二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.122 )
- 日時: 2011/10/01 21:32
- 名前: リラ (ID: I69Bg0jY)
第四章—幻想曲との再会と苦痛の別れと決断—
「ファンタジアが…行方不明?」
「ああ…どうやら過去の存在しなかった世界で眠っていたポットから何時の間にか抜け出していたらしい…」
もう一人の親友であり仲間のファンタジアが行方不明—それを聞いた途端、リズはただその事実を呆然と聞く事しか出来なかった。
しかし次の瞬間、過去へと戻れる機械へ近づき勝手に操作し始めた。
「今すぐに過去に戻る!!それでファンタジアの奴を見つける!!」
「待てリズ!!変に操作したら俺のようにワープしてしまうッ!!!」
「でも…ッ」
『その必要は無い』
何時もなら余裕そうな表情でいるリズが、今回はかなり焦っており急いで過去に戻ろうと機械を触っているとムーンがその手を掴み止める。
確かにムーンの言うとおりだが、急いで行かないとファンタジアがと言おうとした瞬間—再びモニターのスイッチが入り過去のヴィクセンが現れる。
「ヴィクセン!!」
「必要が無いってどう言う事だ?」
『その言葉通りの意味だ』
これにはリズも落ち着きを取り戻し、アクセルが必要が無いと言う言葉に込められた意味を聞くとヴィクセンはさらりと答える。
いや…そう言う事を聞いてるんじゃなくて、何で過去に戻る必要が無いんだと言う事を聞いているんだとロクサスが口を開こうとしたが先にヴィクセンが口を開き
『…何者かの力によって、過去と未来を行き渡る力が失われてしまったのだ』
『『『『『何ィィィィィィッ!!!!!?』』』』』』
どうやら過去と未来を移動する力が何者かによって封じられてしまったようだ、流石にこの事態にそれは無いだろうと全員が絶叫する。
だが(過去の)ヴィクセンだけは落ち着いており、まだ話の続きはあると告げる。
『それと…どうやらファンタジア・ミックスブルースは未来へと戻っているようだぞ?』
「へ…?」
話の続き—それはファンタジアが未来へと戻ってきている事が分かり、リズは思わずあっけた声を出すとレイシャが代わりに聞く。
「つまり…ファンタジアさんって言う人は、未来…すなわち俺たちの時代へと帰って来ているんですよね?」
『そうだ、そこの少年は物分りが言いようだな』
「…ちなみに一つ聞くけど、そこわで分かっているんなら居場所も特定出来ているんでしょうね?」
彼女は自分たちの時代にいるから見つける事は出来る—それをレイシャは理解し聞くと、過去のヴィクセンはレイシャを褒める。
そんな二人を横目で見ながらリズが最も重要な事—張本人の居場所も特定出来ているかと聞くと彼は固まった。
いや正確には冷や汗をかきながら硬直していると言った所か、まさかとリズも冷や汗をかきながら真っ青になっていると
『すまない…そこまではちょっとな…』
「このバカマッドサイエンティスト———ッ!!!どうして一番肝心な事特定してないのよ——————ッ!!!!!」
過去のヴィクセンはそれは忘れていたと言わんばかりの顔をしながら言うので、リズの絶叫が未来の存在しなかった世界に響いた。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.123 )
- 日時: 2011/10/11 21:48
- 名前: リラ (ID: I69Bg0jY)
「はぁ…こんな事している場合じゃないのに…大丈夫かなぁ…ファンタジア(涙」
「アイツなら大丈夫だろ、何たってマジックスピアって言う武器も持っているんだし」
「そう言う問題じゃないのよ…あの子今はかなり弱っているんだから…(涙」
その後ファンタジアが見つからない以上、どうする事も出来ないのでリズたちは解散して休む事にした。
そしてⅩⅢ機関ナンバー15と描かれた部屋では、その部屋の持ち主が今の状況を何とも出来ない自分に不貞腐れており親友のムーンがフォローし続ける状態が続いていた。
リズがファンタジアを心配する理由は痛いほど分かるが、ヘタに刺激すると自分から探し出すとか言い出しそうなのでフォローする事にか出来ない。
どうした物かととムーンが思わずため息をはいた瞬間、リズは急に倒れこんでいたベットから起き上がり座った。
「どうした、リズ?」
「いや…ちょっとファンタジアの生まれた時を思い出してね…」
まさか予想通り本当に『だー!!もう待ってられるか!!探しに行くわよ!!』とか言われるんじゃないかと警戒していると、予想とは違う事を言われ少々驚いてしまう。
しかしそれよりも、ファンタジアの生まれた時とやらが気になりそちらについて聞いて見る事にした。
「アイツって確かにソラとソラに繋がる者『全員』のノーバディなんだよな?」
「うん、ファンタジアは何人もの人の心から生まれた事といいその存在自体が特別だったんだ」
「確かに…ノーバディは本体とも言える一人の人間から本来は生まれるべき存在だったしな」
ファンタジア—その名を付けられた少女は、かなり特別な存在だった。
世界から—世界の大いなる意思から望まれ生まれたノーバディであり、沢山の人間の心と身体を媒体として生まれた者であった。
「それゆえあの子は…生まれつき身体も弱かったの、沢山の人を媒体として生まれていると言う事は…様々な人の心の情報と身体の情報の全てを受け入れて生れ落ちたから」
「本来なら一人で十分な身体の構成が…沢山の人物を受け入れる事で拒絶反応でも起こして身体が弱いってところか?」
沢山の人の心と身体の情報を、全てノーバディの身体一つで受け止めきる事なんて出来る訳がない。
いい例が無理やり闇属性の身体に月属性の力を埋め込められた自分だろうと判断し、拒絶反応でも起こしているのかと聞くがリズは身体の事は合ってるけど拒絶反応は違うと首を横に振る。
「ムーンと違いファンタジアは拒絶反応を起こさなかった、それが多分ファンタジアの…『時間』を操る能力と関係していると思うけど…」
「『時間』がねぇ…」
—コンコンッ
自分とは違いファンタジアは生まれつきの能力により拒絶反応を起こしてはいないのではないかと推測すると、それは正しいのかとムーンは腕を組み考え込む。
それは部屋をノックする音により見事に、思考ごと打ち消されるが
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.124 )
- 日時: 2011/10/24 21:55
- 名前: リラ (ID: ZmI7gUQR)
イヤフゥ!!超久しぶりの更新!!(殴 byリズ
リズ「イヤフゥじゃ無いわ!!また長時間放置しやがって…!!(怒&キーブレード構え」
グラッセ「リズ…今回は見逃してやれ…(そう言うとリズの耳で囁く」
リズ「………ッ!!…仕方ないわね(キーブレード収め」
た、助かった…(汗
それでは、続きをどうぞ!!
「誰だ?こんな時間に…」
「…姉ちゃん」
先らまで普通にムーンと話していたが今の時刻は12時、本来なら寝ている時間帯なので何かあったのかと思いつつドアを開ける。
するとそこに居たのは、今にも泣きそうな顔をした弟のレイシャだった。
「どうしたレイ?今にも泣きそうな顔して…」
「大変なんだ…!!グラ兄がっ!!!」
「!!?グラッセがどうしたの?」
いきなり弟がそんな顔をして自分の部屋を訪問してくると思っていなかったリズは若干驚きつつも聞くと、とうとう泣き出しながらグラッセが大変だと伝えてきた。
大変だけでは状況が全く分からないので、少し冷静になりながら弟を宥めるようにもう一度聞く。
次の瞬間、その口から告がれる言葉で自分も冷静でいられなくなるが
「グラ兄が…!!過去でグラ兄の身体から突然闇のエネルギーが溢れ出して!!消えちゃったんだよッ!!!」
「なっ…!!?」
「何だとッ!!?」
それはグラッセまでもが行方不明になってしまったという連絡で、リズは驚きの余り呆然としていると代わりにムーンが信じられないと言わんばかりの顔で目を見開く。
そんな—ファンタジアに続いてグラッセまで居なくなるなんて…流石のムーンも冷静ではいられなくなった。
寧ろ焦りの方が今の状況で強くなった気がする、それは恐らくリズも一緒で顔が真っ青だ。
「何で二人揃って突然行方不明に…ファンタジアとナミネの暴走した力がグラッセに闇の力として入り込んでいるのが原因なのかな…」
『—そのとおりだ』
「「「!!?」」」
とにかくどうして二人揃って行方不明になったのかとリズが頭を抱えながら起きた事を整理しようとした瞬間、ここにいるハズの無い声が響く三人は固まる。
すると黒いモヤモヤとした物—もとい闇の回廊が開きサイクス、ヴィクセン、過去と未来のダブルアクセル&ロクサスたちが現れる。←
「そのとおりだって…どう言う事なんだよママン!!」
「だからママンでは無いと何回言わせる気だ…それよりもリズ、良い話と悪い話が同時に入った」
「良い話と悪い話…?何なの?」
もちろんサイクスが同意する理由が分からないレイシャが問い詰めると、何時ものツッコミを決めつつリズの方を見て知らせがあると言って来た。
しかも良い知らせと悪い知らせが同時にと言う事は、ファンタジアの行方の事かもしれないと思い聞いてみる。
「まずは良い知らせの方だ、グラッセ・ディスティニーアイランドの『本来の記憶』が見つかった」
「ッ!!ホント!!?」
そんな自分にサイクスは何処か哀しそうに顔を歪め、まずは良い知らせ—闇のエネルギーで昏睡状態に陥ったグラッセの目覚める方法である『記憶』が見つかりリズはほっとする。
ファンタジアとナミネが放った暴走エネルギーの被害にあった者は、自分の苦しい思い出や悲しい思い出を見つ続けるが心の中で眠る『本来の記憶』—自分にとって大切な記憶をリズたちの力により思い出す事で解放される。
しかしグラッセやソラの中にはそれらしき『記憶』が『無く』、癒す手段が無いと絶望を感じていた矢先のことだったからなおさらだったのだろう。
しかしサイクスは安心しているリズを見て、言いづらそうにだがと言葉を続け
「もう一つ悪い知らせがその話の続きである…グラッセ。ディスティニーアイランドの『記憶』はファンタジア・ミックスブルースの『中』に実在している」
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.125 )
- 日時: 2011/10/27 21:59
- 名前: リラ (ID: ZmI7gUQR)
「—は?ママン…今なんて…?」
「…グラッセの『記憶』はファンタジアの『中』にあると言ったんだ」
余りにも信じられない事を言ったので思わずもう一度リズが聞くと、サイクスは先らと同じ事をいう。
聞き間違いじゃない…とリズはまたしても真っ青になると、今まで黙っていたレイシャが反応する。
「有り得ないッ!!確かに他人の記憶を書き換えたり消したり植え付けたりする事は可能だけど…今回の件は理論的に不可能だ!!!」
「レイシャ…」
それは記憶を操る能力を持つ、レイシャだからの言葉だった。
彼の言うとおり、記憶は書き換えたりする事などは確かに可能だ。
しかし今回の件—闇のエネルギーによって奪われた記憶が、何故ファンタジアの中へ入り込むなど明らかにおかしい点がある。
だがその考えもサイクスは首を振り、ヴィクセンすらため息をはいた。
「確かに理論的に考えるとそうなるな、しかし…その有り得ない事態は起きているのだ…ファンタジア・ミックスブルースの身体検査をした時、確かにグラッセの気配を感じたんだ彼女の中にな」
「マジかよ…」
どうやらヴィクセン自身も最初は信じられなかったようでレイシャと同様の態度を取ったようだが、見事に検査の結果認めるしか無くなったのだろう。
そのデータを手渡しされたムーンも、間違いなくグラッセの気配と同じエネルギーを見つけ頭を抱えている。
これが事実なら—グラッセを助けるためには…
「—ファンタジア・ミックスブルースを倒しグラッセの記憶を取り戻すしかないな」
「サイクスッ!!!」
最悪の事態…いや手段ともいえる方法をサイクスは冷静な表情で告げると、過去のロクサスが反応する。
その方法を全員が想像はしていたが、実際口に出されると心に重く圧し掛かってくる。
つまりは親友を助けるためには、友を犠牲にしなければいけないと言う事だ。
「お前はリズに友達を殺せって言ってるのか!!?出来る訳ねぇだろそんな事!!!」
「俺だって出来るならこんな手段とりたくないさ…だが今はこれしかないんだ」
これには過去のアクセルも怒鳴り未来のサイクスの胸倉を掴み叫ぶと、サイクスも何処か苦しそうに呟く。
未来のアクセルとロクサスはそれを見つめつつも、俯き始めたリズを見る。
これはリズの覚悟と判断にかかっているのだ、それを自分たちが口出ししては良い事だと思わないから
「リズ…迷う気持ちは分かる、だけどこれは…お前が決断しなきゃいけない事だ、時間はあんまり無いけど…自分が選びたい道を選べ」
「父さん…」
口論している過去アクセルと未来サイクスを無視し、ロクサスは苦悩の表情を浮かべているリズに近づき頭を撫でながら促がす。
リズには時間が必要だ、自分のように時間が無いのは自分にとってダメな結末を迎えると思うから
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.126 )
- 日時: 2011/10/27 23:34
- 名前: Liaya (ID: g7gck1Ss)
こんにちわ!!
すごく哀しくて苦しい決断をリズちゃんは迫られていますね(滝汗
なんか、ロクサスやナミネと同じ様な道をたどりつつありますね・・・。
やっぱり血がつながっているから?
レイ「それ言っちゃおしまいだろ!!それと、今日はお詫びがあったんだろ」
∑そうでした!
私が小説カキコで書いている小説なのですが、さっきやっとスレッド作成ミスに気がついてロックし、スレッド作り直しました!!
だから、もう検索すれば出てくると思います
ご迷惑をおかけしてすいませんでした(土下座
では、失礼します!
リズちゃんたち、がんばって!!
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.127 )
- 日時: 2011/10/30 21:48
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
ライヤさん
こんにちわ!!いよいよリズも哀しい人生の歩みの幕開けと言った所ですね(笑←
リズの物語は、基本的ロクサスとナミネの基準としておりますので
やはり血の繋がりは、切りたくても切れませんからね…
ムーン「—と、言いつつお前顔が笑ってるよな?」
ロクサス「確かに、顔が笑顔だぞコイツ…」
だって、やっと書きたかったシーンが書けるんだもん!!←外道
大体メモリーのスレッド立てた時から、こう言う場面は考えていたんだよ!!
二人「「(最低だコイツ…)」」
…聞こえてるから、失礼だね
はい、検索してみたら簡単に出てきたので助かりました!!
別に迷惑なんて掛かっていませんので、ご安心を!!
リズたちにはたっぷりと頑張られますのでよろしくお願いします!!
それでは、書きます♪
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.128 )
- 日時: 2011/10/30 22:21
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
—どうしよう、私はどうすればいいの?
