二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.85 )
- 日時: 2012/07/27 13:50
- 名前: リラ (ID: xBFeLqnd)
第七章—本当の思い出と過去への区切り—
「だーっ!!!もう何で私が離脱している時に限って次から次へと更に問題が増えるのよ——————ッ!!!!!」
「それをレイディアントガーデンでお前の心を取り戻す方法を探していてお前と同じく離脱状態だった俺たちに言うな…そしてお前はこんなに男が居る中—普通着替えるか?」
「だって一々部屋に戻って着替えるのめんどくさいしー、それに別に友達なんだから問題無いっしょ」
「大有りだ、現にグラッセの奴が気絶してる」
存在しなかった世界の虚空の祭壇ではピンクのパジャマ姿から何時も着ている制服に着替えたリズが、私が離脱している時に限って次から次へと問題が増えるのよと切れていた。
そんな親友に対してムーンは同じく離脱状態だった俺たちに言うなと文句を言いつつ、殆ど男で形成されている機関員全員が集まっている中普通に着替えるかとツッコミを決める。
そうリズはサイクスから今の現状—自分が離脱してからレイシャがフリーズシティに向かってから行方不明になっている事、そしてカヤとマーベルもそんなレイシャを迎えに言ったはずなのに戻って来ずに行方不明になっていると言う説明を受けている中、パジャマ姿だと即座に行動出来ないと言う理由から普通にこの場で脱ぎ出し制服に着替えたのだ。
それが原因で殆どの男性陣は目を逸らしている状況なのに、本人は恥じらいなど無く到って普通に一々部屋に戻って着替えるのめんどくさいしと言う始末だ。
この勇ましさと言うか逞しさに呆れつつ、気絶してしまったグラッセの介抱をしながらもう少し男に対して危機感を持てと思ったムーンであった。
「取り合えずママンから聞いた話を纏めると、レイはフリーズシティに向かってから行方不明で、家のバカ弟を迎えに言ったカヤとマーベルも帰って来ずダスクたち配下ノーバディが探しに言っても見つからず行方不明…そう言う事だね?」
「ああ…一応今もフリーズシティに配下ノーバディたちとロクサスとアクセル、そしてシオンを向かわせているが見つかったという報告は受けていない」
そしてフリーズシティへ向かうグミシップの準備が完了し、ママンから聞いた事をもう一度確認するとサイクスは頷きフリーズシティにはロクサス、アクセル、シオンの三人を向かわせているが見つかったという報告は無いと言う事も教える。
「そう…父さんたちも探してるのね…一応フリーズシティに着いたら一度合流して情報を得るわ…あのバカ弟が…!!皆に迷惑かけて…見つけ次第ただじゃおかないわよ…!!!」
「それ以前に見つけたらレイシャに説明してやれよ、お前とレイシャの…姉弟の【本当の事実】を…それからレイシャの正体について聞け」
「…そうね、あの子も悩んでいるでしょうから…あの子にとっても辛い事かもしれないけど、自分が生まれた事に関して【後悔】して欲しくないから全て教えるよ」
父さんたちも探しているのに見つからない、その事に関して不安を覚えるが合流して情報を得るわと自分を納得させレイシャの奴見つけたらただじゃおかないんだからと指を鳴らす。
そんな恐ろしい予告をするリズに、グラッセを引っ張っているムーンはそれ以前に見つけたらレイシャにお前たち姉弟の【本当の事実】を説明してやれよと促がされる。
私たちの【本当の真実】—それを知ればあの子にとっても辛い事かもしれないけど、自分が生まれた事に関して【後悔】して欲しくないから私が知っている事は全て教えて—彼からも全て聞いて受け入れようとリズは決意し拳を握り締めた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.86 )
- 日時: 2012/08/11 00:18
- 名前: リラ (ID: xBFeLqnd)
「そろそろ行くぞ、このままだと日が暮れちまう」
「フリーズシティは闇の霧が世界ごと包んでいるから日なんて昇らないけどね、それじゃあ行って来るよ—あのバカ共を迎えにね…」
そんなやり取りを行っていると結構時間を食っていた様で、このままmだと日が暮れちまうからそろそろ行くぞとムーンがグミシップに乗りながら言って来た。
それに対してフリーズシティは闇の霧が世界ごと包んでいるから日なんて昇らないけどねとリズはツッコミを決めつつ、あのバカ共(レイシャ、カヤライト、マーベル)を迎えに行って来るよと不安そうな表情をしている機関員全員に笑顔で言う。
恐らくこの機関員全員が不安そうな表情をしている原因は、リズがまたウラノスとガイアに狙われ心を砕かれないかと思っているからだろう。
「…私なら大丈夫だよ、だからそんな辛気臭いというか悲しそうな表情しないでよ皆…何時もの元気で騒がしくて愉快なⅩⅢ機関は何処に行ったのかなー?」
「誰が愉快ですか、失礼ですね!僕たちは貴女を心配しているんですよ!またあのウラノスとかガイアとか言ったふざけた顔をしている変な兄妹に狙われないかと!!」←
「…ゼクが一番失礼な事言っている気がするんだけど、アイツらが今度出てきたら今までのお返しも兼ねてボコボコにするつもりだから狙われたって返り討ちにしてやるから安心しなさいっ!!」←
もちろんリズも機関員の考えを察しており私なら大丈夫だよと苦笑し、だからそんな辛気臭いというか悲しい表情しないでよと彼女なりに心配しないでと言う。
しかし機関員の中でもリズと一番仲が良いゼクシオンが真っ先に反応を示し、僕たちは貴女を心配しているんですよと珍しく感情的になりながら叫びつつも若干某兄妹二人に対して酷い暴言を吐く←
これには思わずリズもゼクが一番失礼な事を言ってる気がするんだけどと再びツッコミを決めつつ、アイツらが今度出てきたら今までのお返しも兼ねてボコボコにするから安心しなさいと胸を張りながらウインクし物騒な事を述べると機関員の殆どが諦めたかのようにため息をはいたような音が聞こえた。
「全く…この調子じゃ何を言っても無駄そうね、まぁ元々アンタが意志を曲げるとは思ってなかったけど…もう私からは何も言わないわ、アンタが好きな様にやりなさいよ」
「そうだな、唯でさえこの私を退けた彼女なら大丈夫だろう…頑張ってくるが良い」
「私も何も言わないわ…その代わり、リズ…約束してね、絶対レイシャとカヤライト君とマーベル君を連れて無事に戻って来るって、消えちゃダメだよ…?」
「俺からももう何も言う事は無い、ちゃんと帰って来れば良い…」
「お前たちの運命が良い道に進む事を望もう、リズティクストにグラッセにムーン」
「…ありがとう皆…じゃあ行って来ますっ!!!」
そしてラクシーヌを筆頭にマールーシャ、ナミネ、サイクス、ルクソードが自分の思いを伝え、その優しさにリズはありがとうとお礼を言うとフリーズシティへと旅立った。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.87 )
- 日時: 2012/08/18 22:36
- 名前: リラ (ID: xBFeLqnd)
「はぁー…フリーズシティに着くまでにこの異空の海を一時間も見てなきゃ行けないとか暇にも程があるぜ…(ピコピコ」
「そう言いつつそこで普通に3DSやってやる奴は誰だよっ!?全然暇そうに見えないんですけど!第一どっから3DSとそのゲームカセット調達して来た!?」
「闇の回廊内の空間の中からだ」
「またかよっ!どんな理屈でそう言う仕組みが出てきているか分からないが本当に闇の回廊って凄いな畜生っ!!リズも何か言ってやってくれよっ!!!!!(涙」
フリーズシティに向かうために異空の海をグミシップで渡っている最中、グミシップ内では久しぶりにもはや名物となりつつある漫才ボケツッコミコント(?)をやっているグラッセとムーンが居た。
本来ならリズも混ざって更に状況の収束がつかなくなるのだが、名指しされた少女は生憎珍しく無言で異空の海を見続けており何か悩んでいるようにも見えた。
「…おーい、リズさーん…」
「駄目だこりゃ…普段リズが最も自分の中で危険人物と断定し警戒しているグラッセの呼びかけにも反応しないとは…重症だなー…(ピコピコ」←
「どう言う意味だよソレっ!?てかお前もいい加減ゲーム止めてリズを正気に戻すの手伝えよっ!!」←
「今無理!丁度シークレットポータル版のボス戦のスペルカンに入ったんだ!!行け行けソラさんスライドダイブーッ!!」
「KHの新作のDDDやってたんかいっ!!何気にやり込み要素だった!!?」
これにはグラッセも困惑しもう一度リズさーんと呼ぶが反応すら無い、確実に一人の世界に入り込んでしまった親友に対してムーンも駄目だこりゃと呆れる。
それと同時にグラッセに対して若干失礼な発言をし重症だなと呟きながら再びゲームに戻ると、どう言う意味だよと叫ばれいい加減ゲーム止めてリズを正気に戻すの手伝えよとも言って来た。
どっちが失礼な発言だと言うのがナレーションの本音だが、ムーン氏は気にしていないようで3DSのゲームであるKHの新作DDDのやり込み要素をやっている事を白状しまたグラッセ市がツッコミを決めると—
「お前もう黙ってやぁ!!!これ以上シリアスぶち壊したら後書きで【トランス】最終奥義喰らわせるぞッ!!!!!」
—そろそろネタバレされそうなので、元のナレーションに戻ります(じゃあ最初からやるなぁぁぁぁぁぁっ!!!!!)
「あ、ごめん、もしかして呼んでた?」
「呼んでた呼んでた、主にグラッセが」
「滅茶苦茶他人事みたいに言うんじゃねぇよ…!!だー!クソ作者のお陰で一気に疲れた…ッ!!!」
そんなこんななやり取りを行っていたら、何時の間にか寄って来ていたのか申し訳無さそうにもしかして呼んでたとリズが話しかけて来ておりムーンが適当そうに受け答えをする。
もうツッコミ所が多すぎてグラッセは頭を抱えつつ、クソ作者のお陰で一気に疲れたと吼えながら呻っていると
「あのさ…聞いてほしい事があるんだ、恐らく二人には…いや絶対知って貰わなきゃいけない事だから…」
「へ…?別に良いが…」
「なにやら事情が…と言うふざけ半分はそろそろにして…どうやら重要そうな事らしいな、良いぜ今セーブするから話せよ」
突然リズが決意をしたような表情でそう告げて来て、いきなりの事で驚くがグラッセとムーンは顔を見合わせ頷いた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.88 )
- 日時: 2012/08/24 18:24
- 名前: リラ (ID: xBFeLqnd)
「ありがとう…ただこの話は二人からすれば信じられない事が多いと思うわ、特にムーンには納得して聞いて欲しい」
「俺…?」
「それでも俺たちに話さなきゃいけないと思ったから言ったんだろ?俺たちならどんな話だろうが全て受け入れる…だから話してくれ」
自分の話を聞いてくれるといったグラッセとムーンに、リズはありがとうとお礼を言いつつ—ただこの話は二人からすれば信じられない事が多いと思うと口にする。
そして特にムーンには納得して聞いて欲しいとも告げ、まさか自分が名指しされるとは思っていなかった彼は驚いて俺と首を傾げていると、グラッセがそれでもと俺たちに話さなきゃいけないと思ったから言ったんだろと、どんな話だろうが受け入れるから話してくれと言いリズはうんと頷き—何か大切な事を思い出しているかのように語り始めた。
「…実はウラノスとガイアと言う兄妹に心当たりがあるの…恐らく彼らと【私たち】は昔に会った事があるの、今から向かうフリーズシティでね」
「え、えぇ——————ッ!!!!!?な、何で、何時にッ!!?」
「何ぃぃぃぃぃぃっ!!!!!?」
まずリズが話した事は、実はウラノスとガイアたち兄妹に心当たりがあると言う事と【私たち】はと昔にフリーズシティで会った事があると言う事だった。
これにはいきなり予想外過ぎる事を言われた二人は同時に叫び、混乱しながらもグラッセが何で何時にと聞いて来た。
「私が本当に幼い頃だったから…恐らくフリーズシティが滅びる前の8歳の時だと思うわ、微かにだけどウラノスとガイアと【もう一人】…あの二人に良く似た金髪の女性の記憶を思い出したの」
「ウラノスとガイアによく似た金髪の女性?もう少し特徴とか思い出せないか?」
「うーん、後思いだせるのは髪が長かった事と黒と白の服を着ていた事かなぁー…瞳の色は何だったっけ…あー!もう少しで思い出せそうなのに思い出せないッ!!!」
「そうか…でもウラノスとガイアと関わりがある金髪の女性が居ると言う情報を入手出来ただけでも上等か」
するとリズは腕を組みながら少し悩む素振りを見せ、私が本当に幼い頃だったから恐らくフリーズシティが滅びる前の8歳の時だったと思うと口にする。
どうやら微かにだがウラノスとガイアと【もう一人】—この二人に良く似た金髪の女性が居た事を思い出したようだった。
それに対してグラッセがもう少し特徴とか思いだせないかと聞くが、後思いだせるのは髪の長さと服の事だけな様で瞳の色は何だったっけと思い出せそうなのに思い出せないと呻る。
でもウラノスとガイアに関わりがある金髪の女性が居ると言う情報が、入手出来ただけでも上等かとグラッセは情報を整理しようとした瞬間
「フリーズシティが滅びる前…8歳の時、ウラノスとガイアによく似た金髪の女性…」
「…ムーン?」
ムーンがぽつりとリズが話した事を呟き出し、何処か怯えていた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.89 )
- 日時: 2012/09/06 22:27
- 名前: リラ (ID: PAeJS2fQ)
「…ウラ、ノス…にいちゃんと…ガイア、ねーちゃん…そして、もう一人である…最後の女の人の名前は…金髪の女の人の…名前は…—うぅ…!!うあああああああっ!!!!!」
「ッ!?ムーン!どうしたんだよ、落ち着け!!」
「マズい!自分が【フリーズシティに居た頃】の記憶を一気に色々と思い出したせいで撹乱している!こうなったら強行手段だけど…ッ!!」
そしてウラノスとガイアの名前を再び出したかと思えば、急ににいちゃんとねーちゃんと言う呼び名を付けもう一人と最後の女の人の名前はと何かを思い出しているかのように頭を抱えていると思いきや—突然悲鳴を上げながら地へと蹲った。
これにはグラッセも驚き落ち着けと促がすが、混乱している本人は聞こえていないようで更に悲鳴を上げながら何かにもがき苦しんでいるような表情を見せる。
自分が【フリーズシティに居た頃】の記憶を思い出したせいで撹乱している—そう呟いたかと思えば、このままではマズいと判断したのかリズはキーブレードを構え
—ドゴンッ!!
「ぐはっ!!?」
「…ごめんね、ムーン…悪いけどしばらく落ち着くまで…ゆっくり休んでてね」
「今物凄い音が響いた気がするのは気のせいか!?休んでてと言うより寧ろ永久の眠りに付きそうなほどの攻撃だったし!!」
「別に殺る気は無い!ちゃんと手加減もしたし!!」←
「お前の手加減は手加減に入らないのをいい加減自覚しろ——————ッ!!!!!ムーンしっかりしろ!ムーン——————ッ!!!!!(滝汗」
何とも豪快な音をたてながらムーンの首元にキーブレードを振り下ろし、強制的に気絶させてしまった(良い子はマネしないでね☆ byリズ)
しかもグラッセから見れば、相手を本気で殺ろうとしているかの攻撃で思わずそうツッコミを決めてしまった。
だがリズからすれば一応手加減をしたらしく、指を立てながらそう宣言するとグラッセの絶叫がグミシップと異空の海中に響いた。
「はぁ…骨まで言ってなかったのが唯一の救いだったな…何とか状態以上を治すエスナと痛みを和らげるケアルとポーションを工夫して処置できたし」
「後は目が覚めるのを待つだけだね♪」
「元はと言えばムーンを落ち着かせるためとは言え、お前のせいだからなっ!!?」
「まぁ結果オーライって事で納得してくれるかな?正直…本当はムーンに知られたくない話があるから…グラッセにだけ聞いて欲しい事もあったし」
「…?俺だけに?」
「うん、恐らくムーンが思い出したら悲しむであろう人物…カヤの幼なじみである【彼女】とウラノスとガイアのお姉さん…【セレスタイト・ブルーレースアゲート】と【テルス・オルヴィズ・レザレックションウンブラ】についてね…」
—それから気絶したムーンは知らない、自分が倒れてから漫才のようなボケツッコミをした後に親友二人が自分に関わる話をしていた事を
それは話しているリズ自身も何処か悲しそうで、グラッセはそんな顔をしている彼女に疑問を覚えつつ重要な鍵を握る…【セレスタイト・ブルーレースアゲート】と【テルス・オルヴィズ・レザレックションウンブラ】と言う人物が出るその話に耳を傾けた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.90 )
- 日時: 2012/09/09 15:58
- 名前: リラ (ID: PAeJS2fQ)
「—全ての始まりは…ある日、私がピアスを買いに宝石の発掘場所で有名なフリーズシティに出掛けた事からだったわ、そこの装備品屋で私は【彼ら】に出会ったの」
「【彼ら】って…カヤとウラノスとガイアの事だよな?」
「半分正解って所ね、その他にも居たのよ…さっき話したカヤの幼なじみの【セレスタイト・ブルーレースアゲート】にウラノスとガイアの姉である【テルス・オルヴィズ・レザレックションウンブラ】に…もう一人—」
「(…?何でそんなにもう一人の人物を告げようとして…悲しそうな顔してるんだ…?)」
それはある日、リズが偶然フリーズシティの装備品屋にピアスを買いに出掛けた事から始まったらしい。
そしてその装備品屋で私は【彼ら】に出会ったと言い、グラッセはその【彼ら】とはカヤとウラノスとガイアの事だよなと思ったので確認する。
すると半分正解って所ねと苦笑し、その他にも居たのよとさっき話したカヤの幼なじみである【セレスタイト・ブルーレースアゲート】にウラノスとガイアの姉である【テルス・オルヴィズ・レザレックションウンブラ】のとまず二人の名前を出す。
その後もう一人と続けた時、グラッセは何処かリズの顔が悲しそうに見えた気がしたが—それは間違いじゃなかったと次の言葉を聞いた瞬間悟る事になる。
「最後の一人である…—ここに居るムーン・ヴァノイズ…」
「ッ!!?ムーンがフリーズシティに居ただとっ!!?」
もう一人である最後の人物は—何とここに居る、俺たちの親友であるムーンだったからだ。
これには思わずムーンがフリーズシティに居ただとと驚いて叫ぶと、リズは驚くのも無理ないよねと言わんばかりの顔で頷く。
「ムーンはマスター・ゼアノートに強制的に生み出された人工ハーフノーバディだって事は覚えてるよね?そのムーンの存在がⅩⅢ機関に今までバレなかった理由は数年に一度くらいの確率で転々と他の世界へと移住させていたからよ」
「そうか…!それで偶然その時ムーンも天辺ツルツルクソハゲジシイ(マスター・ゼアノート)の手によってフリーズシティに居たんだな…!!あの野朗のしでかした事がここにもツケが来てるとは…!!」←酷
「天辺ツルツルクソハゲジジイって…ムーン以上に酷い暴言吐いてない?(汗」
だからリズはどうしてムーンがフリーズシティに居た理由—彼の存在がⅩⅢ機関にバレないようにマスター・ゼアノートが、数年に一度くらいの確率で転々と他の世界へと移住させていた事を教えるとそうかと納得する。
…天辺ツルツルクソハゲジジイと言う暴言も吐き、珍しくリズがツッコミを決めていたが
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.91 )
- 日時: 2012/09/14 23:27
- 名前: リラ (ID: PAeJS2fQ)
「と、とにかく…若い身体が大好きで融合マニアの天辺ツルツルクソハゲジジイの事は置いといて、本題に戻ろうか…私がカヤたちと出会った時の事を話すね」←
「お前さり気無く、俺以上に酷い暴言吐いてるというか言ってないか?そして誤解を招きそうな発言もしてるし!?」
「全部事実なんだから良いって♪」
このままでは更にマスター・ゼアノートの悪口で話がずれていくと判断したのか、リズはとにかくと言ったかと思いきやグラッセ以上に酷い暴言を吐く。
これにはグラッセ自身も俺以上に酷い暴言吐いてないかとツッコミを決めつつ、そして誤解を招きそうな発言もしてるしと言うがこの別名破壊神と呼ばれる破天荒な少女が聞く訳も無く過去語りは再び始まった。
『もー、ママン(サイクス)ったら本当にとうさんとかあさんとちがってカホゴなんだからー!別にわたしがオシャレで耳に穴開けてピアスしたっていいじゃないかー!!』
水晶やクリスタルが街の中で輝いているフリーズシティの住宅街が並ぶ場所では、当時8歳のリズティクスト・ブラックノーバディが文句を言いながら歩いていた。
その理由は単純明快である、彼女の両耳には本来子供がつけるものではない青く光っている小さな宝石—ピアスが付けられており、どうやら今の文句から察して勝手にピアスを付けたのをサイクスにこってりと怒られ拗ねていたのだろう。
だがそんな事ぐらいで何時までも拗ねている訳にも行かないので、リズはこのフリーズシティまでわざわざ来た本来の目的である—とある装備屋へと足を進めた。
『着いた!【ブルーレースアゲート装備屋】…!ここのピアスって、とっても綺麗な物とカッコイイのが沢山あるんだよねー♪』
本来の目的—それはリズが最も気に入っている店であり、何時もピアスを買いに来ている【ブルーレースアゲード装備屋】と言う所で新しいピアスを買うと言う事だった。
今回はどんなのを買おうかなと、機関のモーグリ特製の財布を持ちながら店へ入った瞬間—
『うん…?あの子は…』
『すいませんラリマーさん、何時ものおやじに頼まれたのでお願い出来ますか?』
『おやカヤ君じゃないか!何時もソーダライトを手伝って偉いねー!家のセレスも見習わせたいぐらいだよ!』
『ちょっとおとうさん!それどう言う意味ー!?』
会計をする場所で自分と対して歳が変わらない短髪の水色の髪をした少年がオレンジ色の髪をした店の主である男性に話しかけており、その横では同じオレンジ色の長髪の少女が不貞腐れている。
水色の髪をした子とオレンジ色の髪の子はこの店に来るたびに良く見ていたから、リズはまたあの子たちだと少し気になるが他の世界の人たちとの干渉はタブーだと言われていたのでピアスを買って帰ろうと思っていたのだが
『ねぇねぇ!そこの金色と栗毛が混ざった髪をしている子!あなたってさいきんよく見かけるけどもしかして引っ越してきたの!?』
『こらセレス!いきなり話しかけてこの子おどろいてるじゃないか!わるいな、こんなやつで…でも、そう言えばアンタさいきんよく見かける、名前何って言うんだ?』
『へ?わたしはリズって言うけど…』
オレンジ色の長髪の少女—セレスタイトが突然リズに話しかけ色々と聞いてくると、水色の髪の少年—カヤがいきなり話しかけてすまないと謝りつつ名前を聞いてきたのだ。
他の世界の人々とは干渉してはいけない、そう分かっているのにその時のリズは驚いていたせいか思わず名乗ってしまった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.92 )
- 日時: 2012/09/22 12:53
- 名前: リラ (ID: PAeJS2fQ)
『リズって言うのね!アタシはセレスタイト・ブルーレースアゲートって言うんだ!セレスってよんでね!うれしいなー!アタシたちと同じとしの子が引っ越してくるなんてー!』
『え…いや、わたしはただここにピアスを買いにきただけで…』
『ピアスを買いに…引っ越してきて早々、この店に目を付けるなんてアンタなかなかの目の持ち主だな!おれはカヤライト・クラッシュドアイス!カヤってよんでくれ、よろしくなリズ!』
『………よ、よろしく、セレスにカヤ…』
するとオレンジ色の髪の少女ことセレスタイトはリズの名前を聞いた途端、嬉しそうに自分の名前を名乗りセレスって呼んでねと言いながらアタシたちと同じとしの子が引っ越してくるなんてと喜ぶ。
これには流石のリズと言えども困惑し、私はこの世界に引っ越してきたんじゃなくてただピアスを買いに来ているだけだと誤解を解くために言おうとしたが
しかしピアスを買いに来ただけだと言う発言が更に誤解を与えたのか、水色の髪の少年ことカヤライトが引っ越してきて早々、この店に目を付けるとは気に入った!と言わんばかりの顔で、自己紹介してカヤと呼んでくれと言う。
それに加えてよろしくなリズと言われては、もう弁解する気力もなくなってしまいよろしく、セレスにカヤと苦笑いで頷くしかなかった。
—これが私と、カヤとセレスの出会いで始まりだった。
「…昔はカヤの奴、そんなにぶっきら棒で意地っ張りで人間不信で捻くれてなかったんだな…」
「うん、昔から素直じゃなくて捻くれている所は変わっていなかったけど…とても優しくて、色々とやらかす実行派の私と案を出すセレスを何時も信じてくれた…こんな私たち三人が揃っていたから…昔のムーンとも仲良くなれた気がする」
「昔のムーン…一体どんな感じだった?」
カヤとセレスの出会いを聞いたグラッセは、昔のカヤは今と違い何処にでもいる少年だったんだと実感し彼を変えてしまったであろうフリーズシティを滅ぼした連中の事を酷いと思った。
