しくなる。
有人はいつもサッカーで忙しいから。でも私、知ってるよ? 有人が"サッカー"を言い訳にしないで、私に会おうとしてくれていること。だから尚更、きみに惹かれていくの。どうしようもないくらいに、ね。
じゃあ、帰るか。彼は呟き、ゆっくりと歩き出す。そんな背中を見た瞬間、ふいに笑顔が零れた。
「今日も練習、ハードだったね」
そう話しかけると、ああ、と短い返事が返ってきた。けれど夕陽に照らされたその横顔に、疲れの色は一切見えなくて。むしろ輝いているように見える。本当にサッカーが好きなんだなぁと、改めて思った。
帰り道。いつもだったら有人は、今日の練習についてとか他のメンバーがどうとか、私にもわかりやすいように話してくれる。普段、口数の少ない彼だから、サッカーをやっていないとわからない難しい部分はあっても、聴いているだけで有人に近づける気がするから。サッカー、やってみたい。だけど、こんな身体じゃ、無理だから。
だからせめて、私は有人の一番近くで、彼を応援し続けたい。
そう、思ったんだけど……有人は何も言わず、黙々と先を歩いていく。何かあったのかなと不安になりつつ、私、何かしちゃったかなと別の不安が浮かび上がって。せっかく二人で過ごせるのだから——、貴重な時間だから、居心地が悪いなんて嫌だもの。
「有人……? あの、どうしたの?」
「え、あぁ、大丈夫だ」
明らかに動揺している声。長い時間を共にしているんだもの、それくらいは見抜けるよ。そうでしょう?
じーっと彼と視線を交差させる。ゴーグル越しに覗けた紅い瞳は、あの日と変わらず、美しくて。その瞳の中に私はちゃんと映っているのか、確かめたくなる。
有人、と。ゆっくり名前を呼ぶと、プイっと顔を背けられてしまった。ずきり、ココロのどこかに亀裂が走る。
だけど。
代わりに差し出された大きな手を見て、時間が止まってしまったような、そんな錯覚に襲われた。
「ここなら誰もいないから、」
その後は、口を濁して戸惑う彼。可愛い、なんて思ってしまう。でも——私だってそんなに落ち着いていられなくて。頬がちょっぴり熱い。差し出された手を素直に握ることが戸惑われた。ちょっと指先が触れるだけで、手を引っ込めてしまったりしてそれで——でもやっぱり、しっかりと手を繋ぐ。
手を繋ぐのなんて、何年ぶりだろうか。
でもそんなこと、今は関係無いよね。だって今、きみと私が繋がっている事に違いは無いのだから。
「……有人、」
——大好きだよ。
なんて言ってみたら有人、どんな顔するのかな?
そんな事を想像しながら私は、彼に想いを伝えるために小さく、息を吸い込んだ。
- fin -
テストがようやく終わったので、やっとうpできましたw遅れてしまい、申し訳ないです。しかも駄文。
題名に意味はありません(キリッ 語れないほど恥ずかしいので言えないっ!←
海穹様のリクエストでしたが、本当にすいませんでした;甘くなっていましたか?それ以前に文章として認めていただけるでしょうか?(
もし宜しければ、感想などお聞かせ願いたいです。罵詈雑言ばっちこい!←
ではリクエスト、ありがとうございました^^
- +新長編ネタめも。+ ( No.201 )
- 日時: 2011/05/29 13:40
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: MsIbxfYV)
- 参照: 私にファンタジーは無理だ(キリッ
【姫騎士よ、世界を廻せ −稲妻騎士物語−】
「我々、ベルーラの国民が求めているのは戦乱の世では無い。待ち続けているのだ——、"革命者"の誕生を」
まだ人々が、"争い"という方法でしか身を護れなかった時代。
男達が剣を握り、強さを求め、血を流し続ける戦場を優雅に舞うは——戦乱に咲く華、"姫騎士"
己の魔法の強さで世界を作り上げた"姫騎士"達は、閉じ込められた空間で何を思うのか——?
【せっつめーい】
つまり、中世ヨーロッパの舞台に魔法をプラスしたもの。
王に認められた者だけに与えられる資格、『騎士』はもはや男性だけのものではなくなっていた。強い者のみに与えられる、だが強い者が"男"とは限らない。それが世間の一般常識。
魔法は個人に適性があり、得意不得意がある。だが修行すれば、使えないわけでもない。魔法は自らで得るものである為、人の手で"魔術"を作り出すことは不可能——とされていた。
+
→ベルーラ王国—別名『姫騎士の聖地』
【メイン舞台になる国。国土は世界二位を誇る。農業技術が発達していて、自給率は100%越え。自然も豊かだが、治安はそこまでよろしくない。最新鋭の"魔法技術"の持つ。
姫騎士制度を作り上げた国。だが、姫騎士の数は世界最少と言われている。その理由は『姫騎士試験』のレベルの高さ。この国の姫騎士達はレベルが違う。だがそのせいで、戦争に借り出されてしまう】
→スピリアル王国—別名『最後の楽園』
【ベルーラの隣国。治安が恐ろしほど良く、国の警察に当る"警察機動隊"のメンバーがわずか三名しかいない。土地に恵まれておらず、食料はベルーラを初めとした他国頼り。
姫騎士制度を取り入れて日が浅い為、世界に名を轟かせる英雄は存在しない。が、修行にはもってこいの土地】
→ナミリス王国—別名『母なる海の揺りかご』
【同じくベルーラの隣国。海に面し、大きな湖もある為、水産物の宝庫。塩は世界中に出荷しており、大切な資源。だが、水害が多いことで有名。
姫騎士制度を早くに取り入れた王国。詳しくは不明】
+
オリキャラは出すなら二名。自分からはそれ以上、出しません。
が、【藤浪 葵/Aoi Fuzinami】&【春崎 桃花/Momoka Harusaki】は姫騎士ではありません。彼女達には他の役を用意してあります。
姫騎士はマネージャー分だけ決定。でも足りないからオリキャラ募集したい。したいけどきっと来ないだろーなって思って今まで書けなかったですマジ俺チキン!
では、決定した姫騎士の発表を。
+
【四季を司る姫騎士団】
—春を司る姫騎士 総勢二十名程度
*隊長『音無 春奈』…現在、最年少の隊長兼姫騎士
—夏を司る姫騎士 総勢二十名程度
*隊長『雷門 夏未』…政治家を父に持つ、しっかり者の姫騎士
—秋を司る姫騎士 総勢二十名程度
*隊長『木野 秋』…優しさを知る、皆の母親的存在の姫騎士
—冬を司る姫騎士 総勢二十名程度
*隊長『久遠 冬花』…記憶を失くした、不思議な姫騎士
+
男性陣も出ます。キャラソン組や帝国、宇宙や海外、未来……etc
でも面倒なので、男性陣はまた後日。オリキャラの設定をちまちまと。
ちなみに【魔法】とは総称。詳しくわけたうちの一つが【魔術】
+
—魔法は古より伝えられしものの他に、作り出すことができない。
そして、自らが手に入れた魔法を人に与える事はできない。—
しかし、そんな掟を破ってしまった少女等がいた。
一人は自らの手で魔方陣を描き、新たな世界を切り開いた。
もう一人は、人に魔術を与える事に成功し、多くの勇者生み出した。
だが残念なことに、彼女達は自ら魔法を使うことができない。
それが、この【能力】の代償なのだから。
———自らを『学者』と名乗る白衣の少女は、自嘲的に薄く笑った。
+
次は姫騎士の資格について。疲れてきたよー。
+
【一級】—一番上のランク。だがしかし、勉学、武力共に優れていることが必須条件の為、合格まで最低でも三年は要する。
【準二級】—上から二番目のランク。一応『準』だが難しい。
【二級】—上から三番目のランク。貴族の護衛などの仕事が回ってくる。頑張ればいけるランク。
【準三級】—何故、設置されたのかわからないランク。案外、簡単。
【三級】—魔法に関する一般的な基礎知識があれば、誰でもなれるランク。『騎士団』に属する為の最低条件。
+
以上がこの物語の必要事項っと。気が向いたら書き始めます。つーかキャラが思いつかねーよ。
- 題名未定 ( No.202 )
- 日時: 2011/05/27 23:19
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: arQenQl7)
- 参照: 参照1600突破は信じても良いのですね?←
「あーおーいー! サッカーやろうぜっ!」
「呼ばれてるぞ、天才蹴球少女」
「その呼び方やめろよ、エースストライカー」
はぁ、と。
大きな溜め息が無意識に唇から零れ落ちる。僕は本当に可愛そうな存在だ。こんなサッカーバカに目を付けられて、暑苦しいのは苦手なのに!