私がどちらかを選ぶか決断しないと、皆に迷惑がかかる…
「…ハァ…」
あれから数日が経ち、リズはずっと部屋で考え続けていた。
グラッセを助けファンタジアを倒すか、ファンタジアを助けてグラッセを見殺しにするかなんて—本来14歳の少女が考える事ではなかった。
しかし今それは正に起きており、決断しなければならない。
どちらを助けどちらを失うか—二人とも大切な人だからこそ失いたくないとリズは頭を抱える。
何よりも—二人とも何が何でも助けてやる、その決断が出来ない事がリズの心を苦しめた。
「…頭では分かっている、理解しているんだ…ッ!!でも納得したくない、その答えに…!!私は…」
納得しても理解はしたくない—そう呟きながらベットに拳を叩き付けていると、反動でベットの横にある写真立てが落ちた。
その音でものに八つ当たりしてどうすんのよと若干自己嫌悪に陥りつつも、拾うとそれは—懐かしい写真だった。
「あ…コレ、私とグラッセが初めて会った時の…」
その写真はまだ幼い自分とグラッセが初めて出会い写真を撮ったときの物で、リズは昔の事を思い出していた—
『リズ、今日はお前と友達になってくれそうな子がいるから会いにいかないか?』
『…わたしと同じ年の…?』
その時—私はまだ5歳で、ノーバディの元へ生まれた事もあり同じ年頃の友達が居なかった。
それをロクサス父さんが気を使って、私と友達になってくれる子を紹介してくれると言い始めてディスティニーアイランドへと行った。
それがソラとカイリの子供と聞いた時、私はすごく楽しみになった。
その子供が抱えている重みに、気が付かず
『待ってたぞ、ロクサス!!』
『久しぶりだなソラ、グラッセいるか?』
そしてディスティニーアイランドのソラの家に着くと、ソラが出迎えてくれて私と父さんは中へと通され出会った。
カイリの後に隠れているつもりであろうが、赤髪がツンツンしているせいでもろ丸分かりな一人の少年と
『グラッセ、ロクサスの隣に居る女の子は大丈夫よ…彼女はリズティクストって言ってロクサスの子供だから』
『…ロクサスさんの、こども…リズティ…ク…スト…?』
カイリはグラッセが怯えている理由を理解しているので、大丈夫と頭を撫でながら促がすと彼は涙目になりながら私と同じ青い瞳で見つめてきた。
その様子に幼い私は気が付けず、とてとてと近づくと青い瞳から堪えていた物が流れて—泣かれた。
『う、うわぁぁぁん!!!こ、怖いよぉぉぉっ!!(涙』
『ふぇ!!?』
『ぐ、グラッセ!!』
『(…話に聞いていた通りだけど、重症だなこれは…)』
まるで癇癪を起こした子供のようにグラッセは泣き叫ぶと、ソラの所まで走って抱きつき幼い私はかなり驚いた事を覚えている。
同じくソラもここまでグラッセが怖がっていたのは思わず、泣き叫ぶ息子を宥めつかせる。
ロクサスだけは話を聞いていたので、一人冷静にため息をはいていたが
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.129 )
- 日時: 2011/11/03 22:14
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
『ご、ごめんねリズにロクサス…』
『グラッセの奴、俺の子供だからって色々といいかがり言われててな…』
それから数分後、落ち着いたグラッセを撫でながらカイリが謝るとソラが事情を説明し幼いリズでも納得した。
どうやらグラッセと言う少年は、今まで酷い目に合ったから私が怖いと言う訳だ。
ならなおさら仲良くならなくてはいけないだろう、この子に【楽しい】と言う感情を教えるために私はまた近づいて笑う。
『だいじょーぶ、安心していいよグラッセ!!わたしはキミの友達だから!!!』
『…と、とも…だち…?おれとリズが?まだ…会ったばっかりなのに』
『友達に会ったばかりとか関係ないの!!ただ自分が友達と思えば友達なんだよ!!!』
そして笑顔で手を差し出すとグラッセは怯えつつも私の言葉に反応し、恐る恐る近づいてきて首を傾げる。
幼かった私は友達の意味も言葉の意味も間違いながら話していたけど、グラッセはだんだんその言葉で笑顔になりカイリの後から出てきた。
『ほ、ホントに…リズは、おれと友達に…なってくれるの?』
『当たり前でしょ!!友達になるとか関係ないの、だからいっしょに遊ぼうよグラッセ!!』
『………うん、行こう、リズ!!』
友達になってくれるのか—その時言った彼の言葉に苦笑したのは、今でも覚えている。
さっきも言ったはずでしょ?友達になるかなんて自分が決めることなんだってって…
だから当たり前と答え手を差し伸べると、彼は本当に嬉しそうに私の手を握り返し私の名前も呼んでくれた—
「………ッ」
—気が付くと、私の持っていた幼き私とグラッセが写っている写真には涙が落ちていた。
大切な思い出を思い出し、懐かしさを覚えたという理由もあるが…それよりも違う理由に気が付き何時もの目付きに戻す。
「…そうだ、友達になるとか関係は無いんだ…ただ私が決めた事なら最後まで突き通す意志があれば良かっただけじゃない」
何勝手に私は未来を決め付けているんだ、二人の中で一人しか救えないとか何絶望に陥っていたんだ。
「私バカだった…【二人とも救う】って言う方法を何で最初から決めなかったんだろう、勝手に諦めて、逃げていただけじゃない」
グラッセを助けてファンタジアを倒すとか、ファンタジアを助けてグラッセを見殺しにするとか最初からそんな選択肢は必要なかった。
—ただ、サイクスの言葉を真に受けてどちらも生かすという難しい手段を選ぶ事から逃げていただけだった。
そこまで考え出した答えはもう決まった、リズは鋭い青い瞳—もとい何時もの目付きを取り戻しながら前を向くと立ち上がり部屋を出た。
自分の決意を皆に伝えるために、無理やりでも納得してもらうためにも
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.130 )
- 日時: 2011/11/06 15:22
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「—ムーン、ロクサス、アクセル…決まったよ、いや決めたよ私の道を」
「そうか…じゃあ聞く、お前はどうしたいんだリズ?」
それからリズはすぐさま皆がいるであろうロビーへと移動し、右側のソファーに座っているムーンたちを見つけ話しかける。
するとムーンは何時もの強い意志を持った笑顔で接しながら答えを聞いてきて、リズも真剣な表情に戻ると
「…決まってるだろう、どちらかしか救えないなんて私のやり方じゃない…何が何でもグラッセもファンタジアも救って見せるわッ!!!」
「—そう答えると、思ったぜ」
「まぁ、それがリズらしいよな」
「誰かを犠牲にするなんてやり方、コイツが考えるとでも思わなかったしな」
二人の内一人しか助けられないなんて嫌だ—リズの心を知っている三人は、そう言うのを信じて待っていた。
上からリズ、ムーン、ロクサス、アクセルがお互いの意見を言い合い、四人全員が納得するとニヤッと同時に笑いロビーに爆笑する声が響いた…
「—だとさ、サイクス…どうする?」
「フン…どうせそんな事だろうと思っていた、聞くだけ無駄だったようだな」
そして四人は知らない、それを近くでヴィクセンとサイクスが聞いていた事を
元々サイクスたちもリズの性格上と、過去の自分たちからリズの成長を聞いていたのでそうは思っていたのだが
これなら、ファンタジアの居場所を掴んだ事を教えても大丈夫だろうとサイクスは判断し、リズたちがいるロビーへと足を踏み入れた。
—その思いが、思わぬ悲劇を生み出す事に気が付かず
「どうやら、決まったようだなリズ」
「あ、ママン…」
資料を持ちながらサイクスが顔を現すと、リズは冷や汗をかき一瞬表情を強張らせるがすぐに表情を先らの物に戻し伝えようとしたが
「分かっている、お前の言いたい事はな…ファンタジア・ミックスブルースとグラッセはレイディアントガーデンの城だ」
「ッ!!レイディアントガーデンの城に…!!」
どうやら自分の決断を分かっていたのか苦笑しながら、ファンタジアの居場所を教えてくれリズは何でファンタジアがあそこにと首を傾げる。
「城って事は…アンセムの城か?」
「いや—かつてソラたちが鍵穴を閉じた方の城だ」
城と聞いてアクセルがまさかと聞くと、どうやらソラたちが鍵穴と閉じた時の城のようであそこは闇に捕らわれた奴の収束場所か?とアクセルは思ったらしい。
だが今のリズにとってそんなのどうでもいい、あそこに二人が居ると分かった以上やる事は一つだ。
「—皆行くよッ!!ファンタジアをグラッセを救いにッ!!」
「「「了解ッ!!」」」
高々とリズが拳を挙げ宣言すると、ムーンたちも同じく拳を挙げ返事をした。
—彼らは知らない、レイディアントガーデンの城で倒れているグラッセの目の前で苦しそうな表情をしているファンタジアの覚悟を
「…早く…来て、リズ…この…まま…じゃ…あたしは…もう…うあああああああああッ!!!!!」
大切な友達の名前を呼び続けながら、苦痛に耐えている事を…
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.131 )
- 日時: 2011/11/08 23:09
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「うりゃっと…」
「やっと着いたな—レイディアントガーデン…いやここだけはホロウバスティオン(虚ろなる城)と呼ばせてもらおうか」
「その意見に関しては賛成するぜ、このハートレスの量は1年前の時と同じだしな…行くぞ、相棒」
「ああ」
リズたちがレイディアントガーデンに着き、降り立ったのは逆巻く滝の底だった。
岩がいくつも浮いており、そこら中にハートレスが大量発生しておりムーンは呆れながらここだけはそう呼ぶのに相応しいと言いキーブレードを構える。
それはロクサスとアクセルも一緒で、お互い頷き合うと駆け出しハートレスの殲滅が始まった。
「—リズ姉ちゃん、大丈夫かなぁ…?」
「大丈夫に決まってるわ、貴方にとっては頼りになるお姉ちゃんなんでしょう?あの子には仲間もいるしグラッセ君とファンタジアちゃんと連れて帰って来るわ」
「そうだよね、母さん!!」
そして同時刻、存在しなかった世界のロビーではソファーに座ったレイシャが姉の事を心配し続けておりナミネが大丈夫よと促がしていた。
それを未来のロクサスとアクセルは苦笑しながら見つめており、サイクスは資料と睨めっこしながら今にでもバーサクしそうな状態でゼムナスにクレイモアを向けていた←(何があった)
「ゼムナス貴様ぁ…何故、資料のデータを間違えたァァァァァァ!!!!!」
「す、すまぬサイクスぅぅぅ!!!まさか誤魔化されていたとは思わなくて…ぶぅるらぁぁぁぁぁぁッ!!!!!?」
「問答無用だぁ…月よ照らせぇぇぇッ!!!」
「「「「(またやってるよ…今度は何をしでかしたんだ指導者…)」」」」
どうやらゼムナスの資料の書いたデータの資料が間違っていたようで、サイクスの怒りは頂点に達しているようで謝ったもののすぐさまバーサクされボコボコにされる。
それを四人は哀れみの混ざった同情した目で見つめつつも、何をしでかしたのかは気になり心の中で思っていた。
—それが今回の事件と悲劇を生み出す、始まりだと気が着かず
「—この資料が間違っていると言う事は…【ファンタジア・ミックスブルースの生存確率はほぼゼロに等しくなった】のだぞ!!?」
「「え…?」」
「はっ?」
「…今、何つった?話が違うぞ!!?答えろ!!!」
次の瞬間—サイクスの口から放たれた言葉は、それを大いに表していたのだった。
もちろん何も知らないレイシャとナミネは唖然とした声を出し、ロクサスは首を傾げアクセルはどう言う事だと言わんばかりの目付きで睨み付けながら問い詰めた—
「ここでの力の消費はなるべく抑えましょう、進むにつれ強力な敵が増えると思うから」
「イエッサー!!」
「オッケー!!」
「了解だ」
存在しなかった世界での騒動を知らない四人は、ただ二人とも救える事を信じて進んでいた…
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.132 )
- 日時: 2011/11/12 00:11
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「ファンタジア———ッ!!!」
「グラッセ、居るなら返事しろ———ッ!!!」←
「返事って…あの二人って確かほぼ昏睡状態じゃ無かったかアクセル…?」
「ああ、だから絶対出来ねぇから気にすんなロクサス」
何とかエントランスまで着いた四人は、現れるハートレスを無に還しつつもファンタジアとグラッセを探していた。
途中で無茶振りな事を叫んでいる二人に、ロクサスが疑問を抱きアクセルに聞いて色んな意味で悟りを啓いていたりしたが
「ここにも居ないわね…とすれば、この先に進んで調べてみるしか無いわね」
「ゲッ…これって確か四つのエンブレム嵌めなきゃ扉開かないシステムだろ…」
そしてエントランスにも居ない事を確認しため息をはきながら、リズが礼拝堂へ向かうための扉を指差すとムーンはめんどくさいなと少々嫌がる。
そう礼拝堂へ向かう扉を開けるためには、この城の何処かに散りばめられたエンブレムと言う刻印を四つのくぼみに嵌めなければ行けないのだ。
しかもそのエンブレムがある場所は4ヶ所とも全て違う方向、大いに時間をロスしてしまう。
急いで向かいたいけど仕方ないなとムーンが、4ヶ所を巡ろうとした瞬間リズに肩を掴まれる。
「何だよ?急いで行かないと…」
「あのねぇ…アンタ何のために私たち四人居るわけよ?」
「確かにエンブレムのマークの回収は四つしなければならない、だけど俺たちの人数も四人だ」
引き止められた事に対して愚痴を零すと、リズがウィンクしながらそう言いロクサスもやるべき事を確認してムーンはハッとする。
「そうか…俺たちは四人居るんだから、一人が1ヶ所に行って…!!」
「エンブレムを持ってきてここに集合…これなら効率がいいでしょ♪」
「ああ!!」
四人居るからこそ出来る作戦だ、ムーンが納得するとリズも笑顔で頷きロクサスの方向を見る。
二人ともOKなようで、自分たちの持ち場へと早速向かい始めた。
「んじゃ、私は地下水路に行って来るよ…書庫のは頼めるわね?私の相棒さん」
「当たり前だ、じゃあ俺たちは15分後にここに集合だ」
それを見届けてからリズは一番厄介な地下水路へ向かうと宣言し、ムーンもムーンで書庫のエンブレムをお互い15分後までに持ってくると宣言し持ち場へと駆け出した。
そこで待っている、四つの大型ハートレスの存在に気が付かず…
「よし、ここを登っていけばエンブレムがある場所に行けるな…」
正門の近くでロクサスはそう呟くと、エンブレムの1つがある場所—この崩れた岩を登った上にあるであろう物を目指し元々良い運動神経で登っていく。
その時岩が動いた—いや、岩と化していたハートレス・タイタン族の獣が
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.133 )
- 日時: 2011/11/12 13:36
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「ッ!!?何だ…!!?」
これには驚きすぐさまその場から離れると、まるで岩が意思を持ったかのように形成され—ラーバタイタンとなる。
「何だコレ…機関の資料でも見た事が無いぞ…ッ!!?」
もちろん初めてラーバタイタンを見たロクサスは、警戒すると拳が振り下ろされる。
どうやら相手は自分を完全に敵と見なしているようだ、なら戦うしかない。
「クソ…ッ、行くぞ!!!」
相手の弱点など分からないまま、ロクサスはキーブレードを構え駆け出した—
それは他の三人も同じであった。
「全くめんどくせぇーな…確かこれは炎を宿せばエンブレムが現れるシステムだったな…」
ロクサスがラーバタイタンと戦い始めた中、アクセルはエントランス上部でろうそくを見つめながらそう呟き、左手にファイアの魔力を宿していた。
その時—冷気が辺りを包み込み、炎が揺れた。
何かいるなと判断したアクセルは、チャクラムを構え一歩下がると—氷のタイタン族が姿を現す。
「アイスタイタン…ッ!!?コイツが出るなんて報告で聞いてねぇぞ…!!?」
何とも厄介な化物がいると、アクセルは舌打ちすると冷静に考えハッとする。
そうアイスタイタンはろうそくの目の前に立っており、まるで守るかのように待ち構えていたからだ。
「なるほど…エンブレムを手に入れたければ自分を倒せってか…ちょうどいいあの時のリベンジ(詳しくはタイムトリップ参照)とさせてもらうぜッ!!!」
それが分かるとアクセルは楽しそうにニヤッと笑い、まるで暗殺者のような顔でアイスタイタンにファイガを放った。
「だああああああッ!!!しつこいのよ、来るな———ッ!!!」
一方リズはと言うと—何故かロックタイタンと追いかけっこしていた。
地下水路まで行ったのはいいが、エンブレムを現せるために赤いスイッチを押すとロックタイタンが降って来たのだ。
流石にこんな化物と戦うのは時間がおしいので、逃げる事を選んだのだが何故かこのロックタイタン無駄に素早かった。
しかも追いかけながら自分が通れない所を破壊し岩を雪崩のように降り注ぐので、なおさらタチが悪い。
「あった、エンブレムッ!!」
そして逃げ回っていると、何時の間にかエンブレムのある場所まで来ていたようでエンブレムを頂きとっとと正門の所まで上がろうとしたら—
「何でリフトが動かないのよぉぉぉぉぉッ!!!(涙」
何故かリフトが動かなかったのだ、流石に涙目になり後ろを振り向くとロックタイタンがいた。
こうなったら逃げ場は無い、リズはブチッと何かが切れた音を出すとキーブレードを—久しぶりに二本出す。
「あーもーッ!!!頭来たッ!!こうなったらこの前の事も兼ねて返り討ちにしてやるわぁぁぁぁぁぁ!!!!!(超絶黒笑」
そして怒りを爆発させながらそう叫ぶと、何時もより格段に赤黒いオーラを出しドガアアアアンと砂煙と一緒に破壊音を出した。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.134 )
- 日時: 2011/11/14 20:47
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「ふぅん…この書庫って結構面白そうな物が沢山あるじゃねぇか…」
そして書庫にあるエンブレムを探しに来ていたムーンは、左手に本を持っており右手にはエンブレムを持っていた。
理由は簡単だ、書庫に入るとすぐさま机の上にエンブレムが置いてあったからだ。
時間に余裕が出きた彼は後15分どうしようかなーと考えていると、珍しい本が沢山ある事に気が付き今に至っていると—
『—こうなったらこの前の事も兼ねて返り討ちにしてやるわぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
—ドガアアアアアアンッ!!!