リズもグラッセと考えている事は一緒で、昔から素直じゃなくて捻くれている所は変わっていないけど—とても優しかった、何時も色々とやらかす自分たちの事を信じていてくれた。
こんな私たち三人が揃っていたからこそ昔のムーンとも仲良くなれたと告げると、グラッセが気絶したムーンを見つめながら一体どんな感じだったと聞いて来た。
「…今以上に冷たい目をしていたのをよく覚えてるわ、それでいて何時も悲観的で幸せになる事を諦めていて…見てて何も出来なかった自分が…情けなくて悔しかった」
「………………ムーン」
昔のムーンは今以上に冷たい目をしていて、それでいて何時も悲観的で幸せになる事を諦めていた—それをあの時の私は、見ている事しか出来なかった事を教えると、グラッセはそんなのって無いだろと言わんばかりの表情になりながら気絶しているムーンを見つめる事しか出来なかった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.93 )
- 日時: 2012/09/23 22:54
- 名前: リラ (ID: PAeJS2fQ)
「…ムーンとの出会いは一番衝撃的だったかもしれないわね、だってあの子と出会ったのはフリーズシティの街の外れの遺跡…氷の神殿と呼ばれる中の最下階にある祭壇だったからね」
「フリーズシティの街の外れにある遺跡の氷の神殿か…それに最下階にある祭壇って言う話を聞く辺り、ムーンの事だから一人で特訓でもしてたのか?」
そんなグラッセの心情を察してか、リズは苦笑しながらムーンとの出会いは衝撃的だったかもしれないと言う事を口にする。
彼と出会ったのはフリーズシティの街の外れの遺跡で、氷の神殿と呼ばれる場所のその中の最下階にある祭壇だったと教えるとグラッセはムーンの事だから一人で特訓でもしてたのかと首を傾げる。
「ううん、特訓して居たと言うか…倒れていたのよ、氷の神殿の【守護者】に倒されてね」
「………え?」
するとリズは首を横に振り特訓していたと言うかと言ったかと思いきや、少々言いにくそうな表情で氷の神殿の【守護者】に倒されて倒れていたと言いグラッセは一瞬固まる。
だが次の瞬間、ハッと言う効果音が付きそうなほどの威力で正気に戻ったかと思えばリズの肩を掴み揺すり始めた。
「ちょ、え、色々とツッコミ所があると言うか聞きたいんだけど何でムーンが氷の神殿の【守護者】とやらに倒されてるんだぁぁぁぁぁぁっ!!!!!?そして一体【守護者】って誰だよぉぉぉぉぉぉっ!!!!!?」
「…取り合えず落ち着いてから話してくれるグラッセ…?そしてちゃんと段取りを取って話すからこの揺する手も止めてくれ…」
説明していないのだから当然なのだがムーンがどうして氷の神殿の【守護者】に倒されていた状態だった事と、その【守護者】の正体を知らないグラッセは何がどうしてそうなったんだと半々混乱状態になりながら問い詰めてくる。
先にそっちの方から説明するべきだったかと揺らされ続けているリズは頭の中で呻るが、取り合えずこの親友を落ち着かせる事を最優先しちゃんと段取りを取って話すからこの揺する手も止めてくれと懇願するような声で言うとようやく揺する手が止まった。
「ハァ…ハァ…わ、悪い…つい混乱して…(汗」
「…これで落ち着いたなら別に良いわよ、まずアンタが聞きたい一つ目の説明から入るわよ…氷の神殿の【守護者】とは…アンタが持っている召喚獣の一人—シヴァの事よ」
「シヴァ——————ッ!!!!!?」
呼吸もロクにしていなかったのか落ち着くと一気に空気を吸いながら悪いと謝って来て、落ち着いたなら別に言いと言いながらリズはグラッセが聞きたい事の一つ目である氷の神殿の【守護者】の説明に入った。
それはグラッセ自身が持っている召喚獣の一人であり—普段は何処か氷の満ちた世界にいるとされるシヴァの事であると言う事を
案の定、守護者の持ち主(?)である当の本人は驚いて絶叫していたが
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.94 )
- 日時: 2012/12/02 14:28
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
「ど、どうしてシヴァが氷の神殿の【守護者】をやっているんだよっ!?第一シヴァは…χブレード騒動の旅をしていた時に、偶然立ち寄った古代の遺跡で見つけて俺が契約を交わしたのを見てただろ?それなのにお前たちが8歳の頃に氷の神殿で出会っているのはおかしくないか!?」
「…そう思うのも、無理無いわよね…」
何故自分の持っている召喚獣が氷の神殿で【守護者】をやっているんだと、グラッセはあり得ないと言わんばかりの顔で叫んだ。
それもそのハズである、シヴァはリズとグラッセがχブレード騒動の旅をしていた時に偶然立ち寄った古代の遺跡で見つけ契約を交わしたのだ。
その後分かったのだが精霊とは契約した人間に呼ばれない限り、基本的精霊としての役目を果たさなければならないので自分からは行動しないらしい。
それを知っているグラッセだからこそ、お前たちが8歳の頃に氷の神殿で出会っているのはおかしいと言うとため息をはかれた。
「…詳しくは、本人から聞くのが一番でしょうね…グラッセ、悪いけど…シヴァを召喚してくれない?」
「え?ああ…主の名の下…グラッセの下へ来い—氷の精霊・シヴァッ!!」
そして詳しくは本人から聞くべきだと言ったかと思えば、リズは悪いけどシヴァを呼んで欲しいと頼んで来た。
それにグラッセは戸惑いながらも頷き、精霊を呼ぶために水晶のような宝石を魔法で破壊し空へと手を掲げた。
すると毎度の事ながら、空から落下するように寒々しい冷気を漂わせながら彼女は出現する。
『お呼びですか、グラッセさん…あら、今度はリズさんも一緒なんですね…貴方たち二人が一緒と言う事は…何かありましたね?』
「お察しの通りよシヴァ、でも今回は貴女が原因と言うか…貴女自身が関わっている問題よ」
それから綺麗な姿勢で着地しながらシヴァがお呼びですかグラッセさんと言うと、隣に居るリズを見て貴方たち二人が一緒と言う事は何かありましたねと確信する。
この鋭さにお察しの通りよシヴァとリズは微笑みながら、でも今回は貴女が関わっている問題よと真剣そうに言うとシヴァも顔を歪め腕を組んだかと思えば
『私が関係していると言う事は…そこで倒れているムーンと…カヤライトの事…氷の神殿の事ですね』
「ッ!!」
「その通りよ、貴女ならムーンとの出会い…そしてウラノスとガイアについても私以上に知ってると思うから、グラッセへの説明の補足をお願いしたい」
私が関係していると言う事は—それはムーンとカヤライトの事であり氷の神殿の事ですねと、自分が氷の神殿に居たと言う答えを肯定しながら答えたシヴァにグラッセは驚く事しか出来なかった。
その答えを聞いたリズも、貴女ならムーンとの出会い…そしてウラノスとガイアについても、私以上に知っていると思うから説明を手伝って欲しいと話を続けた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.95 )
- 日時: 2012/10/05 14:20
- 名前: リラ (ID: HPru.2N2)
『分かりました、私に出来る事なら何だって協力します………ただその代わりと言っては何なんですが、1つグラッセさんにお願いがあるんです』
「俺に…?何だシヴァ?」
リズの頼みごとをシヴァは私に出来る事ならと言いながら快く受け入れてくれるが、何処か言いにくそうに1つグラッセにお願いがあると言って来た。
まさか自分が名指しされるとは思っていなかったので一瞬驚くが、すぐ何だと聞き返すと予想外のお願いをされる。
『カヤライトの事なんですけど…何があっても—いえ何を知っても彼の事を…拒絶しないで下さい』
「拒絶…?」
「………ッ!!」
それはカヤの事で、を知っても彼の事を拒絶しないで欲しいとの事だった。
カヤの正体や事情をまだ何も知らないグラッセは、シヴァがどうしてわざわざ拒絶と言う言葉を使って来たのか理解出来ず首を傾げているとリズが息を呑んでいる姿が目に入った。
「…グラッセ、それは私からもお願いするわ、カヤの事を何があっても嫌わないで欲しい、今から話す事を聞いても」
「…?二人してさっきからどうしたんだよ…特にシヴァはヤケにカヤの気に掛けている様子があるし…」
そして近くに駆け寄ってきたかと思えば、私からもお願いすると言って来てカヤの事を何があっても嫌わないで欲しいとリズまでが懇願して来たのだ。
流石にあのリズが頭を下げてくるまでの事態と来ればどうしたんだよとも聞きたくなり、特にシヴァはヤケにカヤの事を気に掛けている様子があると言った途端—急に目付きが何時も以上に鋭くなったかと思えば首根っこを掴まれた。
「シヴァがカヤを気に掛けるのは当然の事でしょッ!?だってシヴァはカヤの…!!!って、ごはっ!!?」
『止めて下さいリズ!彼は何も知らないのだから当然の反応ですッ!!』
「あ…!ごめん、グラッセ…」
「ゴホ…ゴホ…いや、俺も事情とやらを知らないで無神経に色々と言ってたんだろ?ごめんな…」
いきなり彼女に首根っこを掴まれている事に再び驚いている間もなく、怒り狂ったリズは感情的になりながらシヴァがカヤを気に掛けるのは当然の事でしょと叫ぶ。
それと同時にシヴァはカヤのと怒鳴るように言いかけると、止めて下さいとシヴァが叫んだかと思えば頭を冷やせと言わんばかりにリズに半分水状態のブリザドを放つ。
これにより落ち着いたのかグラッセから手を離しごめんと真っ青になりながら謝ると、息を整えている彼は俺も事情とやらを知らずに無神経な事言ってたんだろと逆に謝って来た。
『私のせいでお二人を喧嘩させてしまって申し訳ありません…カヤの事はムーンの話をした後にきちんと話しますので…ひとまず置いといて貰えませんか?』
「あ、ああ…別にそれで構わないが…」
「うん…」
二人の喧嘩が終わったのを確認し、シヴァは私のせいで申し訳ありませんと頭を下げつつカヤの事はムーンの話をした後にちゃんと話すのでひとまず置いてもらえませんかと言う。
もちろん話してくれるなら構わないと思っているグラッセは別に良いぞと言い、リズも静かに頷いたのを確認しシヴァは話を再開する。
『まずどうしてムーンと出会ったかですよね?それはですね彼はどうやら特訓をするために氷の神殿へと聞いていたようなんですが、それから…誠に言いづらいのですが………昔の私はちょっと血の気が多くて、ムーンの事を氷の神殿を荒らしに来た悪人だと勘違いしてしまい…攻撃してしまったんです…///』←
「…ちょっとってレベルじゃ無かったけどね、私たちもリアルに殺されかけたし」←
「ウオイッ!!?いきなりツッコミ所満載なんだがぁぁぁぁぁぁッ!!!!!?」
まぁ、その話とは…ムーンと出会ったかの理由が、何とどうやら氷の神殿に特訓しに来ていただけのムーンをシヴァが勝手に勘違いをし攻撃をしてしまったと言う事だったが
しかも血の気が多い面に関してはちょっとでは無かったようで、リズが私たちもリアルに殺されかけたしと言った時には、グラッセのツッコミと言う名の絶叫がグミシップに響き渡ったのは言うまでも無いだろう。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.96 )
- 日時: 2012/12/02 14:32
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
「ツッコミ所満載と言われてもねー、私だって驚いたわよ…カヤとセレスと一緒に宝石の発掘をするために氷の神殿の最後まで行ったら、シヴァがムーンに正拳突きと跳び蹴りを決めてたんだから」
『ウフフ…今思えば懐かしいですね、ムーンに正拳突きと飛び蹴りを決めて貴女を彼の仲間だと勘違いして殺しかけたのも』
グラッセの心の底からの絶叫(と言う名のツッコミ)に、リズはそう言われてもねと言わんばかりの顔で苦笑しながら私だって驚いたわよと言う。
カヤとセレスと一緒に宝石の採掘をするために氷の神殿の最後まで行き、そこで見たものが精霊が子供に正拳突きと跳び蹴りを決めていたと言う光景だったのだから
何処か遠い目で話すリズに対して、シヴァも苦笑しつつ殺しかけた事を今思えば懐かしいですねとさらっと恐ろしい事を言った。
…グラッセからすれば、何でそんな物騒な会話を楽しそう出来るんだと言うのが本音である。
「(…今の会話で思った事は、コイツらが昔からデタラメな破天荒さを持ち超人だったという事をなおさら自覚させられたと言う事だな…)」
「グラッセ聞いてるー?話戻すよー?」
取り合えず今の会話で分かった事を脳内で簡潔に纏めた後に、なおさらコイツらが昔から破天荒で超人だった事を自覚させらたので、乾いた笑みを浮かべていると何時の間にか話が戻っていたらしく続きを聞かされる。
『もー!!お父さんったら人使いが荒いんだからー!!娘を氷の神殿へ宝石の採掘に行かせるとかどう言う神経してるのよー!!』
『別に良いじゃないセレス、元々今日は私の提案で氷の神殿へ調査しに行く予定だったんだから♪何時も迷惑かけてる分、恩返ししなさいよ』←
『そうだな…たまにはラリマーさんの頼みを聞いてやれよセレス、そして思ったけどリズの好奇心はセレスの自己中を上回るよなー』←
『ちょっとそれどう言う意味ッ!!?二人とも酷いー!!』
私たちが氷の神殿へと向かったのはカヤたちと出会ってから半年後の事で、セレスの父親であるラリマーさんの頼みで宝石の発掘をするためだった(本当は氷の神殿の調査が目的だったけどね)
そして氷の神殿内を採掘しつつ奥へ進む最中セレスの文句を聞いたりして、それを宥めながらカヤと一緒にからかいながら進んでいると—
—ぐああああああああ——————…
—おんどりゃあああああああああ——————っ!!!!!
『…え?』
『い、今…何か叫び声と言うか誰かの悲鳴聞こえなかった…!?』
『………カヤ、セレス、念のために魔法を唱える準備をしとけ、もしかしたら何か修羅場になっている可能性あるし』
突然神殿の奥から2つの悲鳴と叫び声が聞こえ、カヤが何だと辺りを見渡すとセレスが今何か聞こえなかったと冷や汗を流す。
その中で私は無意識に危険な何かを感じ取っていたんだと思う、だから二人に魔法を唱える準備をしとけと言いながらキーブレードを出した。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.97 )
- 日時: 2012/10/30 23:05
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『修羅場って…どう言う事よ、リズ?』
『そのまんまの意味!何だか嫌な予感と言うか…この奥から殺気を感じる』
『…縁起悪いな…と言いたい所だが、リズの勘は良く当たるしな…用心して行くか』
リズがキーブレードを構えると言う事は確実に何かがあると二人も分かっていたが、どうして修羅場になっている可能性があるのかは理解出来ずどう言う事とセレスが首を傾げる。
どうしてと聞かれても口では上手く説明できない、だからリズはそのまんまの意味よと言い何だか嫌な予感と言うか、さっき悲鳴と叫び声が聞こえた—この奥から殺気を感じたとだけ教える。
この台詞にカヤが顔を顰めながら縁起悪いなと呟くが、リズの勘は(悪い面で)良く当たるで用心して行くかと警戒しながら奥へと進んだ。
—それが最悪な形で見事に当たる事になるとは、思いもせずに
『ふぅ…やっと奥まで辿り着いた…?』
『ぬぅおおおおおおおおお——————ッ!!!!!』
『ギャアアアアアアアアッ!!!!!?』
そして案の定氷の神殿の一番奥へと辿り着いた途端、そこでは信じられない光景が繰り広げられていた。
それもそのハズである…自分たちと対して歳が変わらない紫髪の少年が、全身が青い女性にフィストドロップ(正拳突き)を喰らわせられているのだから
普通の人なら驚きの余り発狂ものレベルだろうが、生憎普通の人の部類に入らないリズは呆然とするだけだった—
『—って、なあああああああっ!!?こ、子供が襲われてるぅッ!!!!!?』
『ど、どうしてこうなってるか分からないけど、助けなきゃリズ——————ッ!!!!!』
—訂正、カヤライト・クラッシュドアイスとセレスタイト・ブルーレースアゲート言う少年と少女は今の状況のおかしさを叫び、これにより呆然としていたリズもハッとし身構える。
『そ、そうだった…!普通子供が襲われてればおかしいんだったッ!!普段から変な環境(機関)に慣れすぎてて一瞬分かんなかった…(汗』
←
『たまに思うが、お前本当に一体どんな環境で育ったんだよ!!?こんな本来ならあり得ない状況に動じもせず普通に対応している辺り不安になるんだけどっ!!?』
『(あのリズとカヤが二人掛りで責めに行ったんだから、あの子も大丈夫だね…)』
よくよく考えれば普通子供が襲われていると言う事態はおかしい事で、普段から変な環境(ⅩⅢ機関の皆)に慣れている彼女は言われるまで気付かなかった。
この失態に何やってるんだ自分と心の中で呟くが、紫髪の少年を助けなきゃいけないのでキーブレードを持ちながら青い女性に向かって駆け出した。
そんな彼女にカヤもリズの問題発言に、どんな環境で育ったんだよとツッコミを決めつつ遅れて駆け出す。
流石にリズとカヤが二人掛りで責めれば、紫髪の少年を助けられるとセレスも思いここで彼が助け出される瞬間を見守ってようと思ったが—
—ドスッ、バキッ
『—また新手かッ!だけど甘いわ——————ッ!!』
『かは…っ!!』
『ぐほっ…!!?』
『嘘…ッ!!?』
次の瞬間—倒れたのはリズとカヤの方で、青い女性は勇ましい雄叫びを上げながら二人を蹴ったであろう足をブラブラさせていた。
これにはセレスも青い女性の強さに驚きを隠せず、リズとカヤが一瞬でやられた事態に嘘と唖然と言うしかなかった…
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.98 )
- 日時: 2012/11/10 22:59
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『ふんっ、幾ら新手といえども所詮は子供ね…この氷の神殿の守護者である私に勝てるとでも思ったかッ!!』
『ぐえっ!!』
『うぐぅ…!!』
そんな驚いて動けないセレスを他所に青い女性は所詮は子供ねと勝気な笑みでリズとカヤの首元を掴み、この氷の神殿の守護者である私に勝てるかと思ったかと言いながら二人を壁へと投げつける。
唯でさえ腹を蹴られた事により防御の体制もままならない状況だと言うのに、無防備で壁へと強打させられるとなると…どれだけの痛みが走るだろう。
想像しただけでゾッとして足がすくむ—だが次の瞬間、リズとカヤに向かって青い女性が再び攻撃をするために歩いて行くのが目に入りセレスは二人の前に駆け出す。
『や、止めてッ!もう勝負は着いたじゃないッ!!悔しいけど貴女の勝ちを認めるから…!これ以上アタシの友達を…リズとカヤを傷付け無いでよぉ!!!』
『…どうやらお譲ちゃんはその台詞から察するに戦えないようね、今なら見逃してあげるからこの二人を…私の敵を置いて逃げなさい』
このままだとリズとカヤが死んでしまう、そう思ったからこそセレスは青い女性の前へと二人を守るために立ちはだかる。
そして悔しいけどと自分たちの負けを認め、もう勝負は着いたと戦意が無い事も示しながらこれ以上はリズとカヤを傷付けないでと泣きながら懇願する。
しかしその言葉はこの青い女性には届かなかったようで、彼女は聞く耳を持たずに戦えないお譲ちゃんは今なら見逃してあげるからこの二人を—私の敵を置いて逃げなさいと右手に氷の魔法を宿らせながら促がす。
『嫌よッ!そんな事…出来る訳無いじゃない!今ここでリズとカヤを置いてアタシだけ逃げる事なんで出来ないよッ!!二人を置いていったらアタシはきっと一生【後悔】する…大切な友達を守れなかったって…!!』
『こ、後悔…大切な友達…』
だがそれでもセレスは嫌と逃げる事を渋り、リズとカヤを置いて行く事なんて出来る訳が無いと叫ぶ。
それから今ここで二人を置いていってしまったら、アタシは大切な友達を守れなかった事を一生【後悔】するとも告げ青い女性を睨み返す。
すると青い女性は何故か動揺しており、セレスが言った後悔と大切な友達と言う言葉を呟き返していた。
『(…アレ?もしやアタシ…また言ってはいけない事とか、いわゆる触れてはいけない事とかやっちゃった!!?)』←
このまさかの展開である動揺っぷりには思わずセレスも一瞬きょとんとするが、すぐアレと言いもしかして…またしても言ってはいけない事とか触れてはいけない内容に触れてしまったと冷や汗を流す。
どうしようどうしようと内心焦り始めていると—横から二つの影が走り抜けてきて
『—時間稼ぎサンキュセレス!拘束ブリザラァ!!』
『—ナイスだセレス!喰らえ、特大級ファイガ———ッ!!』
『きゃああああああああああっ!!!!!?』
何時の間に立ち上がり復活していたカヤとリズが、氷の魔法で青い女性の体を拘束した後に特大級ファイガを決めた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.99 )
- 日時: 2012/12/01 15:52
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『はぁ…はぁ…どうだ、思い知ったかぁ…!これが私たちの力だ…』
『ゼェ…ゼェ…セレス、よくやったな…さぁ、そこで倒れている奴を解放してもらうぞ…!!』
『…二人とも、かっこいい事言ってるけど…ボロボロだから格好がつかないよ…そしてこれ以上無理しないで…』
2つの強力な魔法のコンビネーションを喰らい、青い女性はいきなりの事で対処が出来なかったのかなす術も無く崩れ落ちた。
これにはリズとカヤも顔を見合わせ、これが私たちの力だなど言いながら拳を掲げたりしたり、そこで倒れている奴を解放してもらうぞと青い女性相手に指差ししながら格好をつける。
だがおとり(?)になったセレスからすれば二人の姿は今にも倒れそうなほどボロボロなので、全くと言って良いほどかっこよく見えないので思った事を口にしつつこれ以上は無理をしないでと言う。
『う、うぅ…ここは…?』
『あ、気が付いたか!大丈夫か?怪我は無いか?』
そんなやり取りを行っていると、青い女性にフィストドロップ(正拳突き)を喰らわされていた紫髪の少年がタイミング良く呻き声を上げながら目を覚ます。
そして紫髪の少年は辺りを見渡しここはと首を傾げたので、リズは気が付いたかと話しかけ大丈夫かと言いながら怪我はないと確認する。
『あ、ああ…別に怪我は無い…ただそこでブッ倒れている女にいきなり跳び蹴りを喰らわされた挙句—同時に正拳突きを喰らわされたのを思い出した…!!』
『(…ああ、だから正拳突きを喰らわせられてる時に何か蹴られたような音がしたんだな…気を取られていて見えなかった…)』
すると紫髪の少年はああと別に怪我は無いとリズに返事をしつつも、ただそこで倒れている青い女性に跳び蹴りと正拳突きを同時に喰らった事を思い出したと怒り狂いながら呟く。
そのカミングアウトにより、カヤは密かに紫髪の少年が殴られたと同時に聞こえた何か蹴られたような音の正体がそれだった事に対して納得を示していた。
『…てか、今の話を要約すると…私たちってこの青い女性の勘違いで攻撃を受けたって事…?』
『勘違いって言うより、早とちりって奴だけどね』
『…要約すると、そうなるな…』
だが次の瞬間、ふとリズが今の話を要約すると自分たちはこの青い女性の勘違いにより攻撃を受けた事にならないと話しかけて来る。
それにセレスが勘違いって言うより早とちりだと補足を入れ、カヤが要約するとそうなるなと疲れたように頷き返すと
—プチン
『ふざけんなァァァァァァ!!!!!そんな早とちりや勘違いで私たちは殺されかけたってのかよ——————ッ!!!!!?』
『オイコラァ!!そこの全身青色女ァァァァァァ!!!!!早く目を覚まして色々と話聞かせてもらおうじゃねぇか——————ッ!!!!!?』
『お、落ち着け二人ともぉ!!?』
『そ、そうだよ、何か事情があったかもしれないし!!!』
リズと紫髪の少年がほぼ同時に叫び声を上げながら似たような事を叫び、まるで不良のような口調で気絶している青い女性の首元を掴みながら揺さぶり始めた(良い子はマネしないで下さい by作者)
この暴走する似た物同士な二人に対して、慌ててカヤとセレスが止めに掛かったのは言うまでも無い。
—お知らせと言う名のおまけなコント—
皆さんお久しぶりです、久しぶりな更新となってしまって申し訳ありませんでしたと反省しているリラです。
このたび、ようやく試験が終わりましたので何時もどおりとは行きませんが更新スピードが上がります。
特にライヤさんには更新停止のご迷惑をおかけしてしまって、本当に申し訳ないと思っています(涙
リズ「全くだ、でもこれからはちゃんと更新スピード戻すんだろ?」
まぁ、まだ少しだけ色々と残っていますので…前と同じまでとはいきませんが、前よりは早く更新出来ると思います。
グラッセ「ふぅん…でも、やっと更新停止状態が解除されたんなら良いとするか」
ムーン「だな、更新をサボろうとしたら脅せば言いだけだし(指ポキポキ」
…君たちの物騒さも、相変わらず変わって無いと言うか健在で何よりです(遠目
それではこれかも、このリグレットストーリーなどの小説をよろしくお願いします!!