「でもさー、"天才"って付くくらいなんだから相当サッカー上手いんだろ?」
「あれさ、特に意味無いんだよー? キャプテンなのに貫禄が足りませんわってカレンに怒られて、それで即興で付けただけなんだよーだから別に天才じゃないんだーだからサッカーできなーい」
「……円堂に捕まった以上、黙って帰るなんて無茶だ」
「無駄な忠告、どうもありがとうゲームメイカーくん」
+
ブレイク組が可愛いとか今更何をほざいてるんだ自分!
- Re: 短編ありがとうございました! ( No.203 )
- 日時: 2011/05/27 23:59
- 名前: 海穹 ◆EZarcElGGo (ID: UruhQZnK)
やばいですよ。神すぎですよ。
書いてくださってありがとうございました!!!
ホントやばいです!弥生のキャラ掴み過ぎですよ!!
神文すぎる……!!!
ホントにありがとうございました!!
- コメ返し ( No.204 )
- 日時: 2011/05/29 13:45
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: MsIbxfYV)
>>海穹様
……せっかくのリクをこんな駄文で汚してしまい、本当に申し訳ないです;
神、ですと? あぁ、『自己満足駄文を平気で載せることができる破廉恥な神』ですねわかります。
弥生ちゃんのキャラ掴めてました? 親御さんにそう言って貰えると安心します^^ 結構、不安でしたw
いえいえ、こちらこそリクありがとうございました!
また来てくださいね〜^^*
- あと5cm近づいたら、 【塔風】 ( No.205 )
- 日時: 2011/05/29 14:46
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: MsIbxfYV)
「どっかーん!」
「うわっ」
背中にどーんと何かがぶつかる。その正体を俺は知っている訳だが、ここはあえて黙っておこう。どうせ次の瞬間には、眩しいくらいの笑顔で俺の名前を叫び始めるのだから。
「風丸、驚いた?」
驚くに決まってるだろ!
そう突っこむと、悪い悪いと平謝りされ。それでも彼女はきちんと謝ってくれているのだから、許すほか無い……と思う。ああ、でも。またそれとは別に、問題発生。かもしれないとか言ってみる。
「……塔子、」
「なんだ?」
「……やっぱり、何でもない」
ぱっと背を向け、走り出す。待てよー! という威勢のいい声に後ろ髪を引かれる気がするが、聴こえなかったことにして走り続けた。これでも一応、雷門の疾風DFだ。追いつかれるはずがない。追いつかれては、いけない。それでもまだ、止まったらあの笑顔がすぐ近くにある気がして。
本当の風になりたい。
そして、遠い遠い異国の地に飛んでいってしまいたい。
柄にも無く、そう考えた。
———あと5cm近づいたら、
( どうなるか分かってますよね貴女。 )
- その目は何も映さない、 ( No.206 )
- 日時: 2011/05/29 17:07
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: MsIbxfYV)
- 参照: 「俺がアンタを迎えに行く理由なんて、これだけで充分だ」
ダイヤモンドダストが雷門に負けた。
それはエイリア学園——も含まれるのだろうが、一番は父さんだろう——を驚愕させた事実で。けれど実際、あまり驚いていない自分がいた。そのことに俺は一番、驚いた。意識して考えたことこそ無かったが、ぼんやりと想像していたのだろう。雷門は進化し続けると。だから、俺達はいつの日か負ける、と。
そんなの、当たり前だ。俺たちのサッカーは、時間は、あの日を境に止まったままなのだから。いくらエイリア石の力を借りて強くなったからって、そこからまた強くなる事はできない。時は廻ることを忘れた。だから俺達はずっと、きっとこれからも歩むことなど許されないのだろう。
だけど——、
負けることは、己の終末と等符号で結ばれるのがマスターランクチーム、及びエイリア学園の定めだ。誰も覆す事ができない。たとえソイツが、父さんの大のお気に入りであるグランだとしても。
そのことを踏まえて確認する。
アイツ等は、負けた。——ガゼル率いるダイヤモンドダストは。
それが何を意味するか、嫌でも理解してしまう自分がいる。
ダイヤモンドダストとプロミネンス——"氷"と"炎"は対立するもの。ジェネシスを巡ってもう長いこと争ってきた俺たちが、仲が良いはずがない。むしろ敵が減ったと喜ぶべきことなのだ。たとえ俺達が昔、同じボールを楽しく蹴りあっていた仲間だったとしても。俺達は敵同士。互いに慰めあう存在では、そんな義理は、これっぽっちもない。
だけど何故、俺は、
「……ばー、ん?」
アンタをなぜ放っておけない?
ガゼルと視線が交わったその瞬間から速攻で考えたが、一秒にも満たない限られた時間の中で、この場に相応しい模範解答を導き出せるほど俺は利口では無かった。
"絶望"の文字に覆い尽くされた虚ろな瞳は、揺らいではいるものの俺を見ていることは確かで。プツン、と。張り詰めていた糸が切れたみたいにほっとする。なぜ安堵感なんかを抱いてるんだとかは、またあとで考えることにしよう。
「なん、で、おまえが」
「わりぃかよ、」
半ば強引に言葉を遮る。もともと女みたいに白いガゼルの肌は、この暗い室内にぼんやりと不気味に浮かび上がった。近づきたい、けど。その一歩を踏み出す勇気が俺には足りない。そんな不甲斐なさから泣きたくなる。
だけど——今、一番、泣きたいのは俺なんかじゃなくてアンタだから。
ガゼルは弱い。本当の本当に、儚くて脆くて壊れやすい。ダイヤモンドダストのキャプテンでいられるのも、その足元にサッカーボールが転がっているからだ。ガゼルからサッカーを取り上げてしまったら。こいつはどうやって身を護るのだろうか? いや、それ以前に護れるのか? ナイフを与えても鉄砲を与えても、ガゼルが独りで立つことなど到底無理だ。
それほどまでに、弱いから。
支えてやりたいと思うほど、弱いから。
勢いでここまで来てしまったのが原因だが、労いの言葉なんぞ俺がその場で思いつくはずがない。だから今までの経験上、このまま沈黙が続くのだろうと思っていた。だから、静寂を破ったのがガゼルだと、この部屋に響く澄んだ声がガゼルのものだとしばらく経ってから気付いた時、正直、面食らった。
「……きみ、には。きみたちにはまだ、希望があるじゃないか?」
震えている、初めて聴いた弱音に近い言葉。じっと耳を傾けることしかできない自分に淡い嫌悪感を抱く。
「昔は、あんなに近かったのに、」
「今だってそうだろ?」
「そんなのは綺麗事だっ!」
珍しく、荒げられた叫び声。けれど熱した鉄にかけられた水が、そういつまでも潤いを保てるはずがなく。あっけないほど簡単に、水蒸気のように消え去ってしまった。掠れたようにも聞き取れるその言葉に、断末魔のような悲痛な響きに思わず黙り込む。本当はそんなこと言ってられるほどの余裕なんて持ち合わせていないくせに。噛み付き方だけは一丁前で。そのほかはまったく、だめなくせに。
なのに何故、俺はその場を去らないのだろうか。
「……、私にとってもう、きみが眩しいということに気が付いてくれ」
おねがいだよ、はるや。
絶望と嫌悪と断念と哀愁と自嘲と。すべてがごちゃまぜになった翡翠色の瞳を見て思う。こんなに黒ずんでしまった瞳なのに、光も未来も誇りも無いというのに、どうしてこんなに美しいのだろうか。ガゼルが尋常じゃないのか、俺が狂ってしまったのか、答えはもう導くことができない。
彼の瞳は現実を映しすぎたせいで、何も見えなくなってしまった。自業自得か、歪な運命のせいなのか。未熟な俺に、わかるはずがない。
———その目は何も映さない、
希望を映してしまったのなら、アンタは再起不能なくらい、ぐちゃぐちゃに壊れてしまうのだろう?