「ッ!!?」
突然ブチ切れているのかリズの絶叫が聞こえると同時に爆発音が響き、ムーンは驚く。
そりゃあエンブレム探しに出ただけなハズなのに、ここまでリズが大暴れ(先らの音で判断)するなんて予想外だったのだろう。
「リズの奴、恐らく敵とかに出くわしたな…相変わらずトラブルに巻き込まれやすい奴だぜ…」
絶叫から判断し、恐らく自分にとって何かあった敵なのだろう。←(詳しくはタイムトリップのロックタイタン戦をご覧下さい)
彼女の性格上、絶対仕返ししてやるとか言って戦っている姿が想像着いてしまったので助けに行くかとため息をはいた瞬間—書庫一帯に強風が襲い掛かる。
「うわっ…何で突風が…ッ!!」
しかも普通の風とは何かが違うとムーンは思い警戒していると、後から風の刃が飛んで来て何とかかわし宙で回転し着地するとキーブレードを構える。
すると風の刃はまるで意思を持っているかのように竜巻となり、腕と目らしき物が現れる。
間違いない、コイツは…
「タイタン族のトルネードタイタンか…ッ!!!」
それは、かつてマスター・ゼアノートの配下として活動していた時に読んだ本に書いてある敵だった。
タイタン族の一人で、かなりの強さを誇る化物だと
「チッ…この様子だとリズたちもタイタン族に襲われてるのか!!なら戦うしかねぇ!!!」
これでようやく状況が分かったムーンは、仲間の身を案じながらもキーブレードを攻撃姿勢に変え振り下ろそうとしたら—
—俺は…リズとムーンを守れるなら何だってすると思う、だから怖いんだ…そのうち誰かを傷付けてしまいそうで…—
「—ッ!!?」
急に頭が痛くなったと思ったら声が響く、この声は忘れるわけが無い…大切な親友の声だった。
そう思うと更に声は響き、ムーンは膝を付く。
—…ごめんなさい…ごめんなさい…!!俺のせいで…リズは…!!!—
「止めろ…グラッセ、もういいんだ…あの事は、お前が…背負う事じゃ無いんだよ…」
このまま倒れてしまったらトルネードタイタンにやられる…そう分かっているのに急激に眠くなってしまいグラッセの声に反応しながらムーンは目を閉じてしまった。
今聞いたグラッセの声は…忘れたくても忘れなれない『記憶』であり過ごした『時間』だったから…
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.135 )
- 日時: 2011/11/16 21:44
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「はっ!!」
「グオオオオオオオッ!!!!!」
ロクサスのキーブレードがクリーンヒットしラーバタイタンは吼えるが、大したダメージが無いのかそのまま拳を振り下ろす。
もちろん攻撃した後のロクサスが完全に防御出来るわけも無く、受け止めると宙に舞い着地する。
「(クッ…認めたくないけど力ではあっちの方が勝ってるな…どう足掻いても俺が押し負けるし…ん?)」
そして強力な拳から避けながら、力の差を実感しどうするかと対策を練ていると—ある事に気が付いた。
ラーバタイタンの足元を良く見てみると、溶岩で出来ているためか足元が不安定な形であったのだ。
だとすれば足元が不完全である化物の弱点は、もう分かりきっているだろう
「その脆い部分を叩く事だッ!!喰らえッ!!!」
少々足元を狙うなんて言う卑怯な手は使いたくなかったが、状況が悪いので仕方が無い。
一気に敵の懐まで飛び込むと、ロクサスはすぐさま二刀流でキーブレードを回転させながら敵へ振り下ろすとラーバタイタンがその衝撃でよろける。
そしてドスンッと大きな音を立てて倒れると、体重が重いせいで立つ事も困難なのかジタバタしていると何時の間にか真上にロクサスが居て
「—これで終わりだぁッ!!負けられないんだ、力を貸してくれッ!!マジックアワーッ!!!」
渾身の力を込めてロクサスが放った光の柱は何時もより威力が高く、ラーバタイタンの身体ごと砕いた。
それを確認し浮いていた身体を着地させ念には念を入れ、もう一度構えると—辺りが光で包まれ思わず目を閉じた。
「—ッ!!?この光は…」
—ぐああああああッ!!!!!—
—フン、所詮光の勇者と言えどもその力は父より未熟な物…そんなキーブレード使いがこの私に勝てるとでも?—
それから目を開けると何故か白い無重力な空間に居てロクサスは辺りを見渡していると、突然頭の中にグラッセとマールーシャの声が響き頭を抑える。
「ッ…こ、これは…」
—グラッセッ!!!アンタ…私の友達だけじゃ無くて彼までッ!!許さねぇ!!!—
どうしてこんな声が響くのか分からないロクサスは、何故この二人の声がと首を傾げているとリズの声まで響いてくる。
その声はとても悔しそうで哀しそうで苦しんでいた、そうだとロクサスには分かってしまった。
—なっ…こんな子供ごときに私が…ッ!!?—
—子供だからって舐めないでもらえる?私だって伊達にこの4年間何もしていなかった訳じゃ無いんだからッ!!—
次の瞬間にはマールーシャの呻き声が聞こえ、息切れをしているがどうやらリズが勝ったようで悲痛な声で叫ぶと—再びロクサスの周りが光に包まれる。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.136 )
- 日時: 2011/11/21 19:44
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「な、何だったんだ…?」
再び目を開けるとそこは戦っていた場所で、ラーバタイタンが倒れていた。
そしてラーバタイタンを形成していた岩が崩れ落ちていき、まるで反応したかのようにエンブレムが落ちて来た。
「コイツを倒せばエンブレムが手に入るシステムか…全く厄介な奴だったな」
それを見てロクサスは呆れつつもため息をはき、合流地点へと向かう事にした。
若干先らの記憶に不安な要素と疑問を感じつつも
「(…それにしても、さっきの声は間違いなくリズとグラッセとマールーシャだった…それでグラッセの声が聞こえた時とても苦しくて悲しかった…本当に何だったんだろう?)」
それがどれだけ重要な事であり、必要である事だとロクサスは気が付かない。
「—燃え尽きろぉ!!!」
「キシャアアアアアアアアアッ!!!!!」
炎を纏ったチャクラムがアイスタイタンに向かうが、氷がまるで何とも無かったかのように弾き返す。
これにはアクセルも舌打ちをしチャクラムを手へと戻すと、魔力を溜め込む
「物理系等が通じないなら思いっきり俺の炎を喰らいやがれぇ!!メガフレアッ!!!」
チャクラムに魔法陣を描かがせ炎魔法でも最強のメガフレアを放つと、小さな炎が爆発する。
流石のアイスタイタンも、炎最強魔法は堪えたのか一度防御の体制を取った。
アクセルもアクセルで動いていただけではなく、結構な魔力を使ったので膝をつく。
「クッ…畜生、魔力使い過ぎた…」
メガフレアは確かに炎魔法として最強の魔法だがその分魔力の消費も激しい、それより前から魔法を放っていたアクセルはもはや限界を迎えていた。
エーテルなど魔力を回復する道具は尽きてしまった—どうすればと考えていると防御の姿勢をとっていたハズのアイスタイタンが動き始めており何時の間にか拳を振り下ろしていた。
「がっ…ッ!!」
それは見事に無防備なアクセルの身体を叩き付け、息が止まるような感覚に陥りそうになると今度は口から冷気を漂わせている。
恐らくトドメを刺そうとしているのだろう、しかし身体全身に痛みが走っているアクセルは動けない。
これで終わりなのか—アクセルは自分が情けないと思いつつ、その口から放たれた氷が彼に降り注がれた—
「風よ光よ、トルネド&デトネシールドォ!!!」
そしてリズはと言うと、接近戦で左手に風の魔力と右手に光の魔力を同時に宿されロックタイタンへ攻撃していた。
竜巻がロックタイタンへ向かい光のトラップが爆発し、それに巻き込まれないようにリズは避ける。
「二つの魔法を同時に放ったから威力は下がるけどこの際仕方ないし、これなら効果が…!!」
ある—と思いきやロックタイタンはピンピンしている、再びリズの中で何かがブチンッと切れた。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.137 )
- 日時: 2011/11/23 13:08
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「だーっ!!!いい加減鬱陶しいのよ!!本気出してやるんだからぁぁぁぁぁぁ!!!!!(怒」
ロックタイタンに追いかけたりと言い倒すのに時間が掛かってしまっている事と言い、どうやら今までのストレスが爆発してしまったらしい。
元々グラッセとファンタジアの事ばかり心配していたリズは、何事にも集中出来ずに悩んでいたのだがこれらの出来事もあり限界が来たようだ。
「聖なる剣よ、その淡き光を撃ち出せ—光奥義、ライトレイズソードッ!!」
怒り狂っているせいか、何時もより呪文を唱え終えるのが早く光の衝撃波を兼の形で出す大技を撃ち出す。
先らからの攻撃のお陰で少しは聞いたのかロックタイタンが呻き声のような物を出すと、そこからのリズの行動は速かった。
「夜明けの剣よ、その強大な闇の力を撃ち出せ!!ジョーカー・ジェクトクロスッ!!!」
次の瞬間には先らのライトレイズソードとは違う闇バージョンの技を放ち、連続で大技を放つとロックタイタンの腹と言うべき部分に穴が開き膝をつく。
「トドメよ、凍える冷気よ、全てを凍り付かせたまえ!!フリーズッ!!!」
その隙に上級氷魔法を唱え放つと—ロックタイタンが凍りつき銅像のように動かなくなった。
「ふう…流石に連続で上級技を使うと疲れるわね…でも」
とっとと終わらせてやる—そう呟くと、リズはキーブレードを二本クロスさせ
「—リミットカット解放、まずは闇の力よ…ダークインパルスッ!!!」
体力が少なくなったり窮地に陥ると使える奥義—リミットカットをまずはウィンドノーバディクラウンで解放し闇の衝撃波を喰らわせる。
その反動で氷が砕けるが、目的はこれを喰らわせるだけだったのでどうでもいい。
「続けて光の力よ、ホーリーライズ」
それからすぐさまスターホワイトチェーンを使い光の柱を形成し降り注がせると、光で貫くと同時に体力も吸い取る。
そのお陰でリズは元気になり動きも更に素早くなると
「今度こそトドメだ!!放て強き思いよ…」
キーブレードを二本ガキンと言う音と共に上空へと飛び上がり、飛び降りようとした時に
「—マルチボーテックスッ!!!!!」
光と風の力が混ざった回転落下攻撃が決まり—ロックタイタンは跡形も無く砕け散った。
それと同時に着地し、後に残ったのは沈黙と地下水路の風の音と
「—悪いわね、私はⅩⅢ機関の一員として負けるわけには行かないのよ」
一人の少女の強い覚悟を宿した瞳だった…
ポケットに仕舞ったエンブレムを握りしめ、リズはエントランスへと駆け出した。
急いでグラッセとファンタジアを助けるために
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.138 )
- 日時: 2011/11/24 20:08
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「ロクサスッ!!」
「リズッ!!」
エントランスに向かったリズが見た物は、少々ボロボロなロクサス一人だけだった。
自分たちが分かれてから既に15分は経っているはずだ、それなのに赤ウニとムーンがいない事はおかしい。
「アレ?赤ウニとムーンは?」
「まだ来ていない、リズとも合流してないか…」
もちろん先に来ていたロクサスに確認してみると、やはりまだ来ていないらしく体力を回復するためにエリクサーを飲みながら何やってんだろうと呟く。
この様子では恐らくロクサスもタイタン族に襲われたな…とリズは冷や汗をかきながら自分も体力を回復しようとした瞬間
「—ぐああああああああッ!!!!!?」
「「ッ!!?」」
突然聞きなれた声が響き渡り、ポーションを飲もうとした手が自然と止まってしまう。
それはロクサスも同じで沈黙を崩さないで、エリクサーを飲む手を止めながら固まっている。
「…今の声、アクセル…だよな?」
「うん…赤ウニで間違い無いと思うよ…でも、アイツ何であんな断末魔のような声で絶叫してたんだ…?」
「「………………(滝汗」」
そして何秒か経ち、ロクサスがアクセルの声だよなと確認してきて、リズも頷くとどうしてあんな絶叫をしたのか首を傾げながら考える。
それから待たしても沈黙が続き二人の顔は汗が滲み出る、考えられる事は一つであったからだ。
—もしかして赤ウニピンチなんじゃね?マジでヤバいんじゃ無いの? byリズ—
—先らの絶叫からして大いにあり得るな、てか今にも死にそうな感じだったよな?あの絶叫は byロクサス—
以上の会話が心の中で行われ、二人は段々と最悪なパターンを思い浮かべる。
自分たちの状況を整理してみると、必ず一人はタイタン族に襲われている。
リズはロックタイタン、ロクサスはラーバタイタン、だとすればアクセルが当たったタイタン族とは残り二人に限られてる。
「な、なぁリズ…俺の思い違いだと思いたいが…タイタン族って何人いたか…?」
「…四人よ、ロックタイタンにラーバタイタン、そしてアイスタイタンにトルネードタイタンだよ」
何とも今更な質問をロクサスは聞いてきて、リズも冷や汗ダラダラで答えると彼の顔色が真っ青になる。
「じ、じゃあさ、もう一つ聞くけど…リズってどのタイタン族と戦った?」
「…ロックタイタンだよ、ロクサスは?」
「…ロックタイタンに似たような、岩で構成されたような奴…」
「それ、ラーバタイタン…だよ…」
その顔で何のタイタン族と戦ったと聞かれロックタイタンだと答えつつロクサスはと聞くと、更に顔色が悪くなりその特徴を教えリズがロクサスと同様真っ青になりながら答える。
つまり残っているのはアイスタイタンにトルネードタイタン、アイスタイタンは分かっているのでともかく想像するにトルネードタイタンとは風を司るタイタン族であろう。
さて、ここで確認してみよう—アクセルの属性は火である。
この世界では火の属性は氷に弱い、なのでアイスタイタンと当たっていたら大変な事になる。
そして風を司るタイタン族と当たっていれば、それこそ危険—風力で炎が消され戦いにすらならない。
「「アクセル(赤ウニ)——————ッ!!!!!?」」
そうと分かればやる事は一つ、ロクサスとリズはかなり慌てながらアクセルがいるであろうエントランス上部へと駆け出した。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.139 )
- 日時: 2011/11/26 19:25
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「クソッ…ムーンいい加減起きやがれッ!!」
「………………」
一方そんな噂をされている張本人ことアクセルは気絶したムーンを担ぎながら、アイスタイタンとトルネードタイタンから必死に逃げていた。
どうしてムーンたちが合流していると言うかは、今から数分前に遡る…
『がっ…ッ!!』
アイスタイタンの拳を、無防備で受けたアクセルは苦しそうな声を上げて倒れる。
そしてアイスタイタンが、トドメと言わんばかりに口から冷気を出した瞬間
—ドガアアアアアアアッ!!!!!
