二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.184 )
- 日時: 2014/12/16 15:18
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
断章2—幻想曲との再会、世界の意思の託したモノ—
「出て来い、ウラノスゥゥゥゥゥゥッ!!!ガイアァァァァァァッ!!!!!」
「…そんな叫んじゃ出て来る物も出て来れねぇだろが…恥ずかしくて」←
「それはお前の場合であって、普通なら言う通り現れないからなカヤ?現れた時点でただの馬鹿だからな?」
取りあえずグミシップをカヤたちを探しに来たようにトワイライトタウンへ下ろしたリズは、またしても街に出て人目も気にせず大声で叫びながら屋根の上を移動する。(もちろん下には、沢山のギャラリーが出来ている
傍から見て近所迷惑でありおかしくなったかと思う光景だが、もはやリズの奇行に慣れたカヤは人の視線を気にせず天然ボケ発言をする始末だった。
しかしこの中で比較的常識人であるマーベルは、2度目の事と言えども恥ずかしいらしくツッコミを決めた。
「—おーい、リズ———ッ!!!そんな所で何やってんだ———ッ!!?」
「あっ、ハイネじゃん!久しぶり!元気だった?」
「おう、こっちは元気が取り柄だからな」
そんな中—人だかりの方面から一際大きな声で金髪の青年が少女の名前を口にし、カヤとマーベルは首を傾げていると彼はリズの知り合いだったらしい。
ハイネと言う名前を呼びながらリズは華麗に屋根から降り着地すると、彼が駆け寄って来て楽しそうに語り出す。
「…何か嬉しそうだな、リズ」
「それもそうだろ、何せここ最近色々と起こり過ぎたからな…特に一番辛い思いをし悩んだのはアイツだと———」
心から笑う彼女にカヤとマーベルは少しだけ驚いた、今まで…と言うか、ウラノスとガイア絡みの事件に巻き込まれてからと言う物の、リズは険しい表情をする事が多くなっていたから
だが今の笑顔は間違いなく本物だ、だからこそカヤも苦笑しマーベルも俺も思うと言葉を続けようとしたのだが
「…所でハイネ—ここ数日の間に緑髪の男女が来なかった?男の方は背が高くて、女の方が普通ぐらいかな(黒笑」
「緑髪の男女…もしかして兄妹なのか?」
「そうだよ、後目立つ特徴と言ったら…二人とも珍しい瞳の色してるな、兄の方が黄色で、妹が桃色だよ♪(黒笑」
—前言撤回、訂正します…コイツ辛いとも思ってねぇし、悩んですら居なかった…現に目が、目が笑っていない byマーベル
そう紫髪の少年に断言させるほどリズは黒いオーラを纏っていた、普段から見慣れているカヤですら引き攣った笑みを浮かべながら下がる勢いで
「そうだな…そいつらかどうか分からないけど、緑髪をした人物がここ最近幽霊屋敷に入り浸ってるって言う噂ならあるぞ」
「「「ッ!!」」」
そんな少女の黒さに気付いていないハイネはと言うと、まさかの情報提供をしてくれて3人は息を飲んだ。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.185 )
- 日時: 2014/12/16 16:41
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
「幽霊屋敷か…サンキュ、ハイネ!早速行ってみる…行くぞ、マーベル、カヤッ!!」
「あ、ああっ!」
「はいよ」
いきなりビンコかもしれない状況にリズは意気込み、ハイネにお礼を言うと二人の手を掴んで走り出す。
人に確認を取る前に既に走り出してる彼女にカヤは慌てて返事をし自分も走ると、同じくマーベルも呆れたように頷きながら駆け出す。
「おう、気を付けて行けよー!それと…けして無茶はするなよ、何かあったら俺たち大人に…」
思い立ったらすぐ行動と何処ぞのⅩⅢ機関員の教えをモットーとしているリズに、ハイネは彼女のトラブル体質も見かねてか忠告をするべく後を振り向く物の…
—素早い彼女たちが居るはずも無く、既に居た形跡も無くなっていた…風が吹いた事により
「ははっ…流石ⅩⅢ機関の一員だな…証拠隠滅もお得意な物ってか…」
折角かっこよく大人に頼れと言おうとしたのに…と、金髪の青年は空しいと哀愁を漂いながら自宅へと戻ったとか
ちなみにもう一つ言いたい事があったようで、その内容は—何かあったらロクサスに俺が殺されると言う情けない物だった事は全くの余談である。
「これでアイツらの居場所が割れたな…早速グラッセたちに連絡を—」
「ちょっと待って!幾ら何でもそれは気が早いわ…何せ信憑性の薄い噂なんだから、この目で確かめない以上…はね」
「それもそうだな、無駄足だったって可能性もあるし…」
「…確かに言われてみるとそうだな、分かった」
まさかハイネがそんな事になっていると思いもしないリズたちはと言うと、幽霊屋敷の屋敷前まで来ておりマーベルが通信機で他の仲間へ繋ごうとする。
だがそれをリズがはっきりとした情報で無い事から止めに入り、カヤも一理あると同意したので中断する。
—チャキッ
「さーて、早速乗り込むわよ…っと!」
ここは基本的鍵が掛かっているので、勝手に申し訳ないがリズはキーブレードを構えると鍵穴へ光を仕向け—解除する。
するとまるでようこそと迎え入れるかのようにギギギッと言う効果音を立てながら、入口の柵が開いたので3人は顔を見合わせると慎重に警戒しながら進む。
「うげー…凄い埃っぽい所だな…」
「何時から掃除してねぇんだよ、ここ…」
「ンなもん、私が知るか」
屋敷ロビーへ足を踏み入れると—そこは埃とゴミが大量発生しており、余りの空気の悪さにカヤは顔を歪める。
それはマーベルも一緒なのか咳をしながらそう呟いたので、リズが人が住んで無いんだから当然の事だと口にしようとした瞬間
『………ようやく来てくれましたね、この時を…待っていました…』
「「ッ!!?」」
「この、声…」
何処からか少女の声が響き渡ったので男二人は警戒していると、リズは酷く信じられない物を聞いたかのような顔をした。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.186 )
- 日時: 2014/12/16 22:30
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
「誰だ、アンタ!?いきなり声だけで話しかけて来て…姿を現せ!」
『—そう焦らないで下さい、カヤライトさん…言われなくても見せますよ、たった今』
「———ッ…!!」
当然聞こえて来た謎の声にカヤは警戒心を隠さず挑発すると、声を発したであろう少女はそれだけを語ると—上の階段の方から降りて来た。
その正体は青髪と緑髪が混ざった美しい色の髪に、薄い緑色の瞳をし黒いワンピースを来た少女であった。
何処か儚くも強い雰囲気を纏った女の子の登場に、マーベルは驚きつつも敵かもしれない以上はやるしかない…とキーブレードを構えると
「…ファン、タジア…ファンタジアなの、か…?」
「ファンタジア?コイツ…お前の知り合いか、リズ!!?」
リズが青髪と緑髪が混ざった少女—ファンタジアの名を、呆然とした表情で呟いた事によりその必要は無くなった。
「…紹介が遅れたわね、この子はファンタジア・ミックスブルース…私の友達である娘のような存在よ」
「娘!?お前娘なんか居たのかぁ!!?」
「って事は…グラッセとリズの子供かぁぁぁっ!!?お前ら何時の間にそこまで発展してたんだ…!!」←
「違———うっ!!!こんな大きな娘が本当に居るか!私はまだ14歳でファンタジアに至っては13歳なんだよ!?それじゃあ私が1歳の時の子供になるじゃんっ!!!///」
取りあえずこの二人がファンタジアの存在を知る訳も無いので、リズが説明すると二人とも娘と言う時点に驚いたらしくそれぞれの反応を返す。
前者のカヤはともかく後者のマーベルがツッコミ所満載の発言をしたので、顔を真っ赤にしながら叫ぶ事で否定する。
「そ、それもそうか…済まない」
『そう言っても強ち間違いじゃないとあたしは思うけどねー、だってあたしリズとグラッセの子供が良いもん♪』
「…ファンタジア、お願いだからこれ以上誤解を招くような発言は止めて頂戴…全く、もう…」