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.100 )
- 日時: 2012/12/02 16:14
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『—ま、まさか…ここを荒らしに来たのでは無く、ただ宝石の発掘や特訓をしに来ていただけとは気付かず…本当に申し訳ありませんでしたぁッ!!!!!』
『分かれば良いのよ…これからはちゃんと悪人かどうか確認してから襲い掛かりなさいよね』←
『全くだ、これからは気をつけて悪人に襲い掛かれよ…』←
『(襲い掛かる事自体は止めないのかよ…)』
リズと紫髪の少年がブチ切れカヤとセレスが抑え込んでから数時間後、目を覚ました青い女性は自分の勘違いを知り本当に申し訳ございませんでしたと言いながら—土下座をして来ていた。
流石に土下座までされてしまってはリズと紫髪の少年も怒鳴る気が失せ、分かれば良いと言いつつ二人して少々問題発言をする。
その発言に思わず再びカヤが心の中で、襲い掛かる事を止めないのかよとツッコミを決めていると
『そう言えば、貴方たち二人って何て言う名前なの?』
『あ、そう言えば二人とも名前聞いてなかったね』
『名前は何なんだ、二人とも?』
今まで黙っていたセレスが、紫髪の少年と青い女性に対し何と言う名前なのかと聞いたのだ。
それによりそう言えば名前を聞いていなかったと思い出し、リズは二人とも名前を聞いていなかったねと同意を示す。
そしてカヤが名前は何なんだ二人と首を傾げると、青い女性と紫髪の少年は顔を見合わせ
『申し遅れました…私はこの氷の神殿の守護者をしている—召喚獣であり氷の精霊・シヴァ…と言います』
『俺は…最近この街に引っ越して来た、ムーンと言う…同じく遅れながらだが…さっきは助けてくれてありがとう』
青い女性は申し遅れましたと謝罪しながら自分は—召喚獣であり氷の精霊・シヴァだと言う名前を名乗り、紫髪の少年も俺は最近この街に引っ越して来た—ムーンと名乗りながら遅れたがさっきは助けてくれてありがとうと何処か不器用な笑顔でお礼を言って来た。
『(なるほどね…ママンがフリーズシティの氷の神殿には、何か強力な力を持つ者が潜んでいるから気を付けて調査して来いって言ってたけど、召喚獣の事だったのね)』
『ううん、困った時はお互い様って言うじゃない!アタシはセレスタイト・ブルーレースアゲート!セレスって呼んでね!ムーンにシヴァッ!!』
『俺はカヤライト、カヤライト・クラッシュドアイスと言う、よろしくな、ムーンにシヴァさん』
それを聞いた途端リズはシヴァが強い理由が召喚獣だった事だと分かりなるほどと納得しつつ、密かにポケットから取り出した任務報告書と言う紙に色々と書き始める(実は氷の神殿の調査の目的は機関の任務を遂行するためでもあった)
それに気付いていないセレスとカヤはムーンとシヴァに自己紹介をしており、これからもよろしくと言わんばかりに—かつてリズと仲良くなったような風景を繰り広げる。
『(半年前出会ったカヤとセレス、そして今出会ったばかりのムーンとシヴァ…出会ってからまだ日は浅いのに—それなのに、私はこの光景を…四人を守りたいと思う)』
何だかこの光景を見ていると半年前のカヤとセレスの出会いを思い出し、リズは今出会ったばかりのムーンとシヴァも含めて守りたいと思っていた。
人間や精霊であるこの四人とノーバディである自分が、ずっと一緒で居られるわけが無いと分かっているからこそである。
だが—それは自分の予想を大きく上回るぐらいの早さで、訪れる事になるとはこの時の私は気が付けなかった。
世界の意思は存在しない者である私の考えを見通しているかのように、この更に数ヵ月後に予想もしてなかった残酷な戦いを突きつけたのだから
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.101 )
- 日時: 2012/12/28 23:49
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
「…そっか、ムーンとシヴァの出会いは納得したけど…驚いたな、シヴァが昔はかなり血の気が多かったって事とムーンが今と変わらないドライな性格だってのが」
「あはは…確かにムーンは昔から今と同じ冷静沈着でドライな性格だったわね、若干8歳にしてあの冷静さは驚き物だったけどあれから6年経った今も変わってなくてある意味凄かったわ…」
ムーンとシヴァとの出会いの説明を終えると、グラッセは自分が知らなかった親友や召喚獣の過去を知れて少し嬉しそうな表情をする反面—驚いたなと口にする。
無理も無いだろう、自分が知っているシヴァの性格が昔と違いがあり過ぎる事とムーンが昔から性格が変わっていないドライな性格だと言う事を聞かされてしまった以上
だからリズも思わず苦笑しながらグラッセに対して同意を示しつつ、6年経ったと言うのに相変わらず冷静沈着でドライな所は変わっていなかった親友に対して遠目になりながらある意味凄かったと語る。
「…でもね、そんなムーンとシヴァと出会い…友達になってからは、毎日がとても楽しかった、私とムーンとカヤとセレスの四人で氷の神殿へ行っては日が暮れるまでシヴァと遊んでね………その楽しさと言ったら、自分がノーバディで皆とは違う事さえも忘れそうになる程だったよ」
だが—そんなムーンとシヴァと出会ってからと言う物、友達になってからは毎日がとても楽しかった。
私とムーンとカヤとセレスの四人で氷の神殿に向かっては、日が暮れるまでシヴァと遊ぶ—その楽しさは、例えるなら自分がノーバディで皆とは違う存在であると言う事を忘れてしまいそうになる程だ。
それぐらい四人で遊ぶ時間は楽しかったのだ、子供っぽく何だかんだ言いながら実は寂しがり屋だったシヴァも本気で遊びに混ざってくれた事もあるから
『シヴァー!あ・そ・び・に・来・た・よ☆』
『ヤッホーシヴァ!今日は手土産に私とムーンの特製のババロアも持って来たぜ♪』
『…そのテンションの高さはやはりお前たちか、そしてリズとムーン特製のお菓子!?今すぐ寄越せ、てか頂戴———ッ!!!』
氷の神殿の最奥まで向かい、何時ものテンションでセレスがシヴァの名前を呼びながら遊びに来たよと叫ぶ。
それにリズも便乗した形でヤッホーシヴァと挨拶をしながら名前を呼び、手土産に自分とムーン特製のババロアを持って来たと言う。
すると青い光がリズたちの目も前に現れ、そのテンションの高さはやはりお前たちかと呆れたように言いながら—シヴァを形成する。
しかしリズが持っている手土産(ババロア)を見た途端、すぐに子供のような無邪気な笑みで頂戴とがっつく…これがリズたちの日常であった。
『全く…少しは落ち着いて行動が出来ないのか、家の女性陣は』
『それでこそリズとセレスとシヴァだと俺は思うぜ、ムーン』
『分かってるっての』
それを少しは落ち着いて行動出来ないのかと、真面目なムーンが先らのシヴァ以上に呆れながら言う。
そしてカヤがそれでこそリズたちだと俺は思うぜと、笑いながらムーンに対して言うと分かってるってのと苦笑しながら女性陣を見守る。
—この5人のやり取りが何時もの事だったのだが、翌日…フリーズシティが滅びる2ヶ月前くらいに突如引っ越して来た人物たちにより、さっき話した残酷な戦いの原因とも言える始まりが幕を開ける事になる。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.102 )
- 日時: 2012/12/27 15:18
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『…あん?新しく三人姉弟が引っ越して来たぁ?』
『ああ、それでお前の事紹介したら是非とも会って見たいんだとさ』
『えー、せっかく皆に会うためにまた命懸けで機関脱走してきたってのに…』←
そんな決意をした翌日、再びフリーズシティを訪れた途端リズはムーンから新しく引っ越して来た三人組の姉弟の話を聞かされた。
どうやらその姉弟たちに自分の事を話したら、一目会って話してみたいと言われたらしく彼はリズを紹介するべく探していたようだった。
しかしリズとしては正直面倒だと言うのが本音である、何せ彼女はフリーズシティへ来るのも命懸けで機関を脱走して来ての事だったのだから
『…命懸けで機関を脱走して来た…?』
『ギクッ!?(ヤバッ…ッ!)』
すると普段リズがけして言う事のない私生活と言う内部事情に、ムーンは珍しいと思う半分疑問を覚える。
案の定彼女の言った言葉を繰り返してみると、リズは大いに反応を示し真っ青になった。
『あのさリズ…俺前から思ってたんだけど、お前何か隠してるよな?』
『え、えー?私何にも隠してないよ?それともそんなに秘密があるように見えるのかなぁ?』
その反応によりますます不信感を覚えたムーンは、リズに一歩駆け寄り前から思っていたと言いながら何か隠してるだろと問い詰める。
だが一歩近づくそのたびに少女も後退し、誰もがわかるほどの冷や汗を流しながら何も隠してないよと挙動不審な様子を見せる。
—何この状況…あれか!?剣士同士が戦うために間合いを詰めてる感じ…!! byリズ←混乱してます
—何時も思っていたが…リズは自分の事を何一つ喋らないし教えてもくれねぇ…絶対何か隠してがる…今日こそは吐かせてやるぜ…!!(超悪人面) byムーン
—うぅ…ムーンの奴、目が据わってるし…!!このままじゃラチがあかないと言うか、何か物凄い悪い事しているような気分になってきたんですけど——————ッ!!!!!? byリズ
—クックックッ、リズの奴、顔色が更に悪くなっている辺り焦ってるな…!よしっ、このまま追い詰められる所まで追い詰めてやる…!!(鬼畜面に変貌) byムーン
—うわーんッ!!悪人面が可愛いと思える鬼畜面にまでなってるしぃ!?このままじゃ確実にやられる…誰かヘルプと言うか、助けて下さぁぁぁぁぁぁいッ!!!!! byリズ
こんなやり取りと会話をたったの数秒で行い、リズが誰か助けてと懇願していると—
『…あら、ムーン君…どうしたのそんな険しい顔で女の子を追い詰めて…?』
『て、テルスねーちゃん!?何でここに!!?』
金髪に桃色の瞳をした少女—いや女性と言うべきであろう方が、運よく現れてくれムーンは彼女の事を【テルスねーちゃん】と呼んだ。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.103 )
- 日時: 2012/12/27 21:41
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『た、助かった…って、えぇぇぇぇぇッ!!?あの捻くれムーンが年上の方をねーちゃんって呼んだぁぁぁぁぁぁッ!!!!!?』
『…そんなに俺が目上の人の態度が違うだけで悲鳴を上げるか…?』
『上げるわよ!気持ち悪い以外の表現が思い付かないし、何よりもフリーズシティが氷漬けになるんじゃないかって程よ!!』←
突然現れた金髪に桃色の瞳をした女性により、何とかムーンから解放されたリズは助かったと一安心する。
しかし次の瞬間、ムーンが金髪の女性の事をねーちゃんと呼んだ事を思い出すと絶叫してしまった。
何せ彼は元々の捻くれた性格が災いし、目上の人だろうが大人だろうが態度が悪いので敬語なんて使えないんだろうなと思っていた矢先にこれだったからだ。
—正直言って明日フリーズシティが氷漬けになるんじゃないかって思うほど…不気味で寒気がして気色悪く鳥肌立って来た← byリズ
これが彼女の本音である、ムーンの普段の態度が酷いせいかもしれないがリズもリズで超失礼である。
『プッ…アハハ!貴女って面白いわね!もしかしてムーン君が紹介してくれたリズちゃんかしら?』
『あ、はい!私がリズです…そう言う貴女も引っ越して来たという…』
『うん!私が引っ越して来たって言うテルス・オルヴィズ・レザレックションウンブラ…テルスで良いわ』
そんな漫才を行っていると、今まで黙っていた金髪の女性が笑い出した。
そしてムーン君が紹介してくれたリズちゃんって、貴女の事かしらと首を傾げてきた。
それによりリズもこの人が引っ越して来た人だと理解し、名乗り出た後に聞いて見ると金髪の女性—テルスも自己紹介をする。
『何だ…ムーンが敬意を示す人だから怖い人かと思ったら、案外優しい人じゃない』
『どう言う意味だよ!俺は普通にテルスねーちゃんが良い人だって分かったから…』
『あらあら、二人とも仲が良いのね…何だかウラノスとガイアにそっくり♪』
話してみるとあのムーンが敬意を示す物なのだから、怖い人なのかと思いきや気さくで笑顔が素敵な人物だったので優しい人じゃんと彼の方を向いて口を尖らせる。
するとムーンはどう言う意味だよとすぐ反応し、喧嘩腰でギャーギャー騒ぐとテルスが再び笑い二人ともウラノスとガイアにそっくりと言いながら微笑む。
『…ウラノスとガイアって、誰?』
『あー…そう言えば、お前ついさっきまで引っ越して来た人が居る事すら知らなかったもんな…』
『ウラノスとガイアは私の弟と妹よ、年齢は19歳に13歳で二人に性格が似てるわね』
だが今引っ越して来たテルスの存在を知ったリズからすれば、ウラノスとガイアと言う人物が分かる訳もなく誰と頭を悩ませる。
それにムーンはさっきまで知らなかったもんなと納得し、テルスがウラノスとガイアは自分の弟と妹でリズたちに性格が似ていると教えてくれた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.104 )
- 日時: 2012/12/28 15:18
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『へぇー、私とムーンに性格が似ているなんて面白そうだから是非ともその二人に会って見たわね』
『ええ、是非とも会って仲良くして頂戴、二人ともからかうと面白いから♪』←
『(面白いって…それ姉である貴女が言う事ですか…?)』
テルスの説明によってウラノスとガイアと言う存在を知ったリズは、自分たちに似ていると言う事を聞いた事により興味を抱き是非とも会って見たいと呟く。
それにテルスは仲良くして頂戴と言いつつ、弟と妹に対して言う事じゃない台詞を吐き密かにムーンが心の中でツッコミを決めていた。
『あー!やっとリズを見つけたと思ったら、ムーンとテルス姉ちゃんも居た!!』
『ムーンとテルスさんが突然居なくなったと思ったら、リズと一緒に居たのか…心配する必要無かったな』
そんな会話をしていると聞きなれた声が叫んで来て、この声はと前を向いてみると案の定オレンジ色の髪をした少女と水色の髪をした少年が立っていた。
『…相変わらず元気と言うか何と言うか…おはようカヤにセレス』
『相変わらずって昨日会ったばかりだけどな、おはようリズ』
『呑気におはようじゃなーいッ!今朝からずっと探してたのにリズったら何で居なかったのよ!!』
特にオレンジ色の髪の少女のテンションの高さは、昨日会ったばかりと言えども何だか相変わらずと表現するべき気がしたのでそう言いながらおはようと挨拶をする。
すると水色の髪の少年—カヤが昨日会ったばかりだろと言うが、律儀に挨拶は返してくれる(だってコイツ、根はムーン並に真面目だし byリズ)
だがオレンジ色の髪の少女—セレスはおはようじゃないと、何故か怒りながらずっと探していたの居なかったと怒鳴る。
『…あのさセレス、怒っている最中に誠に言いづらいんだけど…探してたって何処を?私、貴女に何処に住んでるか教えた事あるっけ?』
『………………あ』
『だから聞いただろ…お前リズの家知ってるのかって、なのに一人で突っ走って…』
しかしこの怒鳴る姿を見て—ふとリズは思った、セレスに自分の住んでいる所を教えた事あったっけ?と…
実を言うとこのフリーズシティにちゃんと隠れ家はあるので、何処に住んでいるかと質問された時の対応は万全だったのだが聞かれない以上は答える必要が無いと思い言わなかった。
だからこそ聞いて見ると、彼女は呆然と声を漏らしカヤにだから聞いただろうと呆れられていた。
『…す、すいませんでした…どうりで見つからない訳です…』
『『『『大丈夫、セレスらしいドジっぷりを見れたから…ッ!!』』
『う〜!笑わないでよぉ!!』
自分の暴走の全てを思い出すと、セレスは顔を真っ赤にしすいませんでしたと謝るとここに居る全員が口を揃えながら爆笑する。
それにより自分がしてきた事を尚更自覚したのか、更に慌てふためき笑わないでよと走り回ると—
『楽しそうだな、俺たちも混ぜてくれよ』
『そうだよ、五人だけで盛り上がってずるいじゃない!』
短髪の緑髪に黄色の瞳の少年と、緑髪をサイドテールにした桃色の瞳の少女が走って来た。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.105 )
- 日時: 2012/12/29 18:02
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『…えーと、貴方たち…誰?』
『この二人がウラノスとガイアよ、二人ともリズちゃんに自己紹介しなさい』
今日はやけに知らない人に話しかけられる日だなと頭の中で思いつつ、またしても突如現れた二人に対してリズは当然の反応を返す。
するとテルスが先ら話した弟と妹だと言い、二人とも自己紹介しなさいと促がす。
『へぇ…アンタがリズね!アタシはガイアよ、このフリーズシティに引っ越して来たばかりで分からない事が多いけどよろしくね!』
『俺はウラノスだ、主に妹が迷惑をかけると思うがよろしく頼む』
『ちょっとぉ!?アタシが迷惑をかけるってどう言う意味よ、ウラノスお兄ちゃん!!?』
『そのままの意味だ、と言うかそれ以外の意味があると思うのか?』
それによりまずは緑髪の少女がリズの事を見ながら、アタシはガイアと名乗り引っ越して来たばかりだから分からない事が多いけどよろしくと告げる。
そしてそれに便乗した形で緑髪の少年もウラノスと名を名乗りつつ、主にガイアが迷惑をかけると思うがよろしく頼むと兄らしい(?)台詞を言った。
しかしそのガイアからすれば余計な一言により、彼女が騒ぎ出し兄妹喧嘩勃発
『『『『………………』』』』
『ね?リズちゃんとムーン君にそっくりでしょ?』
この様子に何時もやかましいセレスも含め一同唖然、だがそんな中テルスだけが唯一その兄妹喧嘩を微笑ましい目線で見つめながらリズとムーンにそっくりでしょと確認を取ってきた。
『(…いや、確かに何時もの私とムーンのやり取りに似てる部分があるけどさ…)』
『(俺たち以上に似てる奴がいるよな…セレスとカヤって言う奴らが…)』
そんな確認を取られても、リズとムーンが思う事は1つであった。
—私(俺)たちより、カヤとセレスのやり取りの方が似てるじゃねぇか…と
『さーてと、そろそろ兄妹喧嘩に見飽きてきた事だし—止めますか』
『『『(最初から止めて上げろよ)』』』
そんなこんなで最初は驚いてしまったが、流石にこのまま喧嘩を続けられても困るのでどうしようと悩んでいると—ようやくテルスがそろそろ止めるかと動く。
しかもその喧嘩を止める理由が見飽きたと言う事だから、尚更リズとムーンとカヤはなら最初から止めろよと心の中でツッコミを決める。
『大体ウラノスお兄ちゃんはアタシに対して失礼にも程があり過ぎなのよ!』
『何をぉ!お前が一々余計な事ばっかりするから俺がこうしてフォローに回る事に…!!』
『—コラァ!二人とも、細かい事で揉めるのはその辺にしなさいっ!』
一方のこうなっている原因であるウラノスとガイアの喧嘩はと言うと、言動と言い行動と言い更にヒートアップしていた。
まさか殴り合いまで発展するんじゃとリズたちが不安げな表情で見ると、その間にテルスが割り込み二人の頭を同時に叩く。
『あだっ!?』
『うぐっ!?』
『全く…自分より子供の前で喧嘩して恥ずかしくないの?落ち着いて辺りを見渡してみなさい、リズちゃんとムーン君とカヤ君とセレスちゃんが不安がってるじゃない!』
もちろん叩かれた二人は痛いと頭を押さえるが、テルスは周りを見ろと諭すように説教しつつリズたちが不安そうな眼差しを向けている事に気付いていたのかそれも言う。
『あ…そ、それは悪いけど…』
『で、でも…』
『でもとか言い訳しない!第一ウラノスはお兄ちゃんなんだからガイアの事をそんな酷く言わない!ガイアもガイアで一々ウラノスが言う事に反応しない!二人とも分かったかしら?』
言われてようやくその視線に気が付いたガイアはバツが悪そうに顔を俯かせ、ウラノスはでもと反論しようとする。
だがテルスは弟や妹と言えども厳しく悪い所を言い、反省しなさいと言う意味合いを込めて分かったと大人びた対応をする。
『…茶化す事が好きなのかと思ったけど、意外と姉らしく大人びた所があったのね…』
『ああ…正直俺も驚いた』
『アタシも…』
そのやり取りを見てリズとカヤとセレスは、テルスと言う人物の見方が少しだけ変わった。
普段はいい加減な所があるけど、実際は姉らしく大人びた人物だと…
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.106 )
- 日時: 2012/12/30 23:01
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
「…何と言うか、テルスさんってお茶目で自由人だったんだな…あのウラノスとガイアの姉って言うぐらいだから凄い人だと思ってたよ…」
「まぁ…確かにウラノスとガイアの姉とだけあって、ある意味凄かったからその予想当たってるわね…」
ウラノスとガイアとの出会い、そしてテルスと言う人物の事を聞いたグラッセの第一声はこれだった。
確かに今までのウラノスとガイアの行いなどを見てきた以上、その姉であるテルスも余程の危険人物か強者だとグラッセが思うのも無理は無い。
しかし実際の彼女はつねに破天荒な行動を取るリズでさえ、予測不可能の行動を取ると言う意味で驚かせた女性であった。
だがらこそグラッセの考えはある意味当たっているので、あのウラノスとガイアの姉と言うだけはあると苦笑しながら認めた。
「…でもそんなテルスだったからこそ、すぐシヴァとも打ち解けてくれてウラノスとガイアも混ざって遊んだ日々は私の中でかけがいの無い物となったわ」
茶目っ気があり過ぎるテルスだったけれども、彼女は自由人と言う事だけあり自分に偽り無くただ素直に生きていた。
そんな彼女だからこそ警戒心が強く(?)血の気が多かったシヴァの心もすぐ溶かし、ウラノスとガイアも混ぜて8人で遊ぶようになった。
—最初はリズとカヤとセレスから始まった友情と言う輪が、今では精霊をも繋ぐ8人の絆になっていた。
それはリズにとってもかけがいの無い物に変化にしており、私自身にも影響を与えてくれた。
『ねぇ、皆!アタシたちの中で誰が一番早くシヴァの元へ辿り着くか競走しましょうよ!』
『絶対嫌だ、疲れるし』
『断る、めんどくさい』
『同感だな、シヴァの元へ行く前に無駄な体力を使いたくない』
ある日氷の神殿へと向かう時、皆に向かって誰が一番早くシヴァの所へ辿り着くか競争しようと言った。
それに対しての答えは上からウラノス、ムーン、カヤの順で、どれもが余計な体力を使いたくないと言う物だった。
『もー!男共が情けないわねー!普通は俺が一番になってやるー!とか叫んで走るもんでしょ!?』
『それは貴女だけよ、ガイア』
『ですね…大体スピードの競走なんてしたって、素早いリズが居る限りガイアが勝てる確率は低いよ?』
『う、うるさい!今回は勝てるはずよ!特訓したんだから!!』
やる気の無い男性陣にガイアは情けないと呆れ、普通は叫んで走るでしょと指を指す(人に指を指してはいけません by作者)
余りにも個人的偏見な意見に、テルスも貴女だけでしょとツッコミを決めセレスが何時もながら一言余計な事を言うとガイアが逆上する。
そして次の瞬間には
—ガシッ
『なら…特訓の成果を見せてあげるわよ!!行くわよ、リズ!!!』
『え、ちょ、何で私を掴んで走るの——————ッ!!!!!?』
そこまで言うならば見せてやると、ガイアはいきなりリズの服についているフードを掴んで走り去ってしまった。
もちろんその事態を考えていた無かったリズは、なす術も無く強制連行
それから少しして、遠くから何で私がぁぁぁぁぁぁ!!!と聞こえたのは言うまでも無い。
『やれやれ…テルス姉さん、わざとガイアを煽っただろ?』
『あら?分かっちゃった?流石私の弟ね、ウラノス〜♪』
『…人をからかうのは程ほどにしてくれよ?今頃ガイアの奴、リズの事なんて気にかけずに全力疾走してると思うし』
『…そうなったら、間違いなくリズの奴…後からブチ切れて暴れだすと思うから何か対策を生じないといけねぇな…』
声が聞こえなくなったのを確認した後にウラノスは、近くでニコニコと微笑んでいる姉にわざとやっただろと話しかける。
案の定テルスは認め流石私の弟ねと楽しそうに微笑み続ける、これにはウラノスもからかうのは程々にしてくれと切実な願いを告げる。
…今頃全力疾走している妹と、それに巻き込まれた友達である少女の無事を頭の中で考えながら
ちなみにその考えに横からムーンが口出しをし、後から起こるであろう惨事を防ぐ方法を考えていたのは余談である。
—そんな風に会話をしながら氷の神殿へと進む6人を、影から見つめていた人物が居た。
『…?さっき緑色の髪をした女の人に連れ去られたのって…リズ姉ちゃんに似てる…?』
『何を立ち止まりながら見てるのレイ?早く行こうよ!』
『あ、ああ…待てよ、アイズ!』
金髪に栗毛が混ざった少年でリズの実弟—レイシャに、ピンク髪の少女—アイズ
二人で世界巡りをしている時に偶然立ち寄ったようだが、その真実をリズたちは知らない。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.107 )
- 日時: 2013/01/04 00:09
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『仕方ない、流石にこのままだとリズちゃんが可哀想だから…私は先に行ってガイアを止めるわね♪』
『あ!それならアタシも行きますよ!もしもリズが切れて暴れ出した事を考えて…』
『本当?ありがとう、セレスちゃん…それじゃあ、行きましょうか!』
『はい!』
ガイアがリズを無理やり連れ去ってから数分後、流石にこのままだと妹に誘拐(?)された少女が可哀想なのでテルスが先に行くと言い出した。
それにセレスもリズが暴れだす可能性もあるので自分も行きますと同行を申し出ると、テルスは嬉しそうにありがとうとお礼を言い微笑むと二人は先に氷の神殿へと走って行く。
後に残ったのは疲れ切った表情でため息を吐くウラノスと、そんな彼に同情するカヤとムーンである。
『全く、元凶が何を言うか…ガイアと言いテルス姉さんと言い、困った物だな…』
『お疲れ、ウラノス』
『…大変だな、あんな自由人な姉と負けず嫌いな妹を持って』
姉と友人が居なくなったのか確認してから、ウラノスは頭を押さえながらあの二人には困った物だと口にする。
確かにあんな姉と妹を持ってしまっては、彼が頭を悩ませるのも当然である。
なのでカヤは苦笑しながらお疲れと言い、ムーンが大変だなと言うと何故か今度はウラノスが苦笑し
『大変なのはお前たちもだろう?テンションが高く早とちりしやすいセレスに喧嘩っ早く暴れん坊のリズと言う友達を持ったな…』
『…それを言われると、事実だから何も言えないな…』
『本当に大変だしな…』
大変なのは自分だけではなくカヤとムーンもである、何せあのセレスとリズを友達に持ったんだからなとウラノスは言った。
何だかそれを言われてしまうと、事実なので何も言えないなとカヤは笑いムーンも本当に大変だしなと否定せずに笑う。
よくよく思えば—普段は賑やかな女性陣が主に色々と暴走しては、ウラノス筆頭の男性陣がフォローに回る事が多かったのでこんな会話をゆっくり出来るとは思えなかった。
『何て言うか…俺たちって結構苦労人なんだな…』
『だな…でも一番の苦労人はウラノスで決定だろ、何せムーンがリズと本気でブチ切れた時に抑えつけた実力者だしな』
『悪かったな!でも俺とリズ、かなり暴れてたもんな…ウラノスが友達で良かったよ…』
今までの事を振り返ってみると、自分たちは結構な苦労人なんだなとウラノスは自負する(こんな事で自負しないで下さい by作者)
その意見にカヤも同意を示しつつ、でも一番の苦労人は本気で切れたムーンたちを抑えたウラノスだなと言う。
それにムーンは悪かったなと不貞腐れるが、かなり暴れていたしなと自覚しておりウラノスが友達で良かったと言うと
『…俺が友達で良かったか…お前たち、俺の事を…【俺の真実】を知ってもそう言ってくれるかな…?』
『…?』
『どうしたウラノス?急に暗くなって…』
突然ムーンの言葉を聞いた途端、ウラノスは何処か思い詰めた表情でぼそっと誰にも聞こえない声で本音を漏らす。
声は聞き取れなかったが急なウラノスの変化に、カヤとムーンも気付きどうしたと首を傾げる。
『…何でも無いよ、それよりも早くテルス姉さんの所に追いつかないと』
『あ!そうだった…急ぐぞウラノス、カヤ!!』
『ま、待てよ、ムーン!!』
しかしウラノスは何でもないと誤魔化し、それよりも早くテルス姉さんたちに追いつかないとと促がす。
それにより慌てたムーンが急ぐぞと走り出した事に、この会話は途切れカヤとウラノスも駆け出した。
—この時、ウラノスは自分の正体を皆に告げれば良かったんだと死ぬほど【後悔】する事となる。
このフリーズシティに魔の手が迫っている事を、数日後に体験する事となるのだから
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.108 )
- 日時: 2013/01/05 14:10
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『うー…3日経った今でもガイアにフードを掴まれたせいで首が痛い…テルスが助けてくれなきゃどうなっていた事か…』
それから数日後、存在しなかった世界のロビーでは首にシップを貼っているリズが帰還していた。
どうやら今の話から察するとあの後ガイアに連れ去られてから、テルスに助けてもらった物の予想以上にフードを引っ張る力が強かったようで怪我を負ってしまったらしい。
『怪我は大丈夫か、リズ?』
『あ、父さん!3日前よりは良くなってるよ!』
そのせいでサイクスに任務へ行く事や外出を禁止され、この3日間フリーズシティへ迎えずに暇だなと内心リズは不貞腐れていると聞きなれた声が自分を呼ぶ。
この声はと振り向くと案の定そこにいたのは父親であるロクサスで、リズは父さんと嬉しそうに駆け寄る。
『その様子じゃ大丈夫そうだな、お土産にトワイライトタウンでシーソルトアイス買って来たんだけど食べるか?』
『アイス!?食べる食べる———ッ!!!』
この元気な姿を確認してロクサスも大丈夫そうだな安心し、お土産に買って来たシーソルトアイスを食べるかと聞くと、リズはアイスと目を輝かせ食べると騒ぐ。
『う〜ん♪やっぱりシーソルトアイスは美味しい…』
そしてロクサスから受け取った、シーソルトアイスを幸せそうに食べている瞬間—
—ドクンッ
—だ、誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!!き、きゃああああああッ!!!!!?
—何なのよアンタたち!どうしてここまで…!!!って、嫌ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
『………………ッ!!?』
突然胸が苦しくなり頭の中にフリーズシティの映像が見えたかと思えば、そこではセレスとガイアが悲鳴を上げ何者かに追いかけられている光景が繰り広げられていた。
いきなりの事でリズは驚き辺りを見渡すが、相変わらずそこは存在しなかった世界で幻でも見たのかと冷や汗を流すがそれだけでは終わらなかった。
—ラリマー!しっかりしろラリマーァァァァァァッ!!!!!
—ソーダ…ライト、俺はもう無理だ…せめて家の娘を、セレスタイトを連れて逃げてくれ…
—バカ言うな!生まれてすぐ母親を亡くたセレスちゃんを…お前が男手一つで守ってきた娘を置いて逝く気か!?だから…死ぬな!頼む…死ぬなぁぁぁぁぁぁッ!!!!!
次に見えたのはリズは何時もピアスを買うブルーレースアゲート装備屋で、そこではセレスの父親であるラリマーが倒れておりカヤの父親のソーダライトがしっかりしろと言いながらポーションを飲ませようとする。
しかし彼はもう生命の限界を悟っており、せめてセレスだけでも連れて逃げろと懇願する。
それをソーダライトはバカを言うなと一括し、たった一人の娘を置いて逝く気かと問い詰めるが—もう既にラリマーの身体は冷たかった。
—どうしてこんな事に…!?何だよあの白い連中!!いきなりこの世界は滅びるべきだとか…意味分かんねぇよ!!!!!
—ああ…だが一つだけ言える事は…アイツら、本気で俺たちフリーズシティの住民を全員消すつもりだ!急いでセレスと合流して逃げるぞ!!!