『な、何だ…ッ!!?』
『キシャアアアア』
いきなり隣の壁が破壊され粉々になったと思ったら、そこからムーンが飛んできたのだ。
これにはアイスタイタンも一度攻撃の止め、その方向を向くと恐らく周りに漂わせている風でこの壁を砕いたのであろうトルネードタイタンがいた。
他にもタイタン族が居やがったのかとアクセルは顔を歪めるが、先らから全く動かないムーンに気が付き駆け寄る。
『おいムーン!!どうしたんだよ何があったんだ!!?』
『…うぅ…そ、の、声…アク、セル…か』
少しでも楽になるように身体を仰向けにしながら問い詰めると、真っ青な顔でムーンはうっすらと青い瞳を開ける。
すると頭に激痛が走ったのかすごく苦しそうに呻き声を上げると、再び倒れた。
『…この様子じゃトルネードタイタンにやられたワケでは無さそうだな、顔色も悪いし完全に具合の悪さが原因で倒れたな』
ムーンの様子にトルネードタイタンにやられて倒れたわけではないと悟り、頭を抑えていたので頭痛で気を失ったのかと判断するとアクセルは敵を見つめる。
何時の間にか共同戦になっていたのか、アイスタイタンともう一人の竜巻のタイタン族は二人して構えているではないか
こちらはムーンが倒れてしまっているため、人数も戦力的にも圧倒的に不利だ。
とすればやる事は一つ—そう考えるとアクセルはムーンを担ぎエントランスまで走り出す。
今の状況で戦っても明らかに勝てない、負けてしまうのが目に見えている以上戦っても無意味だ。
それが原因で今に至るという訳なのだが…
「—キシャアアアアアッ!!!」
「—ブオォォォォォッ!!!」
「うおっ!!?テメーら氷と風吹いて来んなぁ!!!」
見事なタイタン族たちの連帯攻撃により、アクセルは逃げられなかったのだ。
入り口に向かおうと考えた矢先、まるで考えを読んでいるかのようにアイスタイタンが入り口を氷で封じてしまったのだ。
仕方ないのでもちろんアクセルは炎で入り口を溶かそうとするが邪魔され、未だに入り口に近づくどころか攻撃を避けるだけで精一杯である。
どうするかとマジで悩んでいる時—ようやく救世主が現れる。
「「—喰らえ、特大ファイガァァァァァァッ!!!!!」」
突然ハモった絶叫が響いたと思ったら、入り口の氷が解け特大級と言っても過言ではないファイガがアイスタイタンにヒットする。
流石に先らからのダメージが重なっているアイスタイタンは悲鳴を上げ倒れると、二つの影がコツコツと歩いて来る。
「大丈夫か!!?アクセル!!」
「ってムーンもいるし!!?しかも倒れてる!!?」
それは、キーブレードを持ったリズとロクサスだった。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.140 )
- 日時: 2011/11/30 20:41
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「これで大丈夫に見えるかっての…遅ぇーよ…」
「悪い…こっちもこっちでタイタン族と戦っててな…ケアルラッ!!」
仲間が来てくれた事で助かったアクセルが、苦笑しながら憎まれ愚痴を言うと壁に凭れながら倒れる。
そんな親友に謝りつつも無事だった事に安堵を覚え、ロクサスが回復魔法を唱えるとアクセルの傷が癒される。
「—さーてと、仲間をここまでボコボコにしてくれたお礼を兼ねてたっぷりと甚振ってやらなきゃねぇ…(黒笑&指ポキポキ」
「…程ほどにしろよリズ(汗」
微笑ましい光景を見ながらムーンも傷付けられた事に関して怒り狂ったリズが、マジで黒い何かを漂わせながら言うともう止められないなと判断しロクサスはそう言うと一歩下がった。
それほど今のリズはヤバい、普段ニコニコといたずらっ子的な笑みを浮かべている彼女ではないと思うほど目つきが悪くなっており
「—くたばれ、このクソ野朗がァァァァァァ!!!!!」
その証拠に口調も何時も以上に悪く荒れながら攻撃を開始していた、これをキャラ崩壊と言う(ナレーション風に解説すんなぁッ!!! byアクセル)
しかもその叫び声だけでダークファイガとメテオシャワーを放っている、流石は光と闇を扱うだけはある。
「………………」
「…すごいな、リズの奴…ほぼ数秒の間で光と闇の技出してるよ…」
これにはアクセルもロクサスも唖然としながらその光景を見つめ、アクセルに至っては俺があんなに苦労した意味無くね?と言わんばかりの顔をしている。
何だがアクセルが可哀想になり、ロクサスは同情を覚えたので肩に手を置きながら慰めた←
「アハハッ!!!これ久しぶりに解放すると意外と楽しいわッ!!跪けッ…サンダーストームッ!!!」
「「ラクシーヌみたいになってるから、止めろッ!!(滝汗」」
リズもリズで思いっきり暴走したのは久しぶりなのですごい腹黒な笑顔でそんな物騒な事を言いながら雷魔法を放つと、某機関のナンバー12と姿が重なったので必死にそれだけは止めてくれと止める。
だがゼクシオンのようにドSモードになってしまったリズは、気が済むまで技を当てないと戻らない。
アイスタイタンとトルネードタイタンが哀れだが、ここはこの尊い犠牲に感謝しなければならないなと判断した二人は諦めてムーンが起きるまでこの光景を放置する事に決めた。
「—キャハハハッ!!パルスボムッ!!フレイムバーストッ!!ラグナロクッ!!バイオバラージュッ!!ブラックボレーェェェ!!!」
「…ムーンが起きたら、この光景見せないで上げような…」
「ああ…生後1年も満たないアイツに、この光景はキツいからな…」
途中若干恐ろしい声と、危険過ぎる光景の証拠隠滅の事を考えている声が聞こえていたが
そして光と闇(?)の嵐が消えた頃には、運よくろうそくに炎が宿っておりエンブレムがちょこんと一つ置いてあったそうな
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.141 )
- 日時: 2011/12/02 14:46
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「あー、楽しかった♪またあんな機会があったらもう一回やろうっと♪」
「二度とやらんでいい、やらんでッ!!(滝汗」
その後ようやく気が済んだリズは、エンブレムを持ちながら上機嫌でそんな予告をすると全力でアクセルが止める。
それを聞き同じくあの光景を見ていたロクサスは冷や汗を流しており、今気が付いたばかりの何も知らないムーンはただ首を傾げる。
「ロクサス、何があったんだ?」
「…そうだな…敢えて言うと、絶対に見てはいけない光景が広がっていたと言っておくよ…」
「?(汗」
そして思い切ってムーンがロクサスに聞いてみると、言葉を濁しつつ物凄く真っ青な顔で言われ余計ワケがわからなくなったそうな
とにかく今はエンブレムを四つ手に入れたのだから、急いでエントランスに向かう必要がある
「ちょうど四つ嵌めるところがあるわね…まずはロクサスちょうだい」
「ああ」
それからエントランスに着き、未来の世界でもここに来た事があるリズは詳しいようで一つずつエンブレムを嵌め込んで行く。
元々古い城なので至る至る所が錆びているせいで嵌めにくいハズなのだが、そのやり方を見ると随分と手馴れているのかあっという間に四つ嵌め込み終わり高楼への扉が開く。
「ふぅ…これで進めるわね」
「ああ、それにしても随分と手馴れてるのな」
「……まぁね…」
それを確認しリズが振り向くと、アクセルもその手際の良さに感心すると何処か重みがあるような声で答える。
その様子にアクセルは何か聞いちゃいけない事聞いたか?と思い、これ以上の追求を止めるが—それがどれだけリズにとって重い物となって背負われているか気が付けなかった。
「邪魔すんなぁ!!ダークレイドッ!!」
「光を象徴する聖なる光を…ホーリーッ!!」
「花開く雪景色よ、その凍てつく力を解放したまえ!!グレイシャルアーツッ!!」
「何もかも燃やし尽くす炎よ、全てを赤くしろぉ!!クラッカーファイガッ!!」
それから高楼のスイッチを押し礼拝堂へ行くまでの戦闘で、上からムーン、リズ、ロクサス、アクセルの順で次々と連帯攻撃が決まりハートレスは一瞬の内で無に還ってしまう。
そのお陰か敵は全て殲滅してしまったのか、すぐ敵が出なくなった。
「よっしゃ、いい調子☆」
「ああ、トルネードタイタンの時は足引っ張っちゃったから今度は俺が頑張らない…ッ!!」
キーブレードを振り回しながらリズがそう言うと、ムーンも頷き今度は俺が頑張らないとなと言おうとした瞬間異変を感じる。
いや異変が起きたとでも言うべきか、礼拝堂へと続くはずの扉から禍々しい闇の力が溢れ出していたのだ。
すぐさまリズが警戒し構えると、ロクサスもアクセルも気が付いたのか目付きを変えると何時でも戦えるように用心する。
「何かしらあの闇…普通の闇とは根本的に何かが違う気がする…」
「あの禍々しい感じ…まるで心が蝕まれるような感じだな…あそこにグラッセがいるかもしれない、急ぐぞ」
これにはリズも顔を歪めながら普通とは違う闇を感じ取っていると、ムーンがもしあのこにグラッセたちがいたら大変な事になると思い走る足を更に速めた。
その扉を開ける事が破滅を意味していると、この時誰も思わず
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.142 )
- 日時: 2011/12/06 22:02
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
修学旅行からただいまぁ!!!京都素晴らしかったぁ!!
リズ「いきなりそれかいッ!!てか最近更新が無かった理由がそれかよ!!(舌打ち」
ムーン「チッ…そんな理由じゃなければブッ飛ばしてやったところなのに…」←
アンタは私を殺す気ですか!!?
最近アンタたち、更に力を増した&手加減してくれないせいでボロボロなのに…(涙
リズ「分かった分かった、いいからはやく続き書こうな?(笑顔だがキーブレード構え☆」
イエッサーッ!!(滝汗
「うぅ…苦しいよぉ…悲しいよ…全てが、全てが手遅れになってしまう…!!」
一方闇が溢れ出していた礼拝堂では、ファンタジアが苦しそうに闇を纏わせながらそう呟き泣いていた。
その近くではその闇に反応するかのように、グラッセの身体もファンタジア同様闇に包まれている。
「このままじゃ…グラッセまで…あたしが、やるしか…」
「—グラッセ!!ファンタジアッ!!」
それを見かねてファンタジアは何か覚悟を決めたような声を出すと、礼拝堂のドアが開き名前を呼ばれた。
言うまでもない、自分がずっと待っていた金髪と栗毛の少女リズとムーン、そしてロクサスとアクセルだ。
良いタイミングで来てくれましたね…と小声でそんな事を呟くと、ファンタジアはマジックスピアを構える。
「…後はお願いしますよ!!リズティクストッ!!ムーンッ!!ロクサスさんッ!!アクセルさんッ!!」
「えっ!!?」
「なっ…!!」
「何を…ッ!!」
「オイっ…」
そしてリズたちを見て一瞬微笑むと—自らマジックスピアを胸へと突きたて—刺した。
これにはリズ、ムーン、ロクサス、アクセルの順で驚愕の声を上げると、ファンタジアの身体から闇が溢れ出し—グラッセへと吸収されるかのように彼の身体へと纏わり付く。
するとグラッセは起き上がり—いやまるで生気の無い目でアンチ・グラッセが襲い掛かって来た。
『—憎イ…全テガ、苦シイ…ダカラお前ラモ死ネェ!!』
「そいつだけは無理なハナシだなっ!!」
それは全てを拒絶しているかのような叫び声をあげると、いきなりアクセルに襲い掛かりチャクラムで受け止めるが—その一撃が重く押されてしまう。
「うおっ!!?普段のグラッセからすれば信じられないパワーだな…」
「アクセル、集中しろ!!今のグラッセは確実に理性を失っているから隙を見せたらやられるぞ!!」
流石に大人のアクセルと言えどもそのパワーには驚き、何とか抑えながら普段のグラッセからすれば信じられない力に困惑してるとロクサスに叫ばれる。
そう今のグラッセは完全に人としての理性を失っている、だとすれば例えリズであろうが本気で襲い掛かってから油断出来ない。
「分かってるっての、だから本気で行かせて貰うぜ炎業火奥義・ファイアウォールッ!!!」
「援護するぜ!!大地の力よ、叫べ!!クエイクッ!!」
「同じく!!行けっ、ダークバラージュッ!!!」
そんな事も想定の内だったから、強力な魔法を先らから唱えていたのだ。
火柱と大地震と闇を纏ったキーブレードが、グラッセへと早速飛んで行った。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.143 )
- 日時: 2011/12/08 21:08
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
『—そんな攻撃が効くかぁ!!!』
「嘘ッ!!?」
しかし今のアンチ・グラッセにとって、アクセルたちの攻撃を退ける事は容易い物だった。
すぐさま魔法を構築し火柱を氷の魔法で相殺し、大地震と闇を纏ったキーブレードもその身一つで受け止めきってしまった。
防がれる事は予想していた物の、全て受け止められてしまったのは完全に予想外でリズが驚くと足元に魔法陣が浮き上がる。
「マズい…リズ下だッ!!」
「えっ、うわぁぁぁっ!!?」
すぐさまそれに気が付いたロクサスが叫ぶが時既に遅し、元から形成されていた魔法は発動し
『—アイスニードル』
「あんぎゃああああああああっ!!?」
「リズ———ッ!!!」
氷柱がまるで刃のように出現し、リズを空へと打ち上げた。
そして受け身もなく地面へと叩き付けられ、これにはムーンも慌てる。
「うぅ…痛ーい…!!あの野朗、ヴィクセンの技なんかで私に怪我を負わせるなんていい度胸じゃない…!!!」
「いや、気にする所そこかよ」
しかし普段から修羅場だの色々と戦闘慣れしているリズにとっては大したダメージも無く、唇の血を腕でふき取りながらそう呟くと思わずアクセルがツッコミを決める。
どうやらヴィクセンの技で怪我をした事がよほど侮辱だったらしく、リズはすぐ立ち上がると姿勢を変え
「飛び交え、ジャッジメントッ!!」
キーブレードを何回も回転させながらグラッセに攻撃を当て、ムーンを見る。
「ムーンッ!!!」
「分かっている!!ゼログラビガッ!!」
すると名前を呼んだだけで分かったようで、ムーンはすぐさま重力魔法を唱えアンチ・グラッセを宙へと浮かばせる。
その隙を見てリズがそこまで駆け込むと、キーブレードを今度は侍のような姿勢で構え
「—見切ったぁ!!ザンテツケンッ!!!」
『ぐああああああっ!!!』
アンチ・グラッセの急所を見破り、そこへ目掛けて気合の一閃で一撃を決めた。
流石のアンチ化したグラッセでも、この一撃は少々効いただろうと思い着地すると
「…マジかよ、全然ピンピンしてんじゃん」
『—甘いんだよ…ッ!!こんな攻撃ごときに俺がやられるかぁ!!!』
全くダメージはなさそうで期待してたのになとため息をはくと、アンチ・グラッセは切れたのか更に魔法を構築し始める。
ちょっと厄介な敵だなーと考えていると、とある異変に気が付いた。
—先らまでいたはずのファンタジアがいない?
