二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 星のカービィ 幻想の魔筆 真実解明編! ( No.245 )
- 日時: 2011/07/07 14:46
- 名前: 満月の瞳 (ID: A2bmpvWQ)
第十一楽章 懺悔の回旋曲
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ごめんなさい、グリル。
私は貴方に謝らなければならないわ。
貴方は私を愛してくれた。
貴方は私のそばにいてくれた。
私の『理想』を叶えてくれた。
永遠に続くものではないと、わかっていた。
いつか終わるものだと、私はわかっていた。
終わらせなければならないと、私は知っていた。
私のそばにいる人は、皆私が殺してしまう。
私の殺戮衝動は、抑えきれない。
今にも貴方を殺してしまいそうなの。
■■■は、貴方を殺したくてウズウズしている。
私は、貴方を傷つけたくない。
だから、私から離れて。
どこか遠くに、逃げて。
苦しむのは私だけでいい。
罰を受けるのは私だけでいい。
咎を受けるのは私だけでいい。
罪を受けるのは私だけでいい。
死を受けるのは、私だけでいい。
私は、生きていてそれほどのことをしでかしたのだから。
グリルは『箱庭』にいてはならなかった。
だけど、私はどうしても手放せなかった。
だから、こんなことになってしまった。
貴方は、私のために戦っている。
ごめんなさい。
私はもう、救いようがないの。
救いようもないの。
だって、私は、こんなにも、狂ってしまったのだから。
- Re: 星のカービィ 幻想の魔筆 ♪参照1000突破♪ ( No.246 )
- 日時: 2011/07/08 20:24
- 名前: 満月の瞳 (ID: A2bmpvWQ)
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「こっちに、ドロシアがいるよ…」
グリルはそう言った。
彼女にとって、決死の決断だったのだろう。
瞳は泣きはらした跡が残って、兎のように赤く染まっている。
潤んだ眼に、強い意志がこもっていることを、カービィはわかった。
グリルは、あれから短時間で、カービィに真実を語った。
ドロシアは狂ってしまった。
今のドロシアの中には、殺戮衝動が渦巻いている。
ドロシアの中に、もう一人の人格がある、と。
その人格は、誰でも無差別に殺戮する。
自分も、一度死にかけた、と。
でも、ドロシアは悪くない。
悪いのはドロシアの中にいる奴だ。
姿はまだ確認していない。
でも、とてもおぞましいものだった。
気配が、違う。
この世のなにもかもを呪ったような、万物を全て恨んだような、生命を根こそぎ憎んだような。
怨念にあふれている。
あれは危険だ。
僕ちんは止めようとした。
だけど、駄目だった。
ドロシアは閉じこもってしまった。
たぶん…僕ちんのこと…相当心に浮かく刻まれちゃったのかもしれない。
ドロシアは悪くない。
だって、ドロシアは本当はすっごく優しくて…
だから…僕ちん
もとのドロシアを取り戻したいんだ。
でも、僕ちんは強くない。
ドロシアは強すぎる。
この空間も空間のものを創りあげたのは、ドロシア。
この『箱庭』は、ドロシアの魔力で形成されているんだ。
でも、それが崩れているっていうことは…
ドロシアの裏人格が、もうそこまで来ているってことなんだ。
ドロシアと裏人格は、たぶん…鏡の向こう側みたいな関係なんだと思う。
普段のドロシア側に決して出てこないように、深く封印していたんだと思う。
封印したのは誰だかはわからない。
少なくとも、ドロシアじゃあない気がする。
裏人格は、ドロシアの意識とは関係なく現れるみたい。