天然ボケをかました彼もそれでようやく混乱が収まったようで、冷静に考えればそうだった…と素直に謝罪する。
しかしここでファンタジアが茶化すような内容を言ったので、流石のリズも頭を押さえながら止めにかかる。
『はーい、お母さん』
「何時もはお母さんなんて呼ばないでしょ!もう…久しぶりに会えて何よりだけれども!嬉しいけれど!本題入らせて!!」
『分かってますよ、ごめんなさい…』
前に会った時よりも何だか性格が若干悪くなった娘はまだふざけるので、そろそろ本気で怒った方が良いかと思ったリズは強めに怒鳴ると素直に謝って来た。
「はぁ…じゃあまず一つ目、何で—死んだはずの貴女が、生きてここに居るの?」
「「ッ!!?」」
何で変な所は律儀なんだとため息を吐きつつ、リズは本題の一つを口にするとカヤとマーベルは目を見開く。
それもそのハズだろう、彼女がサラりと普通に話した内容は軽いように見えて重い物だったのだから
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.187 )
- 日時: 2014/12/17 23:57
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
「し、死んだハズって…どう言う事だよ」
「言葉通りの意味よ、この子は…私の目の前で消滅したもの………私が手を掛けてね」
「ッ!!」
まさか彼女が死人だったとは思いもしなかったカヤは驚き、詳細を知っているであろうリズに問いかける。
すると更に信じがたい予想外の返答が返され、今度はマーベルまでもが絶句する事となった。
「…アンタたちには話して無かったわね…私の手は汚れているの、罪を犯したからね…だから触れない方が良い」
「あっ…!」
「悪い…!そう言う意味で言ったんじゃ…!!」
「違う!それはあたしが手に掛けてと望んだ事なのです…!あの時の状況では仕方の無かった事だった…!」
「…それでも私の手は汚れている、幾らそう言われても…貴女が許していてくれていても、私は貴女を守れなかった…救う事が出来なかった」
自分たちの様子を見てリズは幻滅されたとでも思ったのか、何処か切なそうに苦笑し両手を見つめながら呟く。
これには内心しまった!とカヤとマーベルも己の配慮の足りなさに後悔を覚え、彼女の事なのだから何か事情があると慌ててフォローを入れようとする。
だが当事者であるファンタジアが大声でそれを否定し、少女の両手を優しく握り込むが彼女は頑なに受け入れなかった。
「(…あれから、一日だって忘れる事なんて無かった…忘れる事なんて出来なかった)」
あの日—レイディアントガーデン(ホロウバスティオン)の城へ出向き、グラッセとファンタジア両方を助けると大口を叩いた癖に何も出来なかった。
結局友の示すままに自分の力を発動し、伝説の武器と言われるこのキーブレードで少女を貫いた。
『—ありがとう、リズ』
実際はもっと弱弱しく言っていた物の、彼女は最後まで彼女らしく笑顔で逝った。
その後—色々と追い詰められて辛かったが、だからこそリズはファンタジアを死を受け入れる事が出来たのだ。
「それなのに…何で貴女は居るの?貴女は…本物のファンタジアなの?」
「………流石、あたし(ファンタジア)を一番良く知っている名付け親だよ」
だからこそ突如現れたファンタジアに良く似た何かを、あの子だと認める事が出来ず問いかけると—彼女は嬉しそうに微笑んだ。
その反応にますます不信感を募らせていると、ファンタジアは降参だと言わんばかりの表情をし
「あたしは…ファンタジアがデータ化させた存在、データ・ファンタジアとでも言うべきかな」
「データだと!?ちゃんと実体を持ってるのに…」
「それは…キングダムハーツがあたしをデータ化したから」←
「マジかぁ!!?」
自分の正体はファンタジアである物のデータである事を語り、カヤが機械に見えないからこそツッコミを決める。
そんな水色の髪の少年にまさかの答えが返って来て、彼はツッコミに明け暮れる事となったのだった…
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.188 )
- 日時: 2014/12/21 23:52
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
ここに居るファンタジアはファンタジアである物の、リズの大切な存在では無かった—
しかも選りに選ってキングダムハーツの介入による物なのだから、彼と言って良い物なのかは分からないがしょっちゅう巻き込まれてる金髪と栗毛が混ざった少女はため息を吐いた。
「…あのバカおっちゃんはよぉ、何で毎回毎回何かとやらかしてくれるかな…!!」←
「(世界の大いなる意思とも言える存在をおっちゃん呼ばわりしたよ、コイツ…)」
キングダムハーツ相手にここまで言えるのは彼女くらいだろう、現にマーベルはそんな事を内心思っていた。
「ウフフ、本人もおっちゃんって呼ばれるの気にしてるようだからその辺にして置いてあげてね」←
「(キングダムハーツってそう言う呼び名を気にするのか…)」
データ・ファンタジアも失礼な呼び名を改めるようには言わずに、キングダムハーツが密かに落ち込んでいる事を教えただけだった。
それを聞いたカヤが、意思が無いとされている心の集合体でもそんな事を思うのか…と思ったのは秘密だ。
「それで…何でおっちゃんは貴女を実体化させてまで、私に何かを伝えようとしたの?」
「流石話が早くて助かるわ、キングダムハーツが伝えようとしている事は…貴女たちが刃向っている二人組の事よ」
「刃向うって…せめて対抗してるって言ってよ…」
ぶっちゃけキングダムハーツの事情はどうでも良いらしいリズは、再び本題へ戻ったようでファンタジアに問いかける。
この切り替えの早さは本当に色んな意味で感心出来る、そしてそれに動じる事無く普通に話すデータ・ファンタジアにも byカヤ&マーベル
男二人が思わず遠い目をしながら固まる中、女二人は更に話を核心へと進める。
「キングダムハーツが…ウラノスとガイアの事を知っていると言う事は、この危機をアイツは察していたと捉えるべきかしら?」
「うん、少なくとも…キングダムハーツはリズたちが生まれる14年前から…この危機を察していた」
彼が二人の存在を認知していると言う事は、全てこうなる事を知っていたと言う事になる。
だからこそリズは怒りを隠せずに拳を鳴らしながら聞くと、データ・ファンタジアから予想外の形で肯定の答えが返って来て目を見開く。
「そんな前から…じゃあ何で対策とか練らなかったんだ!こんな事になるって分かっていながら…!!」
「…対策は練っていたんです、キングダムハーツは—【5つの存在】を」
「5つの、存在…?それは一体…?」
14年前と言う事は自分が生まれる前だ、そこまで分かっていたなら何故何もしなかった。
データ・ファンタジアが悪い訳ではないが、責めずにはいられずに怒ると彼女はまた想像もしない答え方をして来た。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.189 )
- 日時: 2014/12/22 23:12
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
「それは…リズ、貴女です」
「………………はい?」
キングダムハーツが用意したとされる【5つの存在】に関して、データ・ファンタジアはリズを指差すと—とんでもない事を言い出す。
何と彼が力を授けたのは自分であると言う事を…だ、もちろんリズはそんな覚えが全く無かったが故に呆然とした声を漏らす。
「そしてマーベルさん、カヤライトさん…貴方たちもです」
「へっ…?」
「何ぃぃぃぃぃぃっ!!!!!?」
しかも世界の大いなる意思に託されていたのは、後にいる男二人も同じだったようでデータ・ファンタジアが彼らの名前を呼ぶ。
それにカヤとマーベルは言うまでも無くリズと同様の反応を示すと、彼女は更にこの場に居る3人を絶句させる内容を語る。
「後は…グラッセとムーンです、この5人がキングダムハーツからの加護を受けた者です」
「ッ!!グラッセやムーンまで…!!?」
残り二人が自分の大切な幼なじみであり親友である彼らである事を口にし、リズはまさかアイツらまで…と息を飲む。