何時の間に大広間に移動してたんだ…ッ!!?
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.144 )
- 日時: 2011/12/15 23:10
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「ファンタジアがいないッ!!何時移動したのよ…ッ!!?」
「それが分かれば止められてたさ!!アクセルッ!!」
「わぁーてるよ!!オラァ!!!」
戦いに集中していたせいで、ファンタジアの移動に気が付かなかった自分の迂闊さにリズが頭を抱えながら自分を責めるとロクサスが冷静に答えアクセルの名前を叫ぶとアクセルはポケットから何かを出す。
それはスタングレネード…もとい手榴弾であり、アクセルはそれをすぐさま投げつけると視界が爆発で見えなくなる。
「アンタ何つー物騒な物を持ってるのよ…」
「全くだ、人柄と趣味を疑うぜ」
「うるせぇよ!!物騒と言う件では、何時も闇の回廊から危険な物を出すリズだけには言われたくないぞ」
これにはリズとムーンが冷めた目でアクセルを見つめ、若干大人って…と思うがすぐさまアクセルに正論ツッコミを決められ何も言えなくなる。
そしてアクセルはチャクラムを構えなおしロクサスに視線で何かを訴えると、彼も何を言いたいのか分かったのかムーンを見る。
「さてと…ここからは別行動だ、ムーン行くぞ」
「え?でも俺まで言ったら…」
「それは大丈夫だ、なぁリズ」
「…当たり前よ、私を誰だと思ってんのさ」
大広間への扉が開いているのを見て、ロクサスはムーンも来るように言うと彼はその案に首を傾げる。
既にアクセルは大広間へと向かっている、俺とロクサスがここから抜けたらリズが一人でグラッセと戦わなければならなくなると言うのが彼の心情であろう。
でもロクサスは大丈夫だと言い切り、リズも再び血を拭いながらそう笑顔で言い切った。
こう言う時のリズとロクサスの表情はとても似ている、やっぱり親子だからかなとムーンは頭の隅っこで思うがそれよりもリズの覚悟を感じた。
恐らく彼女の事だから、こう言うだろう。
「—このバカ(グラッセ)の相手ぐらいなら私一人で十分よ!!と言うか絶対私一人で止めてやる、だからアンタたちは大広間に行ってファンタジアを頼むわ!!」
「—任せろよ!!」
何が何でも止めてやる—親友の意思と覚悟を完全にこの耳で聞き取り理解し、リズは手榴弾で視界が困惑しているアンチ・グラッセの元へと駆け込んでいくとムーンも返事をし大広間へと向かった。
—リズなら、グラッセを止められる…いや、助けてやれると信じているから
—その期待に答えてやるわよ、だからアンタも迷わないで進みなさい!!私も期待してるわよ相棒
その胸に刻み込んだ思いを叶える為に—
これが終焉へと始まりだったんだ。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.145 )
- 日時: 2011/12/20 22:16
- 名前: リラ (ID: BDgtd/v4)
「…まさか、こんな形で久々にアンタと戦う事になるなんてね…何時ものチャンバラのレベルじゃなく本気でいかせてもらうわよ!!」
『そのセリフ…この戦いが終わっても言えるかなッ!!?』
大広間へと走り去っていく仲間を見送り、アンチ・グラッセとの間合いを取り戦いのは久しぶりだねと呼びかけるように話しかけると—アンチ・グラッセがそう叫び返し動いた。
それは先らのスピードとは比べ物にならない程で、恐らく標的がリズ一人になったからだと言うのが分かる。
敵が一人に減った事で動きに周りに注意する必要性も無くなったから、本来の実力が出されたのだろう
しかしアンチ・グラッセは知らなかった、いや忘れていたと言うべきか
「—遅いッ!!ダークドロップッ!!!」
『ぐはぁッ!!?』
—リズの素早さを、アンチ・グラッセが動いた時にはリズは移動しており後ろへと回っていたのだ。
それから足に闇の力を込め、思いっきり蹴られた今に至るのだった。
「休ませないよッ!!メガヴォルトッ!!!」
しかしそれだけでは終わらない、着地したらリズはラクシーヌに教えてもらった魔法を構築し広範囲に大量の強力な雷を落とし麻痺させる。
流石にこの攻撃は予想外だったようで、アンチ・グラッセは少し焦るが
『—レイジングストーム…ッ!!』
「うおっ!!?あ、熱ッ!!」
アンチ・グラッセも反撃し強力な火柱を自分の周りに出すとリズに突進してきた。
レイジングストームは使用中確かに動きは遅くなるが、使用時間が長く迂闊に近寄ると黒焦げにされてしまう。
炎が消えるまで待つしかないのか—と考えていると、アンチ・グラッセはその間に何か呟き—花が舞うと共にケアルラで体力を全回復する。
この野朗…魔法が得意なのは変わってねぇーのかよ…と、若干親友の得意分野に対して殺意が芽生えるが回復された以上そうも言ってられないだろう。
アンチ・グラッセの周りをよく見てみると、闇の力が溢れ出ているかのように黒い何かがブワッと出ているのが分かる。
「(アレは…確実に闇に飲み込まれていっている証拠だ、闇に心が侵食されていってるって言った方が正しいんだと思うけど)」
このままではグラッセの意識は完全に乗っ取られてしまうだろう、もしそうなってしまったら…最悪なパターンが思い浮かぶ。
それだけは絶対に避けなければならない、だとすれば…
「…私の【光の癒しの術】を使うしかない…!!」
『何をさっきからゴチャゴチャ言っている!!これで終わりだぁ!!!』
友達を助けるためなら—覚悟を決めキーブレードに光を宿すと、アンチ・グラッセが苛立ちを露にし闇の力を手に溜めそれを放とうとした瞬間
「—苦しみ続ける心の痛みに癒しよッ、ライトヒールエールゥゥゥゥゥッ!!!!!」
—光の癒しの術が爆発するかのように、放たれた。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.146 )
- 日時: 2011/12/25 23:04
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
リズの叫び声により放たれたライトヒールエールは、まるで光が爆発するかのように広がって行き、アンチ・グラッセの身体を包み込む。
それは一瞬の事だったのかも知れないし、すごく長い間その光に浸かっていたのかも知れない。
でも何処か懐かしい感覚と暖かさを感じ、もう一度目を開けると—そこにはかつての幼い自分とリズがいた。
『だ、ダメだよリズ…ッ!!子供だけでこの島に来ちゃいけないって言われているのに…!!』
『だいじょーぶだよ!!わたしこれでも夜に何回もここにきてるんだから!!』
そして幼い自分とリズは夜のディスティニーアイランドの島の船の置き場に居て、上陸しようとしているリズを止めるが彼女は昔からチャレンジャーでそんな注意を聞くはずも無く自分の手を引っ張ると駆け出した。
これは確か俺とリズが7歳の時の思い出だ、そして—大切な約束を交わした時でもあったんだ。
『フフン♪着いたよグラッセ!!』
『ここは…洞窟の中?』
その時この前使えるようになったキーブレードの光を明かり代わりに使い、リズが進んだ場所は父さんたちの旅立った場所とも言える洞窟の中だった。
その中には昔父さんと母さんが二人して描いた絵があり、ここから父さんたちは他の世界に旅立ったんだ—とそんな事を考えていると扉のような物に目が行き鍵穴のような物が浮き上がっていた。
『何だアレ…かぎあなみたい…』
『鍵穴みたいじゃなくて、鍵穴なんだよ…グラッセもみえてるって事は他の世界に旅立つ資格があるって事なんだね』
『しかく?どういう事だ?』
もちろん幼い俺はその鍵穴の意味も知らず首を傾げていると、一足早く世界の事を教えられていたリズはすぐ訂正を入れ旅立つ資格があるとかどうとか言うと俺は再び首を傾げた。
するとグラッセもキーブレード使えるでしょ、出してみてと言われたので意味が分からないけどキーブレードを出した瞬間—見えていた鍵穴が光りだす。
『うわぁ…かぎあなが光ってる!!』
『その勢いで開けちゃダメだよ!!もし開けちゃったら他の世界に飛ばされちゃうんだから!!』
これには驚くと慌ててリズがその光を自分のキーブレードで切断し、この扉を開けると違う世界に行ってしまうと言われ幼い俺でもその意味は分かっていたのですぐキーブレードを仕舞う。
『あぶなかった…』
『まぁ…まだグラッセはキーブレード使いとしてはまだまだだから、どっちにしろ開かなかったと思うけど…』
仕舞った途端鍵穴の反応は消え俺とリズはほっとするが、リズの言い方にちょっと腹が立ちムッとする。
『わるかったな…どうせおれはキーブレード使いとしてはまだまだだよ』
『いやそれはわたしもだから…わたしたちまだ子供だから世界へ行く扉すら開けれないって父さんとナス(ゼムナスの事)が言ってたんだ(汗』
それは事実だったけど同じ歳のリズに言われては少々プライドが傷付いたので不貞腐れると、リズも自分もそれは同じだよと冷や汗を流しながら答え俺は考えた。
子供だから…世界の扉を開けないのか?だったら…
『なら大人になったらこの扉をひらこうよリズ!!それまでにおれ…リズを守れるぐらい強くなるから!!』
『大人に…なったらか、その時はわたしもいっしょだよ!!もちろんわたしもグラッセを守れるぐらい強くなるから!!』
それは所詮子供が考え付いた答えで今ならバカな事だと思えるが、幼い俺たちにとっては大事な約束だった。
俺の考えにリズも乗ってくれ、お互いを守り合おう—そう7歳のあの時扉の前で誓った。
どうして今更そんな事を思い出しているんだろうか—と意識がもうろうとしてくると
—やっぱり…おかしいと思った、ファンタジアの放った闇が吸い込まれたのは貴方自身が受けた闇のエネルギーと記憶に反応したんだよね…そしてそれをずっと目覚める事無く溜め込んでいたんでしょ…?
優しい声が聞こえてきた—頬に暖かい何かが零れ落ちる。
それは涙—恐らく流している人物も容易く想像できた。
また…一人で背負い込んでいる親友の姿を想像すると—また俺は光に包まれた。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.147 )
- 日時: 2011/12/28 16:54
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
『リ…ズ…』
「気分はどうかしら?バカ野朗」
『いきなり目を覚ました親友にバカ野朗って酷くね…?』
再び目を開けると、そこでは予想通りの人物であるリズが自分を覗き込みながら泣いていた。
そして文句を言いながら気分を案じてきて、思わずツッコミを決めると苦笑される。
何だかこのやり取りが物凄く懐かしく感じて、変な気分だ。
『…で、何でお前は泣いてるんだ?』
「アンタのせいだよッ!!私の【光の癒しの術】を使ってアンチ状態を解除したら記憶ごと流れてきたのよ」
しかし何よりもあの空間で思ったが、この少女が泣いている理由が分からないので聞いてみると逆に怒られ説明される。
俺の記憶?と一瞬首を傾げるが、あの幼い時を思い出していた時の事だとすぐ分かり納得する。
『あー…アレを思い出したのってお前が原因か』
「悪かったわね…おかしいと思ったのよ…闇のエネルギーで昏睡状態になっているアンタがアンチ化した事がね」
どうりで今更あんな事を思い出したのかと一人納得していると、軽く不貞腐れながらも俺がアンチ化した事に疑問を抱いていたらしいコイツは本題に戻り真顔になると
「…アンタ、闇のエネルギーに打ち勝ってたでしょ」
『まぁな…打ち勝ったっても長い間結構戦ってたんだぜ?その反動で起きれなくなっていた矢先にアレだ』
第一段階で心の弱い物はその身体ごと消え心の強い者なら確かに闇のエネルギーに打ち勝つ、その代わり第二段階で昏睡状態に陥りリズたちのような能力を持つ者が現れない限り目を覚ます事は無い。
だがグラッセの場合、その第二段階まで打ち勝ち闇のエネルギーに飲み込まれなかったのだ。
その分反動は来て動けなくなっている時に、暴走したファンタジアの闇がグラッセの中で漂流していた闇に反応し恐らく闇のエネルギーが活発化しアンチ化したのだろう。
だとすればやるべき事は一つ、リズはキーブレードを出すとグラッセに向ける。
「…アンタの心を完全に癒さなきゃね、中で残留してる闇を浄化しなきゃ何起こるか分かんないし」
『そうだな…頼むぜ』
この調子だと放置しといても大丈夫そうだが、後から何か問題が起きては遅いので元々闇のエネルギーを回収しなければいけない事もあり構えるとグラッセは頷き後は託すと言って目を閉じた。
するとその合図に反応したかのように、リズの周りで魔法陣が現れると
『—私の名はリズ!!記憶と時間の能力を回収する者!!その力ここに戻れッ!!』
闇を癒すための力が光り輝いた—
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.148 )
- 日時: 2012/01/01 00:57
- 名前: Liaya (ID: Yt2dPgji)
あけましておめでとうございます!!
ついに2012年になりましたね^^
今年は辰年ですね。
レイ「あけましておめでとうございます」
というわけで、今年もがんばってください!!
では、失礼します☆
レイ「・・・何しに来たんだ?」
新年のあいさつだ!!
では、今度こそ失礼します
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.149 )
- 日時: 2012/01/01 21:56
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
—皆さん、あけましておめでとうございます!!
リズ「新年あけおめー☆」
グラッセ「あけましておめでとう!!」
ムーン「新年の始まりの挨拶を略すな!!あけましておめでとうございます!!(お辞儀」
アンタらは毎度の事ながら…新年早々テンション高いですね
リズ「これが普通だよっ!!…そう言うアンタは何時もよりテンション低くね?」
グラッセ「確かに…何時もな俺ら以上に元気に現れてあけおめー!!とか言ってそうなのにな」
そりゃあ、私が元気ないのは理由があるのよ…(涙
だって今年…もとい2012年になったと言う事は、私受験だもん
リズ「あぁ!!?お前まだ高2だろっ!!?」
そうですよ!!しかし4月になれば私は三年生!!
そして私が受けようとしている専門学校は、試験が今年中にあるんだよっ!!(涙
ムーン「あー…何と言うかドンマイ?」
同情するなら、ネタをくれ…←?
とにかく何時までもグダグダ騒いでるわけには行かないので、コメント返し!!
ライヤさん
あけましておめでとうございます!!
ついに2012年ですね!!
レイ君もあけおめ!!
リズ「ライヤさんあけましておめでとうございます、今年もこのバカが小説で迷惑をかけると思いますがよろしくお願いします(ニッコリ」
…いきなり、私に対しての暴言かい
リズ「事実でしょ?リグレットではまだ第三章終わってないし(黒笑」
…痛いところをつくな、今大事なシーン書いているんだよ…
今年も頑張ります…なるべく←
それでは、更新します!!