その悲しい結末をずっと傍で見ていたカヤは、どうしてこんな事にと嘆きつつセレスの父親を襲ったらしい白い連中に怒りを露にしていた。
そんな彼にムーンも同意を示しつつ、あの白い連中たちは俺たちフリーズシティの住人を全員消すつもりだと言う、確かの事を述べ急いでセレスト合流して逃げるぞと叫んでいた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.109 )
- 日時: 2013/01/07 16:36
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『…何この光景…?誰かが私にフリーズシティへ向かえと行ってるの…?』
『どうした、リズ?顔色が悪いぞ…?』
次々の頭の中に思い浮かぶ光景と聞こえてくる友達の声に、リズは冷や汗をかきながらぽつりと呟く。
そんな娘の異変に気が付いたロクサスが、顔色が悪いぞと聞いた瞬間
『—ごめん父さん!ちょっと出かけてくるッ!!』
『え!?お、オイ!リズッ!!?』
何処か焦った様子でリズは真っ青な顔を上げたかと思えば、即座に闇の回廊を出しその中へと入る。
いきなりの事でロクサスも驚き、リズを呼び止めようとするがその声に反応したかのように闇は閉じてしまった。
後に残ったのは静寂と闇の匂いと、残されたロクサスの一言である。
『…恐らくリズはフリーズシティって言う友達の所へ言ったんだろうけど…何だこの胸騒ぎと嫌な予感は…?』
『ロクサス!リズの奴、フリーズシティって言う場所に出かけてないよな!!?』
リズが出かけた場所はフリーズシティと言う所だと想像は付いている物の、何だか物凄く胸騒ぎと嫌な予感がした。
気のせいだと思いたかったロクサスだが、それは慌てて走って来た赤髪をした親友アクセルの一言により的中している事となる。
『ウプッ…!うぅ…!』
そして闇の回廊でフリーズシティに向かっているリズはと言うと、毎度の事ながら闇の回廊に酔っていた。
しかし今回は吐き気を抑えつけ、今にも倒れそうなフラフラとした身体を動かし走っていた。
『ぼんなのに、おおてるぶあいじゃぬぇんだよ…!いじょがぬわいと…!!(略:こんなのに酔ってる場合じゃねぇんだよ…!急がないと…!!』
相変わらず酔っている時は意味不明な台詞を発し、解読が無ければ分からないが
それでも走って来た甲斐があり、闇の回廊内に出口であるフリーズシティの入り口が見えて来た。
—ブォン…
『ぶはぁ!!やっと普通の空気吸えた…ッ!?』
ようやくフリーズシティに着き、闇の回廊を出たリズはやっと普通の空気が吸えたと喜ぶ。
だが空気を吸い元気になった所で、辺りを見渡してみると絶句する事となる。
フリーズシティの象徴ともいえる水晶やクリスタルは、見事なほど粉々にされており街中に戦火が広がっていたからだ。
『な、何がどうなってるのよ…!?どうしてフリーズシティがこんな事に…!!?』
『居たぞ!この街の住人だ!』
まさに先ら頭の中で見えた映像その物の出来事が起きており、何がどうなってるんだとリズは唖然とするしかなかった。
でも後から突然聞こえた声により落ち着きを取り戻し、睨み付けるように振り返ると—そこには予想通り頭の中でカヤが言っていた白い連中が居た。
『…アンタたちね?このフリーズシティをこんな風にしたのは…!!』
『それがどうした?この世界は闇の力が充満している…闇などこの世界に存在してはならぬ!!』
『そうだ!この世界は滅びる運命だ!こうなって当然なのだ!!』
こんな綺麗な世界を滅茶苦茶にした白い連中に、リズは怒り狂いながら問い詰める。
すると白い連中はまるで自分たちは何も悪い事をしていないかのように、自分たちの行動を正当化する。
—ブチィッ
『そんな下らない理由で、自分たちを正当化するんじゃねェェェェェェッ!!!!!』
『『ぐあああああああっ!!!!!?』』
もちろんそんな連中にリズがブチ切れないはずも無く、容赦が無いダークオブリングが発射されたのは言うまでも無い。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.110 )
- 日時: 2013/01/08 21:15
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『クソ…!こんな馬鹿な奴らに、この世界は壊されつつあるってのかよ…!?』
白い連中に闇のレーザーを決めたリズは、改めて今の状況を確認するためにフリーズシティを見渡す。
やはり幾ら街中を見ても戦火に飲まれている事は変わらず、余計事の原因である白い連中に対して腹が立った。
『でも…一番腹が立つのは、そんな事態に一刻も早く気が付けなかった私自身よ…ッ!!』
しかしリズからすれば一番腹が立つのは、こうなる事に気が付けなかった自分自身だった。
無意識にキーブレードを握る右手に力が入る物の、すぐ何時もの鋭い瞳で前を向いたかと思えば
『…いや、【後悔】している場合じゃない、今出来る事を…この世界を壊させない事が私のやるべき事だ…!』
—悔やんでいる場合じゃない、この世界を壊そうとする白い連中は私が倒す。
その思いを胸の中に宿し、リズは街の中へと駆け出した。
『お前に恨みはないが…消えろ、忌々しいフリーズシティの住民!!』
『その消えろって台詞そのまま返してあげるわよ!ダークヘイズッ!!』
『うわぁぁぁぁぁぁっ!!?』
街の中へ入ると案の定と言うべきか、予想通り白い連中が襲い掛かってきた。
だが決意を固めたリズからすればこんな連中などどうって事も無く、次々と現れる敵に対して呪文破棄などをしながら技を繰り出す。
『…つーか、よくよく思えば…よくもまぁ、次から次へと現れるわねこの白い連中…こんなに人数を集められた事に関して、ある意味賞賛送りたいわ…』
そして街の中心部まで進むにつれ、リズは無限に現れる白い連中に対してよくここまで人数を集められたなと呆れながら呟く。
先らダークオブリングを決めた連中の発言から察して、恐らくこの白い連中は闇が嫌いな集団の集まりだと言う事は分かっている物の
『何て言うか…世界にはこんなにも闇を嫌っている人が居るんだなって実感しちゃうな…』
闇を嫌っている人物はこの世界に沢山居る—知っていた事だが、何だか今頃光と闇の共存を願い叫んでいる弟の気苦労を悟ってしまい苦笑する。
『だけど…幾らこのフリーズシティの闇の力が濃いと言えども、何でいきなり狙ってきたんだろう…?』
そんな事を考えていると、ふとリズは白い連中の行動に疑問を抱いた。
確かにこのフリーズシティは闇の力が濃いと言われているが、実は氷の力のほうが強く他の闇の力が強い世界よりは幾分とマシなのだ。
だからこそ本来なら、ここより闇の力が強い所から襲い掛かるのではと思ったのだ。
『…もしかして、このフリーズシティじゃなくて…別の何かを狙っているじゃ…?』
『リズちゃ——————んッ!!!!!』
『リズ!無事かッ!!?』
まさかとは思うが、このフリーズシティを滅ぼすのが目的ではなく別の何かを狙ってるのではと思考を向けていると—テルスとウラノスがリズの名前を呼びながら武器を持ち走って来た。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.111 )
- 日時: 2013/01/10 14:42
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『テルス!ウラノス!二人とも大丈夫だった!!?』
『俺たちは大丈夫に決まってるだろ、それよりもお前が無事で安心したぜ』
『ええ…ずっと街中を探しても貴女だけが居なかったから、見つかって良かったわ…』
いきなり走って来た二人にリズは驚く物の、ウラノスとテルスが無事だった事に安堵を覚えつつ大丈夫と心配する。
するとウラノスは大丈夫に決まってるだろと返事を返したと思えば、リズが無事だった事に安心したとほっとしながら告げてきた。
それにテルスも走って来た反動で若干息切れを起こしながらだが、この騒動の中—街中を探しても唯一居なかった自分を探してくれており見つかった事に対して良かったと言うものだから物凄く申し訳無いと思った。
『二人とも心配かけてごめん、でもこの通り私は大丈夫だから!だから急いで他の皆と合流しなきゃ』
『そうだな…リズも見つかった以上、【この世界】に居る必要も無いし…ガイアたちと合流して早く【他の世界】へ逃げようテルス姉さん!』
『そうね…【この世界】はとても良い場所だったのに…まさかこんなに早く【奴】らに嗅ぎ付けられるなんて…』
『え…?(い、今…テルスとウラノス…この世界って言った…?まさか二人とも元々この世界の住人なんじゃ無いのッ!!?)』
なので心配をかけた事を謝りつつ私は大丈夫と告げると、リズは急いで他の皆—ガイア、セレス、カヤ、ムーンたちと合流しようと言う。
その案にウラノスはそうだなと同意を示すが、次の瞬間【この世界】に居る必要が無いと口にした事により—リズは固まる。
だってその言葉は彼らが元々この世界の住人じゃないと言う事を現す、事実であり何よりも揺るがぬ証拠だったから
そしてそれに付け加えるかのようにテルスが何か重要な事を話していたような気がしたが、リズはこの二人がこの世界の住人じゃ無い事に驚いていたせいで聞き取れなかった。
『さてと…とにかく、この事はその内にリズやカヤたちに話さなきゃいけないけど…今は敵さんを殲滅する事から始めましょうか?』
『ああ…全部なぎ倒してやる…居るんだろ?出て来い』
そんな会話をしている内にセレスが持っていた武器である杖—ディアステイトロッドを構え真剣そうな表情でそう告げると、ウラノスも頷きながら円形型の武器—スパークチャクラムを構える。
このやり取りにより、ようやくリズも正気を取り戻しハッとしながら辺りを見渡す。
確かによくよく気配を察してみれば、ここら一帯から尋常じゃない殺気が溢れ出ており確実に敵に囲まれている事が分かった。
何時の間に囲まれていたんだと内心リズは焦っていると、姉弟の呼びかけに反応したかのように白い連中はうじゃうじゃと—ざっと見積もって100人くらいが一気に登場した。
『のわぁ!!?何この人数ぅぅぅぅぅぅっ!!!!!?』
『落ち着いてリズ…貴女のその武器、キーブレードよね?巻き込んでしまって悪いけど…一緒に戦って欲しい』
『べ、別に良いけど…って、テルス?』
今までの敵と数が比べ物にならない状況に、流石のリズも何この人数と叫ぶ。
だが突然テルスが何時もとは違い冷静な態度で、落ち着いてと諭しながらリズの武器であるキーブレードを見て戦う協力を要請する。
リズは元々戦う事に関しての協力は別に構わないので良いと言う物の、普段と違う彼女を不安に思いテルスを見上げると
『—ったく…また性懲りも無く現れて…どうなるか分かってるでしょうね…?』
『ッ!!!!!?』
『大丈夫だ、テルス姉さんを信じて戦えリズ』
—彼女の雰囲気は大きく変化しており、身体中から溢れ出る強力な闇の力を目の辺りにし唖然とする。
それから口をパクパクとしか動かせずに居ると、ウラノスが背中を叩きテルス姉さんを信じて戦えと言った事により—戦闘は幕を開けた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.112 )
- 日時: 2013/01/11 14:51
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『まずは手始めに軽く行っときますか—闇よ、ダークホーミング』
『…!?って、弾のスピードが遅いじゃないか!こんなの簡単に…』
まず始めにテルスがディアステイトロッドを振り下ろすと、杖の先端から闇の弾が放たれる。
しかしその弾はスピードが遅く、白い連中もこれぐらいなら避けれると思ったが
—ボガーンッ!!!
『な、何ぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!?』
『残念でした♪この技はその名の通りホーミング性能がついてるのよ—続けて、ダークバラージュ』
何とその弾は余裕で避けられると思っていた白い連中に直撃し、他の仲間たちが驚いているとテルスがどうして技が当たったかを説明する。
それはホーミング性能と呼ばれる追尾効果がダークホンミグにはあり、その名前の通りの機能があったからだった。
そして彼女は続けさまに、闇の力を込めた杖を白い連中に投げつけ敵を葬る。
『す、凄い…これがテルスの闇の力…!!』
『ああ、テルス姉さんの闇の力は弟の俺も一目を置くほどだ…俺たちも行くぜ、リズ…ライトニングボルト』
このテルスの戦法を戦いながら見ていたリズは、尊敬の眼差しを向けながら彼女の闇の力が凄いと呟く。
それにウラノスも姉の力を認めている故か、一目置いていると言いながら俺たちも行くぜと言い雷の力で無防備状態の敵を引き寄せる。
『はいよ!風よ、エアロラッ!!』
『ぎゃああああああああああっ!!!!!?』
その次にリズはウラノスに了解の返事を返したと同時に、風の魔法であるエアロラを構築し白い連中を吹き飛ばしつつ切り刻む。
無防備の状態で受ける強風の痛みはかなりの物なので、吹き飛ばされている彼らは痛々しい悲鳴を上げた。
『流石キーブレード使いってだけはあるわねリズ、その歳で風の魔法をそれだけコントロール出来るなんて』
『随分と余裕だな、テルス・オルヴィズ・レザレックションウンブラッ!!!!!』
『ッ!!テルス、危ないっ!!』
『テルス姉さんッ!!』
その姿をテルスは流石キーブレードを扱うだけはあると褒め、魔法をコントロールしている事に関しても関心を示していると—突如白い連中の一人が杖を投げて武器が無いテルスに向かって剣を刺そうとする。
これにはリズとウラノスが、テルスの名前を焦りながら呼ぶが
『ダークインパルス』
『あべしっ!!?』
彼女は爽やかな笑みで一瞬の内に闇の闘気を集めたかと思いきや、闇の衝撃波へと変換し空の彼方へと飛ばしてしまった。
『『…………………』』
『ふぅ…ざっと、こんな物ね♪』
無惨にも飛ばされて行った敵に、思わずリズとウラノスは無言になりながら空を見つめる。
更に飛ばした張本人は笑顔でこんな事を言う物だから、余計同情を覚えてしまう。
—哀れ白い連中、そしてテルス(姉さん)の心配する必要無かったかも byリズ&ウラノス
フリーズシティを襲って来た敵に対して、情けは無用なのは分かっているが…そう二人は思ったらしい。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.113 )
- 日時: 2013/01/12 15:45
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『…てか、今の衝撃波の影響でざっと100人ぐらい居た敵が戦場の屍と化している…』
『ああ…ここら一体の敵を全滅させられたって事で、結果オーライなのは分かるんだが…』
テルスのダークインパルスで空の彼方へと飛ばされて行った敵に対して、同情を感じていたリズとウラノスだが周りの状況を見てみると—余計その思いが強くなる。
その理由はあの闇の衝撃波の余波が、他の白い連中にも襲い掛かっており100人ぐらい居た敵は全滅していたからだ。
ここまで来るとなると、もはや同情を超えテルスに振り回されたと言う事に関しての共感を覚えた。(流石にフリーズシティを滅ぼす事には共感出来ないし byリズ&ウラノス)
『何よ二人とも、せっかく邪魔な敵が居なくなって進めるんだからもっと嬉しそうな表情しなさいよ』
『『(誰のせいで出来ないと思ってるんだよ)』』
そんなリズとウラノスの心情を察していない故か、テルスは敵が居なくなった事に喜んでいない二人に対して不貞腐れながらそう告げる。
喜びたくても、この状況じゃ喜べねぇよ
—と言うのが、リズたちの心情であった。
『もー…カヤたちが街の外へ逃げてるなら、そうと言ってくれれば良かったのに』
『悪いな、何せあのタイミングで敵に囲まれたのは予想外だったから言い遅れた』
そして白い連中を撃退した一行は、カヤたちと合流するべく街の中心街を放れ他の敵に見つからないようにこっそりと街の外部へ向かって移動を始めた。
実はウラノス曰く、既に他の友人たちは街の外へと撤退しているようで、自分とテルスはリズを探し見つけ次第合流する手筈だったらしい。
そうと決まっていたならば何故早く教えてくれなかったとリズが文句を言うと、ウラノスは言おうと思ったタイミングで敵に囲まれてしまったので言い遅れたと謝る。
『それなら仕方ないよね…それにしても…さっき白い連中、テルスの事をフルネームで呼んでたわよね?』
『そうねぇ、それがどうかしたのかしらリズ?』
『うーん…レザレックションウンブラって名に、何か覚えがあると言うか心当たりがあるんだけど…何だったっけなー…?』
それなら仕方がないよねとリズは苦笑するが、ふとさっきテルスを襲った白い連中が彼女の名前をフルネームで呼んだ事を思い出しテルスに話しかける。
すると彼女はリズが話しかけた内容に、それがどうしたのと首を傾げてる。
どうやらリズはテルスの名字であるレザレックションウンブラと言う名に、何か心当たりがあるようで何だったっけと思い出そうとする。
『…思い出せないんだったら、それほど重要な事じゃ無いんじゃないか?』
『うーん…そうかもしれないね、でも今は何だかとても重要な気がするの…何でだろ?』
『…それは—』
『リズ———ッ!!テルスねーちゃんッ!!!ウラノスにーちゃんッ!!』
何とか思い出そうとするリズを見て、ウラノスは思い出せないなら大した事じゃ無いのではと—まるで考える事を止めるかのように口にする。
彼が考える事を止めさせようとするのは非常に珍しいと、リズは内心思いそうかもねと納得したように言うが、何でか分からないが今はとても重要な気がすると告げる。
そんなリズにウラノスが何かを言おうとした瞬間、知っている声が自分たちを呼ぶ。
その声にリズとテルスも反応し、前を見るとそこは何時の間にか街の外まで来ていたようで—仲間のムーンが自分たちを呼びながら手を振っている。
他にもセレス、カヤ、ガイアとカヤの父親であるソーダライトが、負傷している物の全員が無事で居た。
そう、この時点では…ここに居る全員が助かると思っていた…
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.114 )
- 日時: 2013/01/14 14:41
- 名前: リラ (ID: zxZEzDNk)
『カヤ、セレス、ムーン、ガイア、ソーダライトさん!皆無事で良かった…』
『『『『それはこっちの台詞じゃあッ!!!』』』』
『うおっ!?見事な程揃っているツッコミだな…』
五人とも負傷している物の全員生きていてくれた事にほっと胸を撫で下ろし、駆け寄りながら話しかけるとソーダライトさん以外の四人にツッコミを決められる。
流石にこの勢揃いなツッコミにリズも怯んでいると、今にも目にいっぱい溜めている涙を流しそうなセレスが抱き付いてきて
『うわぁぁぁんッ!リズが、リズが無事で良かったよぉッ!!どんなに探してもリズだけ見つからなくて…もしかしたら、お父さんみたいに消えちゃったんじゃないかって…!!』
『…そっか、心配かけてごめんなセレス…』
泣きじゃくりながら言う物だから何を言ってるのか聞き取りにくいが、彼女は友達であるリズが探しても見つからなかった事に関して恐怖を抱いていた。
父親を失ってしまい唯でさえ辛いと言うのに、もしかしたらリズも消えてしまったのではと不安だったのだろう。
だからこそまるでリズがここに居る、生きていると言う証拠を確かめるかのように抱きついた。
それを察したリズは、自分が一番辛いはずなのに他人の事を心配するなんて優しいわねと思いながら、ごめんねと謝る。
『ったく…お前まで心配かけさせるんじゃねぇよ、バカ…』
『あれ?ムーン泣いてる?』
『…泣いてなどいない』
『いや、思いっきり声と言い泣いてるよね?』
そんなリズとセレスを見ていたムーンが、心配かせさせるんじゃねぇと文句を言ってくるとふとその声に違和感を感じる。
その声は何時もより震えており泣き声だからである、なので泣いてると聞くと彼は後にそっぽ向きながら否定する。
だが声と言い泣いてるよねとリズが言うと、今まで黙っていたガイアが面白そうな顔をしながら
『実際ムーンは泣いてたわよー?リズだけが見つからないって』
『ガイアぁぁぁぁぁぁっ!!!!!』
『素直に認めろよ、心配してたって』
『それはお前もだろうがぁぁぁぁぁぁっ!!!!!』
ムーンがリズだけ見つからないと言いながら泣いていた事をガイアが暴露すると、彼は物凄く恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
そんな彼にカヤも素直に心配していた事を認めろよと言うと、ムーンはお前もだろうがと自分が心配していた事を肯定しながら言い返す。
『…さっきまでの緊迫した空気は何処へ行ったんだ…?』
『ウフフ、これでこそあの子たちじゃないかしら?』
『いや…それでこそアイツらなのは分かってるけど、今は他の世界へ逃げる事を優先しないといけなかったんじゃ…?』
この明らかに緩んでしまった空気に、迎えに言ったウラノスはため息を吐くとテルスが楽しそうに微笑む。
そんな姉にウラノスはそれは分かっていると納得しつつ、今は他の世界へ退避する事を優先しなければいけなかったんじゃとツッコミを決めようとしたが—
—ザクッ
『…え…?』
『なッ…!て、テルス姉さん——————ッ!!!!!』
突然何かが刺さったような音がし、何だと全員が思っていると—テルスの腹に剣が突き刺さっている。
刺された張本人も何が起こってるのか状況を判断出来ず固まる物の、出血が多いからか倒れる。
これを近くで見ていたウラノスは姉の名前を呼ぶが、彼女は反応を返せる訳もなく虚ろな目で剣が飛んで来た方向を見る。
『へっ!手間かけさせやがって…見つけたぞ、テルス・オルヴィズ・レザレックションウンブラ!!!』
『そして他にはフリーズシティの残党か…』
『ッ!!!!!』
そこには恐らくテルスを刺したであろう白い連中がおり、全員が見つかった事に冷や汗をかくと同時に真っ青になった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.115 )
- 日時: 2013/01/16 21:13
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『ま、マズい…ここは俺は抑える!だからガイアちゃん…テルスちゃんの手当てをしつつ他の世界へ逃げるんだっ!!』
『ッ!!し、しかし…そんな事をしたらソーダライトさん、貴方が…!!』
『俺はどうなっても構わない、君たちが無事に逃げて生き延びてくれれば…!!』
白い連中に見つかってしまいほぼ全員が焦っていると、年長者であるソーダライトが氷の魔法を構築しながら前へ出たかと思えばガイアに向かってここは自分が抑えるから刺されたテルスを手当てしながら他の世界へ逃げろと言う。
だがそれは即ちソーダライトを一人この場に残して見捨てるも同然の行為、そんな事を出来る訳が無いとガイアが叫ぶ。
しかし彼は頑なに首を横に振りながら、自分たちが無事に逃げ生き延びてくれればどうなっても構わないと覚悟を決めたように告げた。
『な、何言ってるんだよ親父!?そんな事したら親父は…!!』
『…そうだろうな、俺は死ぬ…でもな、カヤ…俺はお前たちが生きていてくれれば…良いんだ』
しかしその決意を息子であるカヤは認める訳も無く、父親の元まで駆け寄りながら怒鳴りつける。
でもソーダライトは自分の死の運命を悟っているが故の発言だったようで、息子の必死の説得にも耳を貸さずお前たちが生きていれば良いと言いながらまるで最後と言わんばかりにカヤの頭を撫でる。
『—それなら、アタシもここに残ります…そしてソーダライトさんと一緒にコイツらを足止めしますっ!!』
『『『『セレスっ!!?』』』』
するとそのやり取りを黙って見ていたセレスが立ち上がり、ソーダライトと傍に移動したかと思えば彼女も彼と共に残り敵の足止めをすると言い出す。
これにはリズ、カヤ、ムーン、ガイアの四人が驚きながら名前を呼び、ソーダライトも目を見開くと
『…ラリマーからの遺言は聞いただろ?アイツは俺にセレスちゃんを連れて逃げてくれと言ったんだよ?君はその願いを果たすべきだ』
『そんなの…お父さんが勝手に言っただけです、それに…アタシはその遺言に納得していません』
彼女の父親であるラリマーの遺言であり最後の願い—セレスを連れて逃げてくれと言う意味は、恐らく生きてくれと言う願いも込められていただろう。
だからこそソーダライトはその願いを果たすべきだとセレスに言うが、彼女は父が勝手に言った事だと一括し自分はその遺言に納得していないと言う。
『…だって、お父さんなら絶対貴方を見捨てずに共闘するって言う道を選ぶと思うから、だからアタシは残ります』
『………ッ!!』
父親の最後の願いを納得してないからの一言で終わらせるとは薄情じゃないかとほぼ全員が思ったが、次の瞬間—セレスが笑顔で言った事によりそれは撤回する事となった。
父なら絶対貴方を見捨てずに共闘する—それはラリマーと言う父親を理解している娘だからこそ言える台詞だった。
それを同じく感じ取ったのか、ソーダライトはまたしても目を見開き
『…まいったね、流石ラリマーの血を引いてるよセレスちゃん…アイツなら確実にそう言うだろうね』
『…エヘヘ、だから共に戦いましょうソーダライトさん』
何処か諦めたような表情でだが、確かに親友であるラリマーならそう言うとソーダライトも納得する。
そんな彼にセレスは苦笑しながら共に戦おうと宣言し、彼女自身も氷の魔法を構築しながら後ろに居るカヤたちを見て
『…って事で、アタシはこの先に行けないや…だからさ、カヤ、リズ、ムーン、ガイア姉ちゃん…テルス姉ちゃんとウラノス兄ちゃんをよろしくね』
『お、お前まで…ダメだ、セレス!セレスゥゥゥゥゥゥ——————ッ!!!!!』
自分はこの先に行けないので四人の名前を呼びながら、怪我をしているテルスと放心状態のウラノスをよろしくと頼む。
その姿にカヤは今にも泣きそうな顔で、セレスの名前を呼ぶが彼女は父親と同じく振り向きもせずに前を見据えている。
『やめろ…止めてくれェェェェェェッ!!!!!』
『…ガイア、ムーン、ウラノスとテルスを連れて、早くこの世界を離れよう…』
『そうね…ウラノスお兄ちゃん!ボーとしてる暇があるなら早くテルスお姉ちゃんにエリクサー飲ませて!』
『あ、ああ…』
そんな友と父の背中を見てカヤは、ただ叫ぶ事しか出来なくとうとう涙を零す。
余りにも哀しい別れにリズも目を閉じ、ガイアに早くテルスたちを連れてこの世界を離れようと言うと、彼女も頷き呆然としている兄にエリクサーを投げつけ姉に飲ませろという。
それでウラノスも正気を取り戻したのか、ああと返事を返し姉の口にエリクサーを流し込むと—その効果はすぐ現れ呼吸が安定する。
『よしっ!これで後は移動…』
呼吸が安定した事によりテルスは大丈夫だとムーンも喜び、後は他の世界へ移動すれば言いだけと言おうとしたら
—ブォン…
『………ぎゃああああああああああ——————っ!!!!!?』
『『『ムーンッ!!?』』』
突如闇の回廊が彼の足元に現れ、ムーンはその中に落ちてしまった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.116 )
- 日時: 2013/01/19 13:19
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『む、ムーン!ムーン、返事しろぉぉぉぉぉぉっ!!!!!?』
『な、何でいきなり闇の回廊が現れたのかしら…?』
突然現れた闇の回廊に落ちてしまったムーンに一同は唖然とする物の、すぐさま正気を取り戻したリズが彼が消えた闇の中を覗き込みながら名前を呼ぶ。
しかし返事が帰って来る訳もなくその闇は無惨にも閉じてしまう、これにはうな垂れると同じく闇の中を見ていたガイアが何故急に闇の回廊が現れたのかと疑問を抱く。
『偶然って事は無いと思うよ、この世界は闇の力も安定しているし…誰かがムーンを闇の回廊に落としたとしか考え—…ぐうっ!!?』
『へっ、俺たち敵が居るってのに他所を向くなんて随分と甘いな、お嬢ちゃん』
『リズッ!!!』
それに対してリズは偶然ではないとはっきりした答えを述べ、ついでにそう思った理由も言いながら誰かが意図的にやったとしか考えられないと告げようとした瞬間—首筋に冷たい何かが当たり身体に圧迫感を感じた。
そうこの二人は一気に色々と起こり過ぎていたせいで、今の状況を—敵が目の前にいると言う事を忘れてしまっていた。
その証拠にリズの身体は白い連中の1人に拘束されており、首筋に冷たい何かが当たっていたと思っていたら—それは剣である。
ここまで来てリズはようやく自分が敵に捕まってしまった事に気付く、自分の実態に内心ぬかったと思っているとガイアが焦ったように名前を呼んでくる。