「…一つ聞いて良いか、ファンタジアとやら」
「何でしょう、マーベルさん」
「マーベルで良い、リズやグラッセたちはともかく…何故この世界の住人じゃ無い俺までが選ばれたんだ?この世界のキングダムハーツに」
しかしマーベルだけは何で自分が力を授けられたのか分からないので、最もな理由をあげて問いかける。
確かに彼の言う通りだ、彼は…本来この世界に居ない存在だ、何せ別世界と呼ばれる異世界から来たのだから
そんな自分がキングダムハーツの加護を受けているのは、おかしい事であると思うのは当然だとリズも納得しデータ・ファンタジアを見る。
「ええ…マーベルの言っている事は一理あります、寧ろ当然の考えと言えますね…」
どうやらデータ・ファンタジアも同じ事を考えていたようで、キングダムハーツの思考は読めないと言わんばかりの顔で苦笑していた。
「ですが…キングダムハーツが貴方に授けた力…—異世界に行ける力…【コンバスションモード】の事を思えば納得が出来ます」
「異世界に、行ける力だと…?」
「ええ、貴方は…その力が原因でこの世界へと強制的にワープさせられてしまったのです、そうなる事を彼は見通していたから…貴方を対象に選んだ」
「「「…ッ!!」」」
だがキングダムハーツが藍髪の少年に継承した力、コンバスションモードの事を知れば疑問は晴れた。
マーベルが無意識にワープ機能を発動させる事を、彼は知っていたからこそ託したとデータ・ファンタジアは語ると、リズたちは信じられないと言わんばかりの顔をするしか無かった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.190 )
- 日時: 2014/12/25 16:59
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
「…そうか、それが原因で…俺はあの時…」
データ・ファンタジアの語った内容は俄かに信じがたい話ではある物の、マーベルはこの世界に自分が来た経緯を思えば…寧ろ納得した。
『ったく…サイクスの野郎、本当に人使いが荒いな畜生…!』
あの日—ⅩⅢ機関の参謀様から与えられた任務をこなした彼は、闇の回廊を急ぎ足で歩きつつ文句を言っていた。
それもそうだろうサイクスから言われた事は、ハロウィンタウンの大型ハートレスを数対倒すと言う物だったのだから
『…はー、報告は面倒だから後にして寝ようかな…』
ぶっちゃけその反動で—眠気が襲い掛かって来ている、身体を色んな意味で酷使したのだから当然ではあろうが
今にも倒れそうな弱弱しい身体に鞭を打ち、マーベルは目を擦りながら移動していると
—選ばれし者よ、時は満ちた…来るがいい、我が世界へと
『———ッ!!?な、何だッ、この感じ…』
急に頭の中に威厳がある声が聞こえて来たかと思えば、何者かに身体が干渉されているかのような気がしマーベルは震える。
実際それはキングダムハーツが彼を自分の世界へ招き入れるための物なのだが、何も知らない彼からすれば恐怖以外の何でも無かった。
『や、止めろ…!俺は———…!』
—案ずるな、そなたを苦しめる気など無い…そなたは身を任せるだけで良い
このまま乗っ取られるのでは…と不安がるマーベルに、キングダムハーツは優しく語りかけると光で彼を包み込む。
—暫し眠るがよい…5つの内の一つ、我が希望よ…
そして完全にマーベルが光に飲まれたのを確認すると、キングダムハーツは彼と転移し—己の世界へと戻った。
「(その後…俺はトワイライトタウンで倒れていた所、リズたちの世界のゼムナスと接触しトワイライトスクールの生徒として過ごした)」
後は知っての通り—マーベルはダメパパンことゼムナスと出会い、彼の計らいで学生として生活しつつ帰る方法を探していた。
まぁ…その時にリズたちと対面し、ここまで厄介事やトラブルに巻き込まれるのは計算外だったが(それでいて、何だかんだ言って共に楽しんでいる)
「…ようやく謎が解けたよ、俺はどうしてこの世界に飛ばされたのかをな…」
「そうですか…良い顔をするようになりましたね、マーベル」
ずっと不可解だった…気になっていた、どうして…何故自分がここに居るのかを
それが分かって抱き続けていた胸のつかえが取れたマーベルは、明るい表情になるとデータ・ファンタジアも嬉しそうに微笑んだ。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.191 )
- 日時: 2014/12/25 22:14
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
「マーベルの事と言い…本当に良い性格してるわね、キングダムハーツのおっちゃんは…」
「そうだね、あたしも余り感心出来ないな、あの人のやる事は」
「そこは否定しろよ、キングダムハーツの使い…」
話がある程度纏まった所でリズはため息を吐くと、改めてキングダムハーツの根性の悪さを実感した故に頭を押さえる。
それはデータ・ファンタジアも同感だったようで、苦笑しながら頷くとカヤにツッコミを決められる。
「そうは言っても…お世辞にも良い奴とは言えないしねぇ」←
「どれだけお前、キングダムハーツの事を嫌っているんだよ…」
「嫌いでは無いんだよ、ただ鬱陶しいって言うか…面倒」←
「………そうか」
だがリズにも言い分があるようで世界の意思について語ると、巻き込まれただけのマーベルでさえ彼に同情する。
しかしそれでもリズは更に暴言を吐いたので、もはや何も言うまいとカヤも諦めたとか
「はぁ…あのバカおっちゃんに文句言ったって現実は変わらないしな、ファンタジア話続けてくれ」
「うーんと…一通りは話したから、何が聞きたい?」
「そうね…私とグラッセとムーンとカヤに授けられた力の事を教えて欲しいかな」
取りあえずマーベルの事は話し終えたので、話題を本題へと戻しリズはデータ・ファンタジアに問いかける。
自分と幼なじみと親友と弟子には、キングダムハーツからどんな力を託されたのかを
「リズは…疾風と狭間の力と称される【ウィングモード】って言う、青い左翼を出す能力だよ、キングダムハーツも少しだけ説明したハズだけど…」
「ああ…私がアイズちゃんを助けるために力を貸せって言った、あの時か…」
まずリズに継承された力はウィングモードと言う、彼女自身も覚えがある能力だった。
確かガイアの攻撃からレイシャを庇い、気を失っていた時に奴の干渉により頂いた(?)記憶がある。
「リズの力は5人の中で一番強いから、キングダムハーツは少しずつ…長い年月をかけて授けていたようだよ」←
「…それってつまり、私以外の人は生まれる前から授けられてたの…?」
「うん、そうだよ?」
「………………」
自分に与えられた加護について知れたのは良い物の、何だかとんでもない事も教えられたのでリズは沈黙するしか無い。
「次に…グラッセは舞水と光の力【ルーキスモード】で、ムーンは大地と闇の力【ウンブラモード】」
「…こちらの言葉で、ルーキスは光でウンブラは影を意味する単語だな」
「あの二人の関係を思えば、ピッタリだな…」
そんな少女を無視してデータ・ファンタジアは、グラッセとムーンに継承された力を説明する。
二人に授けられた能力の言葉の意味は光と影なので、何となくその性能が分かってしまったマーベルとカヤは苦笑する。
「後…カヤライトが氷河と精霊の力【アイシクルモード】」
「アイシクル…氷柱を意味する単語か」
最後にカヤに継承された力のアイシクルモードが話され、マーベルは意味を翻訳すると後二人も納得する。
「これまた、俺に合う言葉だな…」
「実際氷柱みたいに尖がってるしな、色々と」←
「どう言う意味だ、リズ…?」
「自覚が無いなら良いわ」
正にカヤのためにあるような能力だとリズが頷いていると、聞き流せない内容があったからか引き攣った顔でカヤが聞く。
それに金髪と栗毛の少女は捻くれてると言いたいんだ…と思ったが、気付かないなら良いと腕を竦めながら鈍い弟子に呆れたのだった。(でも言った張本人が一番鈍い)
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.192 )
- 日時: 2014/12/26 00:07