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.150 )
- 日時: 2012/01/01 22:26
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
『—そうか…キングダムハーツを解放すれば、心は解き放たれリズにも心がもう一度宿る…』
『キングダムハーツを解放?何言ってるんだグラッセ…』
『グラッセ…どうしたの?さっきから…』
光に包まれてから気が付くと存在しなかった世界の城のロビーにいて、そこには蹲りながら何か呟いているグラッセとそれを心配しているムーンと今より大人の—未来のカイリがいた。
その横では私がまるでもう二度と目を覚まさないかのように眠っていて、これは【アレ】を砕いた後のグラッセの記憶だとすぐ分かった。
その時のグラッセはかなり危険で、何時精神状態が壊れてもおかしくなかった程悩んでいたと聞いていたがまさかここまでとは予想外だ。
『世界の心…破壊する…リズが戻る…うあああああああああっ!!!!!』
『『ッ!!!』』
するとずっと呟いていたままだと思っていたグラッセが、突然感情を爆発させ闇を纏うと【ジェノム】へと変化する。
これにはムーンは驚き、カイリがマズいと言わんばかりの顔で真っ青になるとグラッセはロビーを破壊して何処かへ消え去ってしまう。
そう言えばこの時、ムーンはグラッセに【ジェノムの能力】が始めて知ったと言っていたからかなり驚いたんだろうな
『な、何だよアレ…!!?グラッセが変化して…したのか!!?…尻尾も生えて…!!』
『落ち着いてムーン!!貴方が混乱する理由も分からなくないけど今は冷静にならないと最悪あの子が死んでしまうのよ!!』
もちろん何時も冷静沈着と言われる彼はかなり混乱し、若干言葉もおかしくなっているとカイリが落ち着けと促がし今の状況の悪さを教える。
それを聞いて、何も分からなかったムーンはどういう事だと言わんばかりの顔でカイリを見る。
『…話せば長くなるけどアレは【ジェノム】と言う【異世界の能力】なの…幼い頃グラッセは突然その力に目覚めて…憎しみとか怒りとの感情を爆発させるとあの姿に変化しちゃうのよ…』
『なるほど…それであの姿なのは納得しますけど!!何故それがいきなりグラッセの死に繋がるんですかっ!!?』
アレを見られてはもう隠す必要も無いだろうとそう判断したのか、言いにくそうにカイリはグラッセの中に宿るジェノムの能力について語るとムーンは一番聞きたかったグラッセの死に繋がる理由を問い詰める。
確かに今の説明だけでは何をどうすれば彼の死に繋がるかが全く分からない、だから聞くとカイリは表情を暗くし
『…あの子はまだジェノムの能力を完全にコントロールしているワケじゃないのよ、さっき見たとおり感情的になりあの姿になってしまうと言う事は自分の意思でトランスした訳ではない…と言う事はその力に意識を飲み込まれる可能性もある』
『…ッ!!』
感情を爆発させただけであの姿になると言う事は、その力を制御出来ていない証そのもの
力に意識を飲み込まれると言う事は、かつてのムーンと同じように暴走する事である。
すぐさま彼がグラッセを探しに駆け出したのは言うまでもなかった。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.151 )
- 日時: 2012/01/03 21:10
- 名前: 大和 (ID: zxZEzDNk)
遅くなってしまいました!!
あけましておめでとうございますっ!
マーベル「あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします・・・」
・・あら、なにやらテンションが低いようですが・・?
マーベル「新年早々(というか前?)にあんな・・・」
・・・。もしかして、この間の更新の事?
気にするなって、誰にも言わないよ、ミカンに混じってたレモンを間違えて食べて次の日声嗄らしたなんてさぁ・・・
マーベル「今言ってるっ!!・・ゲホッ、まだ完全に良くなってねぇのに・・・」
・・・・・・あ、本当だ(笑
まず、レモンをミカンと間違えるって・・・・(笑×3
マーベル「そもそも、ミカンの中にレモンが入ってる時点でおかしいだろ・・・」
そんなことは無い!・・ていうか入れたのは私じゃないし。
マーベル「・・・は?」
アイツだよ、ほら。№9の・・・・
マーベル「・・・・・・・アイツか・・(キーブレード??????????を装備」
ね、ネタバレを含む言葉がっ!!
更新頑張ってください!!今年も陰ながら応援させて貰います(笑
そして、マーベルをもっとイジメてあげちゃってください!(黒笑
それでは失礼しますっ
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.152 )
- 日時: 2012/01/06 17:11
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
大和さん
あけましておめでとうございまーす!!
今年もよろしくお願いしますね!!
リズ「私からもよろしくお願いします、マーベルもよろしく…(そう言うが笑いを堪えている」
ミカンとレモンを間違って食べた事、そんなにおかしいかい…(笑←そう言いつつコイツも笑っている
リズ「だって…色も全然違うのに!!あははっ!!!マーベルって意外と天然なのねッ!!」←ツボに嵌まった
本人に聞かれたら怒られるからその辺にしときなさい(汗
デミックス死ななきゃいいけど…
リズ「安心しろ、アイツの生命力は赤ウニ並みだ…そう簡単に死なないわ」
確かに(笑
更新頑張ります!!今年から受験生だけど!!
マーベル君は、沢山リズたちの餌食にさせますので楽しみにしてて下さいね!!
それでは、書きます!!
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.153 )
- 日時: 2012/01/06 18:07
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
『リズ…どうして…』
そして張本人ことジェノム・グラッセはと言うと、虚空を目指す道で私の名前を呼びながら—泣いていた。
その手にはキーブレードが握られており、多分キーブレードの力である心を解き放つ能力を使いキングダムハーツを解放する気なのだろう。
出来る事なら駆け寄ってあげたい—そう思い触ろうとするが、それはまるで空気のように通り抜けていった。
「(…当たり前よね、これはグラッセの過去の記憶であって今起きている事態じゃ無いんだから)」
自分はグラッセの闇の記憶を癒すために彼の記憶を見ているだけ、それなのにどうしてもそれが今起きているように感じられて自分自身に呆れてしまう。
そんな事を考えているとキーブレードの先端に光が集まっている—このままだとキングダムハーツが本当に解放されてしまうと思わず焦ると
『—させるかッ!!!』
「ッ!!!」
聞き覚えがある少女の声がしたと思ったら、グラッセに何かが飛んで行きキーブレードの先端に集まっていた光が分散する。
これにはジェノム・グラッセも驚くが、すぐさま顔を歪め飛んで来たキーブレード—レインフォールを睨み付けながらも飛ばしてきた人物を見る。
このキーブレードを使うのは、あの青髪の少女しかいないからだ。
『何をする…アクアッ!!!』
『何をするじゃないわ!!貴方こそ何をするつもりなの!!?』
そこには予想通りの青髪の少女—アクアがおり、何故止めたと怒りを露にし問い詰めると逆に何をするつもりだと聞き返される。
恐らく聞くあたりもう分かっているのだろう、ならあえて教えてやる。
『キングダムハーツを利用してリズにもう一度心宿らせる!!そのためには一度この心を解放しなきゃいけねぇ!!!』
『元々心があるリズにキングダムハーツと言う違う心を植え付けると言うの!!?そんな事したらあの子がどうなるかも分からないのよ!!?』
『じゃあどうすればいいんだよッ!!!何も分からないくせに黙れッ!!!!!』
リズには心があったが今は砕いたせいで空っぽなハズだ、心を失ったのが原因でリズは眠りに付いたなら再び違う心でも宿せば良い。
そう考えたジェノム・グラッセはその持論を叫ぶが、アクアはその考えを違うと否定する。
元々心があった人物に他の心を無理やり植え付けると言う事は、精神を崩壊しかねない。
それに加えてリズは純粋な光の心の持ち主、今まで闇の心を持っていなかった人物に普通の心を宿してしまったらなおさら何が起こるか分からない。
だからそう迂闊に判断してやるべきではない—そうアクアは言うが、ジェノム・グラッセはもはや冷静に考えると言う事も忘れていた。
アクアが俺の考えに理解を示さない以上戦って勝つしかない、そう考えたのかキーブレードを向ける。
それを見てもう力ずくで止めるしかない—とアクアも思ったのかため息をはくと、右手にレインフォールを戻し構える。
『確かに私は何も知らないわ—だけど貴方を止めなければならない!!それだけは分かるわ!!!』
それから同じくキーブレードを向けそう宣言した後、すぐさまお互いの信念と魔法がぶつかった—
- Re: キングダムハーツ メモリー ( No.154 )
- 日時: 2012/01/11 00:29
- 名前: リラ (ID: mogX9zR5)
『はぁ…はぁ…』
『いい加減諦めて、厳しい事を言うかもしれないけど…今の貴方じゃ私には勝てないわよ』
『っ…そんなもの、やって見なきゃ分からないだろッ!!!』
それからすぐ決着はついた、明らかにアクアの方がキーブレード使いとしての実力が高い。
戦闘で重要な事は冷静に相手の身動きを見極める事である、それを疎かにした—いや忘れていたグラッセがアクアに勝てるはずも無いのだ。
しかし何が何でも諦めないという根性と頑固さは残っているようで、すぐさま立ち上がりまた何も考えずにメガフレアを撃ち出す。
メガフレアは広範囲に炎を放ち攻撃する技—辛うじてアクアが防いだとしても、今走ってきている何も知らないムーンとカイリが避けられるわけが無い。
『『うわっ!!?(きゃあ!!?)』』
『ムーン、カイリッ!!』
もろ手加減無しの炎の弾が大爆発を起こし、アクアが駆け寄ると二人は身体の至る至る所に大火傷を負っており傷みに顔を歪めていた。
『グラッセ、何て事を…ッ!!この二人は貴方にとって親友と母親なのでは…!!』
『—それが何だってんだ!!今の俺からすればどうでもいい事なんだぁ!!!俺はリズを復活させるんだぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
そこまでしてリズを…とアクアはその執念深さに素直にすごいと感じるが、この二人に怪我をさせてまで目的をやり遂げようとする思いだけは納得できなくて反論すると逆に感情的にさせてしまったようで彼が叫んだだけでサンダガショットやグレイシャルアーツなどの上級魔法が一気に発動しまだ動けないムーンを抱えているアクアの所まで飛んで来る。
流石にアレだけの魔法を防ぐ力など、もうグラッセとの戦いで魔力があまり残っていないアクアに無い。
せめてこの二人は守らなくてはならない—そうアクアは覚悟を決め二人を庇おうとした瞬間
—止めて、グラッセッ!!!
『え…』
『嘘だろッ…』
『一体どうなってるの…ッ!!?』
突然少女の声が聞こえたと思ったら、次の瞬間グラッセが持っていたキーブレード—リズから預かっていたスターホワイトチェーンが勝手にアクアたちの方向へ飛んで行きグラッセの魔法全てを防いだ。
これにはグラッセも呆然としながら固まり、ムーンとカイリはグラッセが使っていたキーブレードが何故俺を守ったと信じられない物を見るかのような目で凝視しているとキーブレードが光り輝き—リズを形成した。
—何とか間に合ったみたいだね、良かった
『リズ…リズなのか?』
—当たり前でしょ、この姿に私以外に誰がいるってのよ
そしてグラッセの方向に振り向き私は笑顔で彼に苦笑すると、珍しくボケの方向にチャンジしたグラッセに対してツッコミを決めると今度は心底から微笑むと
—ねぇグラッセ、キングダムハーツを使ってまで私の心を取り戻さなくていいよ…その気持ちだけで嬉しいんだ
『何で…ッ、お前はこれから一番幸せにならなきゃいけなかったのに…どうしてそんな不幸な道ばかり…!!!』
その余りにも何処か脆くて壊れてしまいそうな姿を見てられなくて、後から抱き締めその事を言うと彼は再び悲痛な表情で涙を流す。
—キミは誰よりも私の幸せを考えてくれた優しい人で、誰より大好きな親友だった。
そんな姿見たくないよとその時の私はグラッセと同じく心が揺れて、次の行動を起こしたんだ。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.155 )
- 日時: 2012/01/23 23:24
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
—ゴォンッ!!!