- おっひさしぶり! ( No.207 )
- 日時: 2011/05/29 17:19
- 名前: ひふみ。 ◆p51RVEp752 (ID: e6MQXn6.)
お久しぶりです、何回改名してるんだ俺。
ひふみで統一した元空屡だよ☆キラッ((
姫騎士……?オリキャラ………?
オリキャラのストックなら何人でもあるよふはは何時でもばっちこい——え、あれ?ちょっ
背中向けないでアッー!
……改めまして。
お題も使ってくれてありがとう^^ しかも塔風、だと……?俺得じゃねーかァ!←
えっと、一日から中間^p^なのであまりコメ出来ないんだけど、
これからも頑張ってね!応援してる1
では。
- あげっ ( No.208 )
- 日時: 2011/05/29 18:01
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: MsIbxfYV)
なぜあがらない。
- コメ返し〜♪ ( No.209 )
- 日時: 2011/05/30 18:47
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: LMLu5hTj)
>>ひふみ。様
おーひさしぶりでぇっす☆(キメェ
あばばばばすっごい久しぶりに人からコメ貰ったからテンションMAXな変態を逮捕して下s
姫騎士さんは童話読んでたら……ちっ違うんだ別に精神年齢が子供だから読んでたんじゃなくてただ単に興味がふつふつ復活しちゃったからだから誤解しないで下さい(意味不明です
だがしかし、詳しくまとめただけで疲れちゃったという何だこれ←
オリキャラさん、ですと?……そんなこと言われちゃうと桃李さんは頑張っちゃうよ!色々と!(ヤメレ
お題が神々しすぎてなかなか思いつかなかったんですゴメンなさい。だがしかし私が低脳なのは皆知ってるから問題ナッシング!( 妄想が止まらなくなってしまったんですゴメンなさい塔風汚しちゃってゴメンなさいだけど後悔はしてないぜw
ちゅーかんですか……^^; 私は先日終わりました。灰になりました(
こうやってコメ貰えるだけで嬉しいよ〜ありがとう、大好きだ^p^(黙れ
とっりあえず神様を味方につければ自己満足でも問題無しだz
ありがとうございました^^* 中間ファイトです!
ではではっ!
p.s タイトル欄がどうたらかんたら〜って出たよね、多分。お手数掛けて申し訳ないです;原因?そんなの知りまs
スレ立て直したい……くそっだけど無駄スレ決定じゃないか!(当たり前だ!
- 不意打ち笑顔にずっきゅんきゅん 【風春】 ( No.210 )
- 日時: 2011/06/03 15:52
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: COldU63y)
- 参照: 藤浪葵を改名させようかと思う(ぇ
#
「風丸さん、大丈夫ですか?」
それはきっと、俺が練習に遅れていることを心配して言ってくれているのだろう。短く返事を返す。
音無は何かを言いかけたが、平気だからと強引に彼女の言葉を遮ると、新しく買っておいたオレンジのゴムで髪を括った。ぎちぎち、と不気味な音がしている、気がする。切れてしまったらもったいないなと思いつつも、縛らないと女に間違えられかねないし——イナズマジャパンのメンバーに限って、それは有り得ないことだが——からかわれるのも好きではない。とくに伸ばす理由は無いものの、切ろうとも明確に思わないから今現在、この髪型で落ち着いている。
しばらくゴムと格闘タイム。真新しいゴムは俺の力に反し、伸びぬように抵抗してくる。急いでいるからだろうか、今日はやけに物事がうまく進まない。ふと音無のほうに視線をやると、興味深そうにじぃっと俺を見つめていて。ひたすら見られるものだから、思わず声を掛けてしまった。
「……そんなに面白いか?」
「え? あ、はい!」
すくっと、無意識なのか背筋を伸ばし語りだした音無。そこでちらりと、自分が遅刻している立場を思い出したが、たまには良いだろうと勝手に判断しそのまま話を聞くことにした。
「私、今まで一度も髪を伸ばしたことが無いんですよ。だから、ツインテとかおさげとか、経験が無くて」
意外。この一言に尽きる。
女子っていうのは、何かと髪を弄るのが好きでよく俺も小さい頃、近所の小学生に遊ばれていた記憶があるが——そこまで思い起こし、過去を振り返る。自然と苦々しい笑みが漏れている事が自分でもわかった。
「だから風丸さんみたいなポニーテールに、ちょっと、憧れてて」
控えめな照れ笑いに思わず釣られる。俺は、そのふわふわの藍色のボブも音無に似合っていると思う。そうは思うけど実際に本人に伝えられるほど俺はカッコよくはないので薄ら笑いで済ませてしまった。妙な罪悪感に襲われる理由なんか知らない。
「私、風丸さんのポニーテル、好きですから!」
明るい笑顔が花咲いた。あまりにも突然すぎるこの展開に、ついていけない鼓動。ただ駆け足になっているのは事実で。掛ける言葉を失う。
さあ、練習行きますよー! その言葉を理解した頃にはもう、彼女は俺の前から立ち去っていて。待って、一緒に行かないか? そんな言葉を掛けられる日は来るのだろうかと、つい消極的になってしまう自分に尋ねる。
もちろん、それらしい答えは返ってこなかったが。
( ああ……でも、 )
髪を切る口実を無くしてしまった。結わえられた髪をひとふさ握る。細くて今にも切れてしまいそうな青い髪は、簡単に指をすり抜けて。
ふと顔を上げれば、音無がこちらに振向き手を振っている。急かされてしまった俺は、軽く走り出した。眩しい笑顔を思い出すたびに抱く羞恥心をかき消す為にも。
————不意打ち笑顔にずっきゅんきゅん
( いや、それ卑怯だから! )
- The flame went out 【木戸川/捏造】 ( No.211 )
- 日時: 2011/06/03 17:14
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: COldU63y)
- 参照: 暑いorz
#
「炎ってさ、」
ぽつり。
雨の最初の一滴のように突然、そして静かに零れた言葉。その響きは、ゆっくりと心に沁みていく。乾き荒れた大地を潤わせるための慈雨の、一番最初のしずく。まるで独り言のような——到底、人に話しかけているのだと気付けないほど淡々と、紡がれていく言葉。揺れる波紋のように、その言葉は少年の中へと溶け込んでいった。
「いつも、前にいるんだよ。背中しか見えないの。だからね、笑ってるのか、怒ってるのか、泣いているのかわからないんだ。もしかしたら、何も考えられないくらい落ち込んでるかもしれないのに」
ぼんやりとした瞳のまま、少女はぽつぽつと言葉の雨を降らせる。休むことなく振り続けるそれは、ただ黙って受け入れる少年を感傷に浸した。吹き抜けるそよ風が心地よい。空もまた、青くそして澄んでいた。自分と対するまでに綺麗な空を見ると、酷く惨めな気分になる。それはきっと、少女の口から零れた言葉も原因に含まれているのだろう——、そう少年は心中で呟いた。
「……だから、手を伸ばして慰めてあげたくなるんだ」
「同情、か?」
「違うよ。だから黙って聴いてて」