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
「…取りあえず大体は理解したわ、私たちの力について」
「この力を…コントロール出来るようになれば、ウラノスとガイアと互角に戦えるようになるんだな…?」
「ええ、そうです…ですが、あの二人は強いです…生半可な強さと気持ちで挑んでは返り討ちにあうでしょう…」
データ・ファンタジアによるキングダムハーツの力の説明により、自分たちの中にある力を理解したリズとマーベルはもう一度確認するかのように問う。
それに少女は肯定の答えを返す物の敵の実力はかなりの物だと語り、本気で実力を解放しないと勝てないと話す。
「そうね、武器を交えた私たちがそれは一番知ってるわ」
「それと…負けた時点で—確実にグラッセとマーベルは殺される、アイツらは自分の身内や仲間だと思った者以外には容赦が無いからな」
リズもそれは分かっているらしく、何時もみたいに強気な発言は出来なかった。
何よりもカヤの言う通り…勝たなければ自分の大切な人たちが犠牲になる、それだけは絶対に避けなければならない道だ。
「あれ、レイシャは?」
「あの子は私の弟だから殺すとまでは行かないでしょうけど…ロクな扱いを受けないと思うわ、だからこそ…負けられないのよ」
「なるほど…えげつない奴らだな…」
「ええ、我が友人ながら…本当にそう思うわ」
そしてマーベルはその部類にレイシャが入っていない事に疑問を覚えたのか、何でだと首を傾げたのでリズもウラノスたちの思考パターンから思い当たった結果を話し納得して貰う。
「だから…私は覚悟を決めたわ—アイツらをこの手にかける…ね」
「「「ッ!!?」」」
もう迷っていられない、戦うしか道は無いんだ—その思いが、リズに辛い決断をさせた。
それはウラノスとガイアを手にかける…それは彼女が大切な人を消すと言う、再びファンタジアを倒した時と同じような事をする決意だった。
「…意味が分かって、言っているのですか?」
「流石にそこまで馬鹿じゃ無いわよ、もうこうする事でしかアイツらを止める方法なんて無いんだ」
恐ろしい決心をしたリズにデータ・ファンタジアも険しい表情になり、言葉の内容を理解して言ってるのかと聞く。
私どれだけ馬鹿だって思われてるのよ…と内心思いつつも、今はそう茶化せる雰囲気で無いので真剣に答えるとカヤが騒ぐ。
「分かってないだろ!ウラノスとガイアを消すって事は…お前また苦しみを背負わなきゃいけないんだぞ!!」
「承知の上よ、やるだけやっといて逃げるなんて選択肢は…元から私に無いわ」
「…損な役割は自分が全部背負うってか?だから俺たちに気にするなと…?」
「そうよ」
またしてもリズに辛い思いをさせなくてはならない、それはカヤも嫌なので全力で止めようとする。
しかしこう言う時の彼女は頑固で聞く耳を持たない、だからこそマーベルも怒りに震えた声で問うのだが…それでも答えは変わらなかった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.193 )
- 日時: 2014/12/26 22:28
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
リズがウラノスたちを消す決断をしている時、一方のグラッセ、レイシャ、ムーンはと言うと…
「ギャ———ッ!!グラ兄、ムン兄、助けてぇぇぇぇぇぇっ!!!!!(涙」
「このッ…!凍りつけ、ブリザガっ!!」
「喰らえ、バーサクモードのダークスパイラルッ!!!」
—ワンダーランドにてトリックマスターと戦闘中であり、2つの炎を纏った棍棒から必死にレイシャが逃げていた。
そんな彼を助けるべくグラッセが弱点の氷魔法を唱え、ムーンがバーサク状態になりながら闇の突進攻撃を決めるとハートレスは心を解放し消える。
「フゥ…これで何とかなったな」
「た、助かった…」
「不思議な部屋に入った途端に、大型ハートレスが待ち構えているなんて思いもしなかった…トリッキーな戦い方と言い嫌な奴だ」
ハートが宙へと浮かび上がり消えたのを確認した後に、ムーンは華麗に着地すると安堵の息を吐く。
それはレイシャも一緒で座り込みながらそう呟くと、グラッセも汗を拭きながら来た瞬間に現れたトリックマスターに恨みがましげに文句を言った。
「二人とも怪我無いか?無いと答えても信用ならないから回復魔法かけるけどなー」←
「じゃあ最初から聞くなよ、グラッセ…」
「その質問、意味あったのグラ兄…?」
敵の気配も無いのでグラッセはムーンとレイシャに近付くと、先らの戦闘によって負った怪我を3人纏めて直すべく詠唱を始める。
ちなみに彼の言葉を聞く限り何が何でも治癒すると言う内容だったので、思わずムーンとレイシャがツッコミを決めようとするが
「…何処ぞの誰かさんたちが痛みを我慢したり、色々と顧みず無茶するからそうしているんだがな」
「うっ…!」
「す、すいません…」
その瞬間—赤髪の少年の眼差しが物凄く冷めた物になり、反論出来ない痛い台詞が返って来たので二人は委縮する。
確かにそれを言われては何も言えない、だって…言われるような事しかしてないから(某破天荒少女を筆頭に)
「お蔭で俺の心配事は尽きないよ、何時どこで無理をするかと考えるだけで…気が気じゃないぜっと!」
だからこそ大人しくグラッセの説教を聞いて居ると、詠唱が完成したのか淡い緑色の光が自分たちを包み込み怪我が完治する。
「これでOKっと…他にも痛い所はあるか?」
「えーと…俺は無いぜ(寧ろ先らよりも調子が良い…」
「俺も、流石グラ兄の回復魔法だ(本当に凄い…」
初級魔法のケアルだったので何処か直ってない場所があるかもしれないと、念には念を入れグラッセが問いかけると問題は無かったようだ。
…と言うか、戦う前の本来の体調よりも良い気がするのは気のせいじゃないだろう。
笑顔で喜ぶ赤髪の少年の魔法の能力を、改めて感心した無茶苦茶コンビだった…
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.194 )
- 日時: 2015/01/24 15:19
- 名前: リラ (ID: PMHGkQdB)
「…良いな、グラ兄は…人を癒せる力を持っていて」
「はっ?お前だって回復魔法は使えるだろ?」
「そうそう、使えないのは…リズとカヤぐらいか、あの二人才能と言うか…素質自体壊滅してるからな」
改めて義兄の能力を高さを実感したレイシャは、何処か切なそうで寂しそうな表情でそう語り出す。
いきなり何だとムーンとグラッセは思いつつも彼も回復系統の技は使えるハズなので、笑いながらフォローをするが金髪と栗毛が混ざった少年は首を振る。
「うん…でも俺はグラ兄ほどの回復能力は無い、それにムン兄ほどの力も無い…何一つ、誇れる物が無い」
確かに自分は回復魔法のスキル自体が無い姉や親友とは違い、ケアルなどと言った癒しの魔力を発動出来る。
でもそれはキーブレード使いなら普通の事であって、グラッセほど高度な治癒を施す事は出来ない。
それでいてムーンのように強大な力を…強さを持っている訳でもない、だからあの時—存在しなかった世界で襲撃された時に何も出来なかった。
「俺に…もしも二人のように何かがあれば、リズ姉ちゃんを傷付けずに済んだ、俺を庇って…怪我をする事も無かったって思うんだ」
自分には何もかもが足りなかった、誰かを守れる力、大切な人を支える心の強さ、怪我を治す事が出来る能力などが
そのせいで足手まといにしかならなかった、だから姉はガイアからの攻撃を自分の代わりに受け…あんな大怪我を負った。
血溜まりの中倒れ伏すと言う光景は—恐らく一生忘れられないだろう、グラッセが居なかったら確実にリズは死んでいたのだから
「それに…アイズだって行方不明になる事が無かった…!!」
自分たちのために戦ってくれた大切な幼なじみであり親友の少女、彼女はあの戦いの場でガイアから力を奪われキーブレードが使えなくなったそうだ。
それだけじゃ留まらず魔力まで失わせてしまった、その状況で何処かへ連れ去られた。
きっと不安と戦っているハズなのに…自分は傍に居る事も出来ない、何時も苦しい時に助けてくれていたのに…親友失格だ。
「へ、へぇ…(そこまで想っていて、親友失格って…気付いてないのか、自分の想いに…!!」