『私の事は気にするなガイア!これは私のせいだから…!早く、カヤとウラノスとテルスと一緒に逃げて…!!』
『だ、ダメよ!これ以上は置いていけない…置いて行きたくない!』
これでは自分を人質にこの場にいる全員が殺されてしまう、そう思った後のリズの行動は早かった。
困惑しているガイアに向かって自分の事は気にせず、カヤたちを連れて逃げろと告げる。
だがガイアとしてはもうこれ以上誰も置いて行きたくないようで、ダメよと悲痛な声で叫び自分を助けようと動くが
『おっと動くなよ?もしこっちまで来たら…』
『あぁ…!!あぐっ…!!』
白い連中は下衆にもリズの首を絞めながら右腕を刺し、近づいて来たらコイツを殺すと言わんばかりの行動に出る。
これでは幾らガイアと言えども迂闊に行動が出来ず、痛みで声を震わせるリズを見ているしかなかった。
『り、リズ…!!』
『もう見てられねぇ!待ってろリズ、今助ける…!!』
『く、来るな、カヤ…いいから早く、逃げろ…!!』
何も出来ない自分が無力だとガイアは苦悩しながら傷付けられるリズの名前を呼び、今まで落ち込んでいたカヤも見ていられず今助けると言いながら走ろうとする。
でもリズは駆け寄ろうとする少年に来るなと、途切れ途切れの声で言いながら逃げろとただそれだけを言う。
『人質が口を開くなっ!元々フリーズシティの住民だから気に喰わないって言うのに…!!』
『お、オイ!流石にこれ以上は…!!』
『がぁ…!!』
それだけだと言うのにそれを告げる事すら気に喰わなかったのか、白い連中のもう一人がリズに手を出そうとする。
流石にこれ以上は不味いんじゃと、リズを捕まえている白い連中の方が言うがもう一人の白い連中は足の方を刺す。
足も刺されてしまっては元々痛みで意識が飛びそうだというのに、出血の多さで意識が飛びそうだと少女は苦しんでいると—
『ッ!!?お、お前、何者…うわぁぁぁぁぁぁっ!!!!!?』
『お前らなんぞに名乗る名前はねぇ!しっかりしやがれ、リズ!!!』
意識を失いそうになった寸前白い連中の悲鳴が聞こえ何事だと思うと、聞きなれた声と燃えるような赤髪が目の前に現れる。
『急いで城まで連れて帰るからそれまで死ぬな…!!癒しを!』
それと同時に何時の間にか白い連中から解放されていたのか、自分を抱きかかえながらそう呟く栗毛が淡い緑の魔力を宿らせるのを確認し—リズは今度こそ意識を手放した。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.117 )
- 日時: 2013/01/21 22:03
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
次にリズが目を覚ましたのは、見慣れた無機質な白い部屋—存在しなかった世界の自室でベットの上だった。
自分は先らまでフリーズシティに居たはずでは?と思い、身体を動かそうとするが
『あだっ…!!?』
白い連中に刺された右腕と足が痛み、再びベットへと逆戻りする。
だがこの痛みにより色々と思い出した、フリーズシティで起きた事を
『…カヤ、セレス、ムーン、ガイア、ウラノス、テルス、ソーダライトさん…』
思い出せば思い出すほど自分が怪我により気を失った以来、安否が分からない友人たちはどうなったのだろうか?と言う疑問が思い浮かんでくる。
出来るのならすぐフリーズシティに向かってそれを確かめたいが、この状態では歩く事もままならない。
どうしたものだろうかと頭を悩ませていると、ウィーンと言う機械音を立てながら部屋のドアが開いたかと思えば—タイミング良く話を聞きたかった人物が二人現れる。
—ウィーン…
『…父さん、赤ウニ』
『気分はどうだ…って、聞いても答えてくれないか、その様子じゃ返答すら聞けなそうだしな』
その人物とは赤ウニこと赤髪の青年—アクセルと、自分の父親である栗毛の青年—ロクサスである。
恐らく…と言うか、特徴からして絶対この二人がフリーズシティで危機一髪だった私を救ってくれた人物だと、リズは気付いているからこそあえて低い声で彼らの名前を呼ぶ。
命を助けてもらってこの態度は悪いとは思うが、案の定その反応を予想していたアクセルはヤレヤレと言わんばかりの反応を示す。
『よく分かってる事で…なら、用件と本題を単刀直入に聞いて良いかな…父さん?』
『…ああ、お前が気を失ってからフリーズシティはどうなった、あの場にいた友達はどうなったのか…だろ?』
『うん』
長年の経験故か自分の性格を熟知しているアクセルは話が早くて助かると思いつつ、すぐさまロクサスの方を振り向き本題に入っていいかなと真剣そうに聞く。
すると彼もアクセルと同様に聞きたい事を既に悟っていたようで、フリーズシティと仲間がどうなったかをだろと言うとリズは震えながら返事を返す。
—正直あれほど酷い状況だと、最悪の事が起こっていそうで仕方が無いし答えを聞くのも…怖い
でも怖いからと言って真実から目を背ける訳には行かない、逃げる訳には行かない、聞かない訳にもいかない。
だからこそリズは少しでも生存と言う可能性を信じ、ロクサスに問い詰めるが彼は悲しそうに顔を歪め
『…残念だけど、フリーズシティは壊滅した…お前の友達も、ウラノスとガイアとカヤと言う子供以外…死んだ』
一番聞きたくなかった、最悪な答えを返して来て—リズは絶望するしか無かった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.118 )
- 日時: 2013/01/25 22:23
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『…そっか、あの状況なら…仕方ないよね』
『リズ…』
大好きな街を守れず失い大切な友達さえも死んでしまった—この余りにも重い現実と答えにリズは一瞬顔を歪めるが、すぐ先らの険しい表情に戻し自分でも驚くほどな冷静な声で対応する。
それをアクセルはやせ我慢していると捉えたのか、気を使いながら少女の名前を呼ぶ。
『…どんな最後だったの?テルスとセレスとソーダライトさんは…』
『そうだな…あの三人の最後は…俺も尊敬するぐらい立派な物だったよ…』
自分に気を使われる事が余り好きではないリズは、少しでも話題を自分から変えようと死んでしまった三人の名前をあげどんな最後を迎えたのかをロクサスに聞く。
すると彼はその三人の最後を思い出すかのように、部屋の窓から見えるキングダムハーツとダークシティを見渡しながら語りだした。
『急いで城まで連れて帰るからそれまで死ぬな…!!癒しを!』
アクセルが白い連中の相手をしている内にリズを奪還し、怪我も負っていたので回復魔法であるケアルガをロクサスは発動した。
そのお陰で少女の顔色は若干良くなるが、出血が多かったせいで意識は安定しておらず今だ危険な状態である事は変わらなかった。
『クソ…!急いで来たからポーションとかも持って来てないし…このままじゃ、リズは…!!!』
『貴方…もしかしてリズのお父さんですか…?』
せめて回復道具であるポーションやエーテルと言った魔力回復道具があればもう一度魔法を発動させられる物の、娘の身を案じて急いで来た彼はそれらの道具を持って来ている訳が無かった。
このままでは存在しなかった世界に戻る前にリズが死んでしまうと、ロクサスは顔には出ていないが内心では物凄く焦っておりどうやって助けようと考えていると
何時の間にか隣に移動して来ていたのか、オレンジ色の髪の少女ことセレスがいきなりロクサスに向かってリズの父親かと聞いて来た。
『あ、ああ…そうだが…それがどうしたんだ?』
『やっぱり…ならこの回復道具を彼女に与えてください!』
—この子、何者だ…全然気配に気が付けなかったんだがと心の中で思いつつ、彼女の質問に答えるとセレスは嬉しそうにやっぱりと呟きロクサスに回復道具である—ラストエリクサーを手渡す。
『ら、ラストエリクサー!?こんな貴重な回復道具を…でも、これを俺に渡したら君は…!』
『…アタシはここで朽ち果てると言うか、友達をこの白い連中から足止めするのでもう必要ありません…ですからこの子に、大切な友達であるこの子に使って!!』
こんな貴重な回復道具を何処で手に入れたんだとロクサスはツッコミを決めたくなるが、すぐさまこれを受け取ってはこの子がもしもの場合死んでしまうと思い拒もうとする。
だがセレスはその言葉を聞く前に自分がやるべき事である足止めと言う役目があると言い出し、もう自分はいらないから大切な友達であるリズに使って欲しいと懇願する。
『…分かった、ありがとう…』
ここまで頼まれてはその願いを叶えるしかないだろうとロクサスも諦め、気絶しているリズの口を開け流し込む(良い子はマネしないでくれよな☆ byロクサス)(いや、自分の子供に何やってんだロクサスゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!? byアクセル)
その結果—瞬時に効果は現れ、後は休ませれば十分と言うほどの回復の兆しを見せた。
『よ、良かった…!顔色もかなり良くなってる…!!』
『ほ、本当に良かったです…リズが回復して…』
『って、アンタが一番回復させなきゃいけない程、衰弱して無いかッ!!?』
『そうだよテルス姉さん!安静にしてくれぇ!!!』
これを確認するとロクサスは安堵の息を吐き、ほっとしているのも束の間に—刺された腹を押さえながらテルスがリズの方へ駆け寄って来る。
これにはロクサスと慌てているウラノスが、同時にツッコミを決めたのは言うまでも無い。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.119 )
- 日時: 2013/01/27 22:00
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『安静にしたって…もう無駄よウラノス…だって、私の身体は限界を迎えているみたいだから…』
『ッ!!』
『アンタ、その姿は…!!』
『て、テルスお姉ちゃん、身体が…!!』
リズの父親と自分の弟から安静にしてろと同時のツッコミを決められ、テルスは苦笑するがすぐさま真っ青な顔でもう無駄だと告げる。
—その証拠に彼女の身体は段々と薄くなっており、まるでノーバディが消滅する時と同じような黒い闇を纏っていたのだ。
これにはウラノスも息を呑みロクサスも彼女の消滅を悟っていると、泣きながらガイアが消えかけている姉の名前を呼び駆け寄る。
『…泣かないでガイア、私は貴女の笑顔が…貴女が笑っている姿が好きなの…だから、どんな時でも笑っていて』
『うっ…わ、笑うから…!どんなに辛くても笑うから、そんな事言わないでよ…テルスお姉ちゃん、死なないで!!!』
泣いている妹の涙を身体が重いせいで動けず拭えないテルスは、泣かないでと慰める事しか出来なく何時もみたいに屈託の無い笑みで居る事を望む。
するとガイアはどんな事があろうとも笑顔で居るからと言いながら、涙を流す事を止めて今出来る最高の笑顔で姉に死なないでと叫ぶ。
『そうだよテルス姉さん…!こんな所で死なないでくれよ、俺とガイアとまた三人で…別の世界で家族仲良く暮らそう、それで毎日リズやカヤと過ごすんだ…!!』
『…ごめんねウラノス、これからはガイアと二人で仲良く暮らすのよ…?喧嘩なんてして、またリズたちを巻き込んだり困らせたりしちゃダメだからね…』
そしてそれはウラノスも一緒でテルスの両手を握り締めながら死ぬなと懇願しつつ、また家族三人で別の世界で暮らしてリズたちと毎日過ごすと告げる。
だが彼女はそんな弟の願いを叶えられない事に謝る事しか出来ずに、せめてこれからの事を—自分が居なくなってからガイアと喧嘩せず仲良く暮らしてと願う。
それからもしも喧嘩してリズやカヤたちを巻き込んだり困らせたりするのはダメだからねと、彼女は自分の身を最後まで顧みらず
『…さよなら二人とも、皆にも本当は挨拶したかったけど…もう時間が無いから行くね』
『い、イヤぁ…!嫌よ、テルスお姉ちゃん、テルスお姉ちゃぁぁぁぁぁぁんッ!!!!!』
『テルス姉さん——————ッ!!!!!』
皆とはリズ、カヤ、ムーン、セレスの事だろうか、彼女はそう言いながら—消えた。
それから間もなくガイアとウラノスの悲痛な叫びが響き渡り、ロクサスは思わずその光景から目を逸らそうと白い連中と戦っているアクセルの方へと目を向ける。
『カヤ…お前は、どんな事があっても生きてくれよ…』
『お、親父——————ッ!!!!!』
こちらも色々とあったようで、ソーダライトが最後の力を振り絞って息子であるカヤを闇の回廊で別の世界へと運んだ所だった。
その闇が完全に閉じこの世界から遮断されたのを確認した後に、セレスとソーダライトは向き合い
『良かった…カヤはこれで大丈夫、リズもお父さんが迎えに来たし…』
『ああ…この馬鹿げた連中も倒したし、ガイアちゃんとウラノス君もこれで逃げれるから…思い残す事は何も無い…』
今この瞬間この中で生きている人物の安全を確保出来た事を誇りに思いながら、この二人も意識を手放すと同時にテルスと同じ末路を辿った。
『…アクセル』
『…コイツら凄いな、俺が苦戦してたら一緒に白い連中を倒すのを手伝ってくれてさ…自分が致命傷を負ってもなお、戦い抜いた』
『…そっか』
どうしてアクセルが居るのにこんな事になったんだと内心思ったが、すぐこの状況から何があったのか気付き親友の名前を呼ぶと彼は予想通りの事を教えて来た。
それを聞いてしまっては何も言えないと思い、ロクサスは気絶してしまった娘を休ませるために闇の回廊でこの壊滅した世界を離れる。
これがフリーズシティの戦いの結末であり、リズが知りたかった全てであった…
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.120 )
- 日時: 2013/01/29 23:00
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『…自分が死ぬと分かっていても他人の心配したり、自分を犠牲にしてまで私たちを助けようとするなんて…テルスやセレスやソーダライトさんらしいや』
ロクサスからフリーズシティの出来事の全てを聞いたリズは、死んだ友人たちの最後を皆らしいと悲しみに歪んだ表情で呟く。
『でも…私、セレスたちが命を懸けて助けてくれたって言うのに…泣けない、泣けないんだ…ッ!!!』
『ッ!!』
『リズ、それは…!!』
しかし次の瞬間天を仰ぐように上を向きながら右腕で顔を覆ったかと思えば、友達が命懸けで自分を助けてくれたのに泣く事も出来ないと苦悩する。
これにはアクセルも息を呑み、リズが泣けない(正式には涙を流せない)理由を知っているロクサスがフォローを入れようとするが
『最低だよ、幾ら心が無いノーバディでも友達が死んで悲しまないなんて…私、最低だよ…!!』
『『………………』』
何でも一人で背負い込んで抱え込むモードになってしまった少女が聞いているハズも無く、アクセルとロクサスは自己嫌悪に陥ってるリズを慰める事も出来ず無言で見つめる事しか出来なかった…
—それから、1ヵ月後—
『はぁ…』
フリーズシティの一件からすっかり落ち込んでしまったリズは、怪我が治ったとしても光の世界へ出かける事が一切無くなってしまった。
そのせいで存在しなかった世界へ毎日引き篭もって(?)は、ただ機関員と会話をしたり配下ノーバディと訓練したりと言う生活になってしまったのだ←
流石にこれには他の機関員も心配し、私情で光の世界へ出かける事を良しとせず渋っていたママン(サイクス)もどうした物かと頭を悩ませている。
そして今日もリズは光の世界へ出かける兆しを見せずに、ただ城の書斎で戦闘関連の本を読んでいると—
—ゴスッ☆
『だぁーっ!!もうめんどくせぇ!何時までもウジウジしてんじゃねぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!』
『いっ…!!!』
突然後から何か固い物で殴られ余りの痛みに悶絶していると、聞きなれた声が怒号を飛ばして来る。
元々こう言う事をしてくる人物はリズの中でも想定されて居るので、すぐ後を振り向くと予想通りの人物が分厚い本を元の本棚に戻していた。
『いきなり何しやがる赤ウニィ!!』
『何しやがるじゃねぇ、何時までも一人で落ち込んでるからだろ!何時ものお前は何処行きやがった!!?』
『落ち込んでいるのは認めるけど、本の角で殴る奴が何処にいるのよぉ!!!』
殴られた頭を押さえながら怒鳴ってきた人物—アクセルを睨み付け、リズはいきなり何をすると当然切れる。
どうやらアクセルは何時までも落ち込んでいる自分を見かねての事らしかったので、落ち込んでいる事に関しては認める物の本の角で殴られた事に関しては納得がいかなかったので叫び返す。
『…本の角で殴った事は悪いとは思っている、だけど…こうでもしないと、お前は正気に戻らねぇと言うか…これすら読まなそうだったからだよッ』
するとアクセルは珍しく悪いとは思っていると口にしたかと思えば、これぐらいしないとお前はこれを読まないだろうと言い—1冊の資料を渡してくる。
『何コレ…?【フリーズシティに関するレポート】…?』
『…フリーズシティが滅びたあれから…俺たち機関員が調査した結果だ、それを見ればあの世界がどうして狙われたのか詳しく書いている』
『ッ!!!』
資料にしては随分と量が多いな…これ本になるんじゃないかなと頭の中で考えていると、アクセルはこの資料に自分たちが調べたフリーズシティが滅びた原因についてなど載っていると言った事により—リズは驚きながら資料の1ページ目を捲った。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.121 )
- 日時: 2013/01/31 17:55
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
【フリーズシティに関するレポート】
—この世界は光の世界や闇の世界と違い、数少ないと言われる狭間の世界であった。
狭間の世界には比較的不安定な位置に存在するせいで光の世界とはルールや法則が違うと言う共通点があり、この世界も他の世界と比べ闇の力が濃く…住民全員が生まれ持って氷の力を持っていると言う特徴があった。
それ故か闇を嫌う白いローブを纏った謎の連中に、元々忌み嫌われ目は付けられていたようだった。
しかし流石にそれだけではこの世界を滅ぼす理由にならまい—そう考えていた白いローブを纏った連中は、ふとフリーズシティに長年目を付けていた一族が移り住んだという情報を手に入れた。
その一族の名はレザレックションウンブラ、この世界の言葉では【復活の影】と言う意味を持つ
そしてその一族の女性は【テルス・オルヴィズ・レザレックションブラ】であり、強大な闇の力を持つと言われ幼き頃からこの白いローブを纏った連中に狙われていた。
元々レザレックションウンブラ家はオリンポスコロシアムの神々の血を引く一族だったが、代々闇・雷・炎の属性をランダムで受け継ぐと言う性質を持っていた。
実際彼女の弟である【ウラノス・オルヴィズ・レザレックションウンブラ】も雷属性を受け継いでおり、妹である【ガイア・オルヴィズ・レザレックションウンブラ】も炎属性を受け継いでいる。
その一族の中でも特に【テルス・オルヴィズ・レザレックションウンブラ】の闇の力は、目を見張る物があり—その多望な才能があるからこそ我々も一時は目を付けていた時期があった。
だがその強大な闇は世界を破壊出来るほどの力も備わっており、光を重視としている者からは余計快く思われなかった。
だからこそ【テルス・オルヴィズ・レザレックションウンブラ】が—フリーズシティへ身を隠している事を知った瞬間、白いローブを纏った連中は彼女を殺すべく…一石二鳥と言わんばかりにフリーズシティの住民も一掃出来る条件が揃った1ヶ月前に行動を実施した。
『—その結果…フリーズシティを壊滅させる事もでき、世界にとっても邪魔なレザレックションウンブラの血を引く物も消えた…何よ、コレ…!!?』
『要するにその白い連中が自分勝手な理由を付けて、何も悪くないお前の友達やフリーズシティの住民を虐殺した…それが狙われた原因だ、最悪にも程があるだろ…ッ!!?』
機関員が調査してくれた事により、分かった結果を見てのリズの第一声は震えていた。
ここまで最低な考えで白い連中が行動に及び、大切な友達を失い街を滅ぼされたとなると無理も無いだろう。
調べていたアクセル自身もこの余りにも身勝手な行動には腹が立ったようで、静かに怒りを表しながら強い力で拳を握り締めていた。
『ふざけんなぁ!こう言う事だったのかよウラノス…!!』
このフリーズシティに関するレポートの資料により、全てを知ったリズはようやく納得がいった。
あの時—フリーズシティが戦火に飲まれている時の、レザレックションウンブラと言う名に覚えがあると言った自分に対してのウラノスの対応が
—…思い出せないんだったら、それほど重要な事じゃ無いんじゃないか?—
そう言ったウラノスの表情は、何処か苦しんでいるようにも見えた。
あれは真実を私に言えずに悩んでいたと同時に、自分の正体がバレたらと怯えていたんだ。
『生まれ持っての力を…どうにかする事なんて出来るハズが無いのに…!テルスやウラノスとガイアはこんな理不尽な追っ手にずっと身内三人だけで耐えていたんだ…!!』
友達の苦しみを理解出来なかった、助けてあげられなかったと言う現実がリズの心に重く圧し掛かって来て
彼女は絶叫するかのように、今この状況になってしまった自分の不甲斐無さに【後悔】する事しか出来なかった…
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.122 )
- 日時: 2013/02/01 17:29
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『ごめんテルス…ごめん…!ウラノス、ガイア…!!』
『…お前が悪い訳じゃ無い、悪いのは全部この白い連中だろ』
フリーズシティが襲われた原因の全貌を知ってしまったリズは、テルスたちを救えなかった事に懺悔するしか出来なかった。
もちろん彼女は何も悪くないし、その謝っている相手である三人姉弟も何も悪くない—本当に悪いのはテルスたちを狙った白い連中
だからこそアクセルは、泣きたいのに泣けない体質の少女にそう言いながら慰めた。
『…それとだな、それには書いていないんだが…もう1つ、重要な事がある』
『え…!!?』
そして【フリーズシティに関するレポート】の資料を指差しながら、言い忘れていた事であるもう1つ重要な事があると告げる。
するとリズは予想通りまだ何があるのかと言わんばかりの顔で驚き、教えろと言う眼差しを向けて来たので
『お前の友達…水色の髪をした男で、確か名前をカヤライト・クラッシュドアイスとか言っただろ、ソイツについてだ』
『—へっ?カヤ…?』
アクセルは一呼吸おきながら水色の髪をした少年—カヤを名指しすると、何も分からないリズは何故彼の名前が出てきたのかと首を傾げると
『恐らくなんだが…アイツは、フリーズシティに存在する氷の精霊—シヴァの実の子供だ』
『………………』
—次の瞬間カヤがシヴァの子供だと言う重大な内容を告げて来て、リズは固まりながら無言になったと思えば
『ど、どうぇええええええ——————ッ!!!!!?』
存在しなかった世界全体へ、響き渡るほどの絶叫を上げた。
『な、ななな、何でぇ!?何がどうしてそうなったのぉ!!?』
『俺だって詳しくは分からねぇよ、ただフリーズシティを調査した時…カヤライト・クラッシュドアイスの家へ入ったら古びたアルバムを見つけてな…そこに氷の精霊シヴァとあの男…ソーダライトとか言ったっけ?とにかくソイツが赤ん坊を持って写真に写ってたんだよ』
それからすぐさまアクセルのコートを掴み、パニック状態になりながら何でと問い詰める。
そんなリズをアクセルは落ち着かせつつ、自分も詳しく詳細は分からないが調査でカヤの家に向かい古いアルバムを見つけると—そこには赤ん坊の彼を抱きかかえている、シヴァとソーダライトが写っていたとだけ教える。
『…カヤは自分の母親について、俺を生んでからすぐ死んだと言う事しか聞かされていないから他には何も知らないって言ってたし…もしかして本当に…?』
それを聞くとリズはカヤが母親について言っていた時の事を思い出し、もしかしたら彼が知らなかっただけであって本当はと思う。
ここまで聞かされた以上、彼女がやるべき事は1つである。
『こうしちゃ居られない!私、ちょっと行って来るっ!!』
『おう、気をつけていけよ』
即座に闇の住人特有の移動手段—闇の回廊を開くと、彼女は久しぶりに他の世界へと向かうために歩む。
その姿を1ヶ月ぶりに見たアクセルは、復活したかと喜びながら手を振ると—闇はこの世界から途絶える。
少女が向かう先は、フリーズシティに存在する氷の神殿を守っている主の元であろう。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.123 )
- 日時: 2013/02/06 16:13
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
フリーズシティの町外れにある、代々この街の人々が守って来た水晶やクリスタルが輝いている洞窟—氷の神殿
その周りはほぼ廃墟と化しているその場所に、闇の回廊から突如一人の少女が現れる。
『ぶはぁ!あ、相変わらず闇の回廊に入ると身体に堪えるぅ…!!』
つい先ら機関から旅立って来た、金髪に栗毛の少女—リズだ。
彼女がこの今は辛い思い出しかない場所に来た理由は、自分の知りたい全てを知っているであろう氷の神殿の主兼氷の召喚獣に話を聞くためだった。
『…待ってなさいよシヴァ、何が何でも洗いざらい全部吐かせてやるんだから…!!』
自分が知りたい全てを知っているのはもう彼女しか居ない、だからこそリズは拳を握り締めながら闘志を燃やしシヴァの名前を呼びながら洞窟の中へと入って行った。
『…街はあんな状態になっちゃってるけど、洞窟の方は被害が無かったせいで相変わらず綺麗なのね…』
そしてシヴァがいるであろう氷の神殿の奥を目指している途中、完全に破壊されてしまった街とは違い相変わらず水晶とクリスタルが輝いている洞窟の風景を見てふとリズはこう思った。
—街は謎の白い連中により酷い事になってしまったけど、この洞窟だけは残っていてくれて良かった…と
その理由は、ここが無事でなければフリーズシティがここにあったと言う証が無くなってしまうからである。
『…っと、考え事をしている内に何時の間にか着いていたようだな—氷の神殿の最奥へ』
そんな事を頭の中で考えながら移動していると、何時の間にかシヴァがいるであろう氷の神殿の最奥に辿り着いており少女は前を見上げながら
『—居るんでしょう?シヴァ』
『…ええ、何れ貴女が来ると思っていたわ…久しぶりね、リズ』
氷の召喚獣が現れる祭壇を見つめながら彼女の名前を呼ぶと、その声に反応したのかのように青い光がシヴァを形成する。
1ヶ月ぶりに見た彼女は何時もと違い、何処か儚い雰囲気が出ていると同時に何か覚悟を決めたような眼差しをしており何れリズが来る事を悟っていたと言う。
『…その言葉から察して、もう私が聞きたい事も分かっているのね』
『そうよ、これでも召喚獣ですからね…世界を見守ってる以上、色々と分かっちゃってるのよね』
『…そう、なら話が早くて助かる—シヴァ、カヤは…いやカヤライト・クラッシュドアイスはアンタの子供なのか?』
この言い方からしてシヴァは自分の聞きたい事を理解している、そう踏みリズはあえて聞くとシヴァは苦笑しながら答えて来る。
これなら紛らわしい事や探りを入れたりする必要が無いと判断し、リズがカヤの本名を言いながら彼はアンタの子供なのと単刀直入に問い詰めると
『どうやって調べたのかは分からないけど…その通りよ、彼は…カヤライトは私とソーダライトと言う人間の間に生まれた【ハーフ精霊】よ』
『…やっぱり、赤ウニの言ってた事は本当だったのか…』
案の定彼女は本来なら言いづらい事を誤魔化す素振りも見せずにサラりと告げて来て、リズは想像が付いていたので友達が普通の人間じゃなかった事にさほど驚かずため息を吐きながらようやくカヤについて納得がいった。
本来人間からは何も感じないはずの異質な気配を元々彼からは感じていて、何故なのだろうと疑問を抱いていたからだ。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.124 )
- 日時: 2013/02/07 00:51
- 名前: リアン (ID: G2ENsTvw)
わお、すごい展開?になりましたね
あっリラさん、LIayaさん
初めましてリアンと申します
【心のつながり】ていうタイトルの小説を書いています
暇な時にみてください
ノト「早くしろ、いくらこのコートを着ているとはいえ光が苦しい」
ハイハイ、心に光があるのに光に怯えてる本便ではまだまだ出てこないノトさんよ!少しはリズさん達を見習え!