若干、睨みつけるようにして言葉を遮ってから少女は溜め息を吐き出した。おまけに欠伸も一つ。目尻に薄く、涙が滲む。ジャージの袖口でごしごしと目を擦ると、少女はまた口を開いた。乱暴に扱ったせいで目元が赤みを帯びている。がさつ、そんな言葉がよく似合う。
「でも、どんなに近づいても——その核心に触れることは、できない」
じぃっと少年を覗き込む少女の瞳は『何故だと思う?』と尋ねているようにも見えた。少し困ったように顔を歪ませてから、少年は唇を噛み締める。ぎゅっと日に焼けた拳が握られた。そんな少年の様子を見て、少女の表情も心なしか曇る。居心地の悪い、切り取られた空間。そこに二人きり、ただ黙っているだけ。時の流れさえも感じぬ冷えた世界に痺れを切らしたのか、少年はただまっすぐ、
「……人を、寄せ付けようとしないからだ」
少女が聴きたくなかった言葉を、彼は吐き捨てた。はっきりと言い切られた肯定の言葉。まるで自分の事を語っているような、そんな自然さだった。無論、酷く沈み込んだその瞳を除けば、の話だが。少女の肩が、がくんと落ちる。
そんな少女の様子を見て俯きかけた少年に彼女は、ざっんねーんとつまらなそうな無表情で告げる。少年の眉間がぴくりと、小さな動きを見せた。黒い瞳が、少女を捕らえる。
「せーかいは、"熱くて触れないから"でした」
「……」
「前者が正解だとしたら、今、きみは学校の屋上で一人きりでしょ?」
そう、だな。
自嘲気味に薄く笑みを浮かべ、黒い瞳を伏せた少年。ようやっと、小刻みに震えていた拳が、ふわりと宙を泳いだ。何かつかまるものを探しているかのように、小麦色に焼けた健康的な肌がふらふらと空を彷徨う。その手の中に、彼が求めるものは無い。
「人は、いつまでも英雄ではいられないんだ」
「そんなこと、誰も求めてないよ。きみだって一般人なんだから」
「俺にはもう、何も残っていない」
「……じゃあとっくに、全てを捨てきってるはずだ!」
スパイクもボールも賞状もアルバムも思い出、も。本当に全て失くしたのなら、自分から全てを拒絶するはずだ。世界から自分の存在意義を訊かれ、壊されるその前に、自分を空気と同化させるよう励むはずだ。人間にはその程度のことしかできないと、僕は知っているのだから。
機関銃のように飛び出してくる言葉の列に、少年は面を食らったかのように後ろへ退く。でもまだ、瞳は深いところに沈んだままだった。開放してあげたい、そんな想いも届いているかは定かではなくて。しゅんと塞ぎこんだ少年は、弱々しい笑みを浮かべた。
「……ごめん、な」
どうしてきみが謝るんだよ。
どうしてきみがモノクロのボールを諦めなきゃなんだよ。
どうしてこうも、きみばかり何かを失うんだよ。
駄々っ子のように反抗する言葉しか少女の頭には浮かばない。でも、この言葉まで勢いに載せて突き刺してしまったら。そう思うと少女には、飲み込むという苦々しい選択肢しか残らないのだった。弱い自分に募る、嫌悪感。
「ご、めん」
無意識に零れ落ちた言葉に動揺を隠しきれていなかったのは、少年ではなく少女のほうだった。
( 願わくば、 )
自分は恵まれすぎている。家族にも、人生にも、夢をかなえるための環境も。だから、だから、
( 僕のありったけの幸せを )
彼と、その最愛の人へ、届けて欲しい。
+
豪炎寺と葵さん。ただいまキャラソン組×葵という俺得企画進行中。なぜキャラソン組?とか聴かないで。思いつきだから説明できないの><←
個人的に豪炎寺は、木戸川時代が好きです。え?萌えポイントがおかしいって?だって一番落ち込んでるんだよ、それが良いに決まってるじゃないか( しかも赤と黒のユニホームかっこいいし。←
とりあえず、萌えポイントまとめ(ぇ
・豪炎寺…木戸川時代
・鬼道さん…帝国の、ちょっと総帥に疑問を持ち始めたくらい(つまり捏造
・吹雪…もっちろんマフラー時代!←
・風丸…もっちろん黒歴史!←←← でも一期も似合う。
・円堂…教祖様に時期なんか関係ねぇ!(こら
こんな感じになりましたー……色々と危ないですね、はい。
ちなみに近況報告。ただいま吹雪夢長編連載のほうの続編について考案中。世界編は後回しにして(ぇ オリジナルのほうも一応、考えています、一応。タイトルが思いつかないよ影山ェ……(え?
近々どっちかでネタばれしたいですw
- 【夜桜よ、咲き誇れ】 ( No.212 )
- 日時: 2011/06/03 17:16
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: COldU63y)
- 参照: 完結するかなぁ?w
イメージのロゴ(お遊び)>>3
【00】登場人物>>1 >>2
【01】プロローグ>>4
【02】キャプテンが遅刻しました>>8 >>12 >>18
【03】僕にも仕事はあるんです>>20 >>24 >>25
【04】反撃開始、夜桜イレブン!!>>29 >>37 >>39 >>45
【05】お弁当は、まさかの持参でした>>46
【06】波乱の予感・合同練習!!>>59 >>63 >>65 >>73 >>81
【07】み、みにげーむ?>>82 >>85
【08】ありふれた日常のひとコマ>>86 >>97 >>99 >>115
【09】巡り合わせと呼ぶのです>>132 >>138 >>145 >>152 >>
- 新新長編ネタめも。 ( No.213 )
- 日時: 2011/06/03 18:49
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: COldU63y)
- 参照: こっちのほうが書きやすいっていうね←
◆タイトル/
【晴天ハッピーライフ!】・【雨雫レイニーデー】
◆ジャンル&キャラ/
【ギャグ&友情一直線の僕っ娘夢小説・サッカーしてないと思う】
【雷門中学中心/雷門+帝国+エイリアメンバーからちょいちょい】
【長編だが短編っぽく進めていく予定→目指すは一話完結形→きっと挫折するからスルーして】
◆イメージソング/
いきものがかり様より【青春ライン】
◆MEMO&備考/
【キャラ達の過去設定に捏造という魔法をかけます】
【番外編として"雨雫レイニーデー"を使用する可能性有】
【CP番外を↑に書くかも……しれない】
【夢とブレイク組の絡みが多めですよ】
◆予告っぽいやつ。
「あーおーいー!」「んー?」「俺、サッカーやめる!」「……は」
>>円堂がサッカーやめる宣言しちゃったり。
「お兄ちゃん! あのね、夕香ね、」「どうしたんだ?」「……好きな人ができた!」
>>夕香ちゃん初めての恋を通して、成長するエースストライカーとか。
「つまり、春奈ちゃんが構ってくれなくて寂しいと。ほんとシスコンだね、きみ」「寂しくは……」
>>立向居と木暮について本気で考える鬼道さん。
「葵か、久しぶりだな」「鬼道にパシられたの! ……来たくて来たわけじゃないし」「先生! ここにツンデレがいます!」「うるさいですそこ!」
>>帝国におつかいに行ってみたりね。
「懐かしいな……変わってないね、きみも皆も」「きみは……! ——、誰?」
>>あの人が遊びに来たり。
「ずんずんずずんずんずんずずんずんずんずずんずん、じゃん!」「いぇい!」「やふー!」
>>文化祭で遊びまくったりするかもしれない、のんびり生活。
「久しぶりじゃねーか、雷門イレブン!」「円堂くん、会いに来たよ!」「……暑苦しい」「お前等バラバラだな」
>>脅威の訪問者!?
