二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.214 )
- 日時: 2012/03/18 12:51
- 名前: 有栖 (ID: T5S7Ieb7)
走りだして数分。
目的地にたどりついたが、その時にはもうすでにイノセンスの悲鳴は聞こえない。
現場に、イノセンスがあったという形跡はあるがもうすでに亡くなっている。
全て、破壊された。間に合わなかった。
周りをみると、ファインダーの人達が樹のまわりに集まっている。
その樹をみると、樹につりさげられている元帥の姿。
あっけなくやられている。リナリーは、その場で座りこむ。
『元帥が、死んだ…?』
いや、息はあるみたいだ。だが、長くはもたないだろう。
「元…帥?」
「アレン、とりあえずおろそう」
俺が、元帥に近づく。元帥をここまで傷つけたノアの一族。
辛い戦いになりそうだな。
「元帥は!?」
ある屋敷の一部屋に元帥は、ある程度の治療をされ、イスに座っている。
部屋には、アレン君とリナ姉の他、ブックマンやラビもいる。
そこへ室長さんが近づく。
「元帥…」
あたりは静まる。その時、元帥の口から歌のようなものが零れだす。
「千年公は探してる…大事な、ハート探してる…私は、ハズレ…次は誰?…大事な、ハート、探してる…」
「大事なハート?」
アレン君が室長さんに問う。
「我々が探し求めている、イノセンスの中に一つ。心臓ともよぶべき、核のイノセンスがあるんだよ」
ルギアもさっきいってた。
『「心臓が壊れれば全てのイノセンスは、破壊される。たとえ、強くシンクロしてたって心臓には逆らえない」』
「ルキアちゃん?」
驚いた。まさか、イノセンスを発動せずにルギアが中から話せるなんて。
「私じゃないです。ルギアの言葉」
『それだけシンクロ率があがってるんだろ』
そうゆうものなんだ。
「ルギア君がハートっていう可能性は?」
『「それはないとはいいきれない。でもそうである、ともいいきれない。」』
「それは…」
『「人間にとってどれが心臓なのか分からないのと同時に俺達自信も心臓なのかわからないって奴だ」』
「僕は、初めて君と会った時、ハートの可能性があるかもしれないと思っていた。」
『「俺が、自分の意思で喋れるからか?」』
「うん。」
『「残念な発想だなって奴だ。俺達は全員意思がある。喋ることも出来る。」』
「じゃあ、なぜルギア君は…」
『「たまたま、寄生したのがルキアの右目で俺が人型になれたからだろう。」』
- Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.215 )
- 日時: 2012/03/18 13:20
- 名前: 有栖 (ID: T5S7Ieb7)
——千年公のシナリオは、一歩踏み出した——
暗いクライ空間の中だった。
暗闇が広がっていて、夜の暗さより暗く、闇より明るい暗闇。
この光景をどこかで見たような気がする。
そう、とても懐かしい暗闇の中、今、目の前にいる人と話していた。
『人間は、争いを好む。決してこの世から争いが消えることはない。』
どうしてそんなことをいうの? どうして
『でも、君は僕にとても優しくしてくれた』
だって、私に優しくしてくれたから。
『僕の両目をみても驚きさえしなかった』
だって、とても奇麗だったから。私のよりものすごく。
『君より、暗い目をしていたのに君はそういってくれた』
本当のことだよ?
『でも、君とは交わっていけなかった。初めから分かっていたのに・・・』
それってどういう意味なの?
『だから僕はずっと君を騙してきた。僕はこれ以上、君を騙さないしだませない。もう決めたんだ』
え?
目の前のその人は、私からどんどん遠ざかっていく。
まって。私も連れて行って
『それは出来ない。君にはもう仲間がいる。一人立ち出来る』
いやだ、あの中にはいたくない。また、いつ傷つけられるかわからない! 一緒にいかせて!
—灰色の気体 白い個体 黒い液体
全ては廻り 流される そしてまた
水色の気体 黄色い個体 赤い液体
全ては廻り 流される そしてまた
何もない真上 何もない上 何もない下
全ては終り 流されナイ 廻らナイ
生命もナイ 僕もナイ 君もナイ
あるのは 永遠に繰り返される 時間だけ
廻リ 終リ 始リ
始リ 終リ 廻ル —