『いだっ!!?』
『『えぇ!!?』』
『あー…(何時かやるとは思ってたけど、まさかこの場面でやるとは…』
するとリズは何時の間にかキーブレードを呼び出していたのか、本気でグラッセの頭を殴った。
これには流石のアクアとカイリも驚き呆然としていると、唯一リズの性格を理解していたムーンは予想していたのかため息をはきながら見守っていた。
—あのねぇ…それを言うならアンタだって幸せにならなきゃいけないでしょうがッ!!私だけが辛い思いしてた訳じゃ無いんだし
どうやら彼女は自分だけが不幸になっていると、思われている事態が嫌だったようだ。
それを言うならグラッセだってこの旅で十分苦しんだし不幸になっていた、なら彼こそが幸せになるべきだと私は思ったからの一発だったんだ。
『でも…お前は二度と目覚める事が出来…』
—誰か二度と目覚める事が出来ないですって?そう簡単に決め付けられちゃ困るんだけど?…でも、実際目覚めたくても目覚められない状況なんだけどね…
『ッ!!その言い方だとリズちゃんが目覚める方法があるの!!?』
『それが事実なら私たちも気になります!!教えてリズッ!!』
しかしこれでもグラッセは落ち込んだままで、勝手に人がもう二度と目覚めないと思い込んでいた。
諦めんの早いなオイと若干思いつつ、目覚める事が出来ないんじゃなくて目覚める条件が足りないだけなんだよと苦笑しながら言うと今まで黙っていたカイリとアクアが反応し方法を聞いてくる。
—まぁ…何と言うかどうやら私の心は何処かへ移動しちゃったみたいで…それを探して私の身体自身に宿らせれば…
『お前は目覚められる…ッ!!!そうなんだな!!?』
ここまで期待されては推測だが語るしかないだろう、そう思ったので理論上可能な事を言うとグラッセは希望に満ちた顔でそうもう一度聞いて来る。
やっと笑顔になってくれたと私はホッとし安心したような笑みで、そうだよと頷き返すと—姿が更に薄くなる。
もう私が私として具体化出来るのも時間の問題か…と今の状況に焦る事無く現実を受け入れ心配そうに見てくるグラッセに向き合う。
『リズ、身体が…っ!!!』
—もう私の意識をキーブレードに繋ぐ事すら出来なくなってるんだな…後は…頼…む…わ、ね…グ…ラ…ッ…セ…
また泣きそうな顔をしている親友にもう自分の意識が消えかけている事を告げ、後は頼むと最後の力でお願いすると—リズは消えた。
後に残ったのは、存在しなかった世界特有の闇の匂いとグラッセたちだけだったが
『…全く、本当に自分勝手な奴だな…あんな風にお願いされちゃあ断れないだろ…』
『はなから断る気なんてあったのか?』
『ある訳ねぇーだろ…さっきは悪かった…お陰で目覚めたわ、サンキュムーン、アクア、母さん』
先らまでずっと胸の中で漂っていた虚しさは無く、今はとても気分が良かった。
何時もどおり親友に文句を言いつつやる気を出したグラッセに、ムーンがからかいを入れるとツッコミを決めつつ謝るとお礼をいい前を見据える。
『—お前の心…必ず俺が取り戻してみせるッ!!絶対見つけ出してやるさっ!!』
そして覚悟を決めた目で、強い意志を宿しながらそう自分の思いを叫ぶとアクアが微笑み再び視界が光で包まれた。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.156 )
- 日時: 2012/01/29 20:49
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
「…そっか、本当の真実はこれだったんだね…」
『ああ…本当の事を言えば、お前は自分のせいでって苦しむだろ…?俺はそんなの見たく無かったから…っ!!』
気が付いたら元の礼拝堂へ戻って来ており、横になっているグラッセを優しい表情で見つめながらリズがそう言うとグラッセは今まで堪えていた言葉と一緒に涙を流した。
これがグラッセの本当に大切な記憶とその時間—あんな記憶がキミにとっては前に進む大事な物だったんだよねと苦笑しつつも頭を撫でながら謝る。
「…ごめんねグラッセ、あの時私のせいで沢山苦しめちゃったよね…」
『リズが悪いんじゃないっ!!俺が悪いんだ…俺が弱かったから、俺自身が恐れていたんだ…お前の笑顔をもう二度と見れなくなるんじゃないかって…情けないよな、俺男なのに…』
「ううん、情けなくなんか無いよ、男とかそう言う問題なんかじゃない…私のためにありがとうグラッセ」
あんな選択をさせた私が悪かったのに、グラッセは自分が弱かったからと否定する。
そして自分の事を情けないと自嘲するかのような笑みでそう言い、リズはその考えこそ否定すべきものだとすぐ首を横に振りお礼を言った後
「—もう私のために苦しまなくていいんだよ、貴方は一人じゃないんだから、今度は私と一緒に迷ったり考えたりしようよ!!」
『………ッ!!!』
貴方だけで苦しむ必要は無い、今度は私たちも一緒に悩むから—そう心の底から思った事を伝えるとグラッセの瞳が揺らぎ彼の身体に纏わり付いていた微かな闇も消え去る。
それからすぐしてグラッセはリズに抱きつくと、今まで耐えていた泣き声を叫んだ。
「うぅ…ぐっ…はっ…うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「よしよし…よく今まで頑張ったね…すっきりするまで泣いて…私がちゃんとキミの心が落ち着くまで受け止めてあげるから」
その姿はまるで母親が子供を慰めているかのように見えるが、リズとグラッセにとってはそんな事どうでも良かった。
今はただ、こうしてお互いが傍に居ると感じたかったから—
「…はぁ、何かすげぇ格好悪い…すっきりしたけど」
「まだ気にしてんのかよ、別に格好悪く無いし、それにやっと元のグラッセに戻ってくれて良かったっ!!」
それから数分後、すぐに泣き止み改めて状況を理解したグラッセは格好悪い…とうな垂れていた。
まだそんな事を言うかとリズは呆れつつも、元に戻ってくれた親友と再び会えて嬉しいのか抱きつく。
少々恥ずかしい&嬉しい気持ちが半分混ざっている気分だが、たまにはこう言うのも悪くないかなとグラッセが思っていた瞬間—何時もの彼らに戻る。
「えへへ♪グラッセ大好きっ!!(友達として」←
「ブホッ!!?///」
何時もの彼に戻ったのを良い事に、天然爆弾発言をしリズが嬉しそうに抱き締め返すと赤面をしたグラッセは再び気絶したそうな
—ようやく光が復活した時、それにまるで対応するかのように闇が降りかかってくる事を気が付かずに
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.157 )
- 日時: 2012/02/10 22:42
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
『『フン…光の勇者に連なる者と言えどもこんな物か、情けないにも程がある』』
「ぐぅっ…」
「痛ってぇー…何つーごげぇ豪快な攻撃だよ…ッ!!」
「まだだ…っ!!まだ終わっちゃいない…っ!!」
一方リズがグラッセを救い出していた時、大広間では闇のオーラを纏い—シャドウと声と混ざった状態のファンタジアがマジックスピアとダークマジックスピアを両手で構えていた。
それをボロボロなムーンとアクセルが悔しそうに見つめており、膝をついていたロクサスが痛みを堪えながら立ち上がり今にも意識が飛びそうな状況で駆け出す。
どうしてこんな事になっているかと言うと、話は数分前に遡る…
『ファンタジアっ!!何処だぁ———ッ!!?』
『ムーンあそこ!!あのハート型みたいな変な機械のある場所だ!!』
『変な機械って…あそこはお前の本体(ソラの事)が心を解き放った場所でリクが暴走した場所だろ…』
『『そんな細かい事はどうでもいいっ!!』』
大広間に入ってすぐムーンは友達の名前を叫びながら何処だと焦っていると、ロクサスがソラが心を開放した場所—ハート型の機械があり鍵穴がある場所に少女は居た。
アクセルが何か言ってるがそれは今のムーンにとってはどうでも良かった、だからどうでもいいと言い返し先に鍵穴の場所に行くと—そこにはもう自分が知っているファンタジアは居なかった。
何時もの何処か淡く優しい薄い緑色の瞳は闇を象徴する金色へと変わっており、本来なら使えないはずの彼女の闇の半身であるシャドウの武器—ダークマジックスピアを左手で持っており二刀流だった。
それだけならまだマシだったのかもしれないが、何よりも光で溢れていた彼女の身体が闇で埋め尽くされていて—ムーンはすぐ悟ってしまった。
—コイツは俺たちが知っているファンタジアじゃない、確かに姿は彼女だが中身は彼女じゃない
『お前は…誰だ…!!?』
『『流石闇の勇者の子供だけはあるなムーン・ヴァノイズ…確かに【俺】はファンタジアではない』』
だとすればコイツがファンタジアの身体を乗っ取ったのかもしれない—そう考え誰だと聞いてみると、予想外の声と共に本性が—自分が知っている人物が現れる。
『シャ…ドウ…?その声はシャドウなのか!!?まさかこの騒ぎはお前がっ!!?』
『『…半分正解で半分不正解と言った所だな』』
そう本性を現した声は紛れも無くかつて敵対していたシャドウで、まさかこの闇のエネルギー騒動はお前がやったのかと聞くとシャドウとファンタジアの声が混ざった謎の人物は半分正解で半分不正解だと答える。
『『俺は…シャドウでありシャドウで無い、そしてファンタジアでありファンタジアでは無い、それから力を頂いたナミネと言う女でもあり、ナミネではない—コイツらの中に潜む闇や力を求める闇そのものだ』』
『闇そのものだと…!!?…と言う事はファンタジアやシャドウやナミネの持つ力が闇の力として具体化したと言うのか!!?』
『『おしいな光の勇者のノーバディ、確かに具体化はしているが—この身体はシャドウの物だ、出来損ないの身体だがな』』
—ブチッ、ピキッ、バギッ←
そして自分の正体—それは不思議な力を持つ者の力を闇の力にし生まれた闇そのものだと教えると、ロクサスが反応し問い詰めるとこの身体は何とシャドウの物だと答えた。
しかもシャドウの身体を物だと—出来損ないだとも言い、三人は何かが切れる音がし怒りのオーラを出した。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.158 )
- 日時: 2012/02/18 23:56
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
『シャドウの身体が物だと…?』
『そして出来損ないだぁ…?』
『てめぇ、何言ったか分かってるんだろうなぁ…?』
『『…ッ!!?何だこの尋常じゃない殺気と嫌な予感は…』』
唯でさえ元々人をバカにする様な言い方で腹が立っているのに、シャドウを—同じノーバディである友達を侮辱されたも同然の事を言われ三人は何時もより低い声でそう呟くと持っている武器に力を込める。
それと同時にシャドウの声で喋るファンタジア—もうめんどくさいのでファンタジア=シャドウが冷や汗を流しながら嫌な予感を感じていると、キーブレードが二本、チャクラムが一本同時に飛んできた(めんどくさいからって名前省略すんなぁぁぁ!!! by一同)
『『うおっ!!?』』
それは意外と素早く、少々油断していたファンタジア=シャドウは驚くがすぐ敏感に反応して何とかかわす。
危ねぇー…と思う同時にいきなり不意打ちは無いだろと思いながら、飛んできた約束のお守りとダークブレスメモリーとチャクラムに舌打ちし、ニヤッと笑うとマジックスピアとダークマジックスピアを両手に構える。
『『中々やるねぇー、これでこそ俺もやりがいがあるって物だ…すごくいいねぇ!!本気を出してやるよっ!!!』
『上等だコラァ!!お前みたいな狂った奴なんぞに俺たちは負けねぇぞっ!!!』
『ああ、本気を出すならこっちも本気でやり合えるって事だ…シャドウを出来損ないだって言った事…撤回させてやるっ!!!』
『やれやれオコチャマ二人は熱くなりやすいな…と言いたい所だが今回だけは俺もそのオコチャマ思考に混ざらせて貰うぜ…さぁ、焼き加減はブルーか?ブルーレアか?レアか?ミディアムレアか?ミディアムか?ミディアルウェルか?ウェルか?ウェルダンか?ヴェリー・ウェルダンか?好きな焼き加減を選ばせてやるぜ…?』
『『『『多いな、オイッ!!?』』』』
それから完全に狂っているような持論を述べ本気を出してやると叫ぶと、怒り狂ったムーンとロクサスが同じように叫びキーブレードをもう一度構える。
冷静さを失った二人にアクセルは呆れつつも、今回は自分もこっちに回らせて貰うと同じく怒りを静かに滲ませながら焼き加減はどれがいいかと質問すると多過ぎるとツッコミを決められてしまう。
緊張感無いなと思う人もいると思うが、彼らにとっては重要なイベントですと何処からか声が聞こえてきた。←
『『焼き加減だぁ…?そんな物必要ないね!!何だってその理由は…お前たちは俺に殺されるんだからよぉ!!!!!』』
『いきなりベタなセリフ来たな、オイ』
『同感だな、悪人らしいといえば悪人らしいが…』
『もうちょっと狂っている感じでもっと悪人らしいセリフ言えよなってハナシだな』
『『お前らもう黙れぇぇぇ!!!(怒』』
しかしそんな冗談もすぐ終わり、真剣モードになりながらファンタジア=シャドウが悪人らしく叫ぶと、これまた冷静に冷たくツッコミを決められてしまい彼は完全にブチ切れると槍を二本振り回しながら襲い掛かって来た。
以上で、ファンタジア=シャドウがムーンたちを追い詰めた今に至る—と言う訳である。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.159 )
- 日時: 2012/02/24 21:57
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
『『—もういい、そんな情けないお前たちになどもう用は無い…消えろ』』
「ッ!!!」
そんなこんなで元々結構ヤバい状況に置かれていたのだが、とうとうファンタジア=シャドウは飽きたのかダークマジックスピアに何か強い力を宿す。
その力は戦いで弱っているムーンたちに気配が感じられるほど強大で、これで最後にする気だと言う事がすぐに分かった。
マズいと思いせめてダークブロックを張ろうとしたが、時既に遅し
『『全て失え…!!—グランドクロスッ!!!!!』』
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ぐあああああああっ!!!!!」
「あぁっ!!!!!」
まるで破滅を誘うかのような衝撃波が撃ち出され、ムーン、アクセル、ロクサスが弾き飛ばされながら痛みを感じここで終わるのかと諦めかけていたら—
『—受けてみろ!受け継がれた光の力…ホーリーブレードッ!!』
『—やらせないわよっ!これで終わり…マジックアワーッ!!』
いきなり二つの黒い影が入り込んで来て、その影から二つの強大な光の柱が放たれる。
この声はとムーンは一瞬硬直するがすぐハッとなる、一人は闇によって眠り続けていた少年で、もう一人はこの少年を起こして見せると言い切った少女
すぐさま起き上がってみると—予想通りの人物が二人してキーブレードを構えていてこちらを見ながら微笑んでいて手を差し伸べていた。
「—悪いな!ちょっと眠りすぎていたみたいだぜ!」
「—全く何やられてんのよ、私はアンタとの約束どおり起こして来たわよ?」
「…へっ、言われちまったな…だけど遅ぇーぞ!リズにグラッセ!!」
「「遅くなったのは悪かったが、やられてたのはお前だろ」」
「…否定出来ねぇのが、悲しいな…」
差し伸べていた人物—グラッセとリズは若干憎まれ口を叩きつつも大丈夫かと言わんばかりに苦笑しており、差し出された手を受け取りムーンが遅いと言いながら立ち上がる。
すぐさま謝られると同時にツッコミを決められヘコんだフリをするが、このやり取りがムーンにとって懐かしくて嬉しかった。
近くにいるアクセルとロクサスも何時の間にか立ち上がっており、お帰りとかお目覚めが遅いんじゃねぇーか?と言いつつ嬉しそうに頭をわしゃわしゃしたり肩を組んでいた。
「だーっ!分かったから止めてくれぇ—ッ!!髪型が崩れるぅ!」
「別にそのツンツン頭って元からなんだから問題ないじゃん」
「って事は、お前のツンツンも元からか!?」
「そりゃあ俺もそうなんだから、リズが元からでも普通だろ」
『『…お前ら、何時まで俺を無視する気だぁぁぁぁぁぁ!!!!!』』
その行為に耐えかねたのか髪形が崩れるだのといい離せと叫んでいると、リズが冷静に言いアクセルがツンツン頭たちが元からだという真実を知り驚いているとロクサスがサラッとあり得ない事を言う。
すると今まで黙っていた(正式には存在を忘れられていた)ファンタジア=シャドウが切れた。
「ふぅん…ファンタジアの姿をしといてシャドウの声が混ざっているなんて随分と悪趣味な事…大体事情は分かったわ、要するにコイツを倒せば万事解決って事でしょ?」
『『悪趣味言うなぁ!!お前は八つ裂きにしてやるぅぅぅぅぅ!!!!!』』
それを見てようやく今の事態を理解したリズが失礼な事を言いキーブレードを構えると、あちらもあちらでもはや怒り狂っているのか2刀流を構えた。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.160 )
- 日時: 2012/03/01 11:07