「———楽しいよ、雷門(ここ)は。僕にはもったいないくらい」
「お前は、サッカー部に必要なんだ!」
「……円堂、」
「ツッコミがこれ以上減ったら、風丸が病気になるだろ!?」
「……だったらボケを自重しろ、サッカーバカ!」
- 粉雪に融ける、 【吹雪/キャラバン搭乗?】 ( No.214 )
- 日時: 2011/06/05 22:10
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: t8UeV32b)
- 参照: つっかれたー。
#
ふわり、と。
無意識に声を上げるより先に、くすんだ灰色の雲から舞い散る綿雪が手のひらに載る。でも、それは結局、一瞬にも満たないほどの短さで。冷たいと感じる前に、呆気なく消えてしまった。小さな水滴が肌の上で転がり、目に見えなくなっていく。脆い、この一言に尽きる。だが同時に、似たような意味を持ちながらも、響きの聴こえ方が全く違う単語が、脳裏を過ぎった。脳内で転がすよりも早く、唇がその言葉を弾き出す。
「儚い、」
「え?」
あまりにも唐突な葵の言葉に吹雪は、薄く笑いながら短い疑問詞を返す。葵の表情は、緩く揺れる黒髪の陰に隠れたせいで伺えないが、彼女のその蒼い瞳がぼんやりとしていることを想像するのはそう難しくなかった。ただ、続く言葉を当てられる自信は、吹雪には無い。何せ彼女は、本当に不思議な生き物で——いつもは明るい、ごく普通のマネージャーに過ぎないのだが、こう感傷的に佇む葵の思考を理解してやれる人物は、そう多くは無かった。
そんな彼女をわかってやれと言うほうに無理がある。これが吹雪の言い分である。
「雪は、脆いし儚い。綺麗だなって思う頃には、この世に存在してないんだから」
もったいない、と彼女は言う。その言葉を聞いた吹雪は、そうだねと暖かく笑って見せた。自分も幼い頃、そんなことを考えたなぁ。おぼろげな吹雪の瞳は、そう語っていて。目で会話をするなんて、そんな器用なことはできないと葵は思う。自分の周りを数えても、そんな恐ろしい輩は豪炎寺や鬼道くらいしか……と思いかけてやめる。二人も居るじゃん、なんて。マフラーに口元を埋めてくすくすと笑うと、隣の肩も揺れた。
「葵さんは、面白いね」
「そう、かな? 面白いなんて初めて言われた。……変とは、よく言われたけど」
先ほどとは打って変わって、拗ねているような表情を見せる葵。吹雪はそんな葵を見て、また笑う。本当に楽しくて笑っているのかな、そんな疑問が葵の心を占めたが、自分はそこまで空気を読めない輩ではない。ただ黙って笑って見せた。面白くも何とも無いのに。
「そうやって笑うけどさ、吹雪も相当、面白いと思うよ」
どんなところが? と吹雪が尋ねれば、そうだね、例えば、と彼女は考え込む。言葉を具体的に表す事が苦手なのかもしれない。心中で呟くと吹雪は、葵の言葉を待った。風が前から吹きつけ、思わず瞳を伏せる。つんつんと痛むような寒さには、十四年経った今でも慣れることができない。そういえば葵さん、寒がりって言ってた気がするな。マフラーを差し出そうか、と紳士的なことも考えたがこのマフラーだけは手放す事ができないので、ごめんと小さく呟いた。他のマフラーなら、貸してあげられるんだけど。
あ、と彼女は呟き、立ち止まる。突然の事ゆえ、慌てて立ち止まった吹雪だったが少し遅かった。振向くような形で葵と視線をぶつける。どこまでも深い蒼い瞳を、ただ純粋に美しいと思った。
「たとえば、さ」
その仮面の下にいる、吹雪じゃない"誰かさん"とか。
時間が、廻ることを忘れた。
+
やんわりエンド。二期の白恋辺りが舞台です。
吹雪って言うともう一人の夢主or珠香ちゃんしか思い浮かばない私にしては頑張りました。だがしかし、恋愛要素が無い。自分の事を初めて見抜かれてショック受けた吹雪くん、ただそれだけ。
ちなみにこのシリーズは、改行無しで頑張ってみます。他のは普通に、今までどおりですけどw
- white love ( No.215 )
- 日時: 2011/06/05 22:29
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: t8UeV32b)
- 参照: スレ立て直したい……
「あたし、桃花ちゃんの一番になろうなんて、思ってないよ」
え? なんて響きが唇から漏れ出す頃には、隣で笑っていたはずの彼女は既に笑みを消してしまっていて。何を言い出すのだろうとはらはらしている自分がいる。怖い、のかな? 珠香ちゃんから嫌われることが。
「……なろうと思わないし、なれないから」
「珠香ちゃん、どうしたの?」
「それはきっと、紺子も喜多海も氷上も空野も一緒だから」
淡々と紡がれる言葉に、戸惑いを隠せない私。彼女は何を見て、そんなことを言い出したのだろうか、そんな考えばかりがぐるぐると私の中に渦巻いて。薄く微笑む珠香ちゃんを信じることが、恐ろしくなる。ああ、いったいどうして?
「だって、ね」
吹雪くんの一番になれるのは、桃花ちゃん。貴女しかいないから。
「……そう、なの?」
本当に? と疑う前に、つくづく痛感した。同時に、安心した。彼は自分の居場所などないと、人知れず悩み、時には涙を流していたけど。貴方が一番、皆に愛されてるよ。白恋中っていう居場所を、見つけたね。
私がそう彼に告げることができるのは、何年先の話なのだろうか。
*—white-love-
きみが求める"その"の中に、私は含まれているのでしょうか?