「(流石超鈍感の名を持つリズの弟…同じ血を引いているだけはあって、そっちには鈍いんだな…)」
レイシャのアイズに対する心を聞いたグラッセとムーンは引き攣った顔をするしか無い。
ぶっちゃけ愛の告白をしているような物なのだレイシャの今言った内容は、しかも本人がそれに気付いていないと言うタチの悪いタイプだ。
そこら辺の事は追々ツッコミを決めるとして、今は…自分の力の無さに嘆いているレイシャをどうにかする事にした。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.195 )
- 日時: 2014/12/30 22:29
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
「レイシャ…お前さ、ちょっと闇の力使ってみろよ、それこそ—闇に飲まれる勢いで」
「ッ!!?そんな事したら—…ッ!!」
余り実力行使で説明したくはないが、この際やってみた方が本人も実感出来るだろうと思いムーンは突然信じられない事を口にする。
自分が強大な闇を解放してはアンチ化するか暴走してしまう、それで二人に迷惑をかけてしまう事が目に見えているからこそ彼は困惑する。
「いいから、例え飲まれたとしても俺たちが全力で止めてやる…なぁ、グラッセ?」
「…ああ、ムーンがそこまで言うなら何かしらの考えがあっての事だろうし…任せとけ」
しかしそれを分かっていてムーンは促し、グラッセも親友を信じているが故にすぐ頷く。
「…うぅ〜、どうなっても…知らないからな…!!グラ兄、後で覚えてろよ〜…!!!」
きっと赤髪の少年なら考えた末に止めてくれると思っていたのに、そうも簡単に決断してしまったからか薄情だと言わんばかりの顔で睨まれる。
それでいてリズと同じ青い瞳に涙を溜めている物だから、物凄い罪悪感に襲われたグラッセだが…これも全てはレイシャに自信を持たせるためだ。
だからこそ心を鬼にし、成り行きを見守る事にした。
「—…純粋な闇よ、俺の呼びかけに答えてくれ…うあぁぁぁ——————ッ!!!!!」
もしかしたらを考えてレイシャは出来る限りグラッセたちから距離を取ると、両手を握りしめまるで祈るかのような姿勢を取ると—闇の力が解放される。
「…毎度の事ながらアイツの闇の力は相当な物だよなぁ…」
「それでいて瞳の色が…金色に変わるから、ちょっと心臓に悪いんだよな…」
かつて昏睡状態に陥った人たちを救うための旅をしていた時、見せられたレイシャの闇を思い出す。
あの時も今と同じように吹き飛ばされそうな力が発揮され、彼の青い瞳が闇を象徴する金色へと変化していた。
今もそれは分からないが…前とは違う、明らかに違う所があった。
「(…あれ?身体が…軽い?)」
それはレイシャも気が付いていた事である、何時もならこの辺で耐え切れず闇の弾丸と言った物が暴発するのだ。
だが今はそれが無い…そして通常なら疲れるハズなのに、体調は至って良好である。
「よーし、そろそろ収めて良いぞ」
「う、うん…」
その様子を見たムーンがやっぱりなと言いながら笑うと、レイシャに向かって力を閉じて良いと喋る。
もう良いならばと彼も手を下ろし、少々戸惑った様子で戻ってくる。
「レイシャ…闇の力を暴走しないで扱えるようになったのか…!!」
「う、ううん…今日は何かおかしい、いきなりこんな風に闇をコントロール出来るようになるなんて…」
グラッセもこれには驚きを隠せないのか、闇を完全に力とした少年に問いかける。
でもレイシャ自身もよく分かっていないようで、こうなった原因である紫髪の少年を見つめた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.196 )
- 日時: 2014/12/31 14:44
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
「…おかしくなんかねぇよ、それがお前の実力だろうレイシャ?」
「え…」
「お前は全く気付いてなかったようだが…俺はすぐ分かった、夢の世界から生還してから—お前の力は非常に安定してるんだよ、それこそ完全に闇を操れる程にな」
縋るような視線にムーンは苦笑しつつ、金髪と栗毛が混ざった少年の勘違いと解くべく語る。
レイシャが偽りの夢の誘惑に勝ちこの世界へ戻って来てからと言う物の、前は不安定だった彼の中の力の危険性が無くなっていると感じ取っていた事を
「嘘…俺、闇を完全にコントロール、出来るように…なったのか…?」
「ああ、恐らくきっかけはお前が昏睡状態に陥った事が関係しているから…余り良い物では無いがな」
「所謂荒治療…ショック療法って所か?」
「そう言う事だ…本当に嫌な方法だ」
それを聞いたレイシャは信じられないと言わんばかりの顔をするが、すぐ笑顔になり…これで誰も傷付けずに済むと内心喜ぶ。
ムーンもそんな彼を見て笑みを浮かべる物の、そうなった原因がガイアによる嫌がらせ(?)だったので渋い顔をした。
そんな親友にグラッセも何とも言い難い表情をしながら、医学的に考えるとと聞いてきたので紫髪の少年は頭を押さえた後に頷いた。
「…何かさ、余り言いたくないけど…ガイアって奴は、酷いんだな…折角会えた友達を傷付けるだけ傷付けて…」
「挙句に身内にまで手を出しやがった…もうアイツらを、正直な所…友達と言っていいのかすら分からなくなっちまった…」
人を悪く言う事を好まないグラッセですら文句を言うほどの、暴挙を犯したガイアにムーンは悲しげにもうどうすればいいかと本音を漏らす。
実際彼の言う通りなのだ…かつて友だった人物たちは俺たちの大切な者を苦しめ過ぎた、それだけで戦う理由はもう十分にあるし…自分自身も二人の事を許せない。
「だから俺はアイツらとケリを付ける、全力で戦って…刺し違えてでも止めてやるさ」
「ムーン、それは…」
「…恐らくリズも同じ事を思ってると思う、アイツは誰よりも他人の痛みを背負おうとするバカだからな」
彼らと手を取り合える事はもう…無いのだろう、だったらやる事は一つ…命を奪ってでもウラノスたちの目的を阻止する。
ムーンも決意を決めるとグラッセが切なそうに何かを言おうとしたので、心を揺らがせないためにも自分と同じ決断をしてるであろう少女の事を口にする。
「アイツは…ウラノスとガイアの事をも好きだから本当は迷ってる、でも本音を吐き出せねぇんだ…お前以外には」
「俺…?」
「…アイツも何だかんだ言ってお前にベタ惚れしてるからな、お前なら話してくれるから聞いてみろよ♪」
「ベッ…!な、なな、何言ってるんだよ、ムーンッ!!///」
何でも一人で背負い込むクセを持つ彼女の事だ、絶対に内心悩んでいてもマーベルやカヤに打ち明ける訳が無い。
それが出来るのはそんな彼女が愛し愛される人物、恋人であるグラッセだけどムーンは踏んでいた。
なので彼を信じてからかいつつも全てを託すと、案の定赤髪の少年は顔を髪の色と同じくらい真っ赤にした。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.197 )
- 日時: 2015/01/02 00:02
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
皆さん、新年明けましておめでとうございまーす!!
リズ「明けましておめでとう!2015年が始まったわね♪」
ムーン「ああ…今年もよろしくお願いします(ペコリ」
グラッセ「相変わらず真面目だな、ムーン…(同じく」
そう言いつつアンタも頭下げてる当たり、人の事言えないからねグラッセ…(横目
リズ「ったく、二人揃って細かいと言うか…少しはハメを外しなさいな」
グラッセ「リズみたいに羽目を外したら、それこそ礼儀知らずだろ…(横目」
ムーン「同感だ、無礼者だとは思われくないしな」
リズ「今でも十分失礼だから安心しなさい、それでいてグラッセもヘタレだから」←酷
グラッセ「へっ…!!?(硬直」
…新年早々、哀れと言うか可哀想な男ですね…(同情
ムーン「本当にな…結局ヘタレ扱いされている辺り…」
グラッセ「やかましい!さっさと更新しろぉ!!!(涙&トランス」
はいはい、やりますよ
今年もこんな感じでゆるく(?)行きます!