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
「さぁて、mission開始と行きましょうか…ファンタジア=シャドウを倒すと言うね!!」
「いやこれ機関の任務じゃねぇからっ!!?」
最初に動いたのは任務を開始するかと言ったリズ—それに遅れてツッコミを決めたアクセルも援護するために炎を纏ったチャクラムを投げつけた。
しかし相手はファンタジア=シャドウと言う二つの存在とナミネの力を吸収した闇の力が具体化したエネルギー、ダークマジックスピアで簡単に叩き落す。
『『フン…所詮大口を叩いてもこの程度か?』』
「まだだっ!!光の柱よ…その眩き力から光線をッ!!放てスポットビームッ!!!」
「虚無へと誘う闇を、その力幻影へと放たれろぉ!!闇爆発奥義・ダークキャノンッ!!!!!」
『『何ッ…』』
それからすぐ嫌味なセリフを言いこの程度かと挑発して来る、今回はそれに乗りロクサスが構築した光の柱とムーンの闇の大砲が同時に放たれ爆発を起こす。
これはファンタジア=シャドウも予想外だったのか、瞬時にマジックスピアに風と水の魔法をかけ
『『受け流せっ!!』』
「なっ…風と水の特性を利用して爆発を相殺したぁ!!?」
マジックスピアを回転させながら、爆発を消し去る水と爆発を吹き飛ばせる風の特性を利用しあの強力な力を相殺する。
あの一瞬でそこまで考えたのかと、リズは戦闘で頭脳を働かせるファンタジアと同じ戦法と使う闇の具体化エネルギーに顔を歪める。
元々顔が友達二人に似ているだけあって、結構戦う事に抵抗があるだけにコイツがファンタジアとシャドウなのでは無いかと考えてしまう。
「(いや違う!!アイツはファンタジアやシャドウなんかじゃ無い!!他人の空似であって別人なんだ…別人なんだ!!)」
「ボーとしてんなリズッ!!光を象徴する聖なる光を…ホーリーッ!!!」
しかしその考えは間違いだとすぐ顔を振り、別人だと自分を無理やり納得させているとグラッセが叫び目の前に光の柱が現れ—ファンタジア=シャドウの攻撃から守ってくれる。
いけない、今は戦いの最中だった…!!と自分の失態に舌打ちし、すぐさま後へと下がる。
「悪い、助かった!!」
「気にするな、それよりもファンタジア=シャドウの事で疑問に思った事があるんだ」
「?何?」
そして助けてくれた親友へとお礼を言うと、気にするなと苦笑さした後グラッセがファンタジア=シャドウで気になる事があると言いリズは何と聞く。
すると—グラッセは、信じられない事を言った。
「…魔法を構築して気がついた事だが、段々とアイツの中に押さえ込まれているファンタジアの生命力と意識が無くなっているんだ、このままじゃアイツ間違いなく死ぬぞ」
「え…?」
生命力まで闇の具体化したエネルギーに吸い取られている、この事態はママンたちからも聞いていない事態でリズはそれを聞いた途端呆然と立ちすくんでしまった。
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.161 )
- 日時: 2012/03/03 14:59
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
「—ふざけるなっ!!!」
「ぶるうらぁっ!!?」
『ロクサス(父さん)ッ!!!』
「………クソッ!!」
それから一方、リズたちがそんな局面に突入していた時、存在しなかった世界では未来のロクサスがゼムナスを殴っていた。
これにはナミネとサイクスとレイシャが揃って叫び、未来のアクセルだけは必死に殴るのを堪えながら舌打ちをする。
「ファンタジアの力が吸い取られ衰弱していたのは聞いていた…だが生命力も吸い取られていた事態は聞いていないぞ!!何でそんな大事な事を今まで黙っていた!!」
「…仕方が無かったのだ…あの娘が…ファンタジア・ミックスブルース張本人が望んだ事だったんだ…」
「………ッ」
どうやらこちらもファンタジアの生命力が吸い取られている事態を今知ったようで、ロクサスが怒り狂いゼムナスを殴ったようだ。
するとすぐさまサイクスが、もう一回殴ろうとしたロクサスの右腕を掴み本人が望んだ事だと教えると殴ろうとした腕が力なく崩れ落ちる。
「…ファンタジア、お前は本当に…【リズに殺される事を望んでいる】のかよ…?」
そしてロクサスは頭を押さえつけながら、これから起こるであろう重要で最悪な事を口にし、娘の名前を呼びながら苦悩した。
『『先らまで威勢はどうした?ファンタジアの生命力が俺に吸い取られている事を知ってから全く来ないじゃないか』』
「…ッ、うるさいッ!!そう思うならファンタジアとシャドウにその身体を返せぇ!!!」
『『お断りだってハナシだっ!!』』
そして再びリズたちの所へ戻ると、ファンタジアの生命力が吸い取られている事態に気が付いたせいでリズは強力な攻撃を撃ち込めなくなっていた。
本気で攻撃を叩き込んでしまえばファンタジアやシャドウが死んでしまうかもしれない…その戦闘では甘い思いが彼女の攻撃の手を殆ど止めてしまっているのだ。
それを良い様にファンタジア=シャドウはリズを挑発し、彼女は必死に友達を苦しめているコイツを殴りたいと言う思いを堪えていた(思考がロクサスと一緒)
「アイツ本気で蹴りたいんだけど…!!何とかファンタジアとシャドウの身体から追い出す方法は無いのか!!?」←
「無茶言うな…蹴りたいと言う面では同感するが、無理やりあの闇の具体化した奴を追い出したらどうなるか分かんねぇーんだぞ」
「ヘタすればソラみたいにファンタジア自身の心も追い出してハートレス化したりする可能性だって否定出来ないなっ!!」
この光景に過去のロクサスも切れており、何とか二人の身体からアイツを追い出す方法は無いのかとアクセルたちに聞く。
しかしその考えは危険過ぎると、アクセルはどうなるか分からない以上やるべきでは無いと親友を諭しムーンもファンタジアがハートレスになる可能性があると指摘し駆け込んでいく。
じゃあどうすればと、過去のロクサスが悲痛な声で叫ぼうとした瞬間
—…闇の、具体化した…エネ…ルギー…を解放、する…方法…なら…あり…ます…
「「「「ファンタジアッ!!?」」」」
突然ファンタジア=シャドウからファンタジアの声が聞こえて来て、四人は少女の名を叫んだ。
- Re: キングダムハーツ メモリー ( No.162 )
- 日時: 2012/03/11 00:33
- 名前: リラ (ID: 2gJpuHi8)
—…声…しか、出せ…なくて…ごめ…ん…ね、皆…闇の…具体化した…エネ…ルギーを、解放…する…には、リズ…貴女…の、力が、あれ…ば出来る…わ…いえ…貴女に…しか、出来な…い
「私にしか出来ない…?どうすればいいの!!?」
—…キミの…中に、眠る…光の…癒しの…術、を…キミのキー…ブレード…に宿し、あたしを…刺すのよ
『『『『ッ!!!!!?』』』』
すると四人の声に反応したのか、ファンタジアは擦れ擦れの声で闇の具体化したエネルギーを解放するにはリズの力が必要だと告げる。
それにリズは自分にしか出来ない事と首を傾げるが、今はそんな事を気にしている暇は無い。
どうすればいいのかと聞くと、彼女は何と—リズが持っている光の癒しの術とやらをキーブレードに宿し自分を刺せと言って来たのだ。
これにはロクサス、アクセル、ムーン、グラッセも驚き、そんな事したらファンタジアやシャドウまで死んでしまうのではと真っ青になる。
「何言ってのよ!?私の癒しの術は邪悪な力を完全に消し去るいわゆる闇専用の対応魔法なんだぞ!!?今の状態のアンタに使ったら…!!」
—…そう、あた…しは、恐ら…く、消える…いや、確実に、消滅…する…でしょう…ね…でも今はそんな…事を、言って…ら…れる、状況…?この…まま、じゃ、競り…負けちゃうよ…
「状況とか関係無いよ!!だからそんな事言うな!!お願いもう少し頑張って!!私が何とか貴女しゃシャドウを救える手段を考えるからっ!!!」
もちろんそんな最悪な方法をリズが承諾するハズが無い、ふざけるなと言わんばかりの顔でファンタジアの案を却下する。
しかし手段を選んでいる猶予も無いのも事実、このままでは競り負けてしまうと言うファンタジアの言い分は最もだった。
誰かを犠牲にしてまで友達を助けるつもりは無い—そう決意したリズは、一向に首を縦に振らず私が何とか皆助かる方法を考えるから諦めるなと涙目になりながら悲痛な声で叫ぶ。
—…もう、無理…だよ、こう…して…会話、して…る…内に…も、あた…し…の、意識は…遠の…い、て…行って…いる、んだ…これ、以上は限界…なの、だか…ら、最後の…お願…い…
「…そんな…最後なんて言わないでよ…!!キミには…生きて欲しいのに…」
だがファンタジア自身も、己の生命力の限界を悟っていた—だから最後のお願いを述べる。
それはリズも頭では分かっていたのだろう、だからこそ認めたくないそんな思いを胸に宿しながら座り込みながら拳を握り締める。
私がやるしか無いんだ…と泣きそうになるが、私以上にファンタジアは辛いんだと納得させ立ち上がる。
それと同時にグラッセが隣にやって来て、肩に手を置くと
「…やってやれリズ、あの子の最後の望みを…お前の手で…楽にさせてやれ…」
「…そうだね、アイツを…救ってあげる」
ファンタジアの最後の願いを叶えてやってくれ—グラッセも辛い思いを堪えながら、リズを促がす。
辛いのはここにいる皆も一緒なんだ、これ以上私のせいで皆に負担を掛けるわけには行かない、リズはキーブレードに光を宿す。
そして構えなおすと、ファンタジア目掛けて駆け出す。
「…苦しみ続ける心の痛みに安らかな癒しよ…ライトヒールエールゥゥゥゥゥ!!!!!」
『『ぎ、ぎゃあああああああああああああっ!!!!!』』
それから光の癒しの術—ライトヒールエールの力を宿したキーブレードは、ファンタジア=シャドウを見事に貫き痛々しい悲鳴が木霊す。
その瞬間、辺りが光に包まれたような気がした—
『—うーん、キミの力はすごい物だって分かるから機関には秘密にしといた方が良いよね…だとしたらまずはキミの名前を決めなきゃね!!』
『なまえ…?』
『あ、そっか、記憶が無かったんだ、名前ってのはね、自分の事を呼んでくれる大切な言葉なんだよ、ううーんと…』
それはファンタジアと出会ったばかりの時の記憶だった、丁度その時の私は10歳だったけなと懐かしい感傷に浸っていると名前を決めようとしていた私は悩んで悩んで決めたのが
『そうだ!!幻想曲—ファンタジア!!キミの名前は今日からファンタジアだ!!』
『ファン…タジア?それが、あたしの名前…?』
『そう!!もしかして気に入らなかった…?それとも長い?』
『ううん、気に入った…あたし、ファンタジアっ!!』
幻想曲—ファンタジアと言う名前だったんだ、それを聞いたあの子は最初首を傾げていたから気に入らなかったのかと思ったが喜んでいて嬉しかったのを未だに覚えている。
そして辺りはまた光に包まれ—現実へと戻される。
「…ありが…とう、リズ」
「…っ、あぁ…!!!」
どんなに思い出を思い出しても起きた事は変わらない、リズのキーブレードはファンタジアの身体を貫き闇の具体化したエネルギーを追い出してはいたが同時に友達の命も奪おうとしていた。
口から血を流し微笑んでいるのは紛れも無く私の友達であるファンタジアで、彼女はキーブレードを抜き取ると地へと崩れ落ち倒れる。
それからすぐして光がファンタジアの身体から溢れ出し、消滅が始まった。
「…ごめんねリズ、最後の最後まで迷惑かけちゃってさ…辛い役目と思いさせて…本当にごめん…」
「私の辛さなんて貴方の痛みなんかとは比べ物に何かならないよっ!!!私こそごめんなさい…ごめんなさい…!!!」
これには一同が息を呑み、これがノーバディの消滅とムーンとグラッセは悲しいぐらい優しい光なんだなと顔を歪める。
ロクサスとアクセルは自分の消滅したあの時を思いだし、歯がゆい思い出その光の行く手を案じながら見つめる。
ファンタジアとリズはお互いが何も出来なかったと謝り続け、リズが涙を流しごめんなさいと呟き続けるとファンタジアは自分に触れているその手を握り締める。
「謝らないでリズ…あたし、貴女が悲しんでいる所なんて見たくないの…それと気がかりな事があるんだ」
「ッ!!?何?何でも言って!!」
「あたしの半身…シャドウもどうやらあの攻撃で追い出されちゃったみたいでさ、多分闇の具体化したエネルギーと一緒にいると思うんだ、彼も…救ってあげてくれない?」
「…もちろんよ、必ずシャドウを助けるから!!」
「…本当に、ありがとう…」
出来る限りの笑顔でファンタジアはシャドウの事も救ってあげてと頼み、リズがその頼みを承諾すると彼女も涙を流しながら微笑み—光となって消えた。
後に残るのは静寂と—ファンタジアの武器である、マジックスピア
「…俺たちも全力でシャドウを助け、お前たちが放った闇のエネルギーを全て回収するよ、今は一人にさせてやろう…行くぞ皆…」
「…ああ、アクセル、グラッセ」
「…分かってる」
「…よく頑張ったな」
ファンタジアの頼みを俺たちも全力で叶えると、ムーンは消えた友へ約束し今はリズを一人にさせてやろうと気を使い大広間を去る。
続けてロクサスもこう言う時は何を言ってもムダなのは自分が一番知ってると思い、残る二人を促がし居なくなる。
「…ファンタジアァァァァァァ!!!!!」
それから間もなくして、大広間から金髪と栗毛の少女の泣き叫ぶ声がレイデイアントガーデンに虚しく響き渡った…
第四章終了
- Re: キングダムハーツ メモリーチルドレン!! ( No.163 )
- 日時: 2012/03/06 14:30
- 名前: リラ (ID: r99rf6N5)
ロクサス「マジックアワーァァァァァァ!!!!!」
アクセル「エクスプロージョン——————ッ!!!!!」
ムーン「カオススネークゥゥゥゥゥゥッ!!!!!」
グラッセ「シャイニーブルームゥゥゥゥゥゥ!!!!!」
第四章終了です…って、ぐぎゃあああああ!!!!!?
後書き解説早々これですかぁ!!?(涙
グラッセ「貴様ぁ…!!俺がやっと復活出来た章でこの終わりかぁ…!!(黒笑」
ムーン「最初は二人とも救える的な感じだったのに、結局ファンタジアの奴を殺しやがって…ふざけんなぁ…!!(同じく」
ロクサス「そしてあのタイタン族の出現は何なんだよ!!?俺たちも殺す気かてめぇ!!!(同じく」
アクセル「俺はまたアイスタイタンと戦ってまた負けた挙句トルネードタイタンとか言う相性悪い奴と同時に相手さやがって…!!どうなるか分かってるだろうなぁ…?(同じく」
こ、今回はちゃんと予告したつもりですよ!!?(滝汗
第一第三章で、私はグラッセに出番があるだの、ファンタジアが行方不明にした事でフラグを立ててたし!!
それからタイタン族のバトルは流石にやり過ぎたかなとは思ったけど、ちゃんと心も強さも成長出来たんだから結果オーライだった…
四人「「「「だからって俺たちが納得するワケねぇだろうがこのバカ作者が——————ッ!!!!!」」」」
やっぱりそうですよねぇぇぇ!!!!!(涙
レイシャ「グラ兄とムン兄と過去の父さんとアクセルからの仕返しは終わったか?(闇の回廊で出現」
な、何とかね…(そう言うがボロボロ状態
キミが来たって事は、何かあったんですか?(嫌な予感がするけど)
レイシャ「お前が俺が呼んだんだろうがと言いたい所だが、まずは俺からも仕返しを受けてもらうぞ(スチャ」
って、私なんかしましたっ!!?(サンセットブリーズを首筋に突きつけられる
レイシャ「俺の出番が少ない件についてだっ!!俺姉ちゃんの弟なのに何この扱い!!(メモリアルローズマリーも追加☆」
そっちかい!!焦って損したよ!!
今回キミの出番を増やすのは、ちょっと問題ある章だと思ったからだけど違いますか?(横目
レイシャ「ぐっ…確かに…」
その代わり、ちゃんと次回は出番増やすから拗ねないの!!
レイシャ「…分かった、それよりもリズ姉ちゃんを早く助けてやれよ、ファン姉(ファンタジアの事)殺したせいで俺が落ち込んだ以上に酷い状況だぞ?(そう言うと何処からかモニターを出す」
?何故モニターを?
レイシャ「これを見れば分かる(そう言うとスイッチオン」
リズ『…ファンタジア…ごめん、ごめん…ごめんなさい…私のせいで…私のせいで…!!!キーブレードでなんか刺されて痛かったよね…苦しかったよね…心ごと貫かれて悲しかったよね…!!辛かったよね…う、うわああああああっ!!!!!(以下省略&ベットの上で呟き続けている』
レイシャ「—とまぁ、ざっとこんな感じだ(モニターを消す」
取り合えず色々と聞きたい事やツッコミ決めさせて下さい
まずはこの映像どうやって撮ったぁ!!?場合によってはプライバシーの侵害だろ!!?
思った以上にリズの様子が重症なのが分かったから良いけどさ!!←
レイシャ「放心状態で帰って来て部屋に篭り続ける姉ちゃんを見かねた機関員がダスクに撮らせてた」
…本人が知ったら、キミたち全員ボコボコにされると思うよ(呆
それではそろそろ、次回予告と行こうか
レイシャ「ああ、グラ兄を何とか救い出す事が出来た一行だがその代償はファンタジアの死と言う余りにも大きい出来事だった…それから数日全員が重い空気に包まれていると、リズが予想外の事をしでかす!!?」
第五章—今を生きる者の絶望と託された願い—をお楽しみに!!
レイシャ「いやこのシリアスな場面でお楽しみは無いだろ(スパッ」
流石リズの弟…姉と同じく手厳しい&毒舌…