ノト「あん(黒」←キーブレードを構えてる
ひい!さすが闇だけに育った13歳の女の子!
まあ頑張って下さい,であ
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.125 )
- 日時: 2013/02/07 12:49
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
リアンさん
初めましてリアンさん!コメントありがとうございます!
一応スクールでもコメントを頂いていると言うのに、向こうの更新をせずにすいません…←
リズ「何ぃ!?お前、スクールでもコメントを貰った方に未だに返信せず更新もしてないんかぁ!!?」
だから謝ってるじゃないですか!君も少し黙ってようか!!←逆ギレ
あっ、見苦しい所を見せてごめんなさいっ!!
ノトちゃん、光が苦手なんですね…家のカヤと気が合いそうですね
カヤ「いや、俺は光が苦手な訳ではなく…ただ嫌いなだけなんだが—」
うん、気が合うんだね←無視して勝手に進行(オイ!! byカヤ)
え…り、リズたちを見習えですと…!!?(滝汗
ダメですダメです!そんな事をしたら、リアンさんやノトちゃんが破滅の道へ—
リズ「—さ・く・しゃ♪ちょっと話したい事があるから裏行きましょう?(黒笑&肩掴み」
嫌ぁ——————ッ!!!!!?(強制連行
カヤ「…バカだ、更新は夜すると思いますのでそれまでお楽しみに!」
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.126 )
- 日時: 2013/02/07 17:43
- 名前: リンリィ (ID: APpkXS4D)
お久しぶりです〜☆
あっ、liayaさんは始めましてですね!!
リンリィです!!
……いきなりですが、辛いですねリグレットストーリー
ルリィ「あなたは、シリアス書けないものね。」
う、うるさいやい!!苦手なんだもん
まぁ、さておきこっちもすごく面白いですね!!
あと、関係ないですがリクドンマイ。
リク「そう思うんならなぁ、作者ぁ?」(黒モード&寒気)
ふぇ……?
リク「本偏での扱いなんだよぉ!!あれぇ!!!(超怒)」
でわこれで!!(逃亡)
あっそれとルリィがチョコレート作ったのでこれも(フランボワーズショコラ)でわ!!
リク「待てーーー!!!」
きゃーっ!!
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.127 )
- 日時: 2013/02/07 21:15
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
リンリィさん
お久しぶりです!コメントありがとうございまーす!!
リグレットストーリーが辛いのは仕方が無いのです(笑
この作品は題名どおり【後悔】と【遺憾】をテーマとしているので
それに加えて、実を言うと今までの中でも一番シリアスを目指した作品の1つでもありますから(マジか!!? byリズ)
リズ「そうか…どおりで話の構成が悪い訳だ…!!」←
…悪かったですね、話の構成悪くて
それと、リンリィさんの小説のリクの扱い…面白くて笑いました!
ムーン「アハハハハハっ!!!リクがここまで不憫な扱いされていると清々しいなぁ!!!!!」←
リズ「ムーンさん、キャラ崩壊してますよー?(汗」
…こちらもこちらで、色々と暴走してますが
ルリィちゃん!フランボワーズショコラありがとうございます!
リンリィさんも頑張って、リクから逃げてくださいませ!!
それでは書きますか!!
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.128 )
- 日時: 2013/02/07 22:13
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『…カヤが普通の人間じゃないと聞いて、貴女は驚かないのね』
『そりゃあ…ちょっとは驚いたけど、元々何となくは悟っていたもん…』
友達が…カヤが普通の人間じゃない—この事実を知ったリズが、寧ろ納得した表情を見せた事はシヴァにとっても驚きの反応だったようで彼女は目を見開きながらそう呟く。
そんな彼女にリズは少しは驚いたけどと口にしたかと思えば、何となくは気付いていたと答える。
『…それに別にカヤが人間じゃないからって、何か問題があった訳じゃ無いし?』←
『…貴女のような考えの持ち主ならそうでしょうけど、他の人たちはそうもいかないのよ—本来、存在しないべき【異端】な存在は排除されるるべきだから…その事実を受け入れるほど心が大人になっていないから』
そしてカヤが人間ではないからと言って何も不都合な事は無いだろうと断言すると、シヴァは苦笑しながらそれはリズのような考え方をする人だけだと言う。
そうリズのように全てを受け入れるような心を持っているならまだしも、他の人たちは【異端】と言う—自分とは違う存在を受け入れられない。
『それはリズ、貴女も…ノーバディである貴女もよく分かっている事でしょう?』
『あちゃー…私の正体も分かっていたのね、侮れないわね…流石この土地を守る氷の精霊様って言うべき?』
『当たり前でしょう、それでリズ…真実を知った貴女は、これからどうするの?』
自分を受け入れられない辛さ—それをノーバディである貴女は一番理解しているはずだとシヴァが言うと、リズは自分の正体もバレていたかと降参するかのような姿勢を取りながら流石と褒める。
もちろんシヴァもこの土地を守る精霊的立場の端くれと言うだけはあるので、当然でしょうとその反応に返しつつ真実を知ったリズに問いかける。
自分の知りたい事を知って、これからどうするのかと—その答えをシヴァは聞きたかった。
すると少女の答えはもう決まっているようで、何時も以上に黒い笑みを浮かべ
『—決まってるでしょ、今私が出来る事は…生きているカヤとウラノスとガイアを救う事!セレスとテルスとソーダライトさんが、命懸けで守ったアイツらを今度は私が見つけて守ってやるっ!!!』
—それでこそリズだと言える、彼女らしい決意を答えてくれた。
この様子なら自分が心配する必要も無かったと、シヴァも嬉しそうに微笑み
『心配は無用だったようね、貴女ならそれが出来る…いえ、叶えられるわ』
『へへっ、一度やると決めた事は突き通すのが私のモットーなんでね!それじゃあ…またね、シヴァ!!』
『ええ…!また会いましょう、リズ!!』
この調子の少女ならばその決意を突き通せる、そうシヴァも思い彼女の願いを応援する。
その考えに気付いている故かリズもリズで、カヤたちを探すべく何時もの元気な笑顔で闇の回廊を開き—また会おうと言う意味を込めてそう告げながら消える。
その問いかけにシヴァも友を失った悲しみを乗り越え、笑顔でリズの再会を願う言葉に返事をしその姿を分散させる。
—こうしてフリーズシティの壊滅騒動は幕を閉じ、リズとシヴァが知っている…その原因や知られざる物語は全てグラッセに語られた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.129 )
- 日時: 2013/02/08 22:18
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『…これが私とリズさんが知っている、フリーズシティの出来事の全てです』
「結構長くなっちゃったけど、分からなかった所とか他にも聞きたい事ある?」
「…いや、良い…これだけ聞ければ十分だ、それにこれ以上お前たちの大切な思い出に踏み込む訳にはいかない…」
ウラノスとガイアがフリーズシティが滅びる前に関わっていた話を全て聞き終え、グラッセが何とも言えない表情をしていると辛そうな顔をしながらシヴァがこれが自分たちが知っている全てだと告げて来る。
それにリズも便乗した形で、話が長くなり分からない所や他にも聞きたい事があるかもしれないと思ったのかそう聞いてくる。
そんな親友にグラッセはこんな悲しい過去を語るだけでも苦しいだろうに、無理して話してくれた彼女の思い出を—これ以上自分が知る訳にはいかない…知るべきじゃないと思い身を引く。
「…何だよ、今の話を聞いちゃ…俺、ウラノスとガイアの事を自分勝手でいけ好かない奴だと勘違いしてた事に、申し訳無くなっちゃったじゃないか…」
『そう思ったのも仕方ありません…ウラノスとガイアは、私たちが知っている昔と違って…かなり変わってしまいました』
「そうね…あの二人は、もう昔のアイツらじゃ無い」
しかしこれだけは言えた—ウラノスとガイアを事を何も知らないで、軽蔑していた自分が恥ずかしいと
だからこそグラッセは今にも泣きそうな顔で、彼らの事を勘違いしていた事を悔やむ。
それをシヴァは今の彼らを見ては無理もないとフォローを入れ、リズもその意見に同意を示しながらもう昔の二人は居ないと寂しそうに呟く。
「それと…ここまで聞いたなら分かると思うけど…恐らくウラノスとガイアは…テルスを殺した白い連中に復讐するために、純粋な光と闇の心から造られる【χブレード】を手に入れようとしているんだと思う」
「ああ、そう考えればアイツらの行動も納得だ…でも、俺はウラノスたちの狙いは【χブレード】だけじゃないと思う」
「…え?」
それからすぐ話を聞いたなら分かるだろうけどと言いながら本題へと戻り、想像だがウラノスとガイアが【χブレード】を求めている理由は姉を殺した白い連中への復讐が目的だろうとリズは話す。
その考えにグラッセもそれなら二人の行動も納得出来ると頷く物の、彼はそれだけが目的じゃないと思うと言って来てリズは固まる。
「…リズ、お前が一番身を持ってよく分かってるハズだろ…?【χブレード】には何の力が備わっている?」
「あ…!!」
『ま、まさか…!』
その様子をグラッセは分からないのかと呆れた顔をし、お前が一番知ってる事だろと言いながら【χブレード】には何の力があるかを問い詰める。
すると彼女の顔色は瞬時に真っ青になり、シヴァも気が付いたのか声を震わせ
「「『…真のキングダムハーツ…ッ!!!!!』」」
【χブレード】の能力でありウラノスたちが求めているもう1つの目的、真のキングダムハーツを呼び寄せると言う力に三人は震えながらその名前を呼ぶ。
「マズい…!唯でさえ向こうはレイシャの純粋な闇の心を持っている!もしも私の純粋な光の心が奪われてしまったら…!!」
「ああ…【χブレード】は完成して、真のキングダムハーツも呼び寄せられてしまう…それだけは何が何でも避けなければならない…!」
ウラノスとガイアの真の目的を理解してしまった以上、もはや事態は世界を巻き込むレベルまで発展しているとリズは焦りながらもしも自分の純粋な光の心が奪われてしまった場合を考える。
そうなってしまっては—【χブレード】は完成してしまい、ウラノスとガイアに真のキングダムハーツを利用されてしまう。
人のみでありながら真のキングダムハーツを手に入れてしまったら、どうなるのだろうと思う反面—間違いなく心が耐え切れずその力に飲み込まれてしまうのではと言う最悪な事態の可能性のほうが高い。
グラッセは何が何でも阻止しなければならないと叫ぶと、リズも頷く姿勢を見せ
「当たり前でしょ、ウラノスたちの思い通りになんかさせないわ…!!そのためには…まずフリーズシティへ向か父さんたちと合流した後に、レイとカヤとマーベルを探すっ!!!」
『…私は一足先にフリーズシティへ戻ります、また後で会いましょう、リズさんにグラッセさん』
「えっ、ちょ、シヴァ———ッ!!?突然、どうして…って、そう言う事か…」
これ以上はあの二人の思い通りに何かさせない、そのために一刻も早くフリーズシティへ向かい先に調査をしているロクサスたちと合流した後に行方不明の三人を探すと宣言する。
それを聞いたシヴァは自分は先に戻ると言い、また後で会おうと言うと青い光に分散する。
いきなり何でとグラッセはシヴァの名前を叫び、ツッコミを決めようとしたがすぐその理由が分かった。
話し込んでいたお陰か何時の間にか一時間立っていたようで、目指していた世界—フリーズシティが見えて来ていたからだった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.130 )
- 日時: 2013/02/10 14:26
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
「…いよいよだな、フリーズシティ」
「うん…それと、何時まで狸寝入りしているつもりかしら—ムーン?」
「ッ!!?」
今回の事件の全ての始まりとも言える因縁の場所であるフリーズシティが見えて来て、グラッセはリズの方へ振り向きながらそう告げる。
するとリズは自分の話に返事をしたかと思えば、いきなり過去を思い出したせいで混乱し止む終えなくキーブレードで殴り気絶させたムーンの元まで駆け寄る。
そして次の瞬間、狸寝入り—すなわち寝ているフリをするつもりだと言いグラッセは驚く。
まさかと思い親友の方を振り向くと、案の定—ムーンは頭を抑えながら起き上がる。
「チッ…俺が目を覚ましていた事に、気付いていたか…」
「む、ムーン…!ど、何処から話を聞いていた…?」
「あ?お前がエスナとケアルとポーションの治療をしてくれた時には既に」←
「ほぼ、最初からじゃないかっ!!!」
殴られたせいなのかそれとも過去の記憶を一気に思い出したせいなのか分からないが、紫髪の少年は痛みが走る頭を抑えながら舌打ちをする。
これにはグラッセもムーンが起きていた事に焦りを感じ、震えた声で何時から話を聞いていたと言うと彼はあっさり最初から聞いていた事を認める。
内心抜かったと思いながら、グラッセはその事にツッコミを決めた。←
「…考えが口に出てるわよグラッセ、大体これはムーンが起きている事に気が付けなかった私のせいよ」
「ハッ!!?」
そんな事を心の中だけで思っていたつもりだったが、どうやら口に出していたようで呆れた様子でリズがグラッセの名前を呼ぶ。
それから親友が起きている事を悟れなかった自分の失態だとも言い、グラッセは慌てて口を手で塞ぐ事しか出来なかった。
「…何で、俺に言ってくれなかったんだよ?」
「何でって…こんな記憶思い出したら、アンタが悲しむだけじゃない?どうせフリーズシティに居たのはマスター・ゼアノートの策略だったんだろうし…辛い記憶なら思い出さない方が良いだろうって思って…」
「俺は…フリーズシティの記憶を…皆と過ごした大切な日々を、悲しいなんて思った事は無いッ!!!!!」
その様子を見かねてかムーンは、今まで聞いた事も無いような低い声でリズに問い詰める。
どうして同じフリーズシティで過ごした仲間だったのに、何も話してくれなかったのだと
その質問にリズはきょとんとした顔をしながら、ムーンがフリーズシティに居たのはマスター・ゼアノートが関連していただろうし—恐らく辛い記憶だろうから思い出させないように教えなかったと話す。
そう言うと何事にも動じないクールな眼差しをしていた、冷静沈着な少年の青い瞳が揺らぎ感情的な表情で叫んだ。
「俺は…フリーズシティが滅びたあの日から、マスター・ゼアノートに次々と新しい世界へと運ばれるたびに…お前やカヤたちをずっと探してたんだ!」
俺だけ一人—あの場から闇の回廊で脱出させられてから、皆はどうなったのだろうか。
そんな不安を胸に抱えマスター・ゼアノートに、フリーズシティがどうなったのだと聞いたら—
『…何だ、知らなかったのか?フリーズシティなど、当の昔に滅びた…生き残った者など私が連れ出したお前ぐらいしか居ないだろう』
『はっ…?』
そう真実を告げられたあの日は、ショックの余り呆然と立ちすくむ事しか出来なかった事を思い出す。
信じたくなかった、だからマスター・ゼアノートに次々と住む世界を変えられるたびに…もしかしてこの世界に、リズ、カヤ、セレス、テルス、ウラノス、ガイア、ソーダライトさんが生きて過ごしているかもしれないと言う希望を持って移動していた。
「…でも、結局皆は見つからないで…ただ時が過ぎていき、俺は何時しかお前らフリーズシティの記憶を忘れていった」
「それは仕方ない事よ、あれからもう何年経ったと思ってるのよ…6年よ?」
だけどどんな世界に言ったってフリーズシティで過ごした仲間は居なくて、他の世界へ移動するたびに大切だったフリーズシティの記憶は薄れていったと悲しそうにムーンは言う。
それは無理も無い事だった、あれからもう6年の月日が立っているのだから覚えてなくて当然だとリズは苦笑する。
「それでも…俺は記憶の何処かでお前らを覚えていた、だから俺は…どんなに辛くても、マスター・ゼアノートに利用されようとも、強く生きようと思えた…!!」
「うん…それは私もだよ、私が純粋な光の心を持ちχブレード騒動で世界のために犠牲にならなきゃいけないって分かった時、フリーズシティの皆との思い出があったからこそ、強く心を保てたんだ」
でも—記憶が薄れていったとしても、心の奥底の何処かではフリーズシティの思い出を覚えていた。
だからこそムーンはマスター・ゼアノートに利用されようとも強く生きていけたというと、リズも私もχブレード騒動の時に強く心を保っていられたと言う。
「うっ、うぅ…うああああああ——————っ!!良かった…!リズが、カヤが生きていてくれて…本当に良かった…!俺は一人じゃ無かったんだ…!!!」
「うん…うん!それは私も一緒だよ…良かった、ムーンが生きていてくれて…!!!」
お互いの思いを伝え合えば、もう言いたい言葉は無く—溢れてくるのは再会の涙だけだった。
あれからよく生きていてくれた事に関して、珍しくムーンが良かったと言いながら泣き叫ぶとリズも同じく涙を流し抱き締めあった。
自分たちフリーズシティ組は、一人じゃ無かったんだと言いながら
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.131 )
- 日時: 2013/02/10 20:36
- 名前: リアン (ID: IS3fXoEU)
いきなりですが、感動します(T o T)
キズナ「いきなりだな(汗」
だってー生きているのも分からない友達と再開したんだよー
泣かない方がおかしいよー(涙)
キズナ「確かにお前、友達いねーもんな」
あん、何だよ.,,,,,14歳ぐらいに142cmしかなかったキズナ君よー((怒)
キズナ「何だよやるのか?だったら上等しだ(怒)」
かかってこいー(怒)
−なぜかケンカになってしまったので此処まで、あちらでリクエスト募集中なのでリクエストお願いします−
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.132 )
- 日時: 2013/02/12 12:30
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
リアンさん
またまた、コメントありがとうございます!
リズとムーンの再会に、感動してくれて良かったです…(ホッ
生きているかも分からなかった友達と再会出来た事は、この二人にとっても押さえ込んでいた物が吐き出された瞬間でしたから(笑
リズ「お前のそのムカつく笑みがなければ、もっと良かったんだけどな…(黒笑」
ムーン「つーか、俺たちの再会を笑うなっ!!(同じく」
まぁまぁ別に良いじゃないですか、再会の抱擁を微笑ましい眼差しで見つめたって
グラッセ「俺も今回だけは作者に賛同だなー、良かったなぁ…やっと会えて…(しみじみ」
あら、リズとムーンが抱き合ったって言うのに君は何も怒らないんですか?
グラッセ「………あのな、俺だってそこまで野暮な人間じゃないぞ…?(チャキ」
冗談ですよ、ですからその手にあるキーブレードをお納め下さいっ!!?
キズナ君、14歳の時に142cmしか無かったんですね…
グラッセ「良かった…!!俺より低い人が居た…!!(感涙」←現在14歳にて158cm
リズ「でも、女の私より低いのは変わりないよね」←同じく163cm
グラッセ「…グッサリと来る言葉、ありがとうございます…(負のオーラ全開」
ムーン「リズ…今のは、幾ら天然と言えども酷いぞ…?」←同じく168cm
君がフォローしても、余計グラッセが落ち込むからその辺にしときなさい(汗
取り合えず自分のキャラと喧嘩は止めといた方が良いですよ!
命が幾らあって、足りない…って、ギャアアアアアッ!!!!!?(突然トルネドに襲われる
リズ「一言余計よ!余計!」←犯人
じ、事実なのに…
リクエスト募集中ですか、考え付いたらそちらに向かいます!(オイ
それでは書きます!!
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.133 )
- 日時: 2013/02/12 14:07
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
「…あのさ、感動の再会中に申し訳無いとは思うが…フリーズシティ着いたぞ?」
「あっ…ご、ごめん、グラッセ!」
「す、済まない…今はカヤとレイシャとマーベルの救出を優先しなきゃいけないよな」
やっと探し続けていた友達と会えて喜んでいるリズとムーンに、グラッセは水を差して悪いが目的地であるフリーズシティに着いた事を知らせる。
すると二人は同時にハッとし離れながら、今やるべき事である三人の仲間の救出を口にする。
「…準備は出来た?グラッセ、ムーン」
「ああ、俺は大丈夫だぜ」
「こっちも準備は万端だ」
「よしっ、それじゃあ降りるわよ!フリーズシティに!!」
それからすぐ何時戦っても良いようにさまざまな準備をし、リズがグラッセとムーンに確認を取ると二人とも頷いたので、三人はグミシップをフリーズシティの街の中へと着地させた。
「うわぁ、凄い!この世界自体は存在しなかった世界のダークシティみたいに暗いのに、水晶とクリスタルが街全体を照らしている…」
「そう…この幻想的な風景こそがこの世界の特徴でもあるの…綺麗でしょう?」
「ああ…こんな綺麗な景色を見たのは、ディスティニーアイランドの海とトワイライトタウンの夕日以来だ…」
そして初めてフリーズシティへ訪れたグラッセの第一声はこれで、見た事もない風景である—水晶とクリスタルが街全体を照らしていると言う事に感動を覚えていた。
そんな反応が面白くてリズは苦笑しながら、綺麗な場所でしょうと聞くと彼は無邪気な笑顔を浮かべながら返事を返す。
それからグラッセがディスティニーアイランドの海や、トワイライトタウンの夕日並みに素敵な世界を見たのは久しぶりだと言うと—
「—ッ!リズ、後だぁ!!」
「分かってる!そこかぁ!!」
『—やっ!』
『—いよっとっ!!』
急にムーンが切羽詰まったような表情で、瞬時にキーブレードを出しながらリズの名前を呼ぶ。
その理由をリズも悟っているようで、彼女も慌てたように珍しく二本目のキーブレード—ウィンドノーバディクラウンの方を出す。
その瞬間2つの黒い影が目の前に迫って来ており、襲撃されている事にグラッセがようやく気付くと防御の姿勢を取ったリズとムーンがその攻撃を受け止める。
「リズッ!!ムーンッ!!」
「そんな心配しなくても平気よ」
「それよりも…手荒い歓迎だな、オイ」
いきなりの事で状況に付いていけないグラッセは驚くが、すぐ二人を心配して名前を呼びながら駆け寄る。
そんな親友にリズは心配するなと言いつつ何故かキーブレードを仕舞い、ムーンに到っては機嫌を悪くしながら攻撃をしてきた人物に文句を言う。
「悪い悪い…まさかリズたちだとは思わなかったよ」
「その様子じゃ復活したんだな、お騒がせな姫様よ」
「もー!攻撃しちゃった以上はちゃんと謝りなよ、ロクサスにアクセル!!」
この反応にグラッセはまさかと思うと、案の定予想通りの人物たちの声が聞こえてくる。
それは—自分たちより先にカヤたちを捜索してくれていた、ロクサス、アクセル、シオンの親友三人組だった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.134 )
- 日時: 2013/02/12 17:01
- 名前: リンリィ (ID: APpkXS4D)
千年の誓い〜響け空を越えて〜♪
滅びの運命〜繋ぎ止めるヴィーゲンリート♪
ルリィ「私の歌取らないでくれる?」
ごめん、ごめん☆
さて、フリーズシティそんなに綺麗なんですか?
いいなぁ、行って見たーい!!
ルリィ「ウォーターメイク!!これは?(水で蝶を作る)」
うお!!何時の間にこんなの覚えた?
グラッセ君、身長小さくの気にしないで!!
ルリィ「私、より小さいの?」←14歳で160cm
ほんのちょっとじゃない!!←12歳で152cm(グラッセ君まで残り6cm)
でわこれで!!
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.135 )
- 日時: 2013/02/14 16:18
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
リンリィさん
こんにちわ!また私なんかにコメントありがとうございます!
今歌ったのはルリィちゃんの歌なんですか!素敵な曲ですね〜!!
フリーズシティは綺麗な場所ですよ!水晶とクリスタルが街を照らすほどですから
カヤ「水晶とクリスタルだけじゃないぜ、実は宝石の発掘現場も多いから街中に色々な色があるんだ、それが幻想的な風景を生んで—」
ムーン「…おい、カヤの奴が珍しくレイシャやアイズ並に明るく話しているぞ…?」
リズ「ああ…このフリーズシティの事を説明している時だけは、よく喋るのよね…」
…君たち、ちょっと黙ろうか(疲
ウォーターメイク凄いですね!水で蝶を作るなんて…
グラッセ「凄いな、水の魔法をきちんとコントロールしている…俺を見習わないとな」←
やめい、これ以上アンタが魔法をコントロール出来るようになったら私の命が危ないわ(サラッ
ルリィちゃんよりも、グラッセ身長小さいんだってさ!残念だったねー!(笑
グラッセ「ふーん(さほど興味が無さそうに受け流す」
あれ…?何でヘコんでないの!!?
グラッセ「別にルリィちゃんが俺より大きくてヘコむ要素無いだろ、俺が落ち込む要素は俺より身長が高い男子とリズ限定だし」
何その限定した考え方!めんどくさいっ!?
…って、ハッ!見苦しい所をお見せしました!!
それでは今から書きますので、ご覧下さい!!
