二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.Gray-man 真赤な薔薇 ( No.123 )
- 日時: 2013/04/14 21:53
- 名前: 有栖 (ID: YZ8dCvQO)
- 参照: 無計画にレイルのイノセンス破壊
第11話 イノセンスの破壊
「ロードの言った通りだな」
“ロード”巻き戻しの街で出会った少女のノア
同じノアなのにロードからは怖いという恐怖がなかった
なのに、なんでこいつの前になって……
「なぁ、もう一度オレらントコ戻って来る気ねーの?そんなイノセンスなんて捨てちまえよ」
一歩、また一歩と近付いてくる
駄目だ。逃げなきゃ………
「なんなら壊してやるぜ?」
はやく……はやく逃げなきゃ………
足に力が入らずに目線をティキに合わせたまま地面に座り込む
こんなことをしていちゃ駄目だ。逃げなきゃ……
「まぁ、今のお前に言っても分からねーか。」
目の前まで来て僕の目の前に座る
それとほぼ同時にイノセンスであるブレスレットが強く光る
「っ!?」
僕はその光を隠すようにして手を背中に回した
「それ、お前のイノセンス?」
だけどすぐに腕を持ってかれる。ブレスレットは光を失う
「なぁ知ってるかよ。イノセンスって壊れるんだぜ。オレ達ノアは。」
不敵に笑ったそいつの顔を見て寒気がした
その瞬間に空が光だし何かが近くに落ちる
そうだ、スーマンとアレンッ
周りを見渡すと丁度近くにアレンがそこに落ちていた
近くに変わり果てたスーマンの姿もある
動こうとして捕まれた腕を強く引っ張られる
「よく見とけよ」
抵抗しようとも完全に怯えきっている体ではどうしようも出来ない
のちにアレンが起き上がりスーマンの様子を見る
僕らの存在には気づいてないようだった。
「どうして…どうして!!」
ここからだとスーマンが生きているかだなんて分からない
アレンの言葉から死んでしまったのかと思ったけど違った。
でも次の瞬間、そのスーマンの体から何かが大量にあふれでた
それは黒い鰈のようなもの
目を見開いた。
腕を離されティキがアレンの方へ行く
僕は動けなかった
ティキとアレンのやり取りをただ見ていることしか出来なかった
アレンが殺される、その瞬間まで動けなかった
逃げようとした僕を手をティキの手が捕まえる
今、握られているその手は“アレンを殺した手”
「次はお前のイノセンスを頂こうか。戻ってきてくれるかどうかはその後だな」
ティキの手に電光のようなものがはしり、僕の片方のブレスレットをゆっくりはずしてゆく
「やめ……ろ……」
- Re: D.Gray-man 真赤な薔薇 ( No.124 )
- 日時: 2013/04/14 22:25
- 名前: 有栖 (ID: YZ8dCvQO)
- 参照: 無計画にレイルのイノセンス破壊
「やめろっ」
強く捕まれた腕は離されることなくブレスレットははずされ強い光とともに破壊された
何日も流していない涙が頬をぬらす
駄目だ、もう片方も壊されたら本当にお仕舞いだ……
なんとかしなきゃ、僕が………自分で……
“ライル兄………っ!”
ライルside
「レイルーッ!!」
竹やぶの中で腕を強引に捕まれぐったりしている“レイル”とティキを見つけた
そこに乱入してナイフでティキの腕を傷つける
切断とまではいかなかったがティキはすぐにレイルから離れた
「聞こえたぜ、テメェの声」
しかしレイルは完全に気を失っている
守るようにして前に立つ
「レイルに何をした」
「おー、怖いねー。まだイノセンスを壊しただけだって」
後ろを見るとレイルのブレスレットは片方だけ確かに壊されていた
大丈夫だ、まだレイルのイノセンスは生きている
可能性はまだある
「残念だったな、完全に壊せてなくて」
「そうだな。でもオレの本来の目的は果たせたし十分だろ。」
本来の目的………?
周りを見渡すと近くにアレンまでもが倒れていた
イノセンスはすでに壊されている
「そうか、本来の目的ってのはアレンのことか」
ティキの方へ向きなおるがそこには誰もいなかった
一気に緊張が解けてその場に座り込む
なんとか間に合った
レイルを仰向けに寝かせアレンの様子を見に行く
周りには西洋カルタがバラまかれていた
これはもう……駄目か。レイルのところへ戻り持ち上げる
さて、アレンはどうするか……
そう考えている内に段々と霧が濃くなってきちまった
- Re: D.Gray-man 真赤な薔薇 ( No.125 )
- 日時: 2013/04/19 18:57
- 名前: 有栖 (ID: YZ8dCvQO)
sideなし
誰もいない竹やぶの中、ラビとリナリーはティムの映像記録を頼りにアレン達を探しに出ていた
そこに、アレンとスマイルはいなくただ血の跡が残っているだけ
しかもライルでさえどこかへ行ったきり戻ってきていなかった
『聞こえるかラビ』
「…何?」
『港へ戻れ、使者が来た』
「使者?」
ラビのゴーレムがそう知らせ、一度港へと戻る
そこには、アジア支部員のウォンが伝言を伝える為に来ていた
「こちらの部隊のアレン・ウォーカー、スマイル・リーは我らが発見し引き取らせて頂きました」
「ライルくんは……?」
「ライル・メアルスは教団本部からの命令でこちらで一時、預かってもらっています」
さっきまで暗かったリナリーの顔が一瞬だけ明るくなる
「じゃあ……」
「あなた方は今すぐ出航なさってください。お二人とは中国でお別れです」
再びリナリーに絶望の色が見られる
しかし、出航する為にもう1人連れてきたミランダの力で船を治し出航する
レイルside
滅多に見たことのないライル兄の眼鏡姿
意外に似合うんだよなぁ……こいつ
「ほらほらー、手が止まってんぞレイル」
「うっせーよっ!」
僕はまた目の前にある片方しかなくなってしまったブレスレットを見る
今、やるべきことはこのブレスレットの改良
半分になってしまった僕のイノセンスはシンクロ率が低いようで上手く操ることが出来なかった
ライル兄は言う。今のこの形は僕に合った形ではない、と
イノセンスを壊され夢を見た。遠い過去の夢
忘れさられた“ライル兄”の夢、教団に入る前の強制的に捕まってしまった前の記憶
それでもまだ全てよみがえる事はない
戻って来たのは楽しかった時間だけで。
頭痛とともに思い出すノアに関しての記憶はなかった
何故、イノセンスが壊れ思い出せたんだろう
僕はまだ知らなかった。ライル兄もまだ知らない。
「ブレスレットの形が一番馴染んでるからな。また形を変えるとなると難しいか」
そう言ったライル兄の顔を見た。
他人の事なのに何故か僕のことだけにはこんなに一生懸命になってくれる
その気持ちも今なら分かるような気がした