+
途中で何を書こうかわからなくなりました(キリッ
今度、お題『Platonic love』で吹雪×桃花やりたいです。たまにアツヤ→桃花的なw
- 零落輪廻 【鬼道/帝国】 ( No.216 )
- 日時: 2011/06/06 18:27
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: EUu3Ud2H)
#
「俺には、」
わからないんだ。普段の冷静な鬼道からは、想像がつかないほど弱々しい声色。帝国学園サッカー部キャプテンである彼が、天才ゲームメイカーと評される鬼道にもわからないことはあるのか。心中で呟いた葵は、口元だけでうっすらと笑う。人が悩ましい表情をしているのに、不謹慎すぎると自分に叱咤を飛ばすと再度、ゴーグルの向こうに浮かぶ紅い瞳を見つめる。対照的な紅と蒼は決して交じり合おうとしない。今までもそうだった。葵と鬼道はお互いに愛想笑いさえ見せたことが無くて、上辺では普通に接しているものの、信頼を寄せているかはまた別で。少なくとも、鬼道が葵に頼ったことはない。可笑しいね、そう思うと唇が自然と釣りあがる。変な優越感に溺れる前に、彼の話を聴いておこう。ただ静かに、目を伏せる。
「もう、何もかも」
酷く憔悴しきった様子で、傍にあった椅子に腰掛ける。放課後の教室とは、こんなに静かだったか。窓から差し込む暖かな夕陽は、ほっそりとした鬼道のシルエットと床に落とす。茜と薄い桃色が混ざった夕焼け空は、哀しくなるほどに美しい。
「……僕を頼るほどのことなの? それ」
「、わからない」
「あー、あれか。何がわからないのかさえ、わからないってやつだ」
静寂の二文字しか残らないこの教室に不釣合いなほど明るい、お茶らけた声。ただそれでも、鬼道は葵の瞳を見ようとしない。虚ろな深紅は、何も映していないのだろう。
無様だね、そう一言返すと鬼道は顔を歪めた。自分でも情けないと思うまでの余裕は残っているようで、少し安心する葵。そこまで重苦しい悩み相談はまっぴらだ。頭を抱える同級生に一言、吐き捨てる。無論、それは心のうちの話だが。
「……何故、だろうな」
「ま、そんなんじゃ答えなんか見つからないだろうよ」
ふいに鬼道が顔を上げれば、葵はにんまりと怪しげな笑みを浮かべていた。その時、煌く蒼い眼光が哀しく見えたのは気のせいか——溜め息を吐きかけて、鬼道は息を呑む。その微笑みは、自分が最も敬愛する人物に疑似していた。この疑問の終着点が見えた気がして、思わず手を伸ばす。あの人の影は、もう見えない。
「アドバイスにもなんないと思うけど、」
焦点が定まらず、悄然とする鬼道に葵は、優しく笑いかけた。鬼道はまだ、あの人の影を求め続ける。
「ゴーグル外してみたら、見えるんじゃない?」
曖昧な返事しか返さぬ鬼道に、葵は溜め息を零した。きっと彼に、自分の考えは伝わっていないのだろう。小さく肩が動いたのも、恐らくは幻覚だ。そう自らに言い聞かせ、自分で気付かなければ意味が無いのだから、と目で彼に訴えると、窓の外を見る。
鬼道は何も間違っていないのに。何の悪戯が、彼を狂わせるのだろうか。空はどこか、物悲しかった。
+
鬼道さんと葵ちゃん。やんわりバッドエンド風味。
『ゴーグルを外して〜』っていうのは遠まわしに、"影山から離れろ"って言っている、つもり。
シリアスが楽しいと思っちゃうお年頃。ダメだツボる。きっと他のキャラでもやらかすよ皆逃げて!全力で逃げて!
- 墜落リミテーション 【風丸/DE戦後】 ( No.217 )
- 日時: 2011/06/21 18:50
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: kTXrSdgM)
#
時間。それは、過去から未来へと限りなく廻り続けるものだと、難しい雰囲気漂う本に書いてあった。それ故、どんなに深い傷でも時が解決してくれる、とも。解決とまではいかないが、癒すことくらいならできるのだろう。根拠など無い。だがしかし、今の自分にすがれるものと言ったらそれくらいしかないのだと、改めて思う。仕方が無いのだ、人間は弱い生き物なのだから。それは、僕も彼も例外ではない。あの、宇宙一のサッカーバカも、だ。
「……部活、遅れるぞー」
「ああ、悪い。先に行ってても、」
「しょーがないなーもう。待っててあげるよ!」
僕ってホント優しい! そう笑顔で告げると、はいはいと呆れたような返事を返された。その横顔が母親を思い起こさせるほど暖かく感じるのは、きっと僕だけではないはず。
「ってゆーか、何さっきから探してんの、きみ」
何気ない言葉。ぽんっと脳内で生まれた疑問をそのまま口にするような軽さで、尋ねた。それが禁句であることに気付くのは、言ってしまった後のこと。「あ、」と無意識に呟く僕に向かって彼は、薄く微笑んだ。その瞳を見て、湧き上がる罪悪感。もう遅いのだろう。彼は、特に迷うような素振りは見せず、淡々と、
「教科書だよ。見つからなくて」
自嘲気味に言葉を選び出す。ここでごめん、と謝ったなら彼はきっと、もっと難しい顔をするのだろうけど。
また、隠されたのか。そんな思惑が浮上し、否定したがる僕に世の現実を叩き込む。同時に、仕方が無いと思ってしまう自分を呼び起こすのだ。別に恥ずかしいことじゃない、それが普通なのだよと。何が普通なのだ、当たり前がこんな現状で良いのか。答えはきっと返ってこない。
ダークエンペラーズと雷門との戦いが終わり、早いこと二週間が過ぎた。謹慎とか反省文とか、そういう処分を受けたことは知っていたけど他の処分は聞いたことがなかった。それが、雷門中サッカー部に関わる人間のみぞ知る暗黙のルールだったから。僕だって勿論、破るつもりはない。
「……そ、か」
でも、慰めるに値する言葉なぞ、僕のボキャブラリーの狭さでは見つけられるはずもなく。
「しょうがない、今日は部活に行くか」
そう無理に笑ってみせる彼の全てに、違和感を覚える。指摘するほどの強さなぞ、持ち合わせていない。何も言えなくて、動けなくて、泣きそうになるほど重苦しい沈黙が僕を押し潰す。でも、彼は——彼等はもっと酷い扱いを受けたのだ。悪いのは、彼じゃないのに。そそのかしたアイツなのに。いや、でも——本当に悪いのは、誰なのだろう?
