二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FAIARYTAIL 「悪霊憑き」 オリキャラ募集中 ( No.74 )
- 日時: 2013/07/10 18:58
- 名前: 有栖 (ID: Ex8RKlaC)
〜「信じるって何?」〜
ジェラールの罠にかかってしまい拘束の蛇(パウンドスネーク)によって体が動かない今、私にはノエルをどうすることもできなかった
「黒い人はみんな殺すの。みんな黒い人はみんな白い人を殺すから黒い人はみんな殺すの。闇ギルドじゃなくたって私が黒といえばその人は黒くなるの」
静かに一歩一歩近づきながら実体化させた剣をジェラールの首へ向ける
さっきから叫んでいるがノエルは聞こえていないようで反応しない
何より、あんな狂気じみたノエルを見たのは初めてでどうすればいいか分からないというのもある
でも確実に分かることは今のノエルはノエルであってノエルではない
当初、会った時のノエルだ、という事。
「ノエルッ!!」
あの小さい身体から考えられないほどの量の殺気と魔力
そして、ジェラールの周りにいる5体くたいの“悪霊”
いつものノエルは最高でも2体しか実体化できない。それも元々、魔力がそんなに強くない者が2体だ
それに加えて今、目の前にいるノエルはそれなりに強い魔力の持ち主を同時に5体。
当の本人は対して体力が削れているような様子もない
まだ魔力は余っているような涼しい顔。
最初は魔力の暴走だと考えていたが少し違う。暴走ではない……
「エルザ!」
入り口から声がしてそちらを向くとそこにナツが立っていた
「これはどうなってんだ?あれはノエル……なのか?」
今は、ナツにかけるしか……
「スマン、しばらく動けそうにない。ノエルを、止めてくれ…」
ナツの視線がノエルに戻り頷く。それと同時にノエルの方へときずかれないように走りだす
ノエルがこちらに気付いている様子はない。
ジェラールもノエルに気をとられてナツが来た事に気付いていないだろう
「でも君は、黒でも白でもない。今の私には分かる。君はなんなの?」
「っ!?………ノエル?」
今だ剣をおろすような雰囲気はないが殺そうとは思っていない
いや、違う。殺すのを躊躇している
+++
「何をふざけた事を…お前のその言いようならオレは黒側の人間だ。殺せよ?」
冷や汗を流しながら余裕のない笑みで質問に答える
こいつに聞く私がバカだったのかも知れない
「殺して欲しいなら殺すの」
剣でジェラールの首を斬ろうとした瞬間だった。
後ろからなにか暖かいものが覆いかぶさる
「っ!!?」
何故か体が硬直した。動こうとしてもまったく動かない
後ろにいるこいつのせいじゃない
何だ。私の体に何が起きている
「そんな物騒なもん持ってんなって」
優しく、そう言われた
腕から剣が落ち、実体化したもの全てが元に戻る
それとほぼ同時に一気に魔力を失い意識を手放した
- Re: FAIARYTAIL 「悪霊憑き」 オリキャラ募集中 ( No.75 )
- 日時: 2013/07/11 20:31
- 名前: 有栖 (ID: Ex8RKlaC)
大きい音がして目が覚めると巨大な黒い球体を魔法を打ちだそうとしているジェラールの姿が目に入った
ジェラールの視線の先にはナツさんを庇おうとするエルザお姉ちゃんの姿
「おまえは何も心配するな。私が守ってやる」
「やめろォーー!!」
「おねえ……ちゃ…」
上手く体が動かない。使った覚えはないのに魔力が切れている
ナツさんを守った後、お姉ちゃんはどうなるの…ねぇ
手を伸ばすと誰かに頭をなでられ髪をぐしゃぐしゃにされる
「ノエルは、エルザに少しだけ似ているな」
「え?」
そう聞こえた時にはもうすでにその人、シモンさんは走りだしていた
お姉ちゃんの前にかばうように乗り出してジェラールの攻撃をもろにくらう
「シモン!!」
お姉ちゃんがシモンさんの前に行き涙を流す
頭にはまだねでられた感覚が残っているような気がした
「シモン……さん……」
信じれる人以外で人が死んだところを見るのは初めてじゃない
今までなんとも思わなかったのにどうしてだろう
今回だけはすごく泣きたくなった。貰い泣き…かもしれないけど
