二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【ギャグ99%】 ( No.324 )
日時: 2011/10/10 09:56
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: kVKlosoT)



「それじゃあ銀さん、買い物してくるんで留守番よろしくお願いします」
「はやくするネ新八。酢昆布売り切れちゃうアル」



( 番外編 )


  とびきりの依頼を - 01




スナックお登勢。
…の上にある、万事屋銀ちゃん。
新八と神楽は今さっき買い物に出かけたもんだから、部屋には俺一人。

…つーか、あいつら覚えてねーのかな。


「今日は銀さんのバースデーだってのに、」


なんて一人呟きながらソファに寝転ぶ。
あいつらのことだ、覚えてねーだろうよ。特に神楽とか。
いいもんね! 別に悲しくなんかないもんね俺!

チクショー。
…どうせ今日も依頼なんてこねェだろうし、一眠りすっか。




「銀さーん、いますかー?」


トントンと扉を叩く音と、誰かの声。
折角人が寝ようとしてるとこに何だよコノヤロー。
…あ、もしかして依頼人か?
依頼が俺への誕生日プレゼントですってか。


ドンドンドンドン

扉を叩く音の大きさは増していく。
だー、うるせェな!

「うるせーんだよコノヤロー!!」

ガラリ、と万事屋銀ちゃんの扉を開ければ、


「何だ、いるんじゃないですか。早く出て下さいよ」


甚平に身を包んだ女が立っていた。




「何だ、甚平女かよ」
「何だとは何ですか。折角人がサボりにきてあげたのに」
「サボりにきたのかよ!」

依頼でも何でもなかったじゃねーか!
くそ、居留守使ったらよかった。

「ま、ホントは逃げてきたんですけどね」

そう言いながら甚平女はズカズカと部屋に上がっていく。
おい、図々しすぎねーか、オイ。

つーか逃げてきたって

「誰から」
「マヨラーから」

ぼふん、とソファにダイブ。
テメーの家じゃねェんだけど、ここ。

扉を閉め、俺は向かいのソファに腰を下ろす。
まぁ何だよ、俺も暇だし? 誕生日忘れられてるし? 暇だし?

「話だけなら聞いてやるよ」
「マジでか! さすが銀さん、天パ界の帝王」
「うれしかねェェェ!!」


天パ組なんてのがあったら間違いなく局長になれますよ、
なんてほざく馬鹿の言葉は聞き流して。


「あ、それで、マヨラーのことなんですけどね……」



Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【ギャグ99%】 ( No.325 )
日時: 2011/10/10 15:40
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: kVKlosoT)



「ふあぁぁ…4時起きは慣れん」

欠伸をしながら寝巻き(甚平)から着替え(甚平に)ていると、
ふと思い出す。

確か、隊士らの布団を片付ける番に当たってたはず。



( 番外編 )


  とびきりの依頼を - 02



「土方さーん、おはマヨです。布団片付けにきました」
「おはマヨって何?」

がらり、と眠たい目をこすりながら土方さんの部屋の襖を開ける。
ちくしょー、何だって私が布団片付けなならんのですかね。
自分で片付けろって感じ。なんて言ったらぶっ飛ばされるのでお口ミッフィー。

「いやー眠たいですね土方さん。てか隊服着替えんのはやくないスか」
「テメーは寝巻きなのか違ェのかどっちだ」
「これは着替え済みです」

甚平の違いも分からないのか君は。
ちなみに普段着の甚平は黄色とかピンクとか明るめの色で、
寝巻きの甚平は水色とか紫とか静かめの色なんですよ。


「と、違いを説明してる場合じゃなくて。さっさと布団片付けさせやがれコノヤロー」

ズカズカと部屋に入って、5歩ほど歩いたその瞬間。


もにゅっ、と
訳のわからない感触が、右足の裏に感じた。

「…」

ゆっくーりと見てみると


「…てめェ……」
「ご、ごめんなさいマヨ……」


土方さんの恋人ともいえるマヨネーズを、踏んでしまっていた。
つーか何でこんなとこに転がってんだよォォォォォォ


「マヨネーズを踏むたァ何様だァァ!! そこに直れ、介錯してやるァァァ!!」
「ひィィィィィ! 副長様ご乱心んんんん!!」




 ***


「——というわけなんです」

目の前の甚平女は、ふぅ、と溜め息をついた。
いや、溜め息をつきたいのは俺の方だよ。

「というわけも糞もねーだろ。何これ、しょうもなさすぎるわ!」
「や、私だってしょうもないと思ってますよ! でも本人が激怒してんだからしょうがないでしょう!」

なんだかんだでこいつも苦労してんだな。
いっつもこいつが迷惑かけてるばっかだと思ってたけどよ。


「…で、どうしろと?」
「別に銀さんにどうしてくれと言うつもりは無いです。ただここに隠れさせていただければ」

マジでか。
隠れるっつってもどーせ陽が暮れる頃には帰るんだろ、一緒じゃねェかよ。

「まぁ別にいいけど? 勝手にゆっくりしとけコノヤロー」
「あれ、今日の銀さん何か優しいですね。気持ち悪い」
「最後の一言余計ィィ!」

俺が優しいと気持ち悪いの!?

「そういえば、神楽ちゃんと新八くんは?」

ソファに寝転がってジャンプを手に取ったとき、
今更気付いた甚平女が問う。

「買い物」
「ふーん。置いてけぼりなんだ」
「いや留守番」
「寂しいですね」
「は? 別にっ? ぜんっぜん寂しくないけど!」

いやもう逆に嬉しいようるさいのがいなくなって!
安らぎの時を過ごせるよやっと!

「あ、そっか。寂しいから私がここにいるの許可してくれたんだ」
「はい何言っちゃってんの君ィィ! だから全然寂しくなんかないっつーの! 
 誕生日忘れられてるくらい悲しくもなんともッ…………あ」
「あ、銀さん誕生日なんですか」

言っちゃった。
自分で言っちゃったよ俺。
バカじゃねーの、よし、とりあえず落ち着いてタイムマシンをだな……

「すみません知りませんでした。おめでとうございます」

うん、ありがとうございます。


「…」
「…」


 え?


「それだけ? プレゼント何がいい? とか聞かないの?」
「けっ、なんだかんだ言って結局物目当てかよ。欲坂欲時め」
「何その名前やめてくんない!? 欲多ッ!」


 - - -



「へーえ、だから銀さんは悲しいと。恨んでやると」
「いや別に恨むまでは言ってないよね。でもあいつら雇い主の誕生日忘れるなんざ恩知らずな野郎だと思わねーか」
「雇い主も何もアンタ給料はらってあげてないんでしょうが」

甚平女に俺の不満をぶつけている最中、意外にもこいつは真剣に話を聞いてくれた(気がする)。





( 自分から言えばいい話なんじゃないんですか? さっきみたいに )
( さっきのはお前のせいで不本意ながら出ちゃったんだよ )