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マリオは退屈していた。
たった一人で待つことが退屈だった。
「……早く来ね〜かなぁ……」
そう呟きながら一人しりとりを始めてしまった。

「……しりとり、リンゴ、ゴリラ……」


その時だった。


「邪魔するぜ〜！！」
マリオにとって聞き覚えのある声だった。
「……もしや」
そういうないやボロボロの廊下を走り出し玄関へ向かった。

「いやぁ〜久しぶりだなマリオ！！」
その生き物はそう言って手に持っていたバナナを食べる。
「久しぶりではないと思うんだかドンキー……」

「あれ？そうだったか？」
マリオの反論に疑問を抱く。
「まぁいいか！久しぶりに会えたからな！！」

「さっきの言葉はどうしたんだよ……」
ドンキーの言葉に呆れるマリオだった。


「……で他の奴らは？」
上の階から大声で尋ねるドンキーに対し
「知らん。お前心当たりあるか？」
逆に尋ねる始末だった。
「さぁな！どうせどっかのお偉いさんでもくるんじゃねーか！？」
マリオは食事をするらしき広間で休憩していた。
だが上は向けなかった。
上でドンキーが探索しゴミなどが落ちて来るからだ。
「お偉いさんねぇ……」
マリオが呟いた。


「たのも〜！！」


来た。
二人はその人物を見ようと我先にと
蹴り。
殴り。
投げ飛ばし。
避けながら玄関へ到達した。

「……大丈夫ですか？」
その人物が見たものは
後ろでボコボコにされた泣いているマリオを後ろに笑顔で迎えた少し毛が禿げているドンキーの姿があった。
「……ど、どうも……」



「……で名前は？」
ドンキーが問う。

「ええっとリンクと申します。……ところで先ほどの人物は？」

「あ、あれ？　マリオだ。」
慌てふためきながらドンキーが答えた。

「あれがマリオさんですか……なんか違和感ありましたね……」

「…………」
リンクの後ろでものすごい恨めしそうにドンキーを睨むマリオの姿があった。　

「ところでリンクと言えば勇者だよな？」
後ろからボロボロのマリオが問う。
「は、はい……」
マリオの姿にビビりながらも答えた。
「……なる程。ドンキー、ちょっとこっちへ来い。」
ドンキーは一瞬ためらったが近くにリンクがいたので不安を抱えながらもマリオの所へ行った。

「なぁドンキー、俺少し思ったんだが……」

「な、なんだ？」
少し間合いを取りながらドンキーが尋ねる。
「噂をする度に誰かくるんだが……」

「……どういう意味だ？」
全く意味が分からず額にしわを寄せる。
「お前は俺がしりとりでゴリラと言った瞬間、リンクはお偉いさんと言った時に来た。」

「……つまり何が言いたいんだ？」
イライラしながらドンキーが尋ねる。
「噂をしまくればそれに関連する人物がくるんじゃないか？」

「だがリンクはお偉いさんだろ？
それとなんの関連性が……」

「……勇者。」

「………なる程な！　お前天才だな！」

「普通思いつくだろ……それと……」

「何だ？」
すっかり安心しているドンキーにマリオは近づき……


「これはさっきのお返しだぁぁ！！！」

足を掴みフルスイングしながら豪快にドンキーを壁に叩きつけた。
「げぼはぁ！」
その言葉を最後にドンキーは倒れた。
「スッキリ！」


マリオは満面の笑みを残しその場を後にした。

「……で、他に心当たりあるかリンク？」
先ほどの場所に戻って来たマリオがリンクに問う。
リンクは本読んでいた。
「いいえ……特に心当たりはありませんね……」
本を一旦閉じてマリオの問いに答えた。
そしてドンキーの方に顔を向けた。
「………先ほど断末魔らしき言葉が聞こえたのですが……」
気まずい沈黙が流れる。
「……じゃれあってたら気絶した。」

「……でも先ほど「これは返しだ〜！！」とかなんとかなんとか……」

「あ、あれか？　あれは……」
リンクの問いに追い詰められたマリオは言い訳らしき言葉を考えようとウロウロと歩き回っている。
やがて言い訳が思いついたのか

「そう！　柔道の返し技を実戦で解説してたら壁に衝突したんだよ！！」

「なる程！　ドンキーさん、とんだ災難ですね」

「ま、まぁな！　あははは……」
さっきのお返しという所を突っ込まないか心配してたが納得してくれたので胸をなで下ろすマリオだった。


太陽が下り始めようとしている時間帯。
噂をしないといけないのかやはり誰も来ない。
そしてドンキーは気絶から回復していた。

「……噂するか？」
衝突にマリオが尋ねた。
「……噂しろったってなかなか当たらないもんだぞ……」
思いつかないまま結局雑談を始めた。
「……確かリンクには馬がいなかったか？」

「えぇエポナですね。移動に困った時はよく乗せて貰いましたね。」



その時だった。



「お邪魔しま〜す！」
ドンキーがいち早く駆け出した。
その後をマリオが追っていった。

「ヨッシー！！！」
マリオとドンキーがほぼ同時に叫んだ。
「あっマリオさんとドンキーさん！」驚きを隠せない様子で叫んだ。
「リンク、紹介する。ヨッシーだ。」あとから駆けつけたリンクに紹介するマリオだった。
「どうも初めまして。」

「こちらこそ初めまして。」
改まっているリンクに紹介を続ける。「俺もヨッシーには何度か乗せて貰っているんだ。リンクで言えばエポナだな。」
「なる程！」


「……あと四人か。」
再び広間に集結した四人が噂を始めた。
だがなかなか来ない。
「……少しご飯にします。」
ヨッシーが荷物の中から常人ではない量の食料を取り出した。
「……」
リンクは絶句してたがマリオとドンキーは何事もないように会話を続けた。
「相変わらず凄い量だなヨッシー。」
だがこれが普通の量と答えるヨッシーに対して
「……大食いを超えてますね。」

「あぁ俺も最初見た時はビビった。なんせ敵も食べるんだからな。」
そう言ってる間にも先ほどの量は半分に減っていた。



と、不意に外で何かの墜落する轟音がした。
マリオ達に激しい揺れが襲った。
「地震か！？」
大慌てで椅子から立ち上がるマリオ。
だが揺れはすぐに収まった。

「何だったんだ？」
ドンキーが疑問を抱いたが長くは考えれなかった。
何故なら。

「皆さん！！　外を見てください！」
とリンクが叫んだ所の窓を見ると……
「……星？」

「外に行って見ましょう！」


四人は外にいた。
その四人の視線には墜落している星があった。

「流れ星の正体ってこれか？」

「いや違うと思うんですが……」
ドンキーが星を軽くノックした。
すると星の真ん中らしき部分が開き桃色の物体が姿を見せた。
「……なにコレ？」
四人が突っついたりつねったりするがピクリとも動かない。
そしてヨッシーが再び空腹を感じてきた。
「少しご飯にします……」
そういった瞬間桃色の物体がピクリと反応した。
「ご飯！？　どこどこ！？　どこにあるの！？」
そう言いつつ周りをキョロキョロ見渡した。
「あの……」
リンクが声をかけようとするが一向に気がつかない。
「おい！　こっちに注目しろ！」
ドンキーが軽くその物体を叩いた。
気づいた。
「どこどこ……！　ってあんた達だれ？」

「それはこっちの台詞だ。」
謎の物体の問いにマリオが問い返す。
「僕？　僕カービィ。宜しく。」

「……でカービィさんあなたも呼ばれたのですか？」