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.136 )
- 日時: 2013/02/14 17:37
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
「何だ三人だったのか…危うくトランスして撃退する所だったじゃないか」←
「…それは早く気付いて貰えて良かったぜ、流石にお前のトランスは遠慮したいと言うか勘弁して欲しいしな(汗」
襲撃してきた人物の正体が自分の知り合いだと分かれば構える必要も無くなり、グラッセは姿勢を戻すと苦笑しながらサラリと恐ろしい発言をする。
もちろんそれを聞いたアクセルの顔色はすぐさま見て分かるほど真っ青になり、冷や汗を流しながら気付いてくれて良かったと口にした。
「それより…父さん丁度良かった、ママンから大体の事情は聞いたんだけど…まだ情報が欲しい、何か分かった事はない?」
「気が早いな…って言いたい所だけど、今回はそうも言ってられないしな—俺たちが言える情報は、カヤとレイシャとマーベルの居場所を突き止めていると言う事だけだな」
「ッ!!何処ですか、ロクサスさんっ!!」
そんなツッコミ役二人のやり取りを無視して、リズは父親の元まで駆け寄ると情報が欲しいから提供してと迫る。
しかもその表情は何時もより気迫があり、思わず近くに居るシオンが下がると慣れているロクサスは呆れたようにため息を吐きながら娘が知りたい事を教える。
それは行方不明になっている三人の居場所と特定したと言う、かなり重要な内容でフリーズシティの記憶を思い出したムーンが何処だと喰い付く。
「…その様子だと思い出したんだなムーン、アイツらは…氷の神殿の最奥にいるさ、助けてやれ【友達】としてな」
「…はいっ!行こう、リズ!グラッセ!」
「ええ、ここまで来た以上…何が何でも連れ戻してやるわ!!」
「そうだな、急いで三人を助けよう!!」
この様子にロクサスもムーンが過去の記憶を思い出した事を悟り、三人は氷の神殿の奥のシヴァが居る場所にいると言い—あえて【友達】と言う言葉を強調しながら助けてやれと告げる。
どうしてそこを強調したのかは記憶を思い出した自分を勇気付けるためだとムーンも分かっており、立派な返事をすると親友二人の名前を呼び先に行こうと促がす。
それにリズとグラッセは頷き返し決意を固めていると、三人は氷の神殿へ行くべき街の外れまで走って行った。
「やれやれ…思い立ったらすぐ行動と言う所は、アクセルに似たな」
「…俺自身はあそこまで行動力は無いがな、それよりもどうするんだ?リズたちに教えたい以上、俺たちの役目は終わったぞ」
「ううん、まだ終わっていない…あたしたちがあの子たちを行く末を見守らないといけない」
姿が見えなくなるまで走り去った三人を見送ると、ロクサスはあの行動力はアクセルに似たなと言い出す。
本人はあそこまで行動力は無いと苦笑しつつ、リズたちに情報を教えた以上—自分たちの役目は終わったのでこれからどうするだと聞く。
事実上任務は終了したので存在しなかった世界に戻るかと言う意味合いで聞いたのだが、シオンがまだだよと真剣そうに自分たちはリズ、グラッセ、ムーンのやるべき事を見守る必要があると言い出した。
「それもそうだな、アイツらの戦いを…大人である俺たちが見守らないでどうするんだって話だな………俺たちも行くか、アクセル、シオン」
「…いい加減子離れの時期だと思うんだけどな…仕方ないな、俺も気になるし、良いぜ!」
「決まりだね!あたしたちも後を追おう!!」
確かに大人である自分たちが子供の戦いを見守らなければどうするんだと、ロクサスも納得しリズたちの後を追う事を決める。
その案にアクセルは子離れしろよと冗談で言いつつ、気になるのも事実なので了解する。
それにより自分たちも彼らの元に行く事が決まり、シオンが後を追おうと言ったのをきっかけに—三人は闇の中へと身を躍らせた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.137 )
- 日時: 2013/02/15 22:42
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
「懐かしいなこの洞窟も…街は崩壊してるけど、ここは相変わらず美しい場所だ」
「そうだね…こんな状況じゃ無かったら、ゆっくりと見入ってる所だけど…」
「…後から見れば良いさ、カヤとレイシャとマーベルを助けてから…」
ロクサス、アクセル、シオンの三人がそんな会話をしている時、一方のそれを知らずに先に行っていたリズ、グラッセ、ムーンの三人はと言うと—既に氷の神殿へ着いており中を進んでいた。
そして水晶とクリスタルといった色々な宝石が光っているのを見つめながら、最奥を目指しているとふとムーンがこの洞窟を見て昔を思い出したのか懐かしいと言い出す。
それはリズも一緒で彼の考えに同意しつつ、今仲間が危機的状況に陥っていなければゆっくりと眺めたい所だと口にする。
そんな二人を気遣ってかグラッセが優しげな微笑みを浮かべながら、三人を救い出してから見に来れば良いと言うとリズとムーンは無言で返事をした。
「…それにしても、寒い…こ、氷の神殿と言う名前だけはあるって事なのか…!!?」
「あー…私たちはここの気候の違いに慣れてるけど、グラッセは耐性が無かったもんね…」
「ディスティニーアイランドと言う、1年中真夏の世界出身って言うのも関係してると思うけどな…」
そして氷の神殿の奥に進むたびにグラッセは思った、この洞窟が異常に寒過ぎる事に
ここによく遊びに来ていたリズやムーンならともかく、マーベルと同じく寒さに耐性が無いグラッセは震えながら鳥肌を立てる。
そんな親友の姿を見てリズはそう言えばグラッセは気候の違いに耐性が無かったねと苦笑すると、ムーンが熱帯地域とも言えるディスティニーアイランド出身だからなと何処か納得しながら呟く。
しかしそんな二人のやり取りを見ているグラッセからすれば—そのコントを見ている間、寒さに耐える時間すら辛いんだがと言うのが彼の心情である。
「畜生ー…この寒さじゃあ炎魔法を自分に纏わせても、炎魔法で周りの温度を上げたりしても無意味な気がするし…メガフレアを放って氷の神殿自体を暖めるか…?」←
「止めい、そんな事したら氷の神殿も廃墟と化すってのっ!!(滝汗」
もういっその事メガフレアでも放って氷の神殿の温度を上げるかと、右手に炎最強魔法の魔力をグラッセが宿らせようとする。
それをいち早く気付いたムーンが即座に止めにかかり、慌てながら氷の神殿を破壊する気かとツッコミを決めていると
「あ、あれは…!!」
「何だよリズ、まるで何か珍しい物でも見つけたかのような声を出して—って、えぇ!!?」
急にリズが信じられない物を見たかのような声を出し、グラッセがどうしたと駆け寄りながら彼女が見ている方向を見ると—彼も驚いた声を出す。
その理由は、何者かの手によって氷漬けになったマーベルと光に包まれ閉じ込められているレイシャが氷の神殿の最奥に居たのだから
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.138 )
- 日時: 2013/02/17 15:02
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
「レイシャ!マーベル!二人とも、どうしてこんな事になってるんだよ…ッ!!?」
「…レイシャをこんな状態にしたのは恐らくガイアでしょうね、マーベルを氷漬けにした犯人も…大体想像は付くけど」
「考える暇があるなら、まずはマーベルの氷を溶かす事から始めないか…?」
変わり果てた仲間の姿を見てムーンが何でこんな事にと驚いていると、リズが渋い顔をしながら弟を光の中に閉じ込めたのはガイアの仕業だろうと呟く。
それからマーベルを氷漬けにした犯人も予想は付いているようで、更に顔をしかめているとグラッセが先にマーベルの氷を溶かす事を優先してくれとツッコミを決める。
「それもそうね…レイシャを閉じ込めている光を解除する方法は分からないし」
「マーベルは助ける方法なんて分かりきってるもんな…グラッセ、頼む」
「任せろ—燃えろ、炎よ…ファイガッ!!」
どうしてグラッセが先にマーベルを助けようと言ったのは、レイシャを閉じ込めている光の解除方法が分からないからである。
それをリズも悟っているが故に納得し、ムーンがマーベルを助ける手段—氷を溶かせる炎魔法を使えるグラッセに頼むと言うと彼は頷く。
そして瞬時に呪文を唱え炎の上級魔法であるファイガを、マーベルに向かって放つが
—バァンッ!!
「何ぃっ!!?」
「炎を打ち込んだって言うのに、氷が全然溶けてない…!!?」
何と氷は全然溶けておらず、まるで炎は氷の中へと吸収されたかのように消えた。
これには魔法のエキスパートであるグラッセも唖然とすると、リズも炎は氷に強いはずなのにと信じられないと言わんばかりに言う。
「要するに普通の炎魔法じゃ、この氷は溶かせないって事か…なら、ダークファイガッ!!」
「そうか、闇の炎…!!」
それを無言で見ていたムーンは普通の炎魔法じゃ溶かせ無い事に気付き、闇の力なら何とかなるかもしれないと思いキーブレードに紫色の炎を宿すと即座に放つ
その考えにグラッセも闇の力が篭った炎なら可能性があると思い、期待しながらマーベルの方を見るが
「…ダメだ、さっきと変わりない」
「畜生…!何が足りないんだ…!!?」
『—何度挑戦しても無駄です、貴方たちではその氷を溶かす事など出来ますせん』
結果は先らと同じでムーンがため息をはくと、グラッセは悔しそうに何が氷を溶かす事を妨げているのかと悩む。
すると何処からか声が聞こえて来て、思わず辺りを見渡すと青い光が集まり—シヴァが現れる。
「あら、シヴァ」
『先ら振りですね、リズさんにグラッセさんにムーンさん』
「それよりも、俺たちじゃ氷を溶かせないってどう言う事だよ?シヴァ」
いきなりの登場に昔から慣れているからか、リズはさほど驚く様子も見せず彼女の名前を呼ぶとシヴァは挨拶をする。
だがムーンはシヴァが言った—自分たちではマーベルを凍らせている氷を溶かす事が出来ないと言う言葉が気になるようで何故だと問い詰める。
『…その様子じゃ貴方は全てを思い出したのね、ムーン』
『まぁな…大体の内容はリズに聞いてからだけど…って、話逸らすな!』
『ウフフ、貴方も変わりなくて良かったわ…どうして貴方たちがこの氷を溶かせないかと言うと…この氷は精霊とも言える召喚獣が凍らせた物だから特殊な炎じゃないと溶かせないのよ』
『ッ!!』
脅すかのように自分を問い詰めてきたムーンに、シヴァは彼がフリーズシティの記憶を思い出した事を悟り、悲しそうに微笑むと彼は盗み聞きしていたからなとそっぽを向きながら言う。
しかしすぐ話を逸らされた事にかつてフリーズシティでのようにツッコミを決めると、シヴァは今度は嬉しそうに笑いムーンが聞いて来た内容を答える。
何故自分たちではこの氷を溶かせなかったのかと言うと、それはマーベルを氷漬けにした人物が精霊的存在であり—溶かすためには特殊な炎じゃなければ不可能だからだった。
その真実を知るとムーンの顔色は真っ青になり、グラッセも気付いたのか険しい顔をしながら
「…なるほどな、マーベルを凍らせたのは…カヤなんだな?」
『…そうです、彼の力が…ガイアによって強制覚醒させられ、コントロール出来なかった反動で…マーベル君を凍らせてしまった…』
マーベルを凍らせた犯人が仲間であるカヤだと言う事を聞くと、シヴァはその時を思い出しているのか再び悲しそうな表情になりながらその質問に肯定の答えを返した。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.139 )
- 日時: 2013/02/19 18:03
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
「…そうだとは思っていたわよ、こんな風に人を簡単に永久凍結状態に出来る人物なんて…特殊な力を持つ召喚獣しか居ないってね」
マーベルを凍らせたのが仲間であるカヤだと知った一行だが、リズは想定内だったようでさほど驚く様子も見せず呆れたように呟く。
だが次の瞬間、キーブレード(スターホワイトチェーンの方)を出しいきなり炎の魔力を溜め始めた。
「何やってるんだよ、リズ…俺たちが幾ら溶かそうとしてもこの氷が溶けなかったの見てただろ…?」
「見ていたわよ—でも考えがあると言うか、私に任せてくれない?」
「…何をする気か分からないが、今はやれる事から挑戦していくしか無いし…任せるよ」
先らの光景を見ていれば無意味とも言える行動をしている親友に、ムーンは何やってるんだと言わんばかりの顔でツッコミを決める。
しかしどうやら考えがあっての行動らしく、リズは任せて欲しいとお得意のウインクをしながら言って来た。
だからこそグラッセも彼女を信じ、見守ろうとしたら
「—行くわよッ!!全てを焼き尽くしなさい、メガフレアッ!!!!!」
「「『って、考えって最強炎魔法をぶちかます事か——————ッ!!!!!?』」」
何とただ何時もより強い魔力をキーブレードに宿らせ、炎最強魔法であるメガフレアをマーベルに向かって打ち込んだ。
これにはグラッセ、ムーン、シヴァの三人も、リズの考えている事がただ強力な魔法を放つと言う事だと思い込み揃って叫んでいると
—ジュワァァ…
「こ、氷が溶けてるぅぅぅぅぅぅっ!!!!!?」
『まさか召喚獣として覚醒したカヤの氷を溶かせる者が居たなんて…!!!』
「そんな事言ってる場合かぁ!!そんな暇があるなら誰かマーベルの心配しろこのドアホォォォォォォッ!!!!!」
何とそのお陰で今まで何をやっても溶かせなかった、マーベルを閉じ込めていた氷が溶けて—よくやく氷漬けから解放された藍髪の少年は地へと崩れ落ちた。
そしてまさかこれで氷が溶けるとは思っても見なかったムーンはこの現実に驚きを隠せず絶叫し、シヴァも唖然としながら召喚獣の造り出した氷を溶かせる人物を初めて見たと感動しながら言う。
そんな天然ボケをかます二人に、即座にグラッセのツッコミが飛んでいったが
「ああ、悪い悪い…でも、リズ…よくカヤが造り出した氷を溶かす事なんて出来たな」
「正直賭けだったけどね…前に父さんから聞いた事なんだけど、純粋な心を持つ者の魔力って実は普通の人間と違うらしいの、寧ろ精霊に近い物らしいから、私なら溶かせるかもしれないって踏んだんだ」
『なるほど…だからリズさんには溶かす事が出来たんですね…!!』
「………お前らがマーベルの心配をしていない事はよーく分かった…!!しっかりしろマーベル!癒しよッ!!!」
そのツッコミにより一瞬ムーンは正気に戻ったかと思えば、すぐリズの方を向きよく召喚獣が造り出した特殊な氷を溶かせたなと褒める。
そんな彼にリズも賭けだったけどと、前にロクサスに聞いた話で純粋な心を持つ自分の魔力は人間より精霊の方に近い物だと言われたので試してみたと告げる。
その説明にシヴァも何故リズが氷を溶かす事が出来たのかを理解し、納得していると痺れを切らしたグラッセが低い声でそう言いマーベルに淡い緑色の魔力を注ぐ。
それにより氷漬けにされていた時と違って、彼の顔色はよくなった物の—目を覚まさなかった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.140 )
- 日時: 2013/02/19 20:12
- 名前: リアン (ID: G2ENsTvw)
すげぇリズさん…一生溶けない氷を溶かすなんで…
ノアール「へーすごいなー俺もやってみたいなー」
やめろ!絶対お前私に攻撃するだろ!
しかし純粋の力すげぇな…
ノアール「純粋な心ね…」←何かを企んでる
だからやめろ!お前が言うといかにも狙ってますって言ってそうで怖いわ!
ノアール「別に狙わねーから、純粋な光がある事前で無理だからなー」
純粋な闇も持っていますからねリズさんは、つーか狙ってたのがよ(汗)
まあいいや…あとマーベルさん心配してあげて(汗)
・・・あ、そうだ!ついでにアップルパイとこの"機械"を渡しておきます
私の小説読んでくださったなら分かりますよね…
であ
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.141 )
- 日時: 2013/02/21 13:43
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
リアンさん
こんにちわ!コメントありがとうございます!
家のリズは誰もが想像しなかった事やできないような事を、破天荒な行動でやり遂げる子ですから(笑
リズ「…こうして、また私の最強フラグが立つのね…(遠目」
ムーン「まぁ、諦めろ…純粋な光の心を持って生まれた時点でお前の最強伝説は始まってるんだ(同じく」
そうですね、諦めて頂戴
ノアール君、リズみたいな行動をしてリアンさんに攻撃しちゃダメですよ!
そしてリズは純粋な闇の心は持っていませんよ(笑
純粋な闇の心を持っているのは、彼女の弟のレイシャですから!
…性格が性格なので、そう思うのも無理はありませんが(ボソッ
リズ「パルスボム」
あぎゃあっ!!?(爆発が起こる
リズ「誰の性格が性格だから、そう思うのも無理は無いって?(笑顔だが笑っていない」
全部聞こえてたんかいっ!!?
アップルパイと謎の機械受け取りました!ありがとうございます!!
ムーン「何だこの機械…謎のエネルギーを感じるぞ?(汗」
リズ「チッ、この機械がある限り作者をキーブレードで殴る事すら出来ないじゃん…!!」
ムーン「マジかっ!!?」
ふぅ…助かった…
それでは、続きを書きます!!
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.142 )
- 日時: 2013/02/21 14:48
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
「あれ…?ちゃんと回復魔法をかけたのに、何で目を覚まさないんだ…ッ!!?」
「顔色も良くなってるから、効いてはいるみたいだけど…長い間、氷漬けにされていたからか衰弱してるんだろ…後は本人の体力次第だな…」
グラッセが回復魔法をかけたというのに目を覚ます気配を見せないマーベルに、ムーンが不安な表情をしながら何でと冷や汗を流す。
こんなに焦っている親友の姿を珍しいと内心思いつつ、グラッセは藍髪の少年が目を覚まさない原因が衰弱であると告げる。
こればかりは本人の体力を信じて待つ事しか出来ないので、腕を組みながら困惑しているムーンにそう言った瞬間
「—二人とも忘れてない?マーベルを必ず目覚めさせる簡単な方法がある事を」
「あっ…!」
「そう言えば、1つだけあるじゃねぇか…!マーベルがすぐ起きる方法が!!」
そのやり取りを黙ってみていたリズが、何処か楽しそうな表情で倒れているマーベルを復活させる方法があるじゃないかと言って来たのだ。
これにはグラッセとムーンも一瞬考え込むが、すぐリズが言いたい事が分かり彼女と同じ笑みを浮かべると—早速行動を開始した。
『さ、三人とも何をする気ですか…?』
「見ていれば分かるわよシヴァ♪それよりも、ムーン!ヘアゴム持ってる?」
「ああ♪でも、俺はヘアゴムよりはこの白いリボンの方が良いと思うぞ」
何だか物凄く嫌な予感がし、シヴァはマーベルの上に乗りながらウキウキと何かをしているリズに問い詰める。
すると彼女は今までに聞いた事が無いような、何時も以上に明るく満面の笑みを浮かべながらそう言って、ムーンにヘアゴムを持っていないかと聞いた。
本当に何をするつもりなのとシヴァがツッコミを決めたくなっていると、リズに向かって白いリボンを差し出している紫髪の少年が目に入り余計疑問を覚える事となる。
「それ良い!ちなみにその白いリボンって、もう一個ある?」
「あるぜ♪所でグラッセ、アレ完成したか?」
「ああ、フリル付きヘッドドレス、瞬時に作った物だからちょっと形は歪だけど」
「歪なんかじゃねぇよ、形と良い十分だ!おーい、リズ、これも付けてくれ!」
そんなシヴァの葛藤(?)を他所にムーンがリズに白いリボンをもう一本渡した後に、グラッセの方向を見て何かを作ってもらっていたのか完成したかと聞く。
それにグラッセは頷きながら作っていた物—白いフリルがついたヘッドドレスを、ムーンに急いで作ったから形が変だけどと苦笑しながら手渡す。
短時間で見た目も良いヘッドドレスを作ったと言うのに謙虚な言い方をする親友に、彼はこれだけ形が良ければ十分だよと笑いリズの名前を呼びながら彼女に見せる。
「あら、凄い♪流石グラッセ!後はこれをこうして…!」
「「「完成ー!!」」」
『一体どんな事を…ぶふっ!!?』
もちろんリズに見せた反応は凄いと言う一言で、流石と褒めつつマーベルに最後のコーティングをする。
そして完成と三人が嬉しそうな声を上げるので、やっと分かるのかと思いつつマーベルを覗き込んでみると彼女は吹いた。
それもそのはず、だって彼の格好は少年とは思えない—藍髪をツインテールにし、頭には先らグラッセが作ったヘッドドレスが象られていると言う…見事に女の子の格好になっていたのだから
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.143 )
- 日時: 2013/02/21 22:59
- 名前: リンリィ (ID: APpkXS4D)
あわわ……マーベル君あわれ…
ルリィ「私もロリータの服着てるけど」
あんたは何時もでしょうが!!
それより…でて来なさいよ3人とも
カイリ「私……ロリータ服着たこと無いから嬉しい!!」
ほら、2人も早く来る!!!
ソラ「イヤだーーー!!絶対でねーーーーーッ!!!」(ピンクのロリータ服)
リク「俺たちは人形じゃねーーーッ!!!」(水色のロリータ服)
もう!!まだまだなんだから☆(超極上真っ黒笑&デカリボンを持ってる)
リク「ソラ分かってるよな……?」
ソラ「ああ、もちろん…こういう場合……」
ソラ・リク「逃げるが勝ち!!!」(逃亡)
あっ、まてぇ!!でわこれで!!(余裕ぶちかましてる)
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.144 )
- 日時: 2013/02/21 23:55
- 名前: リアン (ID: G2ENsTvw)
い、意外とすごい起こし方…(汗)あれで起きるマーベルさんもどうなのかな…
まあ!無理矢理キーブレードで叩いたり魔法を何回も食らわせるよりはましだね
ノト「まあ…そうだな…」
ノトも可愛い服着てみる?
ノト「そんな物着たくない…」
(女の子なのに…)あっそ、
であ
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.145 )
- 日時: 2013/02/23 21:21
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
リンリィさん
こんにちわ!マーベル君には哀れな運命を辿ってもらいましたっ!!
そしてルリィちゃんとカイリはともかく…ソラとリクまでロリータ服を着るとは…!!(笑
マーベル「作者さーん?ちょーと話したい事があるので…裏に来い(ドス黒いオーラ&何時でもホーリーを放てる姿勢」
ソラ「奇遇だなマーベル、俺も話したい事があるんだ♪(KH2バージョンのアルテマウェポン装備」
リク「俺も以下同文だ(全身から闇を溢れ出させている&オーバードライブ装備」
って、ギャ———っ!!?
何かヤバイの来たぁぁぁぁぁぁっ!!!!!?(逃亡
三人「「「逃がすか、このボゲ作者ぁぁぁぁぁぁっ!!!!!(追う」
リズ「…と言うか、マーベルは相変わらずツインテールにヘッドドレス付けてるし…ソラとリク、ロリータ服のまま走ってるし…」
ムーン「怒りの余り取り忘れてるんだろ、それにしても…プッククク…!リクのあの姿、随分と滑稽だな…!!(爆笑」←暴走中
リズ「ムーン、リクファンの恨みを買いたくなければ自重する事をオススメするわ…(遠目」←暴走した親友を止める事すら諦めた
いやこの子の暴走を、アンタが止めないでどうするのよっ!!?(戻り
リズ「あ、逃げ切ったんだ」
伊達にアンタたちにボコボコにされたり、追いかけられてないからね!
つねに逃走経路は準備してますし
リンリィさん、リクとソラを頑張って捕まえてくださいね!!
リアンさん
コメントありがとうございます!これがこの小説流のマーベル君の起こし方なのです!!
マーベル「何がこの小説流の起こし方だ…?(何時の間にか戻って来た」
だってリアンさんの言うとおり、キーブレードで殴られたり魔法を食らわせられるよりはマシだと思ったからの結果ですが?
それともマーベル君、キミはリズに蹴られたりムーンに殴られたりグラッセの魔法を喰らった方がマシとでも?
マーベル「………………俺が悪かった」←
アレ?納得しちゃう!!?
ノトちゃん可愛い服着たくないんですね…
リズ「女の子だからって全員が可愛い服を着たい訳じゃ無いと思うけど?寧ろ戦いに向いた服の方が良いって—」
それは君だけです(ツッコミ
それでは、続きを書きますのでご覧下さいっ!!
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.146 )
- 日時: 2013/02/23 22:39
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『み、見事なまで女の子と言うか…女性っぽくなってますね、マーベル君…』
「そりゃあ、元々顔は女顔だし何よりも童顔だもん♪」←
「それはどうでも良いから、準備は整ったんだし早くマーベル起こそうぜ」
リズたちのコーディネートが上手いのか、それとも元々可愛い顔をしている故なのかどちらかは分からないが—完全と言えるぐらい女性へと変貌したマーベルと見てシヴァは本音を漏らす。
そんな彼女に先らから物凄く楽しそうな顔をしているリズは、ウインクしながら元々女っぽい良い顔してるからねと言う。
この台詞に本人が聞いたら烈火の如く怒るなと内心グラッセは思いつつ、早くマーベルを復活させて起こそうと告げる。
「そうだね…ムーン、何時もの【毒舌】の準備はOK?」
「ああ、俺はOKだが…そう言うお前こそ【アレ】の準備は出来てるのか?」
「当然でしょ」
急かしてくる親友にいい加減助けなければならないのも事実なので、リズは頷くと実行するための手段—ムーンを見ながら準備は出来たかと聞く。
すると彼の準備は既に済んでいるようで、逆にそっちの準備が出来てるのかと聞いてくる。
それにリズは当たり前でしょと返事をしたかと思えば、何処からか—カセットテープを取り出す。
それを見た途端、何かを思い出しているのかグラッセの顔色が失われていった。
『ぐ、グラッセさんっ!?どうしたんですか、顔色が…!!』
「り、リズ…それはまさか…」
「うん!トワイライトスクールの運動会の時に流した物とは違う、マーベル侮辱話が詰まっているパート2バージョンです♪」
これにはシヴァも自分の主の顔色が悪くなった事に関して具合が悪いのかと思い心配するが、どうもそうでは無いようで彼はリズの持っているカセットテープを震えながら指差す。
そんなグラッセにリズは満面の笑みを浮かべながら、運動会でマーベルに聞かせた奴とは別物だよと言うと彼は頭を抱えながらしゃがみ込む(詳しくはスクールチルドレン、第四章をご覧下さい by作者)(宣伝するなぁぁぁぁぁぁっ!!!!! byグラッセ)
「それでは行きまーす!スイッチON♪」
「そして俺がマーベルの顔を見て、思った事を歌にして口にする♪」
グラッセがデジャヴを思い出し涙目になっている事に気付いていない、リズとムーンは歌うようなリズムでそれぞれがやるべき事をやり始めた—
「…迷子の迷子のマーベルちゃん♪貴方のお顔は童顔です♪女顔にしか見えない〜♪そのポニーテールも正に女子〜♪」←
—マーベルってば、本当に女の子にしか見えないよねー!!
—って言うか、あたしたち女子よりも真の女子よね〜!!
—俺、マーベルが女にしか見えない!告白しようかな…
—きっと男だって自分を偽ってるだけで、本当は女だよマーベルって
「正に女子の鏡〜♪クリクリの真ん丸い紫色の瞳と長い藍髪は美形を引き立て、更に顔立ちが幼く少女に見える〜♪」←
そこから先は、マーベルのためを思って会話でしか表せなかった(大和さんごめんなさい by作者)
しかし、そんな甲斐もあったのか
「誰が女じゃぁぁぁぁぁぁ——————ッ!!!!!」
「あっ、マーベル!やっと起きた!!」
マーベル・ダークネスハート完全復活し、パーティメンバーへも復活出来た。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.147 )
- 日時: 2013/02/24 15:04
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
「あん?…って、リズ!?それにグラッセとムーンまで…と言う事は、お前記憶を取り戻したのか!!?」
「お陰さまでね、それよりもマーベルの方が大丈夫なの?長い間、氷漬けにされてたみたいだし」
ようやく氷漬けから解放されたマーベルの第一声はこれで、彼は不機嫌そうな声を出しながら誰かに呼ばれたような気がしたので顔を上げる。
すると目の前には自らを犠牲にしその反動で心と記憶を失っていた仲間であるリズがおり、その横にグラッセとムーンが居る事から彼女が元に戻った事を悟りマーベルは嬉しそうに笑う。
そんな彼にリズはウインクを返しつつ急に珍しく真剣そうな表情をしたかと思えば、氷漬けにされていたアンタの方が大丈夫なのかと仲間を純粋に心配している眼差しを向ける。
「安心しろ、氷漬けにされていたとは思えないほど身体の調子は良いし…何処も異常は無い」
「そうか…なら良かった、安心したぜ」
「そしてマーベル…お前頭上の違いに気付いてるか?」
「はっ?」
それにマーベルは身体を動かしながら、どこも異常は無いから安心しろと言うとムーンもほっとした表情を浮かべる。
そしてグラッセが疲れ切った表情でコーディネイトされた頭を指差しながら聞くと、本人は何も気付いていないようで首を傾げる。
「…ほら、鏡」
「何だよ、一体………」
流石にこのまま気付かないままでは本人が可哀想だと、常識人であるグラッセは思ったのかマーベルに持参していた鏡を手渡す。
その鏡を受け取ったマーベルは一体何なんだと、グラッセの行動が理解出来ずに覗き込んでみると—固まる。
それもそのハズだろう、自分は氷漬けにされたあの瞬間までポニーテールで居た。
それになのに現在の髪型は白いリボンで結ばれたツインテールに、フリルが付いたヘッドドレスと見事に女の格好である。
「…何だ、コレ…?」
「…………………」
—これには何かが切れそうな感覚に陥り、鏡を手渡したグラッセを見るが彼は明後日の方向を向いており、何処か遠い目をしていたので実行犯ではないと分かる。
だとすればこんな事を企みそうなのはとマーベルは金髪と栗毛の少女を睨むと、彼女は笑っている物の全身から冷や汗をダラダラと流していた。
—プチンッ
「お前かァァァッ!!リズゥゥゥゥゥゥ——————ッ!!!!!」
「だって、これが一番てっとり早くマーベルを起こせるでしょ———ッ!!?」
その姿を見た瞬間、マーベルの何かが音を立てて切れ自分をこんな格好に仕立て上げた元凶の名前を呼びながら追いかける。
だがリズは怒り狂ったマーベルよりも速い速度で逃げ回っており、久しぶりに追いかけっこが始まった。
「久しぶりに始まったな…トワイライトスクール名物、リズとマーベルの追いかけっこ」
「まぁ、毎度の事ながらリズが悪いんだけどな」
その光景を見て今まで黙っていたムーンは苦笑しながら、トワイライトスクールの名物だった二人の追いかけっこを懐かしそうに見つめる。
それはグラッセも一緒なのか、毎回その原因はリズにあるんだけどと口にすると
—グアアアアアアアアアアアアッ!!!!!
