二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.20 )
- 日時: 2011/12/15 17:18
- 名前: 有栖 (ID: WKDPqBFA)
第2話
悪魔払い(エクソシスト)
ルキアは、アレンと別れた後、宿を借りて一晩過ごすことにした。
その頃のアレンは、ライと一旦打ち合わせをし、それぞれの情報をもとに、森にある屋敷を目指すことにした。
途中まではライと一緒だ。ただ、屋敷の中に入ってからはアレン1人だった。
普通の人間では、悪魔との対決の中にいるのは危険すぎるからだ。
それに、悪魔1体だけならともかくたくさんいるのだったらもっと危険なのだから。
アレンは、屋敷の扉を開けた。
入り口に悪魔のいる様子はなさそうだ。アレンの左目も反応していない。
最初に少し説明したが、アレンの左目は親に呪われている。
悪魔は、たまに人間の姿をしている時があるがアレンの左目は、それをごまかせない。
そう、人間と悪魔の区別が出来るのだ。
「気を付けて。」
ファインダーのライが、心配そうな顔でアレンを見送った。
アレンは、「大丈夫です。」といって奥へと入って行く。
屋敷の中は、本当にぼろく幽霊が出てきそうなほど暗かった。
すでに夜に近い夕方だから、というのもあるだろうが…。
と、何処からか物音がした。
きっと悪魔が近くにいるのだろうと思い、物音がした方へ進んでいく。
そして、たどり着いたのは大量に悪魔がいる部屋だった。
「数が多すぎる!!」
アレンの左目はすぐに反応しイノセンスを発動させ、大量の悪魔達の中へ突っ込んでいった。
…
日付は、変わり次の日のお昼頃。
ルキアは、昼ごはんを済ませた後、街を散歩していた。
「(昨日のあの白髪の少年はすごかったね)」
クロが、ポケットから顔を出して話しかけた。
「うん。そうだね、でも少し気になった事があるんだ。」
ルキアは、足を進めながらクロに話しかける
「(左目の模様の事?)」
「うん。よくあんなに目立つのに人目の事気にならないなって思って。
でも、クロの主人と一緒の服きてたから、人目にはなれてるのかな?あの服目立つし。」
昨日からずっとそんなことを考えていた。
なにせ小さい頃から自分の右目の事を、他人に気持ち悪いといった目でみられていたのだから、アレンの事は不思議で仕方ないのだろう。
「(あの少年にもゴーレムいるのかな?)」
クロのその問いにルキアは少し笑ってから答えた
「いたらいいね。」
クロはうなずいた。するとクロは何かを見つけたようだ。すぐに顔をひっこめてしまった。
クロが見つけたものはすぐに分かった。
昨日あった青年が今日もまたヴァイオリンをひいているのだ。
- Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.21 )
- 日時: 2011/12/17 09:04
- 名前: 有栖 (ID: WKDPqBFA)
だけど、その青年の様子が少し違った。
昨日とはまったく別でひきかたがおかしい。
さっきから音をはずしてばっかりいて、なかなか人が集まってこない。
昨日の青年とはまったくの別人だった。
ひきかたもあんなにごうかいにひいていたんでは、弦が痛んでしまう。
ルキアは、どうしたんだろうと思いその青年に近づいた。
「あの、大丈夫ですか?」
その声に青年が気付いたようだ。
こちらを振り返り「大丈夫です」とよわよわしくいった。
どうみても大丈夫じゃなさそうな青年にルキアは、「なんでも相談にのる」 と、問いかけた。
すると、青年は安心したようにルキアに全ての事を話した。
どうやら昨日、母が死んでしまったらしい。
それでも金はかせがなきゃ、という訳でここにやってきた。という訳だ。
「それに、なぜか父の様子もおかしいんです。母が死んだから悲しいのは分かるんですけどそれとは違う何かがあるんです。」
「何かって?」
「それがわかれば俺も苦労しませんよ・・・。」
2人の間に嫌な空気が流れ込んだ。
それをさえぎるようにルキアは、青年に話しかける。
「えっと、お父さんになにを迷ってるか聞いたの?」
「いや、まだ…。」
「じゃあ聞いてみようよ! 私もついていくし。」
「え…? あ、ありがとうございます!!」
そういうと青年は、さっさと歩きだした。
ただ、向かっている場所が青年の家へ向かっている訳ではないことを知らずに歩いた。
「ねぇ、本当にこっちであってるの?」
段々心配になってくるルキアに青年は、ただ「大丈夫」としかいわない。
ルキアが心配になるのも不思議ではない。なにせここは森の中を突っ切ってきているのだから。
青年は、ただ足を進めるだけ。この森にきてからあまり話さなくなった。
その青年の行動にルキアはどんどん不安になってゆく。
一体この先には何があるのか? 本当にこの先に青年の家があるのだろうか?
と。
「(ちょっと! こいつおかしいよ! いくらなんでも人間が住む場所じゃない!!)」
クロが、顔をちょこっとだけだしてルキアに小声で話しかける。
その様子に青年は気づいていない。
「うん、でもここに1人おいてはいけないし。」
「(絶対罠だって!!)」
「ついた。」
クロとルキアが話している間にもう家についたようだ。
家、というよりは屋敷の方が近いが…。
ルキアは、異変に今やっと気付いた。おかしい様子なのは、父ではなく青年だという事に。
それに気付いた時にはもう遅かった。
目の前の青年は、ヴァイオリンのケースを手から落とし、
まるで脱皮でもするかのように丸い生命体、Lv1の悪魔になった。
その悪魔にルキアは銃口を向けられる。
ルキアは、ただ立ちすくんでいた。恐怖で体が動けないんじゃない。
「この街が悲しい感じがするのは、君達のせいだったんだね。」
ただ1言だけそういった。まるで、悪魔の存在を知っているとでもいうように。