「あのさ、葵」
不意に呼ばれた自分の名前に、ビクリと肩が大げさに跳ねた。指先が震えている事実が情けない。
「もし、俺のせいでお前に何かあるようなら——」
正論を述べているかのような、そんな雰囲気を纏った彼の重圧に耐えられない僕。もろ、い。そんなことを考えているうちに彼はもう、教室を後にしていて。取り残された僕は、何を考えているのだろう。その言葉の意味? 悔しさ? 犯人探し、責任転嫁? いいや、違う。
「……いけないのは、彼。でも、弱かったのは僕、だよね」
あの日、自分はどれほど酷く醜い言葉を彼にぶつけてしまったのだろうか。それを正義と信じて疑わず、ただ己が思うままに。全力で彼を——、傷つけた。なのに、彼は僕を巻き込みたくないからって。変に優しい部分は、相変わらずだった。
( 俺から、離れてくれ )
当然のことのように告げられた彼のささやかな願いは、弱い僕には到底、悩ましい言葉で。僕はまた、救いようの無い脳内会議に借り出されてしまった。ばぁか、そう素直に告げることができるのは、遠い未来の話なのだろうか。
きりきりと、胸が痛む。
+
本当はDEになった風丸さんを責める葵を書く予定だったんだ←
「円堂はそう言ってくれてるけど——、風丸一郎太。貴方が、この事実を忘れることは決して許されない。僕はずっと、覚えておくよ」
どうしてこんな微糖な短編書いてるんだ自分!( ……いつか書き直します。
- すまいる、ぷりーず! ( No.218 )
- 日時: 2011/06/10 23:47
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 2PzMw0lr)
- 参照: 改行無しを諦めた←
#
それは、いつもと変わらぬ放課後のこと。
「な、何があったんだよ、豪炎寺……」
「俺に聞くな、鬼道に訊け」
「他人に話題を振るな、俺だって困る」
葵が普段通り部室を訪れると、暗い雰囲気に飲み込まれていたサッカー部。秋も春奈も、理事長の娘さんでも敵わなかったらしい天敵は、意外なことに円堂守——雷門中サッカー部のキャプテンだったのである。
「どうしてこんな、テンション下がっちゃってんの……?」
「わっかんないけど、僕たちが部室に来たときにはもう、こんな状況だったよ?」
「それは、俺と松野が保証する」
よくよく話を聞くと、一番に部室を訪れたのは他でも無い円堂らしい。が、ほとんど立て続けに半田と松野が部室に入ったときには、今の有様。机に突っ伏し、何かをぶつぶつと呟いているような——俗に言う危ない人間状態だったらしい。どうしたものかね、と葵は無意識に呟く。
「でも、今日は朝から元気が無かったよな」
「確かに言われてみれば……」
唸る事しかできない部員達を横目に葵は、そっと円堂に近づくと傍に腰を下ろす。覗き込むようにして円堂を見つめると、その視線に気付いたのか円堂はゆっくりと顔を上げた。相当、へこんでいる。そうとしか言いようの無い表情だった。ぷっと吹き出しかけた葵は必死に笑いを堪え、円堂に尋ねる。
「何か嫌なことでもあったの? 宿題忘れて怒られたとか?」
「……だって、」
潤んでいた幼い瞳が、食い入るように葵に近づき彼女の姿を映し出す。いきなりの行動に驚きを隠せていない葵だが、円堂は特に気にする様子も見せず、「うぅ」と唸った。
「……やっぱり、俺はぁ!」
と叫ぶとまたもや机に突っ伏し、黙りこくってしまった。
葵は数秒黙り、右手を空にかざすと——スパン、と気持ちが良い爆発音を部室に響かせる。あんぐりと口を開く部員達、「いってぇ!」と叫ぶ円堂、満足そうに微笑む葵。がばっと起き上がった円堂に対して葵は、最高ながらもどこか冷めた笑みを見せる。恐怖、この二文字しか浮かばない。
「あんたはどうせサッカーしか能が無いんだから、それ以外はただバカみたいに笑ってて!」
言いすぎ。
誰かがポツリと本音を零す。が、みるみるうちに笑顔に戻っていく円堂の姿を見て、もう誰も、何も言えなくなってしまった。
「葵がそー言ってくれるんなら、そうしてみる……」
「そーそー! "笑う角には福来る"ってね」
サッカーボールを一つ持ち出し、「練習、始めないのー?」とフリーダムに行動する葵を見て、数名はたまらず溜め息を吐き出した。同時に尊敬の念を持つ。たまに不可解な行動を起す円堂を、三秒で立ちなおさせるとは。
「……あいつは一体、何者なんだ」
「とりあえず、解決したから良いんじゃないか?」
「いや、問題はこれだけじゃ……」
困ったように眉を潜める鬼道に、豪炎寺はクエスチョンマークを浮かべる。が、すぐに結論に思い至ったようだ。しかし、とき既に遅し。
「円堂復活料金、今度、奢ってもらうから覚悟しとけよー」
「……頼んだぞ鬼道」
「医者の息子だろ豪炎寺」
「そうかそうか、二人とも奢ってくれるのか有難い」
「どう考えたらその結論にたどり着くのか不思議でならない」
「同感だ」
雷門中学サッカー部。
平和に見えてちょっと危ない、けれども素敵な放課後タイム。
———すまいる、ぷりーず!
#笑顔の安売りなんてそんなこと。
( すまん鬼道、持ち合わせが五百円しか…… )
( ここで裏切るのか、豪炎寺 )
( わーい! 五百円なら駄菓子たっくさん買えるじゃん! )
(( …… ))
- +【キャラソン組×夢】企画まとめ ( No.219 )
- 日時: 2011/06/11 00:10
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 2PzMw0lr)
- 参照: 円堂編大好きですv
:The flame went out 【豪炎寺/木戸川・捏造>>211】
◆どうして貴方ばかり傷つくのですかと、存在するはずもない神に問う
:粉雪に融ける、 【吹雪/二期・覚醒前>>214】
◆どうも初めまして、いや……二度目ましての間違いかな?
:零落輪廻 【鬼道/帝国・捏造>>216】
◆信じるものは勝手だけれど、人が一番信じなきゃなのは、自分自身だと思う
:墜落リミテーション 【風丸/DE戦後・大幅変更>>217】
◆正義か悪か、現実か夢幻か、偽の強さか真の弱さか——必要なのは、どちらだろうね
:すまいる、ぷりーず! 【円堂/雷門・ギャグ要素強め>>218】
◆とりあえず、馬鹿みたいに笑っててくれれば、僕は元気でるから
——I-do-not-know-the-regret.◆だって、きみといたいと願ったのは、僕なんだから。
+
やらかしましたねw楽しかったからいいですけど^p^
夢主は>>108の【藤浪 葵/Aoi Fuzinami】からどうぞ。今ではだいぶ設定変わっておりますw
五本の短編全て、基本はシリアスとなっております。若干一つ、KYな作品もどきもありますが。
でもこういうのなんか楽しいです。またやるかもしれない←
- ◆お題 ( No.220 )
- 日時: 2011/06/11 14:11
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 2PzMw0lr)
- 参照: 円堂編大好きですv
◆お題
/ 貴方の優しさを利用する ( ごめんねと謝るくらいなら、 )
/ 恋文にそっとキスをした ( 届いてほしい、好きだから )
/ 手を伸ばしたのは、 ( 叶わない恋なのですか? )
自作お題三つ。下手だけどあげついでクオリティだからしょーがない。
- 稲妻騎士物語 -予告もどき- ( No.221 )
- 日時: 2011/06/11 14:44
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 2PzMw0lr)
- 参照: 円堂編大好きですv
「藤浪!」
かつかつと廊下に冷たい効果音を響かせていた少女は、自分の名を呼ぶ声にくるりと振向いた。ショートボブに切りそろえられた漆黒の髪に、空を思い起こさせる蒼の瞳。そんな瞳に一人の少年の姿が映る。
「あれ、どしたの……—炎ノ騎士—さん。今日は円堂達と一緒に、国境付近の戦の助太刀に行くんじゃ、」
「出発は午後からだ。その前に頼んでおいただろう? 剣に魔方陣を貼り付けて貰いたいと」
「あちゃー忘れてた」
風丸からの依頼は完了したんだけど、と言葉を濁す葵に、困ったような表情を見せる豪炎寺。
「……困るな、そうなると今回の出撃は行けなくなる」
「え、何で!? 豪炎寺サボらせると絶対、僕が準備を怠ったせいにされるじゃん!」
当たり前だ、魔方陣を張り忘れるお前が悪い。
そう厳しい口調で責められ、葵は黙りこくってしまう。自分が悪いことを知っている故、言い訳ができないのだ。
「あー桃花が描いてくれた魔方陣、どこに置いたっけ……」
「もういい。今日は休む」
「国務大臣に怒られるからそれだけはやめてっ!」
ぎゃーぎゃーと城内で騒ぐ二人(といってもうるさいのは葵なのだが)を、背後から見つめる影。にっと口角を吊り上げると、ダッシュし、自らより小さな白衣に飛びつく。断末魔に近い悲鳴を上げ、ぐらりと倒れかける葵。
「見つけたぞー葵! 俺の剣に掛けられた呪い、剥がし終わったか?」
「しまった。お前も僕に頼んでたんだけっけ」
@保留
- 堕落円舞曲 ( No.222 )
- 日時: 2011/06/18 09:44
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: Fn07flnU)
- 参照: パソ変えますた。
判ってはいたのだ。円堂の言葉がどんなに俺を癒す響きであっても、それは所詮“気休め”でしかないことに。どれだけ足掻いても詫びても、許してくれるヤツなんか一人も居ないということに。そこには、雷門の仲間——と呼んでも良いのだろうか、きっと烏滸がましいのだろう——も含まれる。言葉では、表情では優しかろうとも、あの日、俺がアイツ等から憎悪を孕んだ視線を投げかけられたことに間違いはない。仕方がないのだ。それは俺への制裁なのだから。俺を、俺の脚を信じてくれた仲間を一度でも裏切ってしまったのだから。新しく買った橙色のゴムがきりきりと悲鳴を上げる。もう二度と、この髪を下ろすことはできない。たとえそれが、円堂の為、強さを求める行為であっても。
「風丸! 何してんだよ、遅れるぞ?」
「悪い、悪い……ちょっと忘れ物」
「そっかー」
にっと笑う円堂に、ようやく俺も本心から笑いかけることができた。刹那、甦る過去の記憶。幼い頃、二人で駆け回った公園。一緒に食べたアイスクリーム。俺はもう一度、そんな時間を取り戻すことができるのかな?