「「ッ!!?」」
「な、何だ!?」
「これは…悲鳴?」
『マズい!この声は…目を覚ましたんだわっ!!』
突如何か絶叫のような雄叫びが聞こえて来て、リズとマーベルは驚き追いかけっこを中断していると、ムーンとグラッセが一同の本音を代表するのかのように辺りを見渡す。
しかしシヴァは何か知っているのか、真っ青になりながら焦り目を覚ましたなどと謎の事を言っていると
—ドガァァァンッ!!
『—ああ…ウアアアアアアアアアアッ!!!!!』
「カヤ…ッ!!?」
かなり大きな音を立てながら召喚獣として覚醒しているからか、全身が青い姿と化しているカヤが理性を失い暴れながら突入して来る。
この変わり果てた弟子の姿に、リズは唖然としながら名前を呼ぶ事しか出来なかった。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.148 )
- 日時: 2013/02/26 22:24
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『驚いている場合じゃ無いです、リズさんっ!逃げてっ!!』
「うおおっ!!?」
しかしそうやって驚きながら名前を呼べたのも束の間で、シヴァが焦りながら自分を呼んできたかと思えば—地面から氷柱が出現する。
だが辛うじて持ち前の運動神経でかわし他の場所へと着地すると、先ら自分が居た場所は鋭い氷柱が数本出現していた。
「いきなり不意打ちかよ…!そして今の技って…アイスニードルよね…?」
「ああ…恐らく召喚獣として覚醒した事によって、カヤの中に眠っていた真の力が発揮出来るようになったんだろう…」
「ヴィクセンと使う技は同じハズなのに、威力が格段に違う…!何て氷の魔力だよ…!!?」
何の仕草も見せずに攻撃を仕掛けてきた弟子に文句を言いつつ、カヤが放った技を見つめながらリズは冷や汗を流しこれはアイスニードルなのかと疑問を浮かべる。
そんな彼女に魔法のエキスパートであるグラッセがハーフとしての力が目覚めた事により、召喚獣の力が使えるようになったので力も増したと言う推測を話すと全員が納得した。
そして後にマーベルがヴィクセン本人が聞いたら怒鳴りそうな台詞を言い、再び全員が納得していたのは余談である。
「マーベル!復活したばかりで早々悪いけど…【アレ】やるぞ!だから魔力貸せ!!」
「…良いだろう、行くぞ、ムーンッ!!」
それからカヤの攻撃を避けつつ、急にムーンがマーベルの名前を呼びながら【アレ】をやるぞと言い出すと彼は返事も待たずにキーブレードをバズーカ状態にする。
だが今回の事態は悪いし状況も状況なので、マーベルも頷きムーンの元へ走り駆け寄ると
「—絶大なる魔力よ、この力をその身に宿し解き放ちたまえ…!!」
「—その力…この闇に同意し、解き放つ…!!」
「「喰らえっ!光闇連携奥義!!ダークネス・トニトルス・キャノン—————ッ!!!!!」」
彼はムーンの持っているバズーカ砲に魔力を注ぎ、それにムーンが闇の力を込め発射すると—弾丸として放った一撃が全てを貫く強大な光と闇の電撃となる。
「す、凄い…」
「まさかキーブレードのバズーカ砲モードに、他の魔力も入れて撃ち出すとはな…考えたな、ムーンとマーベルの奴」
余りのその威力にリズは見惚れ、グラッセもこの攻撃法に興味を持ち感心するが
『キシャアアアアアアアアアアッ!!!!!』
「って、えぇぇぇ———…」
「ダメだ…全力で撃ち出したって言うのに、全然効いてねぇ…!!」
何と召喚獣に覚醒したカヤには全く効いておらず水色の髪をした少年は悲鳴のような声を上げながら、今の攻撃で警戒したのかアウインロッドを構える。
先らの攻撃の反動か魔力を使い果たし動けないマーベルはあり得ないと言わんばかりの顔で膝を付き、ムーンも疲労で疲れ切った顔をしながら悔しそうな表情で旧友を見つめそう呟いていると
「—どうやら一発キーブレードで殴らないと目覚める様子が無さそうね、このバカな弟子は」
「リズ…?」
突如リズが呆れたようにそんな事を口にしグラッセが首を傾げると、彼女はムーンとマーベルの前にまるで守るかのように立ち塞がり
「はぁ…こんな手段、出来る限りは取りたくなかったけど、やるしかないみたいね………久しぶりに師弟同士の戦いと行きましょうか、カヤ?」
「「「『えぇっ!!?』」」」
リズはキーブレード—ウィンドノーバディクラウンの方を取り出すと、カヤに向けながら師弟同士の戦いをしようと申し込む。
流石に一対一の戦いを申し込むとは思っても見なかった三人とシヴァは、予想もしなかった展開に驚きの声を上げるが—次の瞬間のカヤの行動にもっと驚く事となる。
『グゥラララララララッ…』
「「「『まさか、受け入れてるぅ!!?』」」」
彼はリズの申し出を受け入れたのか、彼女だけを狙っているかのように標的を定めたのだ。
この行動にはまたしても4人揃ってツッコミを決めていると、リズが黒笑みを浮かべ
「さぁて…師匠の力を見せてやるよ、カヤライト・ラッシュドアイス…」
何時も以上に黒いオーラを出しながら、ドスが聞いた低い声でそう言い—師弟同士の対決が幕を開けた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.149 )
- 日時: 2013/02/27 21:53
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『ヴァアアアアアアアアアアッ!!!!!』
師弟同士の戦いで最初に動いたのは—カヤで、彼はアウインロッドに氷の力を宿らせるとブリザドブレードで襲い掛かった。
「接近戦っ!?アイツ、杖使いでありながら接近戦なんて出来たのぉ!!?」
「本来キーブレードを振り下ろすと、下から氷が現れるという追加効果がある技なんだが…杖で繰り出すとは、型破りな戦い方をするタイプだな」
カヤが接近戦を出来る事を今まで知らなかったグラッセは目を見開き、マーベルもキーブレードの技を杖で発動させるとはと言いながら戦闘能力を分析していると
「甘いわよカヤ、エリアルブレイクっ!!」
『ブリザドブレードを受け止めた…!』
弟子が襲い掛かってきたのを見計らっていたかのように、リズも同じく宙へとジャンプをすると攻撃を放つ事でカヤの攻撃を受け止める。
攻撃は最大の防御なりとはこのための言葉かと、内心シヴァは感心していると—リズの攻撃はそれだけで留まらなかった。
「ついでにこの高さを利用させて貰うわよ!ファイアダッシュ!!」
『………………ッ!!』
何と彼女は先の攻撃の反動で高い所に居るのを良い事に、先に下に着地しようとしていたカヤに目掛けて全身に炎を纏わせながら突進攻撃を喰らわせた。
高い所から技を出し急降下すると言う事は、技にスピードを持たせ威力を増すと言う事だ。
しかもカヤはブリザドブレードを防がれたばかりで無防備だったので、何時もより強力な炎の突進攻撃を受け声無き悲鳴を上げた。
『グゥラララ…!グギギギギギッ!!!』
「これだけやっても、まだ目覚まさないか…!こんのバカ弟子が…!!」
だが弱点の炎の攻撃を受けかなりダメージを負っても、カヤが正気にも戻る素振りは見られず更に彼は獣のような唸り声を上げる。
この様子にリズは仲間を傷付け氷漬けにしただけじゃままならず、何処まで人として成り下がるつもりだと苛立ちを感じていると
「…もう、嫌だ…止めろ…!俺は、リズとカヤが…フリーズシティの仲間同士がこんな戦いをする姿なんて、もう見てられねぇ…!!」
「ムーン…」
今まで黙っていたムーンが、悲痛な声を上げながらやっと再会出来た友達同士が戦う事に関して嘆き—泣いていた。
ムーンはフリーズシティの事件に関わっている人物の中でも、最も友達の安否を心配していた人物でもあるのでこの反応は無理も無いだろう。
その気持ちを痛いほど理解しているリズは、悲しそうな表情で親友の名前を呼んでからすぐカヤの方を向き
「…だってさカヤ、お前…こんなに心配してくれる友達が居るのに、何してるのよ」
『………………』
「ソイツはお前と同じフリーズシティの事件に巻き込まれた辛い境遇で…生きていてくれたって言うのに、まだ苦労かける気かよ、心配させる気かよ?」
『グッ、ウア…うああああ…』
戦闘中に出していた殺気を収めつつ、目付きは悪いが優しい眼差しを向けまるで諭すかのように彼女は弟子に問い詰める。
するとカヤの動きが止まり戸惑っているのか無言になったので、更にカヤの眠っている心に語りかけるべくリズは話しかける。
その思いが届き始めたのか—微かにカヤの言葉が人に戻りつつある。
「こんなんじゃ…私やアンタを命懸けで助けてくれたテルスやセレスやソーダライトさんだって悲しむよ…!!だから、戻って来い!!カヤライト!!!」
『オ、オレは…!うわあああああああああっ!!!!!』
彼なら自分の力に勝てる—そう信じているからこそ、リズはかつて命を懸けてた大切な友たちの名を言いながらカヤの本名を呼び手を差し伸べる。
その瞬間カヤは人と召喚獣のハーフとしてでは無く、リズたちの友人のカヤライト・クラッシュドアイスとして目覚め—青い光が辺り一面を包んだ。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.150 )
- 日時: 2013/03/02 12:17
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
—何だこの青い光…とても、温かくて懐かしい…
辺り一面を飲み込む程の青い光に飲み込まれたかと思えば、次の瞬間彼はその光の下へと沈んでいた。
本来なら何時も嫌っている光を浴びているので嫌だと思う所なのだが、不思議とこの光には嫌悪感を感じずカヤは目を閉じながら身を任せている。
そして青い光が放たれている場所まで落ちて来て、近づいているなと思えば—ふと額が誰かに触れられているような感触がした。
「…誰だ…?」
『—大きくなったな、カヤ…あれからもう6年も経ってるから無理も無いんだけどな』
「ッ!!その声は…」
恐らく触れている物は手で薄っすらと目を開けながら、誰なんだと聞いてみると—何と自分が良く知っている人物の声が聞こえて来てそう呟いている。
この声は間違いないとカヤは慌てて身体を起こすと、そこには予想通りの自分より少しだけ色素が薄い水色の髪に水色の瞳をした人物が居る。
「親父…!!」
『久しぶりだなカヤ、あれからこうしてお前を見守る事しか出来なくなって済まない…リズちゃんやムーン君や新しい友達であるグラッセ君とマーベル君とレイシャ君とラクアイズちゃんと言ったかな…あの子達が傍に居てくれたとしても寂しかっただろう?』
それは自分の父親であるソーダライトで今にも泣きそうな声で親父と呼ぶと、彼は悲しそうに微笑みながらフリーズシティの騒動から寂しい思いをさせて済まないと謝る。
「ああ…とても寂しかった、レイとアイズと出会ったとしても心の中の空虚感は消えなかった…昔から友達だったリズとムーンの事を思い出しても、これだけは変わらない…!!!」
そんな問い掛けをして来た父親に、カヤは珍しく感情を爆発させ本音を吐き出す。
どんなに時が経っても、新しい友達が出来ても、旧友の事を思い出しても、寂しさは変わらなかったと—
『…そうだよな、俺はあの時…お前があんなにも必死に止めても、勝手に闇の回廊で他の世界に送り込んで苦労させたもんな』
「違う、親父は悪くない…!親父は俺を生かそうとしてくれたからの、とっさの判断だって、今は分かるから…」
怒りと悲しみが混ざった感情を吐き出した息子に、ソーダライトはただ申し訳ないという気持ちがこみ上げて来て、フリーズシティの事件で無理やり他の世界へ送り込んで苦労させた事も謝罪する。
だがあれから6年も経ち精神的にも大人になっていたカヤは、父親の判断を間違って無かったと言えるようになり今なら分かると言う。
『…成長したな、カヤ…昔のお前なら、絶対恨んでいるような事だったのに』
「捻くれてて悪かったな、俺だってこの6年で色々と学んださ…」
この息子の成長を見てソーダライトが苦笑すると、カヤは拗ねたように言い返す。
『…そうだな、今のお前なら…心の力で打ち勝てる、自分が人間と召喚獣のハーフと言う事に』
「…ああ、よくよく思えば召喚獣のハーフとかそんなの関係無かったんだ…俺は俺なんだ、人と召喚獣のハーフじゃないくて…カヤライト・ラッシュドアイスと言う一人の人間だ」
この様子を見て今の息子なら人間と召喚獣のハーフと言う苦しみに耐えられる、いや打ち勝つ事が出来るとソーダライトも思い告げる。
するとカヤ自身も強い意思を持ちながら人間と召喚獣のハーフだろうが、自分は自分だと迷いの無い眼差しで宣言する。
『…なら、この子たちと会っても大丈夫だろう、出ておいで』
『—はい、6年ぶりねカヤ♪』
『—あれから大きくなっちゃって…家のバカ弟と妹が迷惑かけてごめんなさいね』
「セレスッ!!?テルスさんまで…ッ!!?」
これなら彼女たちと会っても大丈夫だとソーダライトは言い出し、何の事だと内心カヤが首を傾げていると父が手招きしてから現れた人物には更に驚く事となった。
それは—かつて父と同じくあの地で果てた、オレンジ色の髪に水色の瞳をした少女—セレスと金髪に桃色の瞳をした女性—テルスが自分と同じ6年後の姿で現れたのだから
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.151 )
- 日時: 2013/03/03 21:18
- 名前: リンリィ (ID: ZSw8dY6l)
うわぁーーーーーんッ!!!
リク「何泣いてんだよ。」
だってぇ……
ロクサス「きたねぇ」
悪かったわね!!
ルリィ「ねぇ、リンリィ」
ん?何?ルリィ?
ルリィ「グラッセ君と一回魔法対決してみたいんだけど……」
………
うぉえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!?
何言ってんの!?ルリィ!!
そう言うのを自殺行為って言うの!!←(ド失礼)
ルリィ「だってぇ、一回水の魔法を使う者同士でやりたかったのよ。」
あのねぇ…さっき本編で魔法暴走して自分のお城壊したばっかでしょう?
ルリィ「うっ」
おまけに、リク達も深海に放りだされたんだから……ってあれ?
ソラはどこ言ったの?
ロクサス「あっ!!やべえ!!置いて来ちまった!!」
うおおおいッ!!!急げ!!急げ!!
でわこれで!!
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.152 )
- 日時: 2013/03/04 12:34
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
リンリィさん
こんにちわ、コメントありがとうございまーす!
そしていきなりですが、ハンカチをどうぞ(ササッ
リズ「おーい、作者がとうとう読者様を泣かしたぞー」←
グラッセ「ほーう、何をしたのかな?このアホ作者は…(両手に魔法を構築する」
ムーン「そこまで成り下がったか、この下衆が…(拳ポキポキ」
いや、誤解だから!?
私泣かしてないからね!だから魔法とか殴ろうとするのは止めようか!!(滝汗
そしてルリィちゃん…グラッセとの対戦を望みますか…!!?
自殺行為って…グラッセ、危険人物扱いだね…(笑
グラッセ「そう言いつつ顔が笑ってるぞ、そして俺…リズとムーンよりは危険じゃないと自負してたのに…」
リズ&ムーン「「ちょっと、それどう言う意味よ(だ)っ!?」」
そのままの意味だと思いますよ
それで?グラッセは戦うの?
グラッセ「…俺はルリィちゃんと戦う意思は無い、確かに水の魔法を扱う物同士、試合をすれば何か学べるかもしれないけど…誰かを傷付ける無意味な戦いは避けたいんだ」
な、何と…!!?(゜д゜)
リズ「………………(作者と同じ顔になる」
グラッセ「…何だよリズに作者、二人にしてそんな顔して…」
な、何でもありませんよ!!?←感心したなんて言えない
リズ「そ、そうよ!」←その姿に見惚れてたなんて言えない
ムーン「…青春だな、グラッセ(肩に手を置く」←何となく気付いてる
グラッセ「何が!?」←全然気付いてない
…段々と話がずれて来たので、戻りますね…
取り合えず、頑張ってソラを救出してください(汗
それでは、書きます!
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.153 )
- 日時: 2013/03/04 14:27
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
『あらあら、まるで幽霊を見たような眼差しと絶叫ねカヤ君♪』
『そうだよー、アタシたちソーダライトさんの後から現れたからそんなに驚かれるとは思ってなかったのにー』
「いや、例え親父の後に現れたとしても…俺と同じ6年後の姿で現れられちゃ誰だって驚くっての」
フリーズシティの騒動で死んだはずの二人が自分と同じ6年後の姿で現れた事に、カヤが唖然としているとそんな彼の表情を見てテルスが苦笑する。
それからセレスが不貞腐れた表情で幼なじみの反応に不満を言って来て、思わず条件反射で当然の結果だからとカヤはツッコミを決める。
『アハハッ!懐かしいな〜、カヤの手厳しいツッコミ!!』
「…そう言うお前こそ、相変わらず変わりが無くて何よりと言うか、進歩が無いと言うか…」←
『ちょ、進歩が無いは酷くない!?これでこそアタシだってのに…』
この昔から変わりが無い高レベルなツッコミスキルに、セレスは懐かしさを感じ楽しそうに笑う。
そんな彼女にカヤは疲れ切った表情で、切実な本音を漏らすと今度はセレスが叫ぶ番になった。
『まぁまぁ二人とも…こうやって意識の中で、会話が出来るのも今だけなんだから喧嘩しないの!』
「…今だけか、そうだよな…二人とも親父と同じくもう居ないんだもんな…」
『…うん、こうして話す事もまた出来る無くなるんだもんね…だから、今伝えたい事を伝える』
その痴話喧嘩を見かねてか—テルスがかつてウラノスとガイアを宥めつかせていた時の様に、カヤのセレスの間に入り込み話せるのは今しか無いと現実を突きつける。
すると二人は同時に顔を俯かせ落ち込むが、すぐ立ち直りこの最後の瞬間に伝えたい事を伝えると言い向き合う。
「…なぁ、セレス…俺さ、過去に捕らわれず—今この瞬間を生きるよ、フリーズシティを襲って来た白い連中はまだ許せねぇけど…」
『…そう言ってくれるのをずっと待ってた、カヤってばフリーズシティの事以来、ずっと憎む事しかしてこなかったもの』
何だかこうして告げるのは気恥ずかしさを感じるが、もう過去ばかりを見つめるのは止め前を向いて生きるとカヤは迷いが無い顔で言う。
その凛々しい姿は師匠であるリズと一緒で、セレスは嬉しそうに憎しみに捕らわれなくなったカヤを見つめる。
『それとね…カヤ、リズとムーンとあの時フリーズシティで苦しんだ分…今は幸せになってね』
「…分かってるよ、俺たちは絶対幸せになってやる」
そしてセレスは自分が告げたい事—リズとムーンと幸せになって欲しいと言うと、カヤは安心しろと言う意味合いを込めて薄っすらと微笑む。
『…時間よ、それじゃあ…カヤ君、さようなら』
『じゃあな、カヤ…元気でな』
『さよなら、カヤ』
そんなこんなで会話をしていると何時の間にか青い光の効力が薄れてきて来たようで、テルスが時間と言うとソーダライトとセレスの姿が消えて行く。
それから三人が思い思いにカヤに別れを告げると、また辺りが眩しい光に包まれ—
—お願い、ウラノスとガイアを止めて
セレス、テルス、ソーダライトの三人の声が頭の中に響き、被害者とも言える兄妹の名を呟きながら救出を求めていた。
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.154 )
- 日時: 2013/03/04 15:23
- 名前: リラ (ID: rGbn2kVL)
「—カヤッ!!」
「その声…リズか…?」
光が収まるとそこは先ら居たフリーズシティの氷の神殿で、金髪と栗毛が混ざった少女であるリズが自分を呼びながら覗き込んでいた。
それにより意識が少しづつ戻りかけていると、淡い緑色の魔力が自分に注がれる。
「全く…師匠と同じく世話が焼けるな、お前は」
「グラッセか…済まない」
回復魔法をかけたのは赤髪の少年であるグラッセで、呆れたように自分を覗き込む人物にカヤは謝る。
「まぁ…暴走が収まって何よりだ」
「お前のその同世代とは思えない皮肉っぷりも健在だな…ムーン」
それから紫髪をした少年であるムーンが苦笑しながら、何時もの嫌味を言うと昔から変わりが無い友にカヤは言い返す。
「…大事に到らなくて何よりだな」
「ああ…マーベル、お前を氷漬けにして悪かった…」
「気にするな、あれはただの事故だろ」
「いてっ」
そして一番謝らなくてはいけない人物—マーベルを見て、カヤは幾ら暴走していたとは言え氷漬けにしてしまった事を謝罪する。
だがマーベルは全然気にしていないようでニヤッと笑いながら、デコピンを喰らわせて来たので痛いと言い返しながらこちらも笑い返す。
『…まさか、召喚獣の氷を溶かしマーベルさんを救出しただけでは無く…私の息子であるカヤライトも助けるとは、貴方の娘さん凄いんですねロクサスさん』
「そうだな…アイツは、リズには誰にも負けない強い心を持っている、その心の思いがカヤに届いたんだと俺は思うよ」
その仲睦まじい光景をシヴァは微笑みながら見つめ、横に居るロクサスに話しかけると彼もリズの強さの源である心が皆に届いたと口にする。
「(確かにロクサスの言うとおり、リズの心の力は無限な力を秘めていると思う…だけど)」
「(…でも、カヤの助けたのは本当にリズだけの力なのか?微かにだがゼクシオンに似た…幻属性の力も感じたんだが)」
—シヴァとロクサスは気が付いていない、シオンとアクセルがカヤに干渉した力でリズ以外の力を…幻属性の力も感じていた事に
「…てか、何時の間に来てたのさ?父さん」
「お前らがカヤと戦っている時には既にな」
「…つまりは、俺たちをずっと見張ってたと…?」
「まぁ、瞬く言えばそうなるな…って、待て!俺たちが悪かったからブリザガは止めろ!!」
それから少しして三人の存在に気が付いたリズが、何時からいたのと問い詰めると着いて来ていた事に悪気も無さそうにロクサスは告げる。
まさか自分たちが必死に戦っていたあの瞬間から見ていたとなると、何故助けてくれなかったと言う思いがこみ上げてくる。
それで言い訳をしようとしているアクセルに、グラッセは黒いオーラを纏わせながら弱点の氷魔法を発動させようとすると謝って来たので止める。
「…取り合えずはマーベルとカヤを助けた以上、これをどうするか考えようぜ?」
「レイシャ…」
「でも…どうやって助けるの?こんな魔法…見た事無いし」
このままでは話が進まないとでも思ったのか、ムーンが二人を助けたんだから最後の一人である—光に包まれ閉じ込められているレイシャを指差す。
その姿をカヤは悲しそうに見つめながら親友の名前を呼び、シオンが助ける方法が分からないと言う最もな事を言うと
「いや—このバカ弟の心に【ダイブ】して干渉する事が出来れば、助ける方法があるかもしれない」
『【ダイブ】だとぉ!!?』
リズが腕を組みながらレイシャを助ける手段—心の中に【ダイブ】して、彼の心に入り込めれば助ける方法が分かるかもしれないと言い出した。
これには全員が驚き絶叫すると、リズは呆れた様子で
「だって…これしか、もうレイシャを助ける術が無いんだもん—って、事で行くわよ♪グラッセ、ムーン、マーベル、カヤ」
「どっちみち、俺たち拒否権無しに連れて行かれるのかっ!?って、のぎゃあっ!!?」
「ぐおっ!!?」
「うあっ!!」
「うわっ…!!?」
他に方法が無い以上やるしか無い、それだけ言うとリズはレイシャにキーブレードを向け—仲間を道連れにした形で意識を集中させる。
いきなりの事でグラッセはリズにツッコミを決めようとするが、既に意識はレイシャの心に引き摺られており—五人は純粋な闇の心の中へと【ダイブ】した。
第七章終了
- Re: キングダムハーツ リグレットストーリー ( No.155 )
- 日時: 2013/05/19 22:39
- 名前: リラ (ID: jd/Z3uOx)
大変長くなりましたが、これにて第七章終了です!
今回の事件の発端とも言える、フリーズシティの話だったのでオリジナル満載でしたが(笑
リズ「そんな反省の無い後書きで終わらせるなぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
ムーン「遅過ぎるわこのボゲ作者ァァァ!!!一体一章完結させるのに何ヶ月掛かったと思ってるんじゃ——————ッ!!!!!」
のわぁぁぁぁぁぁっ!!!!!?(辛うじてかわす
い、いきなり呪文破棄でマジックアワーとダークオブリングは無いでしょう!!?
リズ「当たり前の制裁じゃこのドアホォォォ!!よくもまぁ、あんな重い過去とか書いた挙句、人をあれだけ痛めつけてくれたわねぇぇぇ…!!?」
ムーン「そしてお前が一章完結させるのにかかった時間は8ヶ月だ、貴様何してたぁぁぁ…!!?」
いやいや!確かにリズには色々と悪い事したとは思うけど、ああしないと今の君はいないから!!?
それからムーン!8ヶ月掛かった理由は進路とかあったから…!!(滝汗
リズ&ムーン「「そんなの言い訳なんぞになるかァァァァァァ!!!!!」」
わ、私が悪かったからボコボコだけは…って、ごめんなさ——————いっ!!!!!?
グラッセ「まだた、アホ作者ぁ…!!(トランス」
カヤ「幾ら召喚獣として覚醒したとはいえ、よくもあそこまで俺を暴走させてくれたな…!!?(召喚獣姿」
マーベル「やっと復活出来たと思えば、俺はすぐ女装かぁ…!!?(赤いオーラを纏っている」
弁解できない、苦労人兼ツッコミ担当たちが来たぁぁぁぁぁぁっ!!!!!?
も、もうこれ以上は流石にヤバい『マーベル、カヤ、沢山状態異常にしてから殺るぞ』『任せろ、ポイズン』『おう、ブリザド』みぎょおっ!!?
—ただいま状態異常にして、作者に大ダメージを与えております…暫くお待ち下さい byリズ—
うぇぇぇぇ…最近、一章を終えるたびにフルボッコタイムにやる事と攻撃頻度が酷くなってるぅ…!!(涙
リズ「それでも、すぐ復活してるじゃない…(毎度の事ながら、この生命力は何処から来るんだ…?」
レイシャ「だから俺たちも遠慮無しにやってるんだけどな(闇の回廊で出現」
リズ「うおっ!!?」
あら、いらっしゃいレイシャ君
って、言っても私が呼んだんだけど(お前かい!! byリズ)
レイシャ「やっと出番が来たよ…それで次回はどうなるんだ?」
うーん、次回はライヤさんのバトンだからお楽しみにって事で♪
リズ「…さいですか、それじゃあ遅くなりましたが…次回はライヤさんです!このバカより素晴らしい作品なのでお楽しみに!」
レイシャ「それでは、失礼しますっ!!」
それはそうだけど…バカって失礼な!!?
リズ「何、違うの?」←悪意なし
…違いません(涙