「うぅ…ムーンの奴、からかいやがって…!!///」
幼なじみでありよーうやく両想いになったリズの事で、ムーンに弄られたグラッセは未だに顔が赤くなっており唸っていた。
付き合ってから結構な日にちが経っていると言うのに、何処までも純情なバカップルである。
「グラ兄…しっかりしなよ、そんなんじゃ俺…将来の兄ちゃんとして、色々と心配だよ…」←
「お前も何言ってんだ、レイシャァァァァァァッ!!!!!?///」
そんな義兄を見て少々不安になったのか、レイシャはため息を吐きながら13歳の少年が言うべきではない問題発言をする。
まさか将来の義理の弟になる(?)彼に、こんな事を言われるとは思いもしなかったグラッセは絶叫じみたツッコミを決める。
「だってさ…今の状況を見る限り、グラ兄…リズ姉ちゃんと進歩無いだろ…」←
「レイシャそれは誤解だ、一応進歩はあるぞ…何せグラッセとリズは恋人同士になったからな」
「えっ!!?つ、ついになったの!!?」
どうやらグラッセたちの関係をまだ知らなかったレイシャは、二人が付き合ってる事を知らない故に切ない取り違えをする。
それをムーンがニヤニヤと笑いながら訂正すると、金髪と栗毛が混ざった少年は目を見開く。
「うわー…!!どうやってそうなったか、経緯を教えてムン兄!!」
「おう、良いぞ…あれはトワイライトスクールの屋上での出来事でなー…」
そして次の瞬間には嬉しそうな表情をしたかと思えば、何があってリズとグラッセがくっ付いたかを聞いて来る。
好奇心旺盛も困った物だとムーンは苦笑する物の、恥ずかしさの余り倒れている親友に視線を向けた後に話し出す。(鬼
「や、止めてくれ、ムーン…あれは俺にとって、一種の黒歴史ぃ…!!(涙」
彼女の弟にもアレ(スクールチルドレン第一章)の内容を知られたく無いのに、ウキウキとした様子で話す獣に赤髪の少年は地に伏しながらそう呟くのだった…
え、何故魔法を使ってまで止めないかって?それはグラッセが腰を抜かしているからです。
一番は大切な友達を傷付けたくないからと言う理由だが、そこはあえて語らずに少年のこっ恥ずかしい歴史はベラベラと教えられたのだった…
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.198 )
- 日時: 2015/01/03 15:45
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
「ほーほー…つまり結局二人は病院の屋上で抱き合いながら、愛の告白をしたと…」
「そう言う事だ♪その後誤解があってグラッセを追いかけちまったけどなー」
「まぁ、その状況を聞く限りじゃ仕方ないと思うけどなー♪」
グラッセの黒歴史(という名の、愛の告白事情)を全て聞いたレイシャは、実に楽しそうな顔をしながら地に伏す赤髪の少年を見る。
それはムーンも一緒で親友の恥ずかしがる姿が面白いのか、久しぶりドSっぷりを発揮している始末だ。(酷
「あの…もう、その辺にして…貰えませんか…!!?///」
「切実だな、オイ…まぁ、これ以上は流石にお前が可哀想だからやるつもりないけど」
もう見ていられないのかグラッセは今にも泣きそうな顔で呟くと、ムーンもその必死さを見兼ねてか苦笑しながら手を伸ばし起こしてあげる。
弄りつつも相手が本気で嫌がっている場合は、止めてあげる優しい紫髪の少年であった。(某少女は寧ろもっとやるタイプだから)
「からかって、ゴメンゴメングラ兄…でもこの様子なら安心したよ、俺も何の気兼ね無くリズ姉ちゃんを任せられるしな」←
「それ…本来ならロクサスさんかナミネさんが言う台詞じゃないか…?」
「だってリズ姉ちゃん、弟の俺からしても色んな意味で手がかかるし…」←
「………………」
それはレイシャも一緒で涙ぐんでいるグラッセに謝りつつ、まるで嫁に出すかのような内容を話すので思わず赤髪の少年は何時もどおりツッコミを決める。
しかし返って来た答えは…非常に納得が出来ると言うか、否定出来ない物だったので彼は黙り込むしか無い。
「お前ら…リズ関係で苦労してるな…」
たった一人の少女によって振り回される二人を見て気の毒だと思ったのか、思わずムーンも今頃マーベルとカヤを振り回しているリズの事を想像しながら遠い目をしていると—
『—ムーン!聞こえる!?』
「うおっ!!?その声、リズか………って、え?」
タイミング良く今話題の少女がムーンのピアス—【持ち運び可能☆小型連絡機能映像写し可能ピアス】に連絡を入れて来たのだ。
いきなりの事で驚きつつもすぐ彼女だと気が付き、どうしたと問おうとしてリズの後に居る人物を見て固まる。
「う、嘘…だろ…!?」
「な、何で貴女が…!!」
『—久しぶりねー、ムーンにグラッセに…レイシャ君だっけ?』
それもそのハズであろう、その人物は死んだはずのファンタジア
事情を知っている3人は何でここに、それ以前に何で生きてると思うが…驚き過ぎて声が出なかった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.199 )
- 日時: 2015/01/05 23:02
- 名前: リラ (ID: t7vTPcg3)
「ファンタジア…生きて、いたのか…?」
『違うよムーン、この子はファンタジア本人じゃない—…ファンタジアがデータ化された存在なの』
まさかの登場人物にムーンは開いた口が塞がらないのか、唖然とした様子でデータ・ファンタジアに問う。
その様子にやっぱりかー…とリズも苦笑しながら、彼女について説明するとグラッセとレイシャが納得した声を出す。
「なるほど…データ・ファンタジアと言う訳か、それなら納得だ」
「うん…幾ら何でも死んだ人間…いや消滅したノーバディが、復活するなんて事…本来はあり得ない事だから」
『話が早くて助かるわ♪流石グラッセとレイシャだわ』
—自分たちも普通ではない事を自負している二人は、信じられない状況を受け入れる思考を持ち合わせており説明が省けた。(酷
柔軟な考えを持つ奴らで良かったー…と思いつつ、リズは後に居るマーベルとカヤに視線を向け話題に参加する事を促す。
『取りあえずこのデータ・ファンタジア…と言う少女との接触により、ある程度情報が入った…だからトワイライトタウンに一度来てくれないか?』
『特にグラッセとムーンには教えなきゃいけない物だったからね…』
「俺たちに?」
「何だ、それは…?」
強引な師匠だとカヤは呆れつつも本題に移り、黄昏の街と呼ばれる世界へ集合する事を頼んでくる。
それにリズが遠い目をしながら困惑した様子でそう言ったので、名前が出た男二人は首を傾げる。
『…詳しくはトワイライトタウンで説明する、急遽申し訳無いが…急いで来てくれ』
『あたしも一緒に待ってますのでー』
今話しては長くなる事が目に見えていたので、マーベルとファンタジアはそれだけを語ると通信を切る。
勝手だな、オイ!?とこの場に誰もが思ったが、あれだけ切羽詰まった様子では行くしかないだろうと思い—グミシップを出す。
「ムーン、レイシャ、準備は良いか?」
「何時でも大丈夫だよ、グラ兄」
「俺も問題無い」
「よしっ…目標はトワイライトタウン、その近くまでワープ機能…発動っと」
—バシュンッ!!