ナツさんがすぐに動いてジェラールを殴りエーテリオンの欠片を食べる
その欠片には炎以外の成分も当たり前のように入っていてナツさんが苦しそうにする
それでも立ち上がると体の全身から炎があがりドラゴンの形をつくる
そこからナツさんの連続の攻撃から始まり最終的に煉獄砕破(アビスブレイク)を発動しようとしたジェラールをナツさんがトドメをさした
お姉ちゃんの顔を見て安心したのかナツさんがその場に倒れる
「ナツさんっ!」
なんとか立ち上がりそばに寄る
お姉ちゃんはナツさんを抱きしめ、微かに微笑んだ
でも終わりじゃない
地鳴りのようなものが聞こえところどころから崩壊が始まる
「ここも長くはもたない…か。はやくここから出るぞ、ノエル」
「うん」
お姉ちゃんがナツさんを抱きかかえ崩壊の少ない方へと走る
途中、シモンさんの方を振り向いたけど目を背ける。……ごめんなさい…
その時、塔の形が変形し足が止まる
「くそっ!!ここまでか!!」
お姉ちゃんが膝をつく
確かにこれでは外に出ても巻き込まれる可能性がある
たぶん外にいる人たちにも影響が…
それだけはできるだけ避けたい道だ。誰も傷つかないで脱出する方法があれば…
周りを見渡してるとすっとお姉ちゃんが立ちあがる
「ノエル……ナツを起こしてここから出るんだ」
「お姉ちゃんは?」
聞いてみたけど返ってくるのは儚い笑顔だけ
そしてエーテリオンと向き直る。まさかっ
「待ってっ!」
私の言葉も遅くお姉ちゃんは手を水晶に入れる
そのままどんどん水晶の中へとひきずりこまれていくのを見ることしか出来ない
「お姉ちゃんっ!なんでっ」
「止めるには、これしかないんだ……」
「あるからっ!きっとあるからっ!!」
「エルザッ!!おまえ、何やって…」
いつ目が覚めたのかナツさんがお姉ちゃんに近づく
「ナツ…私は妖精の尻尾なしでは生きていけない。仲間のいない世界など考えることも出来ない。私にとっておまえたちはそれほどに大きな存在なのだ」
そんなの、そんなの……
「私が皆を救えるのなら何も迷うことなどない。この体など…くれてやる!!」
そういって完全に水晶の中に取りこまれる
ナツさんはその水晶を何回も叩くが壊れる気配などない
そんなの……ないよ。なんで……。
なんで“お姉ちゃんまで約束やぶるの”
- Re: FAIARYTAIL 「悪霊憑き」 オリキャラ募集中 ( No.76 )
- 日時: 2013/07/11 21:01
- 名前: 有栖 (ID: Ex8RKlaC)
雨が降る。それも土砂降りの雨が
その中でとあるギルドの仲間が仲間の死に泣いている
そこにいた幽体となった彼女もまた笑顔が見れなく泣いている
こんなのは望んでいない、と泣いている
『 結局は 全部 嘘だったんだね 』
「 違う 私はこんな未来…… 」
『 エルザ お前は一度約束を破ったんだ それを忘れるな 』
「 っ!? シエル? 」
もう決めたことなんだ
誰も信じないって。信じた自分が悪かったんだ
不吉な自分が君のことを信じちゃったから死んじゃったんだ
ごめんね、ごめんね
私はもう消えるから。ここから消えるから
もう誰も信じない。もう二度と信じない
でも誰か、助けて欲しかったな———
「ここは…!?」
浅い海の上でナツがエルザを抱きかかえ立っていた
それにつられるようにルーシィ達がナツ達に近づく
ナツは力つきたようにその場でひざを落とす
「同じだ…」
「え?」
「オレたちだって同じなんだ………二度とこんな事するな…」
「ナツ…」
「するな!!」
「…うん。ナツ…ありがとう」
——そうだ…仲間の為に死ぬのではない。仲間のために生きるのだ——
—それが幸せな未来につながる事だから…—
「——っ!ノエル?」
「あれ?そういえば……ナツ!ノエルちゃんは?」
「!?」
『私は、殺されない』
『本当に…?本当に死なない?』
『あぁ、死なない。約束しよう。だから、信じないなんて悲しいこといわないでくれ』
あぁ、そっか。 “殺されない”
エルザさんはそう言ったんだもんね
約束、破ったもなにもないや……
あはは、ごめんね。私の勘違い
てっきり自分から死ににいくのもなしだと思ってた
私ってバカだから。まだ子供で何にも分からないから
ごめんね すぐに戻るよ、