願わくば、その時までにこの傷痕が消えてくれますように。じゃないと俺は、サッカーを恐れてしまうから。きっと——サッカーバカのお前まで恨んでしまうのだろうから。だから俺はその日まで、止まらずに駆け抜けよう。踊り続けよう。堕ちたワルツを、鏡の前で。
#堕落円舞曲
+
なんか最近、DE風丸さんが熱い。
アーっと呟きですが、夏休みになったらスレ立て直す予定です。タイトルの打ち直しとか面倒。←
- ◆お題 ( No.223 )
- 日時: 2011/06/18 11:15
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: Fn07flnU)
- 参照: http://www.geocities.jp/megalo_p/odaihp.htm
◆フリーダム主義
◇ラビットハート(寂しいと死んじゃうって言えば、ここにいてくれますか?)
◆雨音ノイズ
◇空が海に見えた
◆鍵穴も鍵もあるけど(誰もそれを開けようとはしなかった)
+
お題配布サイト『メガロポリス』様より頂きました。urlよりどうぞ!
- 会話文only ( No.224 )
- 日時: 2011/06/21 16:55
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 3AvLviHa)
「……えっと、その期待の込められた輝かしい瞳は何故、僕を見つめているの?」
「葵! サッカーや「らないよ」
「……人の言葉遮るなんて酷いぞー」
「今まで散々、僕の重大発表をぶち壊してきたお前が言うか」
「重大発表と謳うほど大事では無かっただろ」
「うるさい、ボンボンのくせに! お菓子一個でも盗まれたらそれは罪なんだよ! 鬼道には一生かかっても理解できないよ庶民の気持ちなんて!」
「わからないだろうし、理解しようとも思わない。そんなちっぽけなことに一生など……」
「円堂ならわかってくれるよね!?」
「そっちに逃げたか」
「う〜ん……俺は別になぁ……」
「円堂がそんなことに興味を示すわけ、」
「サッカー付き合ってやんよ!」
「ああ、すっげえわかる!」
「卑怯すぎるだろ、藤浪」
「あまり責めてくれるな、鬼道。藤浪も悪気があってお前の金持ち体質を悪口っぽい本音で皮肉ったわけじゃないんだ」
「僕に対するフォローが散々すぎないかな、豪炎寺。え、何? 僕がこれまできみをフォローしてやったのは何だったの? じゃあ、この写真もそろそろ新聞部に売ろ——」
「いい加減にお菓子奢ってやれ、鬼道」
「問題点が多すぎてどうしていいのかわからないのだが。というかあの時も犯人は壁山だっただろ。俺がなぜ奢らなければならない? しかも豪炎寺、おまえ何があった。いつ弱みを握られた?」
「……聞かないでくれ、俺たちのことは」
「どうしてそうなる。返答の選別ミスだろそれは」
「ごう、えんじ……? どうして僕なんかを、」
「藤浪までちゃっかりのるな、突っ込みが追い付かないだろ」
「というか円堂を放置しすぎじゃないか」
「……………………あ、」
「もういいんだ俺なんかその程度の存在感しか与えられないんだからそうさ所詮名ばかりのキャプテンだよ何だこれ新手のいじめかそうかそうかそれなら納得できるというかああもう強くなりた——」
「それは禁句だあああ!」
「悪かった、円堂。俺たちが悪かったよ。円堂がついてこれる話題を選べなかった俺のミスだ」
「……まあ、良いさ。それよりサッカーやろうぜ!」
「そのためだけに拗ねたのか、お前は。幼馴染のポニーテールがもっとも嫌っている禁句を用いてまでお前はサッカーがしたかったのか。あまりにも自分に正直で僕たち三人はびっくりだよ」
「円堂なら仕方がないだろ」
「そーなのかなー? ……それより、鬼道さん」
「……何だ、嫌な予感しかしないのだが」
「個人的に今食べたいのは、当分多めのあまーいチョコ菓子かな」
「その約束は生きていたのか」
「その前にいつ約束したのか聞きたいところだな」
#それは楽しい昼休みのこと。
- ◆企画Ⅱ ( No.225 )
- 日時: 2011/06/21 17:20
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 3AvLviHa)
◆藤浪葵で新境地を発掘しよう企画!
ようするにカプ探しです奥様。桃花はまたいつか…絶対やりますw
で、肝心のお相手なのですが、三名にしました! 決定方法? もちろん桃李さんお手製のあみだくじに決まってるじゃないですか←
◆お相手
第一部/鬼道さん 第二部/晴矢 第三部/豪さん
ランダムくじでやったらこんなことに。全員難しそうだけど第二部見てみなよ! チューリップメインとかたぶん初めてだよ!? いっつも風介絡みだし! あーどーじよー。
◆ジャンル
シリアス、ギャグ要素多め、甘党みたいな予定。ちなみにこれもくじ←
新しいスレ立ててから書くかもしれないし、それまでに書くかもだし。不定期だけど絶対書き切ります。くじ楽しすぎるだろ(
- お知らせ! ( No.226 )
- 日時: 2011/07/02 14:11
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: qJY1uOvM)
えーっと……お知らせです。
ここの短編集を閉じて、新しいスレを立てることにしました。長編もどきは、多分気が向いたら書きます。企画Ⅱは書き切りますのでご安心を←
なのでもし、『桃李』って書いてある短編集見つけたらコメント書き込んでやって下さい! 超喜びますんで!(
ではでは、どこかの短編集でお会いしましょう!
最後まで勝手ですいませんでしたーw