そしてグミシップ内の運転席に座ったグラッセが、後部席に座った二人に確認を取ると返事が返って来たので彼は操作に集中する。
それから数秒後にはワンダーランドから、彼らの姿は完全に消えていた…
「リズ姉ちゃんたち、一体何の用なんだろうな…?」
「概ねファンタジアの事だろう、他にも何かありそうな雰囲気だったが…」
「ああ、俺も…この復活したバーサクの力について、相談しようと思っていたから丁度良い」
ワープが成功しトワイライトタウンが見えてくる中、異界の海ではレイシャとグラッセを腕を組みながらそんな会話をする。
赤髪の少年の言う事は間違っていないと親友の勘で悟っていたムーンは、彼に同意しつつリズたちにも言うべきであろう—バーサクの力の再発を思い、何処か浮かない表情だった…
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.200 )
- 日時: 2015/01/07 15:44
- 名前: リラ (ID: PMHGkQdB)
そしてトワイライトタウンの駅前広場へと降り立ったグラッセは、辺りを見渡し誰も出迎えが無かった事にため息を吐く。
「はぁ…いきなりトワイライトタウンに来いって言っておいて、誰も居ないんじゃ何処にアイツらが居るか分からないじゃないか…」
「リズの事だ、どうせそこまで考えてなかったんだろう」←酷
「俺もそう思う」
呼んだ張本人がこの場に居ないでどうするんだ、自力で探し出せってか!?と内心切れながら赤髪の少年は頭を押さえる。
そんな彼の考えが手に取るように分かるのか、苦笑したムーンとレイシャが肩をポンと叩いた事により冷静さを取り戻す。
「…それもそうだな、仕方ない…片っ端からアイツらが居そうな場所を行くしかないか…リズは見つけ次第怒るとして」←
「(やっぱり怒るんだ…ご愁傷様、リズ姉ちゃん…)」
それを言われると強ち間違い気がしたので、グラッセは落ち着きつつもリズへの制裁は忘れないのかそう口にする。
ちなみに内容を聞いたレイシャが遠い目をしながら姉に同情しつつも、助ける気は全く無かったのは余談である。(だってどう考えてもリズ姉ちゃんが悪いじゃん byレイシャ)
「—おっ、やっと来た、グラッ…」
「何がやった来ただ、このバカ——————ッ!!!!!」
「うぎゃああああああああっ!!!!!?」
それから数時間後—結論から言って破壊神…ゴホンゴホン、リズたち一行は見つける事が出来た…サンセットヒルにて(幽霊屋敷から移動して来た)
見つけて早々グラッセからのお仕置き(と言う名の、ファイガ)が、お見舞いされたのは言うまでも無いだろう…寧ろ当然であった。
「…リズ相手に出会いがしら魔法喰らわせる奴なんて、グラッセぐらいしか居ないよな…」
「アイツも何だかんだ言って大物だからな、恐れ知らずなんだろう」
「早い話慣れているんですよ、リズの奇行とか…リズの考える事とかに!!」←
「「お前が一番失礼だぞ、ファンタジア」」
その通常ならあり得ない異常な様子を後から見ていたカヤは、引き攣った笑みを浮かべながら呟きマーベルも呆れた様子に同意する。
しかし次に言葉を漏らしたデータ・ファンタジアの一言で、二人揃ってツッコミを決めるはめになったが
「もー…痛いなー…!いきなりファイガは無いでしょ!せめてファイラぐらいにして!!」←
『(攻撃される事自体は良いのかよっ!!?)』
「断る、本来だったらレイジングストームでやりたいぐらいだ」←
『(お前はお前でリズを殺す気かぁ!!?)』
そんなやり取りをしている内にリズは立ち上がったようで、上級魔法をぶちかまして来た親友に文句を言う。
そりゃそうだろうなー…と一同も頷こうと思ったが、後半の問題発言とグラッセのとんでもない発言により今度は全員でツッコミを決めるハメになった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.201 )
- 日時: 2015/01/11 22:33
- 名前: リラ (ID: PMHGkQdB)
「…冗談はその辺にして、話を進めろお前ら…」
「それもそうね、今はふざけている場合じゃ無いか…」
「悪い悪い、ムーン」
そしてこんな風にボケツッコミをする暴走コンビに、唯一文句を付けられるであろうムーンが呆れたように呟くとようやく事態は収束する。
しかし突如リズがそんな少年に接近したかと思えば、腕を掴みながら言った言葉に皆が絶句するハメになる。
「—それで…何時からなの、何時から…月の力が復活してたんだ?」
「「ッ!!?」」
「「なっ…!!」」
それもそうであろう彼女が口にした内容とは、ムーンの月の能力が再び目覚めている事に気付いていたと言う事実だったのだから
これにはグラッセとレイシャは息を飲み、紫髪の少年の事情を知らないカヤとマーベルは唖然とした。
「な、何で…気付いた?」
「私はアンタの暴走した月の力を浄化した張本人よ?アンタの纏う雰囲気で一瞬で気が付いたわよ」
「…って、事は…お前、まさか…」
「ええ、未来の存在しなかった世界で再会した時には分かってたわよ」←
「………………」
まさか彼女にバレているとは思いもしなかった少年は、信じられないと言わんばかりの表情で問う。
それにリズは優しく微笑みながら何気に問題発言をし、ムーンは早く言え!と言いたげな眼差しを向けつつも疲れたのか無言だった。
「うーん、完全に消し去ったと思ったんだけど…そうじゃ無いのかな、いや…でも、ファンタジア」
「何、リズ?」
「コイツの月の力なんだけど、前より禍々しい力が感じられない当たり…もしやこれもキングダムハーツの力による物かしら?」
「そうですね」
完全に成すがままになった親友の腕を離し、身体中を観察しながらリズは彼の月の力の復活の原因が思い当たった。
それはデータ・ファンタジアの言った授けられた力、世界の大いなる意思ことキングダムハーツの仕業なら納得出来る。
なのでニコニコと笑っている少女に確認を取ると、案の定肯定の答えが返って来て頭が痛くなった。
「はぁ…あの野郎、本気で覚えてろ…」
「…えーと、リズ…俺たちにも分かるように説明して貰えると嬉しいんだが…」
「分かってる、今から話す事は全部事実よ?心して聞けと言うか…ちゃんと受け止めろよ?」
もう何度目か分からないが今頃呑気に世界を見守っているであろう、心の集合体に殺意が芽生えたリズは指をポキポキを鳴らす。
それでいてドス黒いオーラを出しながら笑みを浮かべると、何が言いたいのか全く分からないグラッセが首を傾げる。
レイシャもムーンも同じ顔をしていたので、この際説明するのに丁度良いと思った金髪と栗毛が混ざった少女は全て語り出した…
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.202 )
- 日時: 2015/01/15 23:33
- 名前: リラ (ID: PMHGkQdB)
「…あの心の集合体…!何故こうも俺たちに面倒事を押し付けると言うか、トラブルを持ち込むんだ…!!」
「今回は絶対許さない…!あれだけ俺たちに切れられたと言うのに、まだ怒られ足りないと言うか、反省が足りないようだなぁ…!!」
そしてリズから全ての事情を聞いたグラッセとムーンは、案の定今まで散々巻き込まれた挙句またしても厄介事を押し付けられた故に切れた。
無理も無いであろう、何せある意味世界の命運を背負う大事な能力を生まれた瞬間に既に託されていたのだから
「私たちに拒否権が無い当たり、あのおっちゃんの性格の悪さが滲み出ていると言うか分かるよねぇ…」
「ああ、本当に勝手な奴だ…俺もそのお前たちの切れると言う物に参加したい所だが…俺はパスだ」
怒り狂う幼なじみと親友を見てリズもため息を吐きながらそう言う当たり、キングダムハーツに対して死亡フラグが成立したのは言うまでも無い。
しかし同情する価値も無いだろうとカヤも苦笑し、自分も彼女たちと同じく大いなる心のボコボコリンチ大会(?)に出ようと思ったが辞退する。
「珍しいな、カヤが人を甚振る出来事に進んで加入しないなんて…」
「お前俺を何だと思ってるんだ、レイシャ…出来る事ならしたいにはしたいが、今俺が出来る事はキングダムハーツが授けた力を完全に取得するだ」
何だかんだ言って血の気が多いカヤがそう言うイベントを遠慮するのが、レイシャは驚いたようで少々酷い事を言いながら口にする。
素直過ぎる彼に水色の髪の少年は顔を引き攣らせる物の、確かに否定出来ない事実なので肯定しつつ今優先すべき事を語る。
「俺が見た限り…リズ、グラッセ、ムーンはキングダムハーツに託された力を使いこなしていると思うが、俺とマーベルはどうだ…?使いこなしているように見えるか?」
「そうですね、リズたちはかつて旅をした時に色々と無茶をしましたから…力の出現がその時に兆しがあり、今では…立派に具体化させているようですし」
名前を出した3人と違い—カヤたちは力を自由に使えなかった、それではキングダムハーツの力も意味が無い。
それはデータ・ファンタジアも理解している事で、あちらで騒いでいるリズたちに視線を向ける。
「よっしゃー!グラッセ、ムーン!殴り込み行くぞーっ!!」←
「おうよ!今度こそ息の根止めてやる!!」
「…何処からツッコミを決めればいいんだ、俺…でも確かに腹は立つしなぁ…!!」
…3人とも感情が高ぶっているようで、リズは何時の間にか蒼い羽を出しており、ムーンは黒と青の光を纏い、グラッセはトランスしていた。
ウィングモード、ルーキスモード、ウンブラモードを見事に発動しているようで何よりだった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.203 )
- 日時: 2015/01/18 14:44
- 名前: リラ (ID: PMHGkQdB)
「………流石リズ姉ちゃんと、グラ兄とムン兄の親友トリオ…と言うべきなのかな?」
「グラッセやムーンはともかく…リズは人外の代表みたいな物だしな、そう言っても問題ないだろ」←
「お前たち…それリズに聞かれたら、間違いなくあの世行きだぞ…」
キングダムハーツ暗殺計画(?)を立てている3人を見て、レイシャは引き攣った笑みを浮かべているとカヤが納得出来る内容を口にする。
確かにリズは彼の言う通り—ここ最近の行動や今まで作り上げた武勇伝を思えば、もはや人間…いやノーバディなのだが、人ですらないと思えた。(酷
だからこそレイシャも自分の親友の言い分に何も言えずに居ると、黙って成り行きを見守っていたマーベルからのツッコミが入りこの話は終わった。
「とにかく俺もカヤの意見に同意だな…俺もキングダムハーツの力を頂いた以上はやるさ、勝手にこの世界に招かれて巻き込まれた形だけどな」
「あはは…俺も賛成、俺はキングダムハーツに選ばれなかったけど…支える事は出来るから、皆をフォローするとか…」
「…ありがとな、レイシャ」
それから騒いでるリズたちを放置する事で話を戻し、同じく世界の大いなる意思から力を継承されたマーベルもカヤも案に賛同を示す。
まずはやれる事からやろうとレイシャも頷き、出来る限り自分も協力すると言うと水色の髪の少年は珍しく嬉しそうな表情をしながらお礼を言った。
「ウフフ…皆さん、本当に仲が良いですね…お互いを信頼し合っていると言うか、羨ましいです」
そんなやり取りを見つめていたデータ・ファンタジアは、面白そうに笑ったかと思えば優しく微笑むを浮かべる。
でもこの笑みは…何かを思い出しているような笑みにレイシャは見えた、それこそ何かを懐かしんでいるかのようなと思い…気付いた。
「もしかして…ファンタジアさん、昔の…リズ姉ちゃんと過ごした時を思い出した?」
「…ええ、それはあたしの記憶と言って良いのかは分かりませんが、とても大事な記憶だと思います、記憶の中のあたしは…幸せそうでしたから」
彼女は本物の自分…【ファンタジア】の記憶も持っているからこそ、リズたちと自分たちの光景を見て【過去の思い出】に浸った。
それは自分が体験した事ではないが、予想以上にも記憶の力は偉大で楽しかったリズとの日々を思い出すと…申し訳なくなった。
あたしは偽物なのに何をしているのだろう、これでは本物の彼女とリズに失礼ではないかと—空しくなった。
「何他人事みたいに言ってるんだよ、記憶があるならファンタジアさんはファンタジアさんで良いじゃないか」
「え…?」
「確かに君はデータかもしれないけど、君の中の記憶は君だけの物だ、誰にも否定出来ない…ね、それを拒絶するほうがリズ姉ちゃんと【ファンタジア】は傷付くと…俺は思う」
でもその考えを…リズの弟である彼が否定した、君は君だと…ファンタジアであると
例えデータの存在であろうとも自分がファンタジアであるなら、そう振る舞えば良い…自分を偽る方がリズたちは悲しむ…と
「………そうですね、きっとあの子ならそう言いますね」
未だにギャーギャー騒ぐリズへと視線を送り、データ・ファンタジアは苦笑しながら思い出した。
昔のあたしが似たような事を言った時、彼女は物凄く怒ったなと…それこそ鬼の形相で
「…ありがとう、レイシャ」
「どう致しまして!それよりも何時まで騒いでいるんだよ、リズ姉ちゃんたちー!いい加減戻ってウラノスたちを探さないと!そして対策も練らないと!」
それを思えばこれで良いんだと考えられるようになり、データ・ファンタジアは心から笑うとレイシャも同じく笑い姉たちを呼ぶ。
今から存在しなかった世界へ戻って、やらなきゃいけない事は沢山ある。
キングダムハーツから授けられた力の特訓など、ウラノスとガイアの居場所の捜索の再開などと…数えたらキリが無い。
でも…全てはこの悲しい戦いを終わらせるためだ、姉たちと親友のかつての友の復讐を止めるためにも…
断章2終了
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.204 )
- 日時: 2015/01/18 15:05
- 名前: リラ (ID: PMHGkQdB)
予想より長くなってしまいましたが、断章2終了です!
今回はデータ・ファンタジアさんの登場と、キングダムハーツの策略とも言える5つの力の存在を出すお話でしたが…(横目
リズ「だからと言って、私たちの制裁が無いとでも…?(黒笑」
レイシャ「よくも人の姉とその親友に、こーんな重い設定背負わせてくれましたねぇ…!?(同じく」
…やっぱり今回も避けられないようですね、処刑…何て言うと思ったかぁ!!(目見開き
いでよ!最終兵器—断章3の台本と言うか、台詞集!(オイ
グラッセ「何って物を出してんだ、お前ぇ!!?」
カヤ「でも…何が書いてあるのか、気にはなるよな…」
ムーン「どうせロクでも無い事だと、想像は付くがな…」
マーベル「次回は誰が被害にあう事やら…」
…本当に言いたい放題言ってくれますね、貴方達…
でーも、これリズが読んだらどうなるかなー♪(ヒラヒラ
リズ「うっ…嫌な予感しかしねぇ…!」←酷
あ、じゃあ見ない?見ないならこれは仕舞いますっと…
リズ「見るよ!見ないと何されるか不安だし…何々…私は………—エッ?(硬直」
これでリズは暫く大丈夫でしょうっと(丸投げ
ムーン「お前、何を書いたんだよ…(呆」
グラッセ「何だ、このデジャヴ?リズ、俺にも見せてみろ………(思考停止」
レイシャ「グラ兄、何書いてたんだ………(絶句」
あっ、レイシャは見ちゃダメ———
レイシャ「…何じゃこりゃあああああああっ!!!俺は認めないぞぉぉぉぉぉぉっ!!!!!(大暴走&闇の力放出中」
だから言ったのにぃぃぃぃぃぃっ!!!!!?(滝汗
カヤ「うおぅっ!?お前レイに何を見せたんだぁぁぁぁぁぁっ!!!!!?(氷の壁でバリア」
マーベル「あれだけ荒れるって事は、相当だろうがっ!!!(逃」
それは彼がシスコンだから!!そこまで悪い理由ではない!!(涙
レイシャ「誰がシスコンじゃあああああああっ!!!!!」
って、ギャーっ!!こっちにダークファイガ打たないでぇぇぇっ!!!!!
ムーン「…結局なんだったんだ?(スタジオの安全圏まで避難」
ファンタジア「それはですね…多分次回のタイトルから少しだけ分かるかと(前から居た」
ムーン「?何なんだ、それは…?」
ファンタジア「それはですね…断章3『驚愕の出来事と触れ合う二人の心』だそうです…」
ムーン「…全く分からんのだが」
ファンタジア「…まぁ、これで分かった人は凄いとあたしも思います」
ムーン「駄目じゃねぇか…まぁ、いいか…次回の更新をお